Petition updateあなたとあなたの家族を守るための緊急署名!:地方でのがん治療医と血液内科医の不足を解消するため具体策を求める

【『希望を産み出す医療』を未来に残すために】―1人の旧友から届いた手紙✉️

一戸 辰夫Hiroshima, Japan
Sep 21, 2026

この署名活動への温かいご支援をいただいている皆様へ

本日は、5連休の中日でしたが、休暇中の方も、お仕事だった方も、それぞれに良い一日をお過ごしになったことと存じます。

さて、先日の讀賣新聞の記事をきっかけに、思いがけない方から一通のメールが届きました。
高校時代の同級生です!
長い年月を経て、このような形で再びつながるとは、まさに「奇遇」というほかありません。

メールには、彼自身がこれまで患者として経験してきたことを綴った手紙が添えられていました。
今日は、私から多くを申し上げることはせず、ご本人の承諾を得て、表現を一部整えたうえで、全文をご紹介したいと思います。

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去る2026年9月13日、讀賣新聞の社会面の記事【血液内科医採用3割ゼロ】に目を奪われた。読み進めると高校時代の同級生である一戸辰夫さんが、血液内科医として問題提起をしていた。機会をいただき、血液内科を中心とする医師に命を繋いでもらった経験を述べさせていただく。

2010年と2013年、動悸が亢進し心室頻拍で集中治療室と一般病棟で合計約40日の入院生活を送った。国から難病指定されているサルコイドーシスが心臓に出現したことが原因だった。
2010年心室頻拍の入院中に日々体重が減っていることに気付いた。退院後に血液内科にかかったところ、ホジキンリンパ腫と診断がついた。化学療法を受けた後1週間は有給休暇や休職を取り、次の化学療法を受けるまでの約1週間は勤務する日々を送った。幸いにして寛解した。

それから10年も経った2021年、腹痛と貧血を主訴として消化器内科で検査入院をした。小腸のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫と診断がついた。コロナウイルス感染症を避ける必要があったため、半年超を休職して治療に専念した。貧血が主訴であったことから化学療法でヘモグロビンの低値が続いた。仮にコロナがなかったとしても休職は不可避だった。幸いにして今回も寛解した。
しかし、2024年、再度腹痛を自覚するようになり、小腸のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の再発が判明した。この時は休職して治療に専念した。CAR-T療法を受け、幸いにして寛解した。
2025年、病気の手が長いことを知った。CAR-T療法の副作用による免疫力の低下から常在菌による肺炎を発症した。酸素飽和度が80未満に低下したことから命の危機に瀕し、集中治療室に入る直前に家族を呼び寄せることを勧められた。幸いにして治癒した。

学生時代は運動部に所属し、勤務先の健康診断では「頑健」と申告していた。2010年は致命的な疾患を二つ同時に得たことに驚き、両親が健在、小学生の子2人がいて住宅ローンを抱えることに不安が募った。喫煙歴は生涯なく、中肉中背を18歳以降維持し、お酒をやめ、食生活にも気を付けた。致命的な疾病に限ると、血液内科で3回、循環器内科で2回、呼吸器内科で1回、合計6回経験した。これは重症疾患が誰にでも起こり得ることを示すものではないだろうか。

実感したことが2つある。一つ目は我が国の医療制度の恩恵である。高額療養費制度による医療費の公的支援が行われており、一定額を超える医療費は医療費控除の対象となり、休職中は給与の一定額が補償される。これらから、財産が保全される仕組みとなっている。治療を終えた後に前向きな気持ちで日常生活を送ることが可能だ。二つ目は医師、看護師、医療スタッフの皆さんの献身性である。ホジキンリンパ腫の主治医から「医学は科学に基づくアートである」と伺ったことがあるが、患者の治療にチームで対応する姿勢にこの言葉を実感し、また感謝の気持ちしかない。

俯瞰すると、私が生きているのは先人のお陰である。またアメリカ先住民族の言い伝えに「地球は先祖から譲り受けたものではない。子孫から借りているものだ。」がある。現在の医療制度が良い状態で将来に承継されることを願うばかりである。一戸さんの問題提起には「パーソナル・イズ・ポリティカル」を思う。たとえ血液内科患者一人一人の声は小さくても、国には声なき声に耳を傾けることをお願い申し上げたい。経済性の原則を基準にすると一見地味に思える基礎的な研究の中に、実は「無用の用(『荘子』)」としていつかは開花する種子が含まれているのではなかろうか。将来の血液内科の患者や他の病気の患者が、安心して治療に専念できる制度設計を切にお願い申し上げたい。(ボールド表記は一戸による)
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この手紙を読み終えて、私は、人生の中盤にあたる大切な10年余りの間に二つの異なるリンパ腫を発症し、その後さらに再発まで経験した彼が、そのたびにどのような思いで病気と向き合ってきたのだろうと想像しながら、血液内科医という仕事について改めて考えました。

病気によって突然、それまで当たり前だった日常を奪われた人に、
「まだ治療があります」
「一緒に次を考えましょう」
と伝えること。
そして治療を終えた患者さんを、もう一度、家族のもとへ、仕事へ、そしてその人自身の人生の続きへ送り出すこと。そう考えると、がん治療医や血液内科医は、ある意味で「希望の産み出し手」なのかもしれません。

私たちが全国調査を通じて見てきた「血液内科医の不足」は、単なる医師数の問題ではありません。
日本のどこで病気になっても、
「まだ治療があります」「まだ寄り添い続けます」
と言ってくれる医師がいる社会を、これからも残していけるのか。
今回の活動を通じて、私は皆様とともに、このことを考えていきたいと思っています。

この手紙を届けてくれた旧友に、心から感謝します。
そして、希望を産み出す医療を、次の世代にも必ず残していきたいと思います。

署名サイトURL: https://c.org/wNtJ4MWsWD

追伸: 「医師を育てる制度」を見直すための新しい署名活動も行っています。こちらも皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。
国民に必要な医師の育成を求めるための緊急署名!!
署名サイトURL: https://c.org/BYfSxz9bvN

一戸辰夫(「若手がん治療医・血液内科医を支援する会」代表)[連絡先:tatsuo.ichinohe@icloud.com  いつでも皆様からの建設的ご批判・ご意見をお待ちしています]

 

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