

私たちの病歴を勝手にAI開発に渡さないで!改正個人情報保護法の「特例」に歯止めを!
署名活動の主旨
■署名の要約
↓30秒で分かる署名の概要はコチラから!ご視聴・高評価いただけると拡散に繋がります🙇♀️
https://youtube.com/shorts/rjWMozxETpQ?feature=share

2026年の個人情報保護法改正は、7/10に参院で可決・成立しました。
この改正には、病歴・診療情報といった「要配慮個人情報」を、AI開発や統計作成の目的であれば【本人の同意なし】に【第三者へ提供】できる仕組み(統計作成等の特例)が盛り込まれています。
提供先の審査はほとんどなく、氏名や住所を含んだ生データが渡り得るなど、病歴のような機微な情報にとって危険性の大きい制度です。
法案の成立を止めることはもう難しい情勢です。しかし、まだできることがあります。
日本にはすでに、医療データを安全に利活用するための法律「次世代医療基盤法」が存在し、事前通知・オプトアウト・匿名加工・国の認定事業者制度という、今回の特例にはない安全策を備えています。
私たちが求めているのは、医療データのAI開発・統計目的のデータ第三者提供には「事前通知」「拒否権(オプトアウト)」「匿名化/仮名化」を原則とすること。
※以降「3点セット」と呼びます。
その手段として、すでにある次世代医療基盤法のルートを優先することです。
要求は以下の優先順位で設計しています。
①本質である「事前通知・オプトアウト・匿名/仮名化」の実現を最優先とし、手段(次世代医療基盤法)には拘泥せず柔軟に調整する
②実現可能性を重視し、現行法を変えずに対応可能な事項を優先する
③次世代医療基盤法側の課題解決も同時に求める
個人情報保護委員会、および関係省庁に対し、以下を求めます。
【今回の改正の運用ルールで実現を求める内容】
- 医療分野での統計・AI開発では、次世代医療基盤法に基づく枠組みを優先的に活用すること(あるいは3点セットの原則的実現)が望ましい旨をガイドラインに明記すること
- 課徴金の減免要件「相当の注意」の判断において、次世代医療基盤法が使えた(あるいは3点セットが実現できた)のにあえて緩い統計特例を選んだ場合は「相当の注意を怠った」と評価され得ることを明記すること
- 提供に関する情報公開を一元的に集約・公開し、提供したデータ項目を明示すること(次世代医療基盤法を使わない事例が可視化される仕組みとして)
【関連制度の見直しで実現を求める内容】
- 厚生労働省が、保険医療機関に対して次世代医療基盤法の優先活用(あるいは3点セットの原則的実現)を求める通知を発出すること
- 医療系研究の倫理審査委員会の審査基準に、次世代医療基盤法の優先活用(あるいは3点セットの原則的実現)を組み込むこと
【次世代医療基盤法改正で実現を求める内容】
- 通知手続のデジタル化や軽量な認定トラックの検討など、安全性を落とさずに手続き負担を軽くすること
■この署名を、どこに・いつ・どう届けるか
今すぐ〜8月中:団体・有識者への働きかけ
医療系団体・患者様団体など同じ問題意識を持つ団体に署名の状況を共有し、署名の活用を申し込みます。
発起人個人のつながりで、医療情報分野の有識者にもご相談していきます。
2026年秋頃:制度設計への働きかけ(1番の勝負どころ)
個人情報保護委員会・厚生労働省で、政令・委員会規則を詰める検討会・有識者ヒアリングが始まる見通しです。
開始前に団体・有識者へ署名と要望書を再提出し、非公開ヒアリング等での参照を目指します。
パブリックコメント期間:正式な意見として行政記録に残す
2026年末〜2027年頭頃に政令・委員会規則案、2027年夏〜秋頃に医療分野ガイドラインのパブコメが見込まれます。
団体経由の要望に加え、この機会にも署名を提出します。
その後、2028年4月頃に改正法の施行が見込まれます。
※時期はいずれも前回改正(令和2年)のペースに基づく見込みで、確定ではありません。進捗があり次第このページを更新します。
■署名の詳細
●立ち上げの背景
私はこれまで、大きな病院や研究機関で、データ利活用・分析に関わる仕事に携わってきました。
医療データが正しく使われれば、新しい治療法の開発や医療の質の向上につながることを、現場で見てきた一人です。
だからこそ、データ利活用そのものを否定するつもりはありません。
しかし、今回の改正内容を知り、看過できないと感じました。
現場の皆様は「患者様の命と安全を守る」という医の倫理に基づいて、これまで厳格なデータ管理に取り組まれてきました。
今回の改正による例外追加は、その努力を毀損し、患者様と医療機関の関係性を揺るがしかねないと感じたからです。
●この特例は、病歴データにとって特に危険です
現在、病歴・診療歴などの「要配慮個人情報」を第三者に提供する場合、原則として本人の同意が必要です。
今回の改正では、「統計作成等」(AIの学習・開発を含む)という目的であれば、次の条件を満たせば【本人の同意なしに】提供できるようになります。
- 提供する側・受け取る側それぞれが、自社の名称や統計作成等の内容をインターネット等で「公表」していること
- 提供先が、公表した目的の範囲内でしかデータを扱わないこと
「公表」があるから安心と思われるかもしれませんが、実際には各事業者が自社サイトの片隅に載せるだけで、患者本人が気づき提供を止める機会は実質的に失われます。ほとんどの人にとって「知らないうちに終わっている」状態になりかねません。
また、提供される情報は最終的な「統計情報」そのものではなく、提供元から提供先に渡る元データの段階では、氏名や住所が含まれたままのケースもあり得ます。個人を特定できない形に加工されるのは、あくまで最終成果物の段階です。
●医療データには「事前通知」「拒否権」「匿名化」の3点セットが必要です
私は、医療データの利活用そのものには反対していません。
むしろ、正しく使われれば、新しい治療法の開発や、より多くの患者様を救うことにつながる、大切な営みだと考えています。
だからこそ、医療データについては、「事前通知」「拒否権」「匿名化」という3点セットが原則として担保されるべきだと考えています。
「使ってから公表する」ではなく、「使う前に伝え、拒否権を担保し、個人が特定できない形にする」——この順番でなければ、患者様の信頼を得ることはできません。
この3点セットの必要性は、署名にご賛同いただいた患者様ご自身の声からも、はっきりと伝わってきます。
- 自分の診察・検査データが第三者に提供される可能性があるなら、もう、患部を見せたくない
- (指定難病を患う当事者として)医療の発展のために情報共有が円滑になること自体には賛成したい。多くの苦しんでいる人が医療の恩恵を受けられるなら、反対する理由はない。
ただ、匿名性や本人確認の担保がないまま情報が扱われることだけが、どうしても心配だ。自分のような立場の人が、これによって差別を受けることだけは、絶対にあってはならない。 - (発達特性を持つ当事者として)病歴を含む個人情報が、本人の知らないところで無断で第三者に渡ることに、強く反対します
これらの声に共通しているのは、「データ利活用そのものへの反対」ではなく、「事前通知・拒否権・匿名化のないまま進むことへの不安」です。
この3点セットさえ担保されれば、医療の発展のためにデータが役立つことを歓迎する患者様も少なくありません。
また、本改正は「患者と医療者の信頼関係」の基盤を揺るがしかねません。
患者様がデータの記録や検査の実施を拒否するなど、診療自体への影響が懸念されます。
特に患者様の語りを診療の中心とする精神科領域では、影響が甚大です。
「事後公表」がどんなに誠実であっても患者様の不安は解決できず、「事前通知」「拒否権」「匿名化」が保証されない限り、不安は解消されません。
この不安は、医療現場に「データ記録自体の拒否希望への対応」という新たな業務負荷を生み、ただでさえ人手不足の現場や、患者様の待ち時間にも影響しかねません。
●なぜ要配慮個人情報の第三者提供はここまで危険なのか
取り返しがつきません:
一度どこかに渡ってしまえば、後から「やっぱり嫌だ」と撤回することは事実上できません。
提供先の審査が、既存の医療データ利活用制度に比べてかなり緩やかです:
次世代医療基盤法では、匿名加工を担う事業者は国の認定を受けた「認定匿名加工医療情報作成事業者」に限られ、厳格な審査があります。ところが今回の特例は、提供先に国の認定や資格を求めておらず、「公表」と「契約」があれば足ります。提供先の所在地にも制限がなく、海外の事業者や個人事業主が対象になり得ます。
懸念される悪用例:
「表向きはAI開発目的でデータを受け取りつつ、内部の担当者が特定の個人(著名人等)のレコードを検索し、氏名から住所や要配慮個人情報を抜き出す」
「漏洩したデータから認知症患者のリストを作成し、特殊詐欺に悪用する」。
こうした行為は法律上禁止されていますが、内部での不正なレコード検索は通常業務と外形上区別がつかず、検知は極めて困難です。
悪意がなくても、漏洩リスクは常にあります。:
サイバー攻撃やヒューマンエラーによる情報漏洩を完全には防げません。
特にAI開発を担う企業には、厳格なセキュリティ体制の構築や監査が難しい新興企業・海外企業も多く含まれます。
漏洩・悪用されれば、個人の人生に直接影響しかねません。:
精神疾患の通院歴が転職活動で不利に働く、犯罪被害の経験が二次被害につながる、感染症の既往歴が偏見を招く——こうしたことが起こり得ます。
●海外はもっと慎重です
「同意なくデータを使える仕組み」自体はEUやアメリカにも存在しますが、中身は大きく異なります。
・EU(GDPR・EHDS):可能な限り匿名化・仮名化を優先し、識別可能なデータを扱えるのは目的達成に必要な場合に限られます。EHDS(欧州健康データスペース)では、二次利用への本人のオプトアウト権や、独立審査機関(Health Data Access Body)の許可制度が明記されています。
・米国(HIPAA):識別可能な医療情報を同意なく渡す方法は限られ、独立した倫理審査委員会(IRB)の個別審査が必要です。同意なしの代替手段(限定データセット)でも氏名・番地は必ず除外されます。
つまりEU・米国とも「識別可能なデータはなるべく避け、渡す場合も独立した第三者機関が審査する」という二段構えです。
日本の新制度では、この2つの要素が十分ではありません。
●成立を止めるのは難しい。それでも、まだできることがあります
ここまで読むと、絶望的な気持ちになるかもしれません。すでに衆参両院で法案が可決された今、法案成立を止めるのは、正直なところ極めて厳しい情勢です。
ですが、たとえ成立しても、この特例が実際にどう運用されるかは、これから策定される政令・委員会規則・ガイドラインで決まります。 ここには、まだ声を届ける余地が残っています。
そして何より重要なのは、この問題を解決するためのピースは、実はもうすでに日本に存在しているということです
●すでにある解決策——次世代医療基盤法
日本にはすでに、医療データを安全に利活用するための専用の法律「次世代医療基盤法」があります。これは、医療情報を匿名加工して研究・AI開発に役立てるための仕組みで、私たちが求めている「事前通知」「同意取得」「匿名化」の3点セットに、次のような形ですでに答えを持っています。
- 事前通知:医療機関は、認定事業者へのデータ提供に先立ち、患者様に提供内容を通知・公表します。「知らないうちに終わっている」ということがありません
- 同意取得に準ずる、拒否できる権利(オプトアウト):完全な同意取得(オプトイン)ではありませんが、患者様が拒否すれば、その情報は提供対象から外れます。事前に知らされた上で「NO」と言える機会が保障されている点は、事後公表しかない統計特例とは決定的に違います
- 匿名/仮名加工:識別可能な形のまま渡ることはありません
- 国の認定を受けた事業者への限定:厳格な審査を受けた「認定匿名加工医療情報作成事業者」しか、データを受け取れません
つまり、今回の統計作成等の特例が抱える弱点——事前通知がない、同意取得(拒否権)がない、匿名化されない、提供先の審査がない——のすべてに、次世代医療基盤法はすでに答えを持っているのです。
●私たちが求めること
問題は、今回の改正で、事業者がこの安全な仕組みをわざわざ使う理由がなくなってしまうことです。
次世代医療基盤法は認定事業者制や匿名加工などコストがかかりますが、統計特例は「公表するだけ」で済みます。
合理的な事業者ほど緩い方に流れ、せっかくの安全な仕組みが使われなくなりかねません。
そこで、「医療データをAI開発・統計利用する場合は次世代医療基盤法のルートを基本とする」運用を、これから決まる規則・ガイドラインで実現したいと考えています。
※3点セットの実現が最優先であり、次世代医療基盤法という手段自体には拘泥せず柔軟に調整します
なお次世代医療基盤法にも課題(安全管理コスト、ベンチャー企業にとっての参入障壁の高さ等)があり、患者の権利保護を大原則としつつ時代に合わせた改正を求めることが、真の活用につながります。
目指す運用の骨格は二段構えです。
①次世代医療基盤法が使えるか検討することを原則とする。
②やむを得ず統計特例を使う場合も、次世代医療基盤法をなぜ選ばなかったかを公表する(説明責任)。この説明責任と課徴金の「相当の注意」の判断を連動させ、法改正なしに事実上の誘導力を持たせます。
実現の道筋が異なるため、以下の3つに分けて要請します。
【①今回の改正の運用ルールに、今すぐ盛り込むこと】
- 課徴金の「相当の注意」の判断基準に、次世代医療基盤法の優先活用(あるいは3点セットの原則的実現)を明記すること
- 統計特例を利用する場合、次世代医療基盤法(あるいは3点セット)を実現できなかった理由の説明を公表事項に含めるよう義務づけること
- 提供に関する情報公開を、個人情報保護委員会が一元的に集約・公開すること
- 公表事項として、提供したデータ項目(要配慮個人情報・氏名・住所の有無)を明示すること
今後の課題として:本来は次世代医療基盤法の利用可能性を統計特例の法的要件そのものに組み込むことが望ましいですが、法改正が必要なため今回は実現できません。次の3年ごと見直しに向けて引き続き提起します。
【②関連制度の見直しにあわせて、求めること】
- 医療系研究の倫理審査委員会の審査基準に、次世代医療基盤法の優先活用(あるいは3点セットの原則的実現)を組み込むこと
- 厚生労働省が、保険医療機関に対して次世代医療基盤法の優先活用(あるいは3点セットの原則的実現)を求める通知を発出すること
(療養担当規則の掲示義務の活用)
【③次世代医療基盤法の見直しで、検討を求めること】
- 患者への通知・公表手続きのデジタル化を徹底すること
- AI開発・統計目的に限定した、より軽量な認定基準(簡易トラック)を検討すること
- 中小病院が共同で認定事業者を利用する際の手続きを簡略化すること
● 最後に
医療データの活用は、これからの医療の発展に欠かせないものだと私は信じています。
だからこそ、患者の信頼を損なわない形で制度が運用されることが、遠回りのようで一番の近道だと思います。
この署名は、「自分の病歴がどう扱われるか、自分で選べる仕組みであってほしい」という、ごく当たり前の願いを可視化するためのものです。
法案の成立はもう止められないかもしれませんが、幸い、それを解決する道具はすでに日本にあります。あとは、その道具をきちんと使わせる仕組みを、私たちの声で作るだけです。
賛同いただける方は、ぜひ署名や拡散にご協力をお願いいたします。
●署名発起人について
私は医療情報に関わる仕事をしています。 大きな病院や研究所で、医療データを使った新規事業創出や研究のご支援に携わってきました。
より良い社会のために、自分に出来ることをしたいという思いで、個人として、複数の署名活動を立ち上げてきました。
【日本アニメ・漫画の政治/軍事的利用に関する抗議の署名】
BBCやNewYorkTimesなどの国際報道機関に取り上げていただくなどの成果に繋がりました。
https://www.change.org/ProtectManga
【私たちの病歴データを勝手に渡さないで!改正個人情報保護法の特例に歯止めを!】
署名開始から4日で3万筆達成。ロビー活動に向け、現在、関係団体とコンタクトを進めています。
https://www.change.org/ProtectPersonalData

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署名活動の主旨
■署名の要約
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https://youtube.com/shorts/rjWMozxETpQ?feature=share

2026年の個人情報保護法改正は、7/10に参院で可決・成立しました。
この改正には、病歴・診療情報といった「要配慮個人情報」を、AI開発や統計作成の目的であれば【本人の同意なし】に【第三者へ提供】できる仕組み(統計作成等の特例)が盛り込まれています。
提供先の審査はほとんどなく、氏名や住所を含んだ生データが渡り得るなど、病歴のような機微な情報にとって危険性の大きい制度です。
法案の成立を止めることはもう難しい情勢です。しかし、まだできることがあります。
日本にはすでに、医療データを安全に利活用するための法律「次世代医療基盤法」が存在し、事前通知・オプトアウト・匿名加工・国の認定事業者制度という、今回の特例にはない安全策を備えています。
私たちが求めているのは、医療データのAI開発・統計目的のデータ第三者提供には「事前通知」「拒否権(オプトアウト)」「匿名化/仮名化」を原則とすること。
※以降「3点セット」と呼びます。
その手段として、すでにある次世代医療基盤法のルートを優先することです。
要求は以下の優先順位で設計しています。
①本質である「事前通知・オプトアウト・匿名/仮名化」の実現を最優先とし、手段(次世代医療基盤法)には拘泥せず柔軟に調整する
②実現可能性を重視し、現行法を変えずに対応可能な事項を優先する
③次世代医療基盤法側の課題解決も同時に求める
個人情報保護委員会、および関係省庁に対し、以下を求めます。
【今回の改正の運用ルールで実現を求める内容】
- 医療分野での統計・AI開発では、次世代医療基盤法に基づく枠組みを優先的に活用すること(あるいは3点セットの原則的実現)が望ましい旨をガイドラインに明記すること
- 課徴金の減免要件「相当の注意」の判断において、次世代医療基盤法が使えた(あるいは3点セットが実現できた)のにあえて緩い統計特例を選んだ場合は「相当の注意を怠った」と評価され得ることを明記すること
- 提供に関する情報公開を一元的に集約・公開し、提供したデータ項目を明示すること(次世代医療基盤法を使わない事例が可視化される仕組みとして)
【関連制度の見直しで実現を求める内容】
- 厚生労働省が、保険医療機関に対して次世代医療基盤法の優先活用(あるいは3点セットの原則的実現)を求める通知を発出すること
- 医療系研究の倫理審査委員会の審査基準に、次世代医療基盤法の優先活用(あるいは3点セットの原則的実現)を組み込むこと
【次世代医療基盤法改正で実現を求める内容】
- 通知手続のデジタル化や軽量な認定トラックの検討など、安全性を落とさずに手続き負担を軽くすること
■この署名を、どこに・いつ・どう届けるか
今すぐ〜8月中:団体・有識者への働きかけ
医療系団体・患者様団体など同じ問題意識を持つ団体に署名の状況を共有し、署名の活用を申し込みます。
発起人個人のつながりで、医療情報分野の有識者にもご相談していきます。
2026年秋頃:制度設計への働きかけ(1番の勝負どころ)
個人情報保護委員会・厚生労働省で、政令・委員会規則を詰める検討会・有識者ヒアリングが始まる見通しです。
開始前に団体・有識者へ署名と要望書を再提出し、非公開ヒアリング等での参照を目指します。
パブリックコメント期間:正式な意見として行政記録に残す
2026年末〜2027年頭頃に政令・委員会規則案、2027年夏〜秋頃に医療分野ガイドラインのパブコメが見込まれます。
団体経由の要望に加え、この機会にも署名を提出します。
その後、2028年4月頃に改正法の施行が見込まれます。
※時期はいずれも前回改正(令和2年)のペースに基づく見込みで、確定ではありません。進捗があり次第このページを更新します。
■署名の詳細
●立ち上げの背景
私はこれまで、大きな病院や研究機関で、データ利活用・分析に関わる仕事に携わってきました。
医療データが正しく使われれば、新しい治療法の開発や医療の質の向上につながることを、現場で見てきた一人です。
だからこそ、データ利活用そのものを否定するつもりはありません。
しかし、今回の改正内容を知り、看過できないと感じました。
現場の皆様は「患者様の命と安全を守る」という医の倫理に基づいて、これまで厳格なデータ管理に取り組まれてきました。
今回の改正による例外追加は、その努力を毀損し、患者様と医療機関の関係性を揺るがしかねないと感じたからです。
●この特例は、病歴データにとって特に危険です
現在、病歴・診療歴などの「要配慮個人情報」を第三者に提供する場合、原則として本人の同意が必要です。
今回の改正では、「統計作成等」(AIの学習・開発を含む)という目的であれば、次の条件を満たせば【本人の同意なしに】提供できるようになります。
- 提供する側・受け取る側それぞれが、自社の名称や統計作成等の内容をインターネット等で「公表」していること
- 提供先が、公表した目的の範囲内でしかデータを扱わないこと
「公表」があるから安心と思われるかもしれませんが、実際には各事業者が自社サイトの片隅に載せるだけで、患者本人が気づき提供を止める機会は実質的に失われます。ほとんどの人にとって「知らないうちに終わっている」状態になりかねません。
また、提供される情報は最終的な「統計情報」そのものではなく、提供元から提供先に渡る元データの段階では、氏名や住所が含まれたままのケースもあり得ます。個人を特定できない形に加工されるのは、あくまで最終成果物の段階です。
●医療データには「事前通知」「拒否権」「匿名化」の3点セットが必要です
私は、医療データの利活用そのものには反対していません。
むしろ、正しく使われれば、新しい治療法の開発や、より多くの患者様を救うことにつながる、大切な営みだと考えています。
だからこそ、医療データについては、「事前通知」「拒否権」「匿名化」という3点セットが原則として担保されるべきだと考えています。
「使ってから公表する」ではなく、「使う前に伝え、拒否権を担保し、個人が特定できない形にする」——この順番でなければ、患者様の信頼を得ることはできません。
この3点セットの必要性は、署名にご賛同いただいた患者様ご自身の声からも、はっきりと伝わってきます。
- 自分の診察・検査データが第三者に提供される可能性があるなら、もう、患部を見せたくない
- (指定難病を患う当事者として)医療の発展のために情報共有が円滑になること自体には賛成したい。多くの苦しんでいる人が医療の恩恵を受けられるなら、反対する理由はない。
ただ、匿名性や本人確認の担保がないまま情報が扱われることだけが、どうしても心配だ。自分のような立場の人が、これによって差別を受けることだけは、絶対にあってはならない。 - (発達特性を持つ当事者として)病歴を含む個人情報が、本人の知らないところで無断で第三者に渡ることに、強く反対します
これらの声に共通しているのは、「データ利活用そのものへの反対」ではなく、「事前通知・拒否権・匿名化のないまま進むことへの不安」です。
この3点セットさえ担保されれば、医療の発展のためにデータが役立つことを歓迎する患者様も少なくありません。
また、本改正は「患者と医療者の信頼関係」の基盤を揺るがしかねません。
患者様がデータの記録や検査の実施を拒否するなど、診療自体への影響が懸念されます。
特に患者様の語りを診療の中心とする精神科領域では、影響が甚大です。
「事後公表」がどんなに誠実であっても患者様の不安は解決できず、「事前通知」「拒否権」「匿名化」が保証されない限り、不安は解消されません。
この不安は、医療現場に「データ記録自体の拒否希望への対応」という新たな業務負荷を生み、ただでさえ人手不足の現場や、患者様の待ち時間にも影響しかねません。
●なぜ要配慮個人情報の第三者提供はここまで危険なのか
取り返しがつきません:
一度どこかに渡ってしまえば、後から「やっぱり嫌だ」と撤回することは事実上できません。
提供先の審査が、既存の医療データ利活用制度に比べてかなり緩やかです:
次世代医療基盤法では、匿名加工を担う事業者は国の認定を受けた「認定匿名加工医療情報作成事業者」に限られ、厳格な審査があります。ところが今回の特例は、提供先に国の認定や資格を求めておらず、「公表」と「契約」があれば足ります。提供先の所在地にも制限がなく、海外の事業者や個人事業主が対象になり得ます。
懸念される悪用例:
「表向きはAI開発目的でデータを受け取りつつ、内部の担当者が特定の個人(著名人等)のレコードを検索し、氏名から住所や要配慮個人情報を抜き出す」
「漏洩したデータから認知症患者のリストを作成し、特殊詐欺に悪用する」。
こうした行為は法律上禁止されていますが、内部での不正なレコード検索は通常業務と外形上区別がつかず、検知は極めて困難です。
悪意がなくても、漏洩リスクは常にあります。:
サイバー攻撃やヒューマンエラーによる情報漏洩を完全には防げません。
特にAI開発を担う企業には、厳格なセキュリティ体制の構築や監査が難しい新興企業・海外企業も多く含まれます。
漏洩・悪用されれば、個人の人生に直接影響しかねません。:
精神疾患の通院歴が転職活動で不利に働く、犯罪被害の経験が二次被害につながる、感染症の既往歴が偏見を招く——こうしたことが起こり得ます。
●海外はもっと慎重です
「同意なくデータを使える仕組み」自体はEUやアメリカにも存在しますが、中身は大きく異なります。
・EU(GDPR・EHDS):可能な限り匿名化・仮名化を優先し、識別可能なデータを扱えるのは目的達成に必要な場合に限られます。EHDS(欧州健康データスペース)では、二次利用への本人のオプトアウト権や、独立審査機関(Health Data Access Body)の許可制度が明記されています。
・米国(HIPAA):識別可能な医療情報を同意なく渡す方法は限られ、独立した倫理審査委員会(IRB)の個別審査が必要です。同意なしの代替手段(限定データセット)でも氏名・番地は必ず除外されます。
つまりEU・米国とも「識別可能なデータはなるべく避け、渡す場合も独立した第三者機関が審査する」という二段構えです。
日本の新制度では、この2つの要素が十分ではありません。
●成立を止めるのは難しい。それでも、まだできることがあります
ここまで読むと、絶望的な気持ちになるかもしれません。すでに衆参両院で法案が可決された今、法案成立を止めるのは、正直なところ極めて厳しい情勢です。
ですが、たとえ成立しても、この特例が実際にどう運用されるかは、これから策定される政令・委員会規則・ガイドラインで決まります。 ここには、まだ声を届ける余地が残っています。
そして何より重要なのは、この問題を解決するためのピースは、実はもうすでに日本に存在しているということです
●すでにある解決策——次世代医療基盤法
日本にはすでに、医療データを安全に利活用するための専用の法律「次世代医療基盤法」があります。これは、医療情報を匿名加工して研究・AI開発に役立てるための仕組みで、私たちが求めている「事前通知」「同意取得」「匿名化」の3点セットに、次のような形ですでに答えを持っています。
- 事前通知:医療機関は、認定事業者へのデータ提供に先立ち、患者様に提供内容を通知・公表します。「知らないうちに終わっている」ということがありません
- 同意取得に準ずる、拒否できる権利(オプトアウト):完全な同意取得(オプトイン)ではありませんが、患者様が拒否すれば、その情報は提供対象から外れます。事前に知らされた上で「NO」と言える機会が保障されている点は、事後公表しかない統計特例とは決定的に違います
- 匿名/仮名加工:識別可能な形のまま渡ることはありません
- 国の認定を受けた事業者への限定:厳格な審査を受けた「認定匿名加工医療情報作成事業者」しか、データを受け取れません
つまり、今回の統計作成等の特例が抱える弱点——事前通知がない、同意取得(拒否権)がない、匿名化されない、提供先の審査がない——のすべてに、次世代医療基盤法はすでに答えを持っているのです。
●私たちが求めること
問題は、今回の改正で、事業者がこの安全な仕組みをわざわざ使う理由がなくなってしまうことです。
次世代医療基盤法は認定事業者制や匿名加工などコストがかかりますが、統計特例は「公表するだけ」で済みます。
合理的な事業者ほど緩い方に流れ、せっかくの安全な仕組みが使われなくなりかねません。
そこで、「医療データをAI開発・統計利用する場合は次世代医療基盤法のルートを基本とする」運用を、これから決まる規則・ガイドラインで実現したいと考えています。
※3点セットの実現が最優先であり、次世代医療基盤法という手段自体には拘泥せず柔軟に調整します
なお次世代医療基盤法にも課題(安全管理コスト、ベンチャー企業にとっての参入障壁の高さ等)があり、患者の権利保護を大原則としつつ時代に合わせた改正を求めることが、真の活用につながります。
目指す運用の骨格は二段構えです。
①次世代医療基盤法が使えるか検討することを原則とする。
②やむを得ず統計特例を使う場合も、次世代医療基盤法をなぜ選ばなかったかを公表する(説明責任)。この説明責任と課徴金の「相当の注意」の判断を連動させ、法改正なしに事実上の誘導力を持たせます。
実現の道筋が異なるため、以下の3つに分けて要請します。
【①今回の改正の運用ルールに、今すぐ盛り込むこと】
- 課徴金の「相当の注意」の判断基準に、次世代医療基盤法の優先活用(あるいは3点セットの原則的実現)を明記すること
- 統計特例を利用する場合、次世代医療基盤法(あるいは3点セット)を実現できなかった理由の説明を公表事項に含めるよう義務づけること
- 提供に関する情報公開を、個人情報保護委員会が一元的に集約・公開すること
- 公表事項として、提供したデータ項目(要配慮個人情報・氏名・住所の有無)を明示すること
今後の課題として:本来は次世代医療基盤法の利用可能性を統計特例の法的要件そのものに組み込むことが望ましいですが、法改正が必要なため今回は実現できません。次の3年ごと見直しに向けて引き続き提起します。
【②関連制度の見直しにあわせて、求めること】
- 医療系研究の倫理審査委員会の審査基準に、次世代医療基盤法の優先活用(あるいは3点セットの原則的実現)を組み込むこと
- 厚生労働省が、保険医療機関に対して次世代医療基盤法の優先活用(あるいは3点セットの原則的実現)を求める通知を発出すること
(療養担当規則の掲示義務の活用)
【③次世代医療基盤法の見直しで、検討を求めること】
- 患者への通知・公表手続きのデジタル化を徹底すること
- AI開発・統計目的に限定した、より軽量な認定基準(簡易トラック)を検討すること
- 中小病院が共同で認定事業者を利用する際の手続きを簡略化すること
● 最後に
医療データの活用は、これからの医療の発展に欠かせないものだと私は信じています。
だからこそ、患者の信頼を損なわない形で制度が運用されることが、遠回りのようで一番の近道だと思います。
この署名は、「自分の病歴がどう扱われるか、自分で選べる仕組みであってほしい」という、ごく当たり前の願いを可視化するためのものです。
法案の成立はもう止められないかもしれませんが、幸い、それを解決する道具はすでに日本にあります。あとは、その道具をきちんと使わせる仕組みを、私たちの声で作るだけです。
賛同いただける方は、ぜひ署名や拡散にご協力をお願いいたします。
●署名発起人について
私は医療情報に関わる仕事をしています。 大きな病院や研究所で、医療データを使った新規事業創出や研究のご支援に携わってきました。
より良い社会のために、自分に出来ることをしたいという思いで、個人として、複数の署名活動を立ち上げてきました。
【日本アニメ・漫画の政治/軍事的利用に関する抗議の署名】
BBCやNewYorkTimesなどの国際報道機関に取り上げていただくなどの成果に繋がりました。
https://www.change.org/ProtectManga
【私たちの病歴データを勝手に渡さないで!改正個人情報保護法の特例に歯止めを!】
署名開始から4日で3万筆達成。ロビー活動に向け、現在、関係団体とコンタクトを進めています。
https://www.change.org/ProtectPersonalData

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2026年7月9日に作成されたオンライン署名