Petition update私たちの電気代で問題だらけのパーム油発電ビジネスを促進するのは止めて下さい!「熱帯林をバイオマス発電のために燃やさないで! 〜東京ガス・阪和興業はスラウェシ島の天然林を破壊する木質ペレットの使用をやめてください 〜」にご署名・ご協力ください!
ウータン・ 森と生活を考える会大阪, Japan
Dec 4, 2025

ウータン・森と生活を考える会の石崎です。

このたび、輸入木質バイオマス発電の中でも、インドネシアの天然林破壊につながる東京ガスと阪和興業のバイオマス発電事業をやめるように求めるオンライン署名「熱帯林をバイオマス発電のために燃やさないで! ~東京ガス・阪和興業はスラウェシ島の天然林を破壊する木質ペレットの使用をやめてください ~」を開始しました。

署名はこちら: https://c.org/Bhh5f9NVgc

スラウェシ島の熱帯林には、世界でここにしかいない希少な動物たちが暮らしています。私たちが使う電気のために、豊かな森と生き物の命を犠牲にしないための署名とシェアにご協力いただけますと幸いです!

【署名の詳細】

「熱帯林をバイオマス発電のために燃やさないで! ~東京ガス・阪和興業はスラウェシ島の天然林を破壊する木質ペレットの使用をやめてください ~」

https://c.org/Bhh5f9NVgc

   

\\\署名の宛先///

阪和興業株式会社 代表取締役社長 中川洋一様

東京ガス株式会社 代表取締役社長 笹山 晋一様

  

【森を壊してつくる“再エネ”?】

日本では、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)により、バイオマス発電が「再生可能エネルギー」として支援されています。

バイオマス発電は、木を燃料にしても、森林は再成長するという理由で「カーボン・ニュートラル」な「再エネ」とされてきました。また、これまで利用されてこなかった国産の間伐材や製材所の残りを使う、とも言われてきました。

本当にそうでしょうか?

実際には、海外の森を伐採してつくられた木質ペレット等を大量に輸入し燃料にしているバイオマス発電が、7割以上(kWベース)に上ります。

その中には、インドネシアの熱帯林を伐採して作られる木質ペレットもあります。インドネシアから日本への木質ペレット輸入量は、2020年以前はほぼゼロでしたが、2024年には30万トン以上に急増しました。

インドネシアから木質ペレットを輸入している国は、日本と韓国のみで、日本の需要にけん引されてインドネシアのペレット産業が急成長しています。

現在、インドネシア全体では、バイオマス燃料(木質ペレット)の生産のためのコンセッション(森林の伐採許可)の面積は、130万ヘクタールに上ります(※東京都のおよそ6倍)。

 

【ここにしかいない!絶滅危惧種たちが暮らすスラウェシの森】

スラウェシ島は「ウォーレシア・ホットスポット」と呼ばれ、世界の重要な生物多様性ホットスポットの一つです。

複数の半島から成る独特な形をしており、地理的孤立性から生物多様性が特に高く、スラウェシ島の哺乳類の98%、両生類の80%、鳥類の3分の1が固有種(そこにしか生息していない種)と言われています。

バイオマス発電の燃料生産のために伐採されている場所は、世界でこの島にしかいない絶滅危惧種アノア(ウシの仲間)、スラウェシバビルーサ(イノシシの仲間)、ゴロンタロマカク(サルの仲間)などの生息地と重なっています。(下記の写真は生息地が既存のコンセッションと被っている動物のコラージュ)

ゴロンタロ州に残っている天然林は60万ヘクタール余りですが、既に4つの伐採地が存在し、その総面積は10万ヘクタール(東京都の半分)になります。

今後、伐採地はさらに増える計画で、合計28万ヘクタールになります[1]。これらがすべて伐採され、エネルギー植林に代わると、州の天然林の約4割が失われてしまうことになります。

細長い半島の半ばにあるゴロンタロ州の森林は、それ自体、生物が行き来する「緑の回廊」です。

ゴロンタロ州でこれだけの規模の熱帯林が失われることは、貴重種の生息地を分断し、さらに絶滅に近づけることになるでしょう。

これらの生き物たちは、今後動物園でしか姿を見ることができなくなるかもしれません。

 

【 住民の暮らしにも被害が】

ゴロンタロ州で、ペレット生産のための森林伐採が進む地域では、大雨による洪水が増え、村人の家や田畑、道路が深刻な被害を受けています。

村の人が飲み水や水浴びに使ってきた川の水も、最近は雨の後はなかなか濁りが取れないそうです。

気候変動の影響で熱帯特有のスコールがさらに激しく頻繁になる中、村の人々が安全に暮らすためには、きれいな水を保ち、洪水を防ぐ機能を持つ森林を守ることがとても大切です。

 

また、森から採れるハチミツやラタン(工芸品の原料になる籐(トウ))、薬草、サトウヤシの樹液など、森の恵みを生活の支えとしてきた住民たち、特に農地を持たない貧しい村人にとっては、森林が破壊されることは生きる糧が奪われることを意味します。

日本企業が関わる木質ペレットの事業と、そのペレットを燃料とする日本の再エネによって、インドネシアの村人の安全で豊かな暮らしが脅かされているのです。

 

【  “再エネ”どころかCO₂が増える!】

再生可能エネルギーが拡大するために、ある程度の環境負荷は仕方ないと考える人がいるかもしれません。

しかし、木質バイオマス発電は、大前提として気候変動対策としても逆効果なのです。

木質バイオマス発電は、実は木材の燃焼の段階では、石炭火力発電より多くのCO₂を排出します。

 

天然林を伐採して燃料とした場合、その土地で木が再び育ち、燃焼によって排出された分と同じだけのCO2を吸収するまでには、少なくとも元の樹木の樹齢と同じだけ、つまり数十年から100年以上もの時間が必要です。

また熱帯林の場合、落ち葉や枯れ木の分解が早いために土壌が薄く、特にゴロンタロ州のような急峻な山が多い地域では、一度森林が大面積で伐採されると、熱帯特有の強い雨によって表土が流されてしまう可能性もあります。

そうなると、将来、今あるような豊かな森を回復させるのはとても難しくなります。

 

生物多様性の宝庫であり、貴重なCO2吸収源でもある熱帯林を伐採し、燃料として燃やすことは再生可能ではありません。

そのような木質バイオマス発電を「カーボンニュートラル」とすることは、地球温暖化対策として間違っているばかりか、熱帯林を減少させ気候変動をさらに促進することにつながります。

しかし、今、熱帯林を燃料とする電力が、私たちが支払う再エネ賦課金で支えられ、環境にやさしい「再生可能エネルギー」として売られているのです。

これはグリーンウォッシュと言っても過言ではありません。

 
【 阪和興業が関わるゴロンタロ州のペレット事業】

阪和興業は、インドネシア・スラウェシ島ゴロンタロ州のペレット工場「PT Biomasa Jaya Abadi(BJA)」に出資(20%)しています。

BJAは、バイオマス燃料(木質ペレット)のためのコンセッション(森林の伐採許可)を持つ2つの会社「PT Inti Global Laksana(IGL)」および「PT Banyan Tumbuh Lestari(BTL)」から木材を調達しています。

これらの伐採許可地域では、約3万ヘクタールの熱帯林が伐採対象となっており、過去3年ほどで既に3000ヘクタール以上の熱帯林が失われています。

阪和興業は、「ゴロンタロでは1本の木を伐ったら3本植林している」と説明しています。しかし植えているのは外来の早生樹(成長の早い樹木)で、これらは植林後4年ほどの周期で伐採を繰り返し、木質ペレット原料となることが想定されています。

熱帯林が持つ生物多様性の豊かさ、水源涵養(かんよう)や土壌の流出防止、物質生産(木材だけでなく、果物やキノコなどの食料も含む)などの多様な機能を、早生樹の単一植林によって代替することは不可能です。

さらに4年程度という超短期間で伐採・生産を繰り返すことは、土壌を疲弊させ、再生産能力を弱めていく可能も高いのです。

 


【 東京ガスが富山県で燃やしているインドネシアのペレット】

阪和興業はゴロンタロ州で生産された木質ペレットを日本に輸出し、富山県の伏木万葉埠頭バイオマス発電所などに供給しています。

伏木万葉埠頭バイオマス発電所(出力5.15万kW)を運営しているプロミットパワー株式会社は、東京ガスの100%出資子会社です。

同発電所では、ベトナム、カナダ、マレーシアと、インドネシア・ゴロンタロ州産の木質ペレットが燃料として使われています。

インドネシアの熱帯林が、「日本の再エネ」の名のもとに伐られて燃やされている… その現実に、私たちは目を向けなければなりません。

 

【 私たちは求めます】

熱帯林や天然林由来のバイオマス燃料の製造・使用・調達を即時に中止してください。

既に伐採された熱帯林・天然林について、元の生態系を回復する行動を取ってください。

海外の木質バイオマス燃料を燃やす誤った「再エネ」ではなく、森林破壊・劣化の無い再エネ事業を進めてください。

 
【 未来を守るために】

インドネシアの森を燃やす「再エネ」は、私たちの未来を守るどころか、奪っています。

現時点では、インドネシアの130万ヘクタールのバイオマス向け伐採コンセッションのほとんどで、本格的な伐採は始まっていません。

日本の企業と市民社会が「熱帯林・天然林破壊を引き起こしたペレットは使わない」というメッセージを強く打ち出せば、今まさに進んでいる熱帯林の伐採をくい止め、生態系と村人の生活を守ることができます。

残された貴重な熱帯林を守ることこそが、正しい気候変動対策であり私たちの未来を守る行動なのです。

どうか皆さんの力を貸してください。

 

【参照情報】

[1] https://foejapan.org/wpcms/wp-content/uploads/2025/10/251023_WALHI-Gorontalo.pdf

 のp.4, p.7

 
※ウータン・森と生活を考える会は、国内外のNGOと協力して、両社に対して公開質問書・要請書を提出しています。具体的な情報の参照先は、下記要請書に記載しています。 


・東京ガス宛て要請書

https://bioenergyinfo.jp/cms/wp-content/uploads/2025/10/tokyogas_gorontalo_pellet_letter_251128revised.pdf 


・阪和興業宛て要請書

https://bioenergyinfo.jp/cms/wp-content/uploads/2025/10/hanwa_gorontalo_pellet_letter_251128revised.pdf

 
【画像クレジット】

※トップ画像:ペレット工場向けに伐採されたゴロンタロ州の熱帯林(©Forest Watch Indonesia)と同州の貴重な生き物のコラージュ

※動物の写真のクレジット(いずれも、クリエイティブコモンズから取得):ゴロンタロマカク(©ヘンリック・イシハラ)、スラウェシバビルサ(©Masteraah)、ローランドアノア(トップ画像、本文©The Land)、クマクスクス(© ꦥꦤ꧀ꦗꦶꦒꦸꦱ꧀ꦠꦶꦄꦏ꧀ꦧꦂ)、セレベスツカツクリ(©Ariefrahman)

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