Petition update逢坂保育園の休園撤回と大津の保育拡充を求めます請願の趣旨説明 2024年12月12日(木)
青木 美智子滋賀県大津市, Japan
Dec 14, 2024

2024年12月12日(木)14時30分~、大津市議会 教育厚生委員会にて、逢坂保育園の休園撤回と保育士確保を求める請願の趣旨説明を行いました。

YouTube大津市議会委員会チャンネル 

R6.12.12 教育厚生常任委員会② 1:27:12~1:53:30

https://www.youtube.com/live/Sm1uuTqQWsc?si=PHHy6Cq7RmKTVfnF

請願の趣旨説明に当たっては、請願に賛同する多くの方々のご助言をいただきました。

  • 冒頭では、皆様からの署名がついに「6028筆、うち大津市民3180筆」に達したことを報告し、さらにこの請願の趣旨を端的に表すものとして、京都新聞「凡語」(10/21付)から「トロッコ問題」を引用させていただきながら、本件がいかに社会的問題として注目を集めているかを示しました。
  • 今回の突然の休園決定は、当事者の意見を聴取する機会も設けられておらず、このことが、「こども基本法」「子どもの権利条約」における子どもの意見表明権をないがしろにするものである点を指摘しました。
  • 中川てつや市議は「休園の決定に当たって地域住民などの声を聞かなかったことは、重大な政策決定過程の瑕疵である」とご指摘くださいました。
  • 柏木けい子市議は「今回の休園は、大津市における保育行政の後退に繋がってしまう」
  • 大津市福祉部小野部長「異例のプロセスであったことは反省しています。今後このような大きな決定をする際は、地域住民のお声、当然ながら在園、関係する方々などのお声をきちんと聞いていきたい。」

市議会はいまからでもこの「異例のプロセス」を見直し、「適切なプロセス」へと変更することが可能なはずです。

委員会では残念ながら否決されましたが、12月23日(月)の本会議で採決があります。

 

以下は請願の趣旨説明全文です。

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市議の皆様、本日はお時間をいただきありがとうございます。私は「大津の保育を充実する会」代表の青木美智子と申します。隣におりますのは事務局長の服部です。

本日は、逢坂保育園の休園撤回と公立保育士の確保について訴えるため、この場に立っております。私どもの呼びかけに賛同する署名が6028筆、うち大津市民3180筆に達し、先ほど市長にお渡ししてきました。この6028という数字の大きさは、この問題に対する人々の関心の高さを示しています。 
 
はじめに、2024年10月21日付け京都新聞のコラム「凡語」から引用させていただきたいと思います。この請願の趣旨を端的に表しているからです。そして、新聞各紙報道を含め、一般社会が本件をどのように見ているかを表すものだからです。 
タイトルは「トロッコ問題」です。 
 
頭の中で考える思考実験に「トロッコ問題」がある。暴走したトロッコが向かう先には5人がおり、ポイントで別の線路に切り替えられるが、その先には1人がいるとの設定だ▼英国出身の哲学者が考え、人気番組「ハーバード白熱教室」で取り上げられた。5人を救うため1人を犠牲にするか、それとも…▼大津市は今春、希望しても認可保育所などに入れない待機児童が184人に上り、全国で最多になった。マンション住民らが急増する中、保育施設で保育士不足になっているという。その対策で、一つの保育園を来年3月末で休園し、保育士を他に配置することにした▼急な決定に驚いたのは保護者たちだ。9月の時点で園児17人が通っており、来春以降は7人が転園を余儀なくされる。8月の入園直後に知ったケースもあった▼市はこの措置で園児の受け入れ数を20~40人分増やせると試算するが、他の方法はなかったのか。保護者一人一人の働き方や生活設計への影響に思いを至らせてほしい▼専門家が「本気で解消するなら、保育園を二つ建てないといけない」と指摘する規模だ。子育て世代が流入する大津市全体のまちづくりとして考える問題だろう。誰かを犠牲にするのは思考実験の設定だけにして、誰もを救う解決策を探らなければいけない。 
 
 引用は以上です。 
 
このコラムでは「トロッコ問題」の思考実験を引用し、大津市の保育政策の選択が誰かを救うために誰かを犠牲にするという形になっていることを指摘しています。「トロッコ問題」は思考実験ゆえに誰かを生かすために犠牲を出すという選択をせざるを得ませんが、現実社会においては、まずは誰も犠牲にならない道を探すべきなのは明白です。 
待機児童対策という課題の重要性は理解しますが、現在逢坂保育園に通う園児やその家族の負担、さらには子どもたちの心理的ストレスを軽視した決定は、撤回されなければなりません。 
 
まず、逢坂保育園の休園に至るプロセスについて、問題点を指摘いたします。 
今年7月、年度の途中にもかかわらず、突然休園が決定されました。そして、その決定は保護者に対して「決まったこと」として一方的に伝えられたのです。 これに対し、11人の保護者が佐藤市長に「休園決定のプロセスを見直し、事前に保護者や園の意見を聞く場を設けるべき」と要望を出しました。 
 
ここで、2023年に施行された「こども基本法」をご紹介します。この法律の第三条三項には、「すべてのこどもについて、その年齢および発達の程度に応じて、自己に直接関係するすべての事項に関して意見を表明する機会を確保すること」と明記されています。 
さらに、この理念は、日本が批准している「子どもの権利条約」第12条にも反映されています。この条約では、子どもの意見表明権について規定しており、「子どもが直接、または代理人や適切な団体を通じて意見を述べる機会を与えられるべき」としています。 
さて、逢坂保育園の休園決定について考えてみてください。この休園という判断は、在園児の生活そのものに直結する重大な問題です。したがって、市は休園を決める前に、当事者である在園児の意見表明を聴取する場を設けるべきでした。しかし実際には、保護者への説明がなされたのは、すでに市の態度が決定した後のことでした。 
このような対応は、「こども基本法」および「子どもの権利条約」の理念や規定に明らかに反していると言わざるを得ません。 
 
次に、逢坂保育園の休園によって引き起こされる問題についてお話しします。 
待機児童対策として8人の保育士を再配置し、23名の新たな受け入れを実現するという市の説明。その表面上の数値は、一見効果的に思えるかもしれません。しかし、その裏には、すでに逢坂保育園に通う子どもたちやその保護者の生活に深刻な影響を及ぼしている現実があります。  
今年4月に入園したばかりの1歳児の母親が、「子育てしやすい街を期待して大阪から引っ越してきた。あまりにも急で残酷な決定で、せめてあと1年延期してほしい」と語った心情、皆様の胸にも響いたことでしょう。このような急な決定が保護者に与える負担、子どもたちの環境変化による心理的ストレスを、どうか軽視しないでいただきたいのです。  
  
続いて、公立保育士の確保についてお話しいたします。 
大津市の公立保育士数は、2016年に299人だったものが、2024年には225人へと減少しています。この8年間で74人、実に25%もの減少となっています。このままでは、逢坂保育園の休園のような「場当たり的な休園と職員の再配置」を繰り返すしかなくなり、そのたびに、市民からの信頼が失われていくでしょう。 
なぜここまで保育士が減少しているのでしょうか。その主な理由のひとつに、公立保育士の処遇改善が不十分である点が挙げられます。この問題に対処するためには、処遇の改善に加え、段階的な採用増加や年度途中採用といった柔軟な施策を取り入れ、少なくとも8年前の水準まで保育士数を回復させる必要があります。 
また、逢坂保育園の休園問題に関連して、市は待機児童解消のため、民間の小規模保育事業所の新設を認可しています。しかし、この保育士不足の状況下で、なぜ民間なら保育士を確保でき、新設が可能と判断できたのでしょうか。このことは、大津市が「公立保育所の待遇では保育士を確保するのが困難だが、民間保育所の待遇であれば可能だ」と考えているのではないかと推測されます。もしそうであるならば、公立保育士の処遇改善は、まさに喫緊の課題と言えます。 
 
大津市は中核市として、保育所を含む福祉事業所の監査を実施しています。この監査では、職員の確保状況や経営状況も把握しているはずです。もし、民間保育園において保育士確保の面で優れた取り組みがあるのであれば、それを参考にして、公立保育所にも同様の条件整備を早急に進めるべきではないでしょうか。 
  
市議の皆様にお願い申し上げます。  
どうか、ここで止まらずにさらに想いを深めてください。そして、市民の未来である子どもたちに安心安全な保育を提供できる、安定的で持続可能な保育政策をともに実現していただきたいのです。  
逢坂保育園の休園撤回と、公立保育士の確保と処遇改善、そして増員計画の立案。この請願が採択されることを強く願い、私の趣旨説明を終えます。 
ありがとうございました。 

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