エリザベスさん難民不認定処分取消訴訟 第1回口頭弁論 Court Report: First Hearing in Elizabeth’s Refugee Case

7月13日、東京地方裁判所522号法廷で、エリザベスさんが国に対して難民不認定処分の取り消しを求める裁判の第1回口頭弁論が行われました。(The English version is below the Japanese version.)
原告側は訴状、訴状の訂正申立書、準備書面を提出し、原告のエリザベスさん本人が意見陳述を行いました。
エリザベスさんは、祖国ナイジェリア・ビアフラ地域でIPOB(ビアフラ先住民族)のメンバーが殺害・逮捕されている状況や、今年3月に米国在住の従弟がナイジェリアで殺害されたことを挙げ、「今もし送還されたら、私は殺される」「私の命を危険にさらさないように」と訴えました。最後には涙ながらに「助けて、助けて」と述べ、裁判官に切実な思いを伝えました。
続いて弁護団が、エリザベスさんが難民として認定されるべき理由について意見を述べました。
<裁判報告集会>
裁判後の報告集会で弁護団は、IPOBについては英国やカナダで難民認定事例があり、英国では2015年に勝訴判決も出ている一方、日本では認定例がないと説明しました。エリザベスさんは来日前からではなく、来日後にIPOBの活動に参加してきましたが、その活動はナイジェリア政府も把握していると考えられ、帰国すれば命の危険があることから、難民として保護されるべきだと主張しています。
今回の裁判は、エリザベスさんにとって2回目の難民不認定処分取消訴訟です。弁護団は、2024年6月施行の改悪入管法と、その後入管庁が進めている「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」のもとで、過去の難民申請回数などを理由に裁判中でも送還される可能性が生じていることに強い危機感を示しました。
今回はエリザベスさんの命の危険性を一刻も早く裁判所に伝えるため、準備書面も早期に提出したとのことです。
一方、国側は6月30日、73ページに及ぶ答弁書を提出しました。その中では、IPOBがナイジェリアで非合法化されていることや、エリザベスさんの活動は難民認定を得るために始めたものではないかなどと主張しています。
これに対し弁護団は、エリザベスさんは難民認定を意識して活動していたわけではなく、長年の活動によって帰国時に危険が生じた「後発性難民」にあたると説明しました。後発性難民は国際的にも難民として保護される考え方であり、エリザベスさんの難民性は明らかであるとしています。
命を守るため、裁判を支える取り組みを
報告集会の中で弁護団からも、日本では難民認定率が極めて低く、裁判でも判断が覆ることは容易ではない現状を指摘されました。そのうえで、エリザベスさんの命を守るためには、裁判所にこの問題の重要性を伝え続けることが重要だとして、継続的な傍聴・支援を呼びかけがありました。
第一回期日には80人以上が傍聴に集まり、法廷の定員を超え、多くの人が傍聴できないほどでした。これだけ多くの人が集まったことはエリザベスさんにとっても大きな励みになるとともに、多くの市民がこの裁判に関心を寄せていることを裁判所、国に対しても示す機会となりました。エリザベスさんを難民として認めず、ましてナイジェリアに強制送還するようなことがおこれば命と人生に大きな影響を与えます。エリザベスさん個人を守るとともに、命と人権を軽んじる入管行政のあり方を問う社会的にも重要な裁判です。第2回以降も多くの方の傍聴が力になります。ぜひ引き続き、裁判傍聴、支援をお願いします。
次回期日は10月9日13時30分、東京地裁703号法廷です。
BOND(バンド:外国人労働者・難民と共に歩む会)
with Elizabeth(エリザベスと共に)
Court Report: First Hearing in Elizabeth’s Refugee Case
On July 13, the first hearing was held at the Tokyo District Court in Elizabeth’s case against the government’s decision to deny her refugee status.
Elizabeth told the court that members of the Indigenous People of Biafra (IPOB) are being killed and arrested in Nigeria. She also said that her cousin was killed there in March this year. Fighting back tears, she told the court, “If I am sent back to Nigeria, I will be killed. Please help me.”
Her lawyers argued that Elizabeth should be recognized as a refugee. Although she joined IPOB after arriving in Japan, the Nigerian authorities are aware of her activities, and she would face a serious risk if she is returned to Nigeria. They also noted that IPOB members have been recognized as refugees in countries such as the United Kingdom and Canada, while Japan has yet to recognize any.
The government argues that IPOB is a banned organization in Nigeria and questions Elzabeth’s reasons for joining the group. Her lawyers responded that she is a sur place refugee—someone who became a refugee because of activities after leaving her home country—and should be protected under international refugee law.
More than 80 people attended the first hearing, showing strong public support. Elizabeth’s case is not only about one person’s safety but also raises important questions about Japan’s refugee policy and its commitment to protecting human rights.
We encourage everyone to continue supporting Elizabeth by attending future court hearings.
The next hearing will be held on October 9 at 13:30 in Courtroom 703 of the Tokyo District Court.