Petition update小泉進次郎環境大臣に、クマを乱獲しないよう、罠捕獲の規制強化を求めます!【続報】北海道砂川市の養鶏場で箱罠に捕獲された若ヒグマ ~捕獲3日目にやはり殺処分~
一般財団法人 日本熊森協会兵庫県西宮市, Japan
Aug 21, 2020

砂川市で、養鶏場の飼料倉庫のガラス戸を割って中の麦を食べるなど、農家に被害を与えてきた若いオスヒグマが、7月30日夜、箱罠にかかりました。

北海道の多くの町で、罠設置は申請すればほぼ認められ、罠に掛かったヒグマは100%殺処分されてきました。(2019年度殺処分されたヒグマは、756頭)

7月31日のニュースでは、直ちに射殺せず、動物園などの貰い手を探しているということでした。しかし、実際は8月2日に殺処分されています。今回すぐに射殺しなかったのは、昨年、土手にいる子グマを砂川猟友会長が射殺した時、同じ場所にいたもう一人の猟友会員が、安全確認が不十分な発砲であったと指摘したことから、公安委員会が猟友会長の銃免許を取り上げたという事件背景にあるようです。
この猟友会長に対する処分に反発して、他の砂川猟友会員も、みんなが銃を使わないことにして公安委員会などに抗議している最中のようです。
私たちには、問題の真相がわからないので、コメントは差し控えます。

●野生のクマのもらい手はない
捕獲されたヒグマの貰い手を市が探しているというニュースを聞き、私たちは、それは無理だと思いました。全国の動物園は、既にクマがいるか、クマを飼育できる施設がないところが多く、しかも、子グマならまだしも、野生で大きくなったヒグマを飼育するのはとても大変です。
 熊森が大阪府豊能町高代寺で飼育している「とよ」のように、人が根気よく愛情をかけ続けて飼えば、野生で大人になったクマでも人になつきますが、ヒグマを飼育するための頑丈な飼育施設をすぐに準備できる人はいません。
 ヒグマのように力が強く、大きな動物を養うことができるのは、本来は豊かな大自然だけです。

●電気柵設置と放獣で対応できた
 熊森協会は、砂川市担当者に、①被害額を弁償する、②今後ヒグマがこの場所に来ないように電気柵設置代を負担するので、まだ若いオスグマを放獣してやってほしいと交渉しました。
しかし、市の担当者は、絶対に放獣しないと断言しました。放獣しても戻ってくる、もし被害が出たら自分たちの責任になるからという理由でした。
ヒグマの放獣例はありませんが、ツキノワグマの放獣はたくさんの実践例がありました。私たちは、放獣したら、このヒグマは森の奥にとんで帰ると思います。仮に、放獣後、出てきたとしても、この地にこのヒグマがいるのが自然なので、行政の責任にはならないでしょう。
ヒグマ研究第一人者で札幌市在住の熊森顧問門崎允昭先生は、ヒグマがここにやって来ないようにするには、侵入経路を特定して、電気柵設置すればよかったとおっしゃられています。捕まる以前から出没が確認されており、捕獲をしなくても電気柵の設置で対策ができます。

電気柵での防除について、詳しくは、『北海道熊研究会 会報 第 96 号』をご覧ください。
http://www.yasei.com/Bear%20Association/newsletter96.pdf


門崎先生は、今回のように、捕獲した場合も、出て来ないようにきちんと対策をした上で、放獣してやればよかった、「殺す必要はない」と断言されました。

●ヒグマとの本当の共存
北海道では、ほとんどの大地をヒグマの生息地だったところに、明治以降の開拓が始まり、ヒグマは、開拓を妨害する戦うべき相手、「害獣」として扱われてきました。
北海道出身のある本部スタッフは、本州に来て近畿地方のいくつかの奥地にクマ調査に入ったとき、地元のみなさんがクマのことを「クマさん」と敬意をもって話すのに驚いたと話しています。
ヒグマは獰猛なイメージがありますが、25年ほど前、旭川の営林署の方たちに聞いたら、「ヒグマにはいつも会っているけど、穏やかな動物だ。本州のツキノワグマのように人身事故など起こさない。私たちの作業場の横で、子供を連れてきて遊んでいるよ」という、回答でした。
ヒグマもツキノワグマ同様、争いを好まず、基本的には、人を避けて生きています。
以前はヒグマ駆除一辺倒だった北海道庁ですが、現在、ヒグマとの共存を打ち出しています。しかし、まだ名目だけで、実際の共存の体制は整っていません。

暑い日々です。箱罠に囚われの身の3日間、このヒグマに水や食料を与えてやってくださっていたのでしょうか。一度の失敗だけで、殺処分とされたこの若いオスヒグマの冥福を祈ります。共存するには、人間側にも寛容ややさしさが必要です。
労力は必要ですが、まず殺す前に、被害防除の努力をすべきで、補殺ではなく、そこにお金をかけることが本当の共存です。

 北海道は開発されたといっても、山だけではなく、まだ平地にも広大な森が残っており、そこもヒグマたちの生息地です。本州と自然条件がかなり違っているため、本州の人にはわからないことも多く、北海道の方の声もしっかり聞いていきたいです。
ヒグマが先住民として尊重される日々が一日も早く来るように、北海道の会員の方とともに、もっともっと声を上げていきたいです。
熊森の北海道支部が立ち上がる日を、門崎先生や釧路在住のプロのネイチャーガイドで野生動物写真家である熊森顧問安藤誠氏(自称北海道人)と共に待っています。

●世界でも共存を模索している
カナダ在住のクマ研究者、カピラノ大学名誉教授の熊森顧問フイッツアール先生は、カナダで半年教え、京都大学で半年教えることを繰り返しておられました。日本のクマ対応を調べて、以前のカナダと一緒だ。クマを駆除対象としか見ていない。生きとし生ける者への共感が日本人から失われている。とショックを受けておられました。
フィッツアール先生のご自宅のリンゴの木にも大きなクマが来るそうですが、「ダメ!」と言うと帰っていくそうです。どうしても帰らないクマは、カナダでは自分たち自然保護団体が捕獲してヘリコプターで山奥に運んで放獣しているそうです。

●全国からたくさんの声が届く
 いろいろな方から反響をいただきました。一部、ご紹介します。フェイスブックでもたくさんコメントをいただきましが個別にご返信できておらず、申し訳ありませんでした。

□7月3日からたびたび養鶏場の飼料にやってきた問題個体だから殺処分するしかなかったと市の担当者は言われましたが、どうしてもっと早くヒグマ用の電気柵を張るなどの対策をとられなかったんでしょうか。問題個体を生み出した人間側の責任はないのでしょうか。おびき寄せておいては殺すという悪循環を繰り返しているように感じます。

□アイヌの人々はクマを神聖な生き物としてみなし、共存してきました。北海道も、今後は、自然や野生動物に対して、敬意をもったやり方で問題解決を図って欲しいと思います。

□私は、日本人が最近ますます人間第一主義になっていると感じ、とても危惧しております。自然あってこその人間であることがわからなくなってしまっている方が多いと思います。

□殺さないヒグマ対策に取り組んでこそ、子供たちに尊敬される大人です。ヒグマが先住民であったことを忘れない謙虚さが、日本人に必要です。

□私はカナダに長い期間住んだことがあります。私が出会ったほとんどのカナダ人は、クマに遭遇したことがあると言っていました。しかし、クマを捕獲して殺処分するという考えはなく、人間がクマの生息地の近くにいるのだから、こちらが注意すれば良いという人ばかりでした。
クマよりも、スカンクの方が困ると言う人もいました。(おならをかけられると1週間は強烈な臭いが取れません)
カナダも昔は今の日本のようにクマ駆除一辺倒だったそうです。カナダでできたことは、日本でもきっとそのうちできると信じています!

紙署名のダウンロードはこちらからお願いいたします。

http://kumamori.org/files/9815/9669/8415/%E3%82%AF%E3%83%9E%E7%BD%B2%E5%90%8D.pdf

(紙署名が沢山必要な方は、日本熊森協会0798-22-4190までご連絡下さい。郵送いたします。)

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