Petition updateあなたとあなたの家族を守るための緊急署名!:地方でのがん治療医と血液内科医の不足を解消するため具体策を求める

【新聞報道のあと、現場から聞こえてきた声】:一人ひとりの声に耳を澄まし、もう一度、私たちの視野を広げてみる😔

一戸 辰夫Hiroshima, Japan
Sep 18, 2026

本活動にご賛同いただいている皆様へ

先日の讀賣新聞の報道から、数日が経ちました。

この間、SNSなどでは、今回の記事を読まれた医師の方々から、いろいろな声が聞こえてきました。その一つひとつを読んでいて、私は改めて考えています。私たちが全国255診療科からお預かりした数字の向こう側には、一体、どれだけの医師たちの日々の奮闘があるのだろう、と。

そして、もう一つ。今回の調査で示された数字の、さらにその向こう側には、血液の病気を抱えながら暮らしている患者さんと、そのご家族の日常があります

実は、この署名に寄せていただいたコメントの中にも、私は何度も立ち止まって読んだ言葉があります。ある血液がんの患者さんは、こう書いてくださいました。

「現在かろうじて県内の血液内科に通っていますが、公共交通機関が機能していない過疎地に在住しているため移動距離・移動時間で換算すると県外の血液内科に通院していると言っても相違ない状況に既に置かれています。」

「県内に血液内科がある」。

地図の上だけを見れば、そうなのかもしれません。

しかし、その病院まで何時間かかるのでしょう。抗がん薬による治療を受けた身体で、どうやって自宅まで帰っているのでしょう。そして高齢になって自分で車を運転できなくなったとき、誰が病院まで連れて行ってくれるのでしょうか。

そこまで、私たちの想像は及んでいるでしょうか。

一方、今回の新聞報道を受けて、医師たちからも様々な声が聞こえてきました。

ある医師は、「そりゃ1年目研修医1人に入院患者40人以上担当させたりしてればそうもなるでしょう(実体験)」と書いていました。

そして、血液内科医と思われる方からは、こんな短い言葉もありました。

「そりゃそうですよね。さぁどうなる。僕は抜けます。」

私は、この言葉の前で長く立ち止まりました。

もちろん、SNSに書かれた一つの言葉だけから、その方が置かれている状況を推し量ることはできません。それでも、現場に身を置く一人の医師として、「僕は抜けます」という言葉の背景にあるものを、私たちは深く考えなければならないと感じています。

何が医師たちを疲弊させ、何が若い医師たちをこの領域から遠ざけているのか。その「何か」を丁寧に分析し、できるところから一つずつ変えていかなければならない。そして、その現実を、まず多くの市民の皆様にも知っていただかなければならないと思います。

別の医師からは、「血液内科だけの問題ではない。とにかく急性期病院の内科・外科から中堅の医師がごっそりいなくなっている。(中略)都市部であってもいない。中堅がいないので若手も来ない悪循環。」という声もありました。

この指摘にも、私はハッとさせられました。今回の調査では血液内科を対象としましたが、その向こうには、より広い医療提供体制の問題があるのかもしれません。

患者さんからは、「通える血液内科がない」という声が届く。

その一方で、医師からは、「僕は抜けます」「悪循環」という声が聞こえてくる。

これらの言葉が、同じ国の、同じ医療の中から聞こえてくることを、私たちはどう考えればよいのでしょうか。

今回、私たちが行った調査では、成人を診療する218診療科のうち、地方では約4割の診療科が常勤医2名以下で診療を続けていることが分かりました。しかし、「常勤医2名以下」という数字だけでは、その診療科で毎日何が起きているのかまでは分かりません。

夜中に急変した患者さんのところへ誰が駆けつけているのか。

休日の病棟を誰が診ているのか。

そして、その医師が疲れ果てて血液内科を離れることになったとき、残された患者さんを誰が診るのか。

統計の数字だけを眺めていると、私たちは時として、その向こう側にいる「人」を忘れてしまいます。

私たちの調査に回答してくださった診療科の中には、このままでは診療を維持することが難しいと考えながら、それでも地域の血液疾患の患者さんを診療し続けている施設があります。

そして、その診療を必要としている患者さんとご家族がいます。

悪性リンパ腫を患った息子さんを支えたご家族からも、とても長いコメントをいただきました。6クールの抗がん薬治療を終え、ようやく寛解を迎えた息子さんについて書かれた文章の中に、私は忘れられない一節を見つけました。

「長男は発病しました。それは青天の霹靂を超える衝撃でした。けれどそれは私を含めた全ての人々の明日の衝撃に成り得るのです。」

血液がんになる人と、ならない人が、最初から別々にいるわけではありません。昨日まで普通に仕事をし、学校へ行き、家族と食卓を囲んでいた人が、ある日突然、「血液のがんです」と告げられることがあります。そのとき、住んでいる場所によって、必要な医療へたどり着ける可能性が大きく違ってしまう。

それを「仕方がないこと」としてよいのでしょうか。

そして、もう一つ、とても短いコメントをご紹介したいと思います。

血友病の患者さんを祖父に持ち、お母様が遺伝子キャリアだったという方から寄せられた言葉です。

「もっと血液内科が身近な存在になるとよいなと思います。」

とても静かな言葉です。けれど私は、この一文の中に、今回私たちが取り組んでいる問題の本質が凝縮されているように感じました。

血液内科医を増やすことそのものが、私たちの最終的な目的なのではありません。

病気になったときに、必要な医療へたどり着くことができること。そして、その医療を支える医師たちが、疲弊して去っていくことなく、次の世代へ診療と知識を受け渡していけること。そんな当たり前の医療を、これからも日本のどこに住んでいても受けられるようにすること。

そのために、今、何を変えなければならないのか。

10月1日、私たちは皆様からお預かりした署名とともに、全国の診療科から寄せられた調査結果を厚生労働大臣へ届けます。

そのとき私が届けたいのは、もちろん数字だけではありません。数字の向こう側にいる、医師をはじめとする医療従事者の声。そして何より、患者さんとご家族の声です。

新聞報道によって、ようやくこの問題を社会の皆さんに知っていただく入口に立つことができました。

ここから先は、私たち医療従事者だけで考えるのではなく、医療を必要としている患者さん、ご家族、そして市民の皆様と一緒に考えていくことが何より大切だと思っています。

ですので、もしよろしければ、皆様が今感じておられることを、ぜひ私たちにお聞かせください。

その一つひとつの声に耳を澄ましながら、私たち自身もさらに視野を広げ、次に何をすべきなのかを考えていきたいと思います。

署名サイトURL: https://c.org/wNtJ4MWsWD

P.S. 「医師を育てる制度」を見直すための新しい署名活動も行っています。こちらも、ぜひ皆様のご支援をお待ちしております!
国民に必要な医師の育成を求めるための緊急署名!!
署名サイトURL: https://c.org/BYfSxz9bvN

一戸辰夫(「若手がん治療医・血液内科医を支援する会」代表)[連絡先:tatsuo.ichinohe@icloud.com  いつでも皆様からの建設的ご批判・ご意見をお待ちしています]

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