3Mに相模原事業所PFAS汚染の原位置土壌浄化を求める

署名活動の主旨

2021年、道保川公園の湧水・地下水から環境省指針値を超えるPFASが検出された時から、相模原市のPFAS問題は始まりました。PFASは、発がん性や胎児の発育阻害などの危険性がある化学物質で、国際条約で製造・使用が規制されています。日本国内でも製造・輸入が原則禁止になっていますが、環境中で分解されないため、過去に使用された PFASが日本各地で汚染を引き起こしています。2021年以降、相模原市が道保川公園から地下水の上流にさかのぼって PFAS汚染を調査した結果、南橋本付近に汚染源がある事が分かっています。
南橋本にある事業所の1つであるスリーエムイノベーション社(以下、3M社)は、相模原事業場内の土壌及び地下水を調査したところ、高濃度の PFAS汚染が検出された事を、昨年、相模原市に報告しました。その結果は、全国的に見ても最悪のレベルでした。南東部の敷地からは8,600ng/g(8,600μg/kg)、泡消火剤性能試験場跡地からは3,300ng/g(3,300μg/kg)のPFOSが検出されています。土壌汚染によって、敷地南東の地下水からは14,000ng/Lという高濃度の汚染が確認されています。

これを受けて3M社は2025年10月から相模原事業所内の地下水の揚水除染設備工事を始めましたが、地下水汚染源の土壌の浄化を行わなければ地下水の汚染は止めることができません。

また、この地域の地下水は下流で道保川源流の湧水になっています。揚水除染が行われれば、道保川が枯渇する危険性もあります。言うまでもなく、道保川源流部には道保川公園が作られ、多くの市民の憩いの場になっています。道保川が枯れてしまえば、公園は廃墟になり、ホタルもホトケドジョウも魚たちも死んでしまいます。

水道法の水質基準も改定され、2025年12月時点で市内には汚染された地下水を常用飲用水にしている人も居なくなりました。この状況では「PFAS除染に協力しているよい企業だ」というアリバイ作りの為だけに二次被害の可能性のある除染方法を採用していると言わざるを得ません。

過去に使用されたPFASが土壌に残留し、継続的な汚染を引き起こす二次汚染源となっている現実を踏まえると、最も効果的な解決策は土壌の原位置浄化です。

私たちは、3M社が早急に相模原事業所内でPFAS汚染された土壌の原位置浄化を行なうことを求めます。共に地域の将来を守るため、この請願にどうかご署名ください。

いただいた署名は、相模川さがみ地域流域協議会が実施中のオフライン署名と併せて3M社に提出させていただきます。

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除染方法についての解説
1.揚水除染
地表から井戸を掘り、汚染された地下水を汲み上げて汚染物質を取り除く方法です。PFASの場合、汚染水を活性炭フィルターに通すことによって除去される事が知られています。除染後の水は地下に戻す事も技術的には可能ですが、3M社は下水道に流す計画である事を公表しています。
3M社は、揚水除染を採用した理由として確立した除染技術である事を主張しています。確かに「水道管を流れている汚染水を活性炭フィルターに通してPFAS除染する」は確立した実績のある方法ですから、地下水を揚水して水道管の様なものに流せば除染する事ができます。しかしながら、大規模な除染システムは、除染さえできれば何でもよいと言うものではありません。地下水を多量に組み上げれば、地盤沈下が発生する事もありますし、下流の湧水や地下水利用にも影響を及ぼします。
現に、大阪摂津市のダイキン工業は、2009年から揚水除染に取り組んでいますが、地盤沈下の可能性を考慮すると十分な除染を行なうことができず、周辺地下水の汚染濃度は、かなり高いレベルで下げ止まったままです。一方、相模原市では、地盤沈下の可能性は低いため、地下水揚水を制限する条例はありません。だからと言って無尽蔵に地下水を汲み上げる事は道義的に許されません。3M社が公表している揚水量はダイキン工業の4.4~11倍、一般的な工業用水量と比較しても多い部類に入ります。かと言って、揚水量を制限すれば、十分な除染を行える可能性は下がってしまいます。PFASの地下水環境基準値(指針値)は、他の有害物質と比較すると桁違いに厳しく、徹底的な揚水をしない限り指針値を満たすことは困難だろうと推定されるからです。
更に、汚染された土壌から汚染物質が溶け出して地下水が汚染されている状況では「地下水に溶け出した分」しか除染されませんから、いつになったら除染が完了するのか予測ができない事も問題です。スリーエムは 2000年にはPFOS, PFOA等の製造を終了していますから、相模原事業場でも、その数年後には取り扱いをやめている筈です。にも関わらず、26年経過した2026年になっても周辺地下水からは高濃度のPFOS, PFOAが検出され続けています。揚水除染が完了するのは、何100年後なのでしょうか? この様な方法も土壌汚染対策法上の「汚染の除去『等』の措置」の一種として認められる事はありますが、原理的には汚染の除去(除染)ではなく、汚染の拡散を防止しているだけです。
また、除染水を下水道に流す方法では、不十分な除染のまま放流されたとしても検証できない、下水処理場の汚泥や排水を介して汚染が拡散されてしまう、と言う問題点も指摘されています。
以上の様に揚水除染は、除染方法が確立しているのと同時に、多くの問題点を含む方法であると言う評価も同時に確立していると言えます。

2.土壌除染
二次汚染源となっている土壌そのものを除染する方法です。古典的には、土壌を掘削して除染プラントに持ち込んで除染して埋め戻す方法があり、PFASの場合、1000℃以上の温度で焼却すると破壊される事が知られています。
しかしながら、この方法は、まず汚染された土地上の建物を解体しなければ土壌掘削ができないと言う欠点があります。そこで、近年注目されている除染方法としては「原位置固定化」とか「原位置不溶化」と呼ばれている方法があります。この方法ではPFASを吸着する性質の物質を地下に注入し、PFASが地下水に溶け出さない状態に固定します。建物の周囲に薬剤注入工事スペースが残されていれば、建物を解体せずに施行可能と言われています。環境省が実施しているPFAS除染実証実験では、大林組などが、この方法で除染実験を行っています。
世界的に見ると、PFAS入りの泡消火器が航空機火災の消火や消火訓練に用いられた為に、空港周辺で汚染が確認されている事例が多く見られます。空港も工場と同じく、建物を解体する事などできません。この様な事例での有力なPFAS除染方法として注目されています。逆に言えば、この除染方法が確立しない限り、真の意味でのPFAS除染は始まらないと言っても過言ではありません。
現状では、どの様な薬剤を注入するのが効果的か、各社がこぞって技術開発している状況であり、施工例も多くはなく、十分に確立された除染方法とは言えません。しかしながら、3M社がPFASを最初に開発したスリーエムグループの一員として道義的責任を感じるならば、この様な革新的除染方法を積極的に導入する事によって、その確立に協力し、PFAS除染に貢献すべきであると考えます。
まして相模原市では地下水は飲料水として利用されておらず、闇雲な地下水除染は的外れです。求められているのは、アリバイ作りの為の除染ではなく、道保川の湧水を含む美しい PFASのない環境を将来に引き継ぐことです。

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署名活動の主旨

2021年、道保川公園の湧水・地下水から環境省指針値を超えるPFASが検出された時から、相模原市のPFAS問題は始まりました。PFASは、発がん性や胎児の発育阻害などの危険性がある化学物質で、国際条約で製造・使用が規制されています。日本国内でも製造・輸入が原則禁止になっていますが、環境中で分解されないため、過去に使用された PFASが日本各地で汚染を引き起こしています。2021年以降、相模原市が道保川公園から地下水の上流にさかのぼって PFAS汚染を調査した結果、南橋本付近に汚染源がある事が分かっています。
南橋本にある事業所の1つであるスリーエムイノベーション社(以下、3M社)は、相模原事業場内の土壌及び地下水を調査したところ、高濃度の PFAS汚染が検出された事を、昨年、相模原市に報告しました。その結果は、全国的に見ても最悪のレベルでした。南東部の敷地からは8,600ng/g(8,600μg/kg)、泡消火剤性能試験場跡地からは3,300ng/g(3,300μg/kg)のPFOSが検出されています。土壌汚染によって、敷地南東の地下水からは14,000ng/Lという高濃度の汚染が確認されています。

これを受けて3M社は2025年10月から相模原事業所内の地下水の揚水除染設備工事を始めましたが、地下水汚染源の土壌の浄化を行わなければ地下水の汚染は止めることができません。

また、この地域の地下水は下流で道保川源流の湧水になっています。揚水除染が行われれば、道保川が枯渇する危険性もあります。言うまでもなく、道保川源流部には道保川公園が作られ、多くの市民の憩いの場になっています。道保川が枯れてしまえば、公園は廃墟になり、ホタルもホトケドジョウも魚たちも死んでしまいます。

水道法の水質基準も改定され、2025年12月時点で市内には汚染された地下水を常用飲用水にしている人も居なくなりました。この状況では「PFAS除染に協力しているよい企業だ」というアリバイ作りの為だけに二次被害の可能性のある除染方法を採用していると言わざるを得ません。

過去に使用されたPFASが土壌に残留し、継続的な汚染を引き起こす二次汚染源となっている現実を踏まえると、最も効果的な解決策は土壌の原位置浄化です。

私たちは、3M社が早急に相模原事業所内でPFAS汚染された土壌の原位置浄化を行なうことを求めます。共に地域の将来を守るため、この請願にどうかご署名ください。

いただいた署名は、相模川さがみ地域流域協議会が実施中のオフライン署名と併せて3M社に提出させていただきます。

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除染方法についての解説
1.揚水除染
地表から井戸を掘り、汚染された地下水を汲み上げて汚染物質を取り除く方法です。PFASの場合、汚染水を活性炭フィルターに通すことによって除去される事が知られています。除染後の水は地下に戻す事も技術的には可能ですが、3M社は下水道に流す計画である事を公表しています。
3M社は、揚水除染を採用した理由として確立した除染技術である事を主張しています。確かに「水道管を流れている汚染水を活性炭フィルターに通してPFAS除染する」は確立した実績のある方法ですから、地下水を揚水して水道管の様なものに流せば除染する事ができます。しかしながら、大規模な除染システムは、除染さえできれば何でもよいと言うものではありません。地下水を多量に組み上げれば、地盤沈下が発生する事もありますし、下流の湧水や地下水利用にも影響を及ぼします。
現に、大阪摂津市のダイキン工業は、2009年から揚水除染に取り組んでいますが、地盤沈下の可能性を考慮すると十分な除染を行なうことができず、周辺地下水の汚染濃度は、かなり高いレベルで下げ止まったままです。一方、相模原市では、地盤沈下の可能性は低いため、地下水揚水を制限する条例はありません。だからと言って無尽蔵に地下水を汲み上げる事は道義的に許されません。3M社が公表している揚水量はダイキン工業の4.4~11倍、一般的な工業用水量と比較しても多い部類に入ります。かと言って、揚水量を制限すれば、十分な除染を行える可能性は下がってしまいます。PFASの地下水環境基準値(指針値)は、他の有害物質と比較すると桁違いに厳しく、徹底的な揚水をしない限り指針値を満たすことは困難だろうと推定されるからです。
更に、汚染された土壌から汚染物質が溶け出して地下水が汚染されている状況では「地下水に溶け出した分」しか除染されませんから、いつになったら除染が完了するのか予測ができない事も問題です。スリーエムは 2000年にはPFOS, PFOA等の製造を終了していますから、相模原事業場でも、その数年後には取り扱いをやめている筈です。にも関わらず、26年経過した2026年になっても周辺地下水からは高濃度のPFOS, PFOAが検出され続けています。揚水除染が完了するのは、何100年後なのでしょうか? この様な方法も土壌汚染対策法上の「汚染の除去『等』の措置」の一種として認められる事はありますが、原理的には汚染の除去(除染)ではなく、汚染の拡散を防止しているだけです。
また、除染水を下水道に流す方法では、不十分な除染のまま放流されたとしても検証できない、下水処理場の汚泥や排水を介して汚染が拡散されてしまう、と言う問題点も指摘されています。
以上の様に揚水除染は、除染方法が確立しているのと同時に、多くの問題点を含む方法であると言う評価も同時に確立していると言えます。

2.土壌除染
二次汚染源となっている土壌そのものを除染する方法です。古典的には、土壌を掘削して除染プラントに持ち込んで除染して埋め戻す方法があり、PFASの場合、1000℃以上の温度で焼却すると破壊される事が知られています。
しかしながら、この方法は、まず汚染された土地上の建物を解体しなければ土壌掘削ができないと言う欠点があります。そこで、近年注目されている除染方法としては「原位置固定化」とか「原位置不溶化」と呼ばれている方法があります。この方法ではPFASを吸着する性質の物質を地下に注入し、PFASが地下水に溶け出さない状態に固定します。建物の周囲に薬剤注入工事スペースが残されていれば、建物を解体せずに施行可能と言われています。環境省が実施しているPFAS除染実証実験では、大林組などが、この方法で除染実験を行っています。
世界的に見ると、PFAS入りの泡消火器が航空機火災の消火や消火訓練に用いられた為に、空港周辺で汚染が確認されている事例が多く見られます。空港も工場と同じく、建物を解体する事などできません。この様な事例での有力なPFAS除染方法として注目されています。逆に言えば、この除染方法が確立しない限り、真の意味でのPFAS除染は始まらないと言っても過言ではありません。
現状では、どの様な薬剤を注入するのが効果的か、各社がこぞって技術開発している状況であり、施工例も多くはなく、十分に確立された除染方法とは言えません。しかしながら、3M社がPFASを最初に開発したスリーエムグループの一員として道義的責任を感じるならば、この様な革新的除染方法を積極的に導入する事によって、その確立に協力し、PFAS除染に貢献すべきであると考えます。
まして相模原市では地下水は飲料水として利用されておらず、闇雲な地下水除染は的外れです。求められているのは、アリバイ作りの為の除染ではなく、道保川の湧水を含む美しい PFASのない環境を将来に引き継ぐことです。

今週は50人が賛同しました

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意思決定者

山崎 英男
山崎 英男
スリーエムジャパン イノベーション㈱  代表取締役社長
オンライン署名に関するお知らせ

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2026年2月20日に作成されたオンライン署名