2026/09/08

  衆議院議員 河野 太郎 様

拝啓
今、貴方の2009年頃の「ごまめの歯ぎしり」を読むと、
地方を活性化させ、官の投資に偏らず、税金は社会保障に重点的に使う小さい政治こそ、
自民党が国の舵を握る中で進めるべき道だと述べておられます。
河野さんは近年も、財政運営では必要な支出を見極め、社会保障費などの必要な支出を維持すべきだと
書いておられ、経済を発展させるのは民間部門だという考えに立ち戻るべきだとも述べています。 

ところが現実には、現在の高市内閣は防衛力の抜本的強化を掲げ、自衛隊と軍需産業の拡大へ進み、
防衛税まで設ける方向へ動いています。
これは、地方の雇用と民間の活力によって国を豊かにするという、
かつての貴方の考えとは明らかに異なる方向です。
だからこそ私は、自民党の枠内にとどまるのではなく、私が提案した新党の設立という決断の中でこそ
貴方が「ごまめの歯ぎしり」で語った原点を実践すべきではないかと考えます。

その原因は、やはり「ごまめの歯ぎしり」の中で貴方が受け入れようとしなかった
非武装中立の考えにあるように思われます。
しかし私が何度も申し上げたように、非武装中立は単に社会党が提起した思想ではありません。
戦争の悲惨を経験した幣原喜重郎が、次の戦争は核戦争になることを見通し、
全面的な武器放棄の道を選んだところにその原点があります。
であるならば、それは社会党の思想だから退けるべきものではなく、
幣原喜重郎と自由党時代の吉田茂につながる思想として、
むしろ保守こそ正面から受け止めるべきものです。

現在の自民党は、鳩山一郎、岸信介以来、そこで大きなボタンの掛け違いを起こしているのです。

河野さんが主張してこられた資本主義の活性化も、
本来は今の自民党政治の中からだけ生まれたものではなく、
吉田茂と幣原喜重郎の流れの中にこそ、その発端があるのではないでしょうか。

私は、河野さんが非武装中立の発想を見直さない限り、
自民党の流れに引かれて終わるのではないかと案じています。私がボタンの掛け違いと申し上げたのは、
非武装中立を社会主義や共産主義の思想としてのみ見てしまう点にあります。
またそれは、兵器を拡充したい人々と憲法九条の条文との食い違いに対する歯ぎしりでもあるのです。
しかしその原点には、幣原喜重郎や吉田茂の流れの中で育まれた人間存在そのものに根差した、
普遍的な平和主義があるように思います。
それは派閥を超えて各党が共有すべき土台ではないでしょうか。

いま必要なのは、社会主義か資本主義か、武装主義か非武装主義かという二者択一ではなく、
平和主義という大きな価値から政治を見直すことではないでしょうか。
平和で豊かである為には資本は必要ですが武装は最低限でいいと、私は考えます。
 
私は、かつての細川護熙氏の登場もまた、
自民党中心か共産主義かという単純な対立だけでは国政を立て直せないという一つの警鐘だったと思います。

非武装中立もまた、単に社会主義や共産主義の思想として片づけるべきものではなく、
戦争の惨禍を経た平和主義から生まれた普遍的な発想です。
幣原喜重郎と憲法九条の形成を結びつける研究もあり、その流れをたどれば、

これは単なる左派の標語ではなく、戦争そのものを問い直す発想であり、
戦争は破壊しかもたらさない事への深い反省です。その為に非武装中立を選択したのです。

これこそが戦後日本の原点の一つとして捉え直すべきものです。
もし河野さんがその点を見直すなら、自民党の枠内にとどまらず、
新党結成という決断に進む余地も出てくるのではないでしょうか。
平和主義を土台にしても、資本主義は十分に成り立つはずです。
むしろ過度な軍備拡張は、国に重い負担を課し、国民生活を圧迫するおそれがあります。 

しかし、現在あなたが中国の脅威を強調し、それを軍拡や改憲の理由とする姿勢を見て、
私は大きな失望を覚えました。
現政権は、防衛費の拡大と安全保障政策の前倒し強化を進め、
国民生活より軍事と国家を優先する方向を明確にしています。
私はその流れに、平和憲法と国民主権の重みを後景へ退かせる深い危うさを見ます。
だからこそ今一度、ご自身がかつて語られた原点に立ち返り、
新党結成という道を真剣に検討していただけないでしょうか。 

高市さんを中心とする強硬右派が、国民主権より国家を前面に押し出し、軍拡を進める中、
改めて平和主義に立脚した政治を守らねばならないと考えます。
私は、吉田茂の自由党時代に見られた軽武装、経済重視、国民生活優先の路線に立ち返るべきだと思います。
そうでなければ、日本は再び戦争をする方向へ傾いていくおそれがあります。
敬具

市民・画家 高橋信之
2026年8月吉日

先日、石破さんにもだしましたが、インターネットの情報だと、彼は歴代の首相として、昨年、はじめて「武器の見本市」に顔を出し、「戦争と言うものがどれほど軍事技術を進歩させるか」「各国との装備協力を積極的に進める。」「先進的で能力の高い装備品は防衛力そのものだ。」などと述べており、高市さんのデュアルユースの考え方と同じで、兵器開発が技術を向上させる、という考え方の持ち主とわかったので、平和を求めるのは無理かなと思いました。自民党員の殆どがこの考え方のようです。河野さんも軍備は肯定していますが、他の自民党員と違うのは、珍しく、社会保障と弱者救済に触れています。私の提案を真摯に受け止め、独立して新党を旗揚げしてくれればいいですが。私が一貫して政治家達や軍需産業の社長達に伝えてきたのは、「兵器ではなく平和を前提にしても技術は発展します。」ということです。

 

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