鉄道の障がい者割引、仕組みを見直してください!!

この方々が賛同しました
荒垣 奈津美さんと19名の他の方が最近賛同しました。

署名活動の主旨

はじめまして。
私は2016年に脳出血を発症し、左半身の片麻痺と高次脳機能障害という後遺症は遺ったものの、杖を付いて歩けるようになった者です。倒れる前から相馬杜宇(あいばもりたか)というペンネームで劇作家をしています。

相馬杜宇(あいばもりたか)(note)

皆さんは、障がい者が鉄道を使って移動する際、「介護者が同伴」または「単独の場合は101キロ以上の移動」でないと、障がい者割引が適用されないというルールがあることをご存知でしょうか。
このルールはJRや小田急電鉄など、多くの鉄道会社が決めているものです。しかしこのルール、実は旧国鉄時代に定められたとても古いもので、バリアフリー化が進んで障がい者が1人でも移動できる今の時代にはそぐわない制限になっています。
しかも、鉄道会社自体もなぜ101キロというとても長い乗車区間での線引きなのか、なぜこのルールが残っているのか、わからないまま前例を踏襲しているという報道も出ています。
私は当事者として、この度『鉄道の障がい者割引、仕組みを見直してください!』という主旨で署名を集めています。 要望内容は以下の通りです。
・障がい者が鉄道を単独利用する場合、乗車距離が101キロ以上などの一定の距離を超えないと割引が適用されない仕組みを見直して欲しい。
・なぜこの「101キロ以上」などのルールが存在するか説明を求める。
・精神障害者、難病の方など、他の障害者への割引がない理由の説明を求める。
・バリアフリー時代に合わせた制度への変更を要求する。

これに至ったきっかけを今からお話しします。

○きっかけ

今年の3月から障がい者用PASMOが新設されたとのことで、私も申請手続きをしようと小田急電鉄の向ヶ丘遊園駅に出向きました。ところが駅員から伝えられたのは、
・2人分の障がい者用PASMOを購入する必要があるとのこと
・介護者が同伴し、2人一緒でなければ利用できない
という主旨のことでした。
私は装具を着けていますが、歩行には支障がなく、電車も1人で利用出来ます。その事を駅員に告げましたが、「2人一緒に利用する必要がある」との一点張りでした。

PASMOのサイトには、障がい者用PASMOは第1種身体障がい者または第1種知的障がい者と、その介護者が利用できるとあります。しかし私は第1種身体障がい者として自立して生活しており、ひとりで電車の利用もできます。この割引制度は障がい者にとって有効なものと言えるのでしょうか。そもそも障がい者、とひと口にいっても、精神障がい者もいれば、認知症、難病、発達障がい者の方など様々な障がい者が存在します。なぜ身体障がい者と知的障がい者に限定したのかも疑問が残ります。

小田急電鉄をはじめとする各鉄道会社では、障がい者が単独で旅行する場合、片道の営業キロが100キロメートルを超えない場合は割引を行わず、介護者がいれば、100キロメートルを越えなくても割引されるそうです。この『100キロ』とはどういう線引きなのでしょうか。
駅のバリアフリー化は障がい者の単独での移動を容易にするためにやっているはずです。

○その後

幸いな事にこの事はニュースDIGというサイトに取り上げて頂きました。
鉄道の謎ルール障害者割引”一人で利用はダメ” ルーツを調べてわかった意外な理由

また、ニュース23でも特集されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これらをご覧頂くとわかる通り、制度が古い仕組みのままなのが分かります

ちなみに、小田急電鉄にメールで問い合わせたところ、制度の説明に加えて『おからだの不自由なお客さま(身体障がい者・知的障がい者)がお一人でご利用になる場合には、101km以上の乗車区間で適用されますことから、当社線では乗車券の発売ができないため、割引が適用されません。』という事項が加えられていました。JR東日本にこの割引制度について問い合わせをしたところ、同様の説明と、101キロを超える単独での移動についての説明と、JRのウェブサイトの該当ページへのリンクがありました。

この事を少しでも広めたいと思っている折りに「小さな声を聴く力」の公明党のポスターを見かけたので、無党派・無宗教の立場ですが「ぜひ障がい者の小さい声を届けて下さい!」という主旨のFAXを公明党に送りました。しかし残念ながら返答はありませんでした。
その後、岩手出身の参議院で車椅子当事者である横沢たかのりさんにメールをしたところ、国土交通省と意見交換の場を設けて下さり、ご報告のメールを下さいました。

そのご報告には、
・各種割引は、鉄道事業者の経営判断にて行われている(障がい者割引も含む)
・国としては、理解と協力を求める立場であり、法的根拠や強制力、拘束力、指導力は無い
・今後も、世の中の状況等に合わせて、一層の理解増進に努めたい
従って、障がい者用パスモの介助者必須条件についても、鉄道事業者の判断により制度設計及び導入されるものである。
とありました。

これを拝見し、正直打つ手が無くなっていると感じました。この先、どこに、誰に声を上げれば良いのか。

○オンライン署名を募りたい

知人から「一人で意見交換して答えを求めているようだが、それだと問題の発信力としては弱いと思う」という意見を貰いました。もっともな指摘ですが、当事者として声を上げてもなかなか進展しないことに歯がゆさを感じています。

そこで、オンライン署名を思い付きました。
国土交通省及び各鉄道会社に、以下を求めます。

・障がい者が鉄道を単独利用する場合、乗車距離が101キロ以上などの一定の距離を超えないと割引が適用されない仕組みを見直して欲しい。
・なぜこの「101キロ以上」などのルールが存在するか説明を求める。
・精神障害者、難病の方など、他の障害者への割引がない理由の説明を求める。
・バリアフリー時代に合わせた制度への変更を要求する。

以前の国土交通省の回答によると、割引については各鉄道会社が決めており国土交通省は指導力はないということでした。 
しかし、全国に存在するこのルールは、一つの鉄道会社だけが見直しすることだけでは解決できません。
国土交通省が各鉄道会社に協力を仰ぎ、そして鉄道会社同士も協力しあい一緒に制度を見直すことで、やっと全国的に解決できる問題であると考えています。 
まずは、全国の各会社に協力を求める立場にある、国土交通省に問題解決のために動いてもらいたいと考えています。 

障がいを持つ当事者にも様々な考え方があり、割引を必要とされない方もいらっしゃると思いますが、私自身は職探しにとても苦労しました。脳出血からの退院後、障がい者向けのハローワークに通いましたが50社以上で不採用になりました。現在は在宅勤務として働いていますが、時給は東京都の最低賃金です。脳卒中の復職率は3割程度と、30年前から変わっていない現状があります。必死になって職探しに奔走していた際の交通費の負担は大変でした。同じ境遇にある方達に、そんな思いをしてほしくありません。

また鉄道各社に問い合わせると、形式的な回答ばかりが返ってきます。障害者の在り方も変わっており、更新するのが望ましいはずです。

このままでは「何かおかしな仕組みだなぁ」で終わってしまいます。おかしな仕組みだなぁ、というままで良いのでしょうか。署名いただいた方は国土交通省に届け、100キロルールの見直しをお願いしたいと思います。
ちよっとでも「あれ?」と思った皆さん、是非とも力を貸して下さい。
また出来ましたら、賛同する際にコメントを頂けましたら、励みになります。このルールに関するアンケートも実施しています。ご協力よろしくお願いします。

【参考資料】
●民鉄大手16社の障がい者割引について
大手16社中、西日本鉄道のみ障害の種類(身体・知的・精神)を問わず、1人での乗車でも距離を問わずに半額!
その他の鉄道会社は、100キロ以内の移動については障がい者単独での移動は割引が適用されないなど、距離や介護者付きなどの条件が課せられています。
(大手16社とは日本民営鉄道協会ホームページに大手16社として記載されている会社です)

大手の鉄道会社以外ではどのような割引ルールになっているのか、全国の民鉄のルールを調べてみました。以下のドキュメントに、障がい者単独でも距離の条件なしに割引を行っている民鉄をリストアップしてみました。

地方民営鉄道会社ごとの取り組み

【よくあるご質問】
Q.一人で歩けるなら通常料金を払うべきだ。
料金について問題にしているのではありません。これまでも一般料金を払ってきました。鉄道を利用する際、介助者同伴でなければ割引を受けられない(障害者が単独で利用する際は片道100キロを超えないと割引を受けられない)古い制度に疑問を感じています。障害者差別解消法は「全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的」として、2013年に制度化されました。映画館やバスは割引されるのに、鉄道だけが古い仕組みのままです。逆行する割引制度だと思います。そもそも障がい者が一人で社会参加できるというのが理想です。駅のバリアフリー化はそのためにやっているわけで、本末転倒だと思います。またこれを知人(障害者とは関係ない一般的な方々です)に話すと、10人中10人が「酷い」と話します。「一般料金論でも良くない?」は一人もおりません。一般料金論を話すとある女性は「そんなんだから障害者が街に出られなくなるんだよ」と言いました。障害者の社会進出という意味で適切なコメントだと私は思います。

Q.「謎ルール」という言葉が誤解を生むのでは?
参考資料をご覧頂くと分かりますが、西日本鉄道会社を除く大手民間鉄道15社は「障がい者単独で100キロを超えて乗車する場合は5割引き」とあります。簡単に言いますが、100キロってかなり距離あります。新宿駅から熱海駅までの距離は101キロなので、旅行でもしない限り気軽に利用するのは難しい仕組みです。小田急電鉄に限らず、日本の民間鉄道会社のほとんどが古い制度を踏襲しています。
障害者のバリアフリー化が進む中で、障害者1人でも自立した社会生活を送れるようになってきました。たまに車椅子に乗っている障がい者の方も見かけます。かつては介助者の負担軽減のためにこういう施策を行ってきたとは思いますが、もう変わりつつあります。
認識はアップデートしていく時期だと思います。

Q. 割引の範囲を拡大したら、その財源の負担が問題になるのでは?
そう思って私も調べました。日本民営鉄道協会に加盟する日本全国の地方民営鉄道会社は、障がい者が単独で乗車する場合でも距離の条件なしに5割引をしているところがいくつかあることがわかりました。大手の鉄道会社よりも小さい規模の地方民鉄が幅広く割引を適用しているのであれば、大手の鉄道会社も割引を拡大できるはずなのではないでしょうか。
また、100キロ以内の場合は介護者付きの条件がある場合は、障がい者本人5割引、介護者5割引、2人で1人分の運賃を払っています。
障がい者と介護者2人で1人分の運賃払うか、単独でも割引を適応して1人で半分の運賃払うか、どちらの場合も1人当たりが払う額は同じです。この点においては負担の問題ではないのではないでしょうか。
もし地方の鉄道会社ができていることが、財源の問題で大手の鉄道会社ができないのであれば、地域によっては自治体が取り組みを行っているところもありますし(名古屋の事例を参考としてこの署名ページでも紹介しています)、国や自治体が福祉政策として公的負担をするということもできるのではないでしょうか。

Q. 都営地下鉄はすでに障がい者は無料で乗れるので、見直しは必要ないのでは?
確かに、東京都では都内に住む障がい者に都営交通無料乗車券を発行していたり、大阪市では無料乗車証を発行していたり、またページ下に紹介するように名古屋市でも市営地下鉄などは無料で乗れる取り組みがあります。このような自治体と公営交通の取り組みは素晴らしいです。
しかし、これらの取り組みはその公営交通を運営する自治体に住んでいる人のみ、そして公営の交通機関を利用する場合にしかメリットはありません。
対象の公営交通を使う人でも、隣町など、その自治体ではない地域に住んでいた場合は無料になりません。
また、対象の地域に住んでいても、利用する鉄道が公営ではなく民営の鉄道会社だった場合は無料になりません。
住んでいる地域や、よく使う鉄道によって差が出てしまうということは、改善されるべきことだと考えています。
なので、この署名では、全国各地の鉄道会社に対して、既存の割引のルールを見直してほしいと訴えています。

【参考資料① 名古屋市の取り組み】
名古屋市の障害者団体の方から名古屋市の障害者割引について教えて頂いたのでご紹介します。

・身体障害者手帳1級から4級
・愛護手帳1度から4度
・精神障害者保健福祉手帳1級から3級
の方は、市バス・地下鉄・あおなみ線・ゆとりーとラインの全線が無料で乗り放題だそうで、名鉄、JR、近鉄、三重交通バス、名鉄バスでも市内運行区間に乗車すると支払い後に運賃相当額が返ってくるそうです。運賃相当額という言葉が分からなかったので、詳しく聞くと、「市内運行区間」というものが定められていて、その機関であれば対象になり、この市内運行区間の範囲から出てしまうと、「単独利用100キロ」の壁があるので、名古屋ではマナカという交通ICカードが利用されているそうで、対象となる障害者の方は、そのマナカを使って市バスや地下鉄を無料で利用できると言います。
名鉄やJRは、マナカにチャージをしておき一旦支払いをしますが、2カ月に1回、自分の口座にお金が戻ってくるシステムだと言っていました。
また、名古屋市の場合は、市バスや地下鉄を使用しないという人は、その代わりにタクシーチケットが貰えるそうで、こういった取り組みも名古屋市では普通で、多くの障害者の方が自分に合った移動手段を選択して利用しています。連絡を下さった方は、「名古屋は恵まれているケースで、郊外に住んでいたのが障害を持つと移住することもあるという話も多く聞く」と仰ってました。こうした取り組みがあるのは嬉しいですね。

【参考資料② 神戸新聞の記事】
神戸新聞に同じような記事を発見しましたので、ご紹介いたします。
全線100キロ未満なのに割引条件は101キロ以上? 複雑すぎる「障害者運賃割引」

参考資料③ 向ヶ丘遊園の話】
駅員はOさんという主任の方でした。介助者同伴という事実に驚いてしまい、「え、電車も1人で利用してるんですけど……」と伝えたら、癪に触ったようで、通常用のPASMOに指を指し、「使えませんよ」「絶対履歴を揃えて下さい。揃ってないと無効になります」と高飛車な対応をしました。

【参考資料④ 母の話(登戸駅にて)】
母は看護助手として働いてます。仕事が終わって最寄り駅の登戸駅に立ち寄り、「1人でも障害者割引って難しいんですか?」と駅員に訪ねました。そしたら駅員は「そういう使い方をしたら失効させます」と見下すような対応をされて、非常に嫌な気持ちになったそうです。隣の登戸駅でも同じような対応をされるとは驚きです。

【参考資料⑤南海電気鉄道 運賃割引適用へ】

これまで知的障がい者と身体障がい者しか限られていませんでしたが、精神障がい者も割引対象になるそうです。10月から導入。それは喜ばしいですが、精神障害者保健福祉手帳を持つ人とその介護者に適用というのが十把一絡げにされているようで引っかかります。介助者が必要な場合もあると思いますが、1人でも構わないという方もいると思います。発表された割引制度では、単独の場合は移動距離が101キロ以上でないと割引は適用されません。当事者の事情に即した割引なのか疑問が残ります。

【続報】
署名の賛同者が3万名を超えたので、10月27日署名提出と記者会見を行いました。
参議院予算委員会でこの問題について横沢たかのり議員が質問し、大臣から「鉄道事業者に理解と協力を得られるよう努めてまいります」との答弁を引き出しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

斉藤国土交通大臣の「経営判断」という発言、鉄道会社もよく口にしますが、私は方便だと思います。自分もいつ障がい者になるか分かりません。健康診断で異常がなかったのに、ある日突然、脳梗塞になってしまった当事者の方を実際知っています。誰もが障がい者になり得るし、明日は我が身です。障がい者割引は、経営判断ではなく公共交通としてやっていくという前提に立つのが望ましいと私は思います。

【取り上げられたメディア】
福祉新聞
岩手日報
NHK
ニュースDIG
東京新聞
点字毎日

【記者会見の模様をレポートしたもの】
障害者は単独行動しないもの? 時代遅れの鉄道の障害者割引

改正案が出されました。

 

 

 

法律案が改正

 

 

 

そして・・

 

精神障害者の運賃割り引き JR6社と大手私鉄16社すべてで導入へ

 

課題は大きいですが、当事者の実態調査の中で、精神障がい者の割引を求める声が非常に多く、進歩と言えると思います。

なぜ介護者同伴なのかという質問ですが、「バリアフリーがなく障がい者が介護者としか移動できなかった旧国鉄自体に、障がい者と介護者合わせて一人分の料金になるように設定された」とあります(NEWSDIGの記事より)。

この署名を立ち上げた時、周囲から「難しい問題」といった声が何度も言われました。でも諦めたらそれで終わりです。粘り強く働きかけてきて良かったです。賛同者の皆様お疲れさまでした。よりよい社会にしていきましょう!

avatar of the starter
相馬 杜宇署名発信者脳出血発症→左の片麻痺&高次脳機能障害。「鉄道の障がい者割引、仕組みを見直して下さい!!」というオンライン署名を立ち上げました。

35,007

この方々が賛同しました
荒垣 奈津美さんと19名の他の方が最近賛同しました。

署名活動の主旨

はじめまして。
私は2016年に脳出血を発症し、左半身の片麻痺と高次脳機能障害という後遺症は遺ったものの、杖を付いて歩けるようになった者です。倒れる前から相馬杜宇(あいばもりたか)というペンネームで劇作家をしています。

相馬杜宇(あいばもりたか)(note)

皆さんは、障がい者が鉄道を使って移動する際、「介護者が同伴」または「単独の場合は101キロ以上の移動」でないと、障がい者割引が適用されないというルールがあることをご存知でしょうか。
このルールはJRや小田急電鉄など、多くの鉄道会社が決めているものです。しかしこのルール、実は旧国鉄時代に定められたとても古いもので、バリアフリー化が進んで障がい者が1人でも移動できる今の時代にはそぐわない制限になっています。
しかも、鉄道会社自体もなぜ101キロというとても長い乗車区間での線引きなのか、なぜこのルールが残っているのか、わからないまま前例を踏襲しているという報道も出ています。
私は当事者として、この度『鉄道の障がい者割引、仕組みを見直してください!』という主旨で署名を集めています。 要望内容は以下の通りです。
・障がい者が鉄道を単独利用する場合、乗車距離が101キロ以上などの一定の距離を超えないと割引が適用されない仕組みを見直して欲しい。
・なぜこの「101キロ以上」などのルールが存在するか説明を求める。
・精神障害者、難病の方など、他の障害者への割引がない理由の説明を求める。
・バリアフリー時代に合わせた制度への変更を要求する。

これに至ったきっかけを今からお話しします。

○きっかけ

今年の3月から障がい者用PASMOが新設されたとのことで、私も申請手続きをしようと小田急電鉄の向ヶ丘遊園駅に出向きました。ところが駅員から伝えられたのは、
・2人分の障がい者用PASMOを購入する必要があるとのこと
・介護者が同伴し、2人一緒でなければ利用できない
という主旨のことでした。
私は装具を着けていますが、歩行には支障がなく、電車も1人で利用出来ます。その事を駅員に告げましたが、「2人一緒に利用する必要がある」との一点張りでした。

PASMOのサイトには、障がい者用PASMOは第1種身体障がい者または第1種知的障がい者と、その介護者が利用できるとあります。しかし私は第1種身体障がい者として自立して生活しており、ひとりで電車の利用もできます。この割引制度は障がい者にとって有効なものと言えるのでしょうか。そもそも障がい者、とひと口にいっても、精神障がい者もいれば、認知症、難病、発達障がい者の方など様々な障がい者が存在します。なぜ身体障がい者と知的障がい者に限定したのかも疑問が残ります。

小田急電鉄をはじめとする各鉄道会社では、障がい者が単独で旅行する場合、片道の営業キロが100キロメートルを超えない場合は割引を行わず、介護者がいれば、100キロメートルを越えなくても割引されるそうです。この『100キロ』とはどういう線引きなのでしょうか。
駅のバリアフリー化は障がい者の単独での移動を容易にするためにやっているはずです。

○その後

幸いな事にこの事はニュースDIGというサイトに取り上げて頂きました。
鉄道の謎ルール障害者割引”一人で利用はダメ” ルーツを調べてわかった意外な理由

また、ニュース23でも特集されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これらをご覧頂くとわかる通り、制度が古い仕組みのままなのが分かります

ちなみに、小田急電鉄にメールで問い合わせたところ、制度の説明に加えて『おからだの不自由なお客さま(身体障がい者・知的障がい者)がお一人でご利用になる場合には、101km以上の乗車区間で適用されますことから、当社線では乗車券の発売ができないため、割引が適用されません。』という事項が加えられていました。JR東日本にこの割引制度について問い合わせをしたところ、同様の説明と、101キロを超える単独での移動についての説明と、JRのウェブサイトの該当ページへのリンクがありました。

この事を少しでも広めたいと思っている折りに「小さな声を聴く力」の公明党のポスターを見かけたので、無党派・無宗教の立場ですが「ぜひ障がい者の小さい声を届けて下さい!」という主旨のFAXを公明党に送りました。しかし残念ながら返答はありませんでした。
その後、岩手出身の参議院で車椅子当事者である横沢たかのりさんにメールをしたところ、国土交通省と意見交換の場を設けて下さり、ご報告のメールを下さいました。

そのご報告には、
・各種割引は、鉄道事業者の経営判断にて行われている(障がい者割引も含む)
・国としては、理解と協力を求める立場であり、法的根拠や強制力、拘束力、指導力は無い
・今後も、世の中の状況等に合わせて、一層の理解増進に努めたい
従って、障がい者用パスモの介助者必須条件についても、鉄道事業者の判断により制度設計及び導入されるものである。
とありました。

これを拝見し、正直打つ手が無くなっていると感じました。この先、どこに、誰に声を上げれば良いのか。

○オンライン署名を募りたい

知人から「一人で意見交換して答えを求めているようだが、それだと問題の発信力としては弱いと思う」という意見を貰いました。もっともな指摘ですが、当事者として声を上げてもなかなか進展しないことに歯がゆさを感じています。

そこで、オンライン署名を思い付きました。
国土交通省及び各鉄道会社に、以下を求めます。

・障がい者が鉄道を単独利用する場合、乗車距離が101キロ以上などの一定の距離を超えないと割引が適用されない仕組みを見直して欲しい。
・なぜこの「101キロ以上」などのルールが存在するか説明を求める。
・精神障害者、難病の方など、他の障害者への割引がない理由の説明を求める。
・バリアフリー時代に合わせた制度への変更を要求する。

以前の国土交通省の回答によると、割引については各鉄道会社が決めており国土交通省は指導力はないということでした。 
しかし、全国に存在するこのルールは、一つの鉄道会社だけが見直しすることだけでは解決できません。
国土交通省が各鉄道会社に協力を仰ぎ、そして鉄道会社同士も協力しあい一緒に制度を見直すことで、やっと全国的に解決できる問題であると考えています。 
まずは、全国の各会社に協力を求める立場にある、国土交通省に問題解決のために動いてもらいたいと考えています。 

障がいを持つ当事者にも様々な考え方があり、割引を必要とされない方もいらっしゃると思いますが、私自身は職探しにとても苦労しました。脳出血からの退院後、障がい者向けのハローワークに通いましたが50社以上で不採用になりました。現在は在宅勤務として働いていますが、時給は東京都の最低賃金です。脳卒中の復職率は3割程度と、30年前から変わっていない現状があります。必死になって職探しに奔走していた際の交通費の負担は大変でした。同じ境遇にある方達に、そんな思いをしてほしくありません。

また鉄道各社に問い合わせると、形式的な回答ばかりが返ってきます。障害者の在り方も変わっており、更新するのが望ましいはずです。

このままでは「何かおかしな仕組みだなぁ」で終わってしまいます。おかしな仕組みだなぁ、というままで良いのでしょうか。署名いただいた方は国土交通省に届け、100キロルールの見直しをお願いしたいと思います。
ちよっとでも「あれ?」と思った皆さん、是非とも力を貸して下さい。
また出来ましたら、賛同する際にコメントを頂けましたら、励みになります。このルールに関するアンケートも実施しています。ご協力よろしくお願いします。

【参考資料】
●民鉄大手16社の障がい者割引について
大手16社中、西日本鉄道のみ障害の種類(身体・知的・精神)を問わず、1人での乗車でも距離を問わずに半額!
その他の鉄道会社は、100キロ以内の移動については障がい者単独での移動は割引が適用されないなど、距離や介護者付きなどの条件が課せられています。
(大手16社とは日本民営鉄道協会ホームページに大手16社として記載されている会社です)

大手の鉄道会社以外ではどのような割引ルールになっているのか、全国の民鉄のルールを調べてみました。以下のドキュメントに、障がい者単独でも距離の条件なしに割引を行っている民鉄をリストアップしてみました。

地方民営鉄道会社ごとの取り組み

【よくあるご質問】
Q.一人で歩けるなら通常料金を払うべきだ。
料金について問題にしているのではありません。これまでも一般料金を払ってきました。鉄道を利用する際、介助者同伴でなければ割引を受けられない(障害者が単独で利用する際は片道100キロを超えないと割引を受けられない)古い制度に疑問を感じています。障害者差別解消法は「全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的」として、2013年に制度化されました。映画館やバスは割引されるのに、鉄道だけが古い仕組みのままです。逆行する割引制度だと思います。そもそも障がい者が一人で社会参加できるというのが理想です。駅のバリアフリー化はそのためにやっているわけで、本末転倒だと思います。またこれを知人(障害者とは関係ない一般的な方々です)に話すと、10人中10人が「酷い」と話します。「一般料金論でも良くない?」は一人もおりません。一般料金論を話すとある女性は「そんなんだから障害者が街に出られなくなるんだよ」と言いました。障害者の社会進出という意味で適切なコメントだと私は思います。

Q.「謎ルール」という言葉が誤解を生むのでは?
参考資料をご覧頂くと分かりますが、西日本鉄道会社を除く大手民間鉄道15社は「障がい者単独で100キロを超えて乗車する場合は5割引き」とあります。簡単に言いますが、100キロってかなり距離あります。新宿駅から熱海駅までの距離は101キロなので、旅行でもしない限り気軽に利用するのは難しい仕組みです。小田急電鉄に限らず、日本の民間鉄道会社のほとんどが古い制度を踏襲しています。
障害者のバリアフリー化が進む中で、障害者1人でも自立した社会生活を送れるようになってきました。たまに車椅子に乗っている障がい者の方も見かけます。かつては介助者の負担軽減のためにこういう施策を行ってきたとは思いますが、もう変わりつつあります。
認識はアップデートしていく時期だと思います。

Q. 割引の範囲を拡大したら、その財源の負担が問題になるのでは?
そう思って私も調べました。日本民営鉄道協会に加盟する日本全国の地方民営鉄道会社は、障がい者が単独で乗車する場合でも距離の条件なしに5割引をしているところがいくつかあることがわかりました。大手の鉄道会社よりも小さい規模の地方民鉄が幅広く割引を適用しているのであれば、大手の鉄道会社も割引を拡大できるはずなのではないでしょうか。
また、100キロ以内の場合は介護者付きの条件がある場合は、障がい者本人5割引、介護者5割引、2人で1人分の運賃を払っています。
障がい者と介護者2人で1人分の運賃払うか、単独でも割引を適応して1人で半分の運賃払うか、どちらの場合も1人当たりが払う額は同じです。この点においては負担の問題ではないのではないでしょうか。
もし地方の鉄道会社ができていることが、財源の問題で大手の鉄道会社ができないのであれば、地域によっては自治体が取り組みを行っているところもありますし(名古屋の事例を参考としてこの署名ページでも紹介しています)、国や自治体が福祉政策として公的負担をするということもできるのではないでしょうか。

Q. 都営地下鉄はすでに障がい者は無料で乗れるので、見直しは必要ないのでは?
確かに、東京都では都内に住む障がい者に都営交通無料乗車券を発行していたり、大阪市では無料乗車証を発行していたり、またページ下に紹介するように名古屋市でも市営地下鉄などは無料で乗れる取り組みがあります。このような自治体と公営交通の取り組みは素晴らしいです。
しかし、これらの取り組みはその公営交通を運営する自治体に住んでいる人のみ、そして公営の交通機関を利用する場合にしかメリットはありません。
対象の公営交通を使う人でも、隣町など、その自治体ではない地域に住んでいた場合は無料になりません。
また、対象の地域に住んでいても、利用する鉄道が公営ではなく民営の鉄道会社だった場合は無料になりません。
住んでいる地域や、よく使う鉄道によって差が出てしまうということは、改善されるべきことだと考えています。
なので、この署名では、全国各地の鉄道会社に対して、既存の割引のルールを見直してほしいと訴えています。

【参考資料① 名古屋市の取り組み】
名古屋市の障害者団体の方から名古屋市の障害者割引について教えて頂いたのでご紹介します。

・身体障害者手帳1級から4級
・愛護手帳1度から4度
・精神障害者保健福祉手帳1級から3級
の方は、市バス・地下鉄・あおなみ線・ゆとりーとラインの全線が無料で乗り放題だそうで、名鉄、JR、近鉄、三重交通バス、名鉄バスでも市内運行区間に乗車すると支払い後に運賃相当額が返ってくるそうです。運賃相当額という言葉が分からなかったので、詳しく聞くと、「市内運行区間」というものが定められていて、その機関であれば対象になり、この市内運行区間の範囲から出てしまうと、「単独利用100キロ」の壁があるので、名古屋ではマナカという交通ICカードが利用されているそうで、対象となる障害者の方は、そのマナカを使って市バスや地下鉄を無料で利用できると言います。
名鉄やJRは、マナカにチャージをしておき一旦支払いをしますが、2カ月に1回、自分の口座にお金が戻ってくるシステムだと言っていました。
また、名古屋市の場合は、市バスや地下鉄を使用しないという人は、その代わりにタクシーチケットが貰えるそうで、こういった取り組みも名古屋市では普通で、多くの障害者の方が自分に合った移動手段を選択して利用しています。連絡を下さった方は、「名古屋は恵まれているケースで、郊外に住んでいたのが障害を持つと移住することもあるという話も多く聞く」と仰ってました。こうした取り組みがあるのは嬉しいですね。

【参考資料② 神戸新聞の記事】
神戸新聞に同じような記事を発見しましたので、ご紹介いたします。
全線100キロ未満なのに割引条件は101キロ以上? 複雑すぎる「障害者運賃割引」

参考資料③ 向ヶ丘遊園の話】
駅員はOさんという主任の方でした。介助者同伴という事実に驚いてしまい、「え、電車も1人で利用してるんですけど……」と伝えたら、癪に触ったようで、通常用のPASMOに指を指し、「使えませんよ」「絶対履歴を揃えて下さい。揃ってないと無効になります」と高飛車な対応をしました。

【参考資料④ 母の話(登戸駅にて)】
母は看護助手として働いてます。仕事が終わって最寄り駅の登戸駅に立ち寄り、「1人でも障害者割引って難しいんですか?」と駅員に訪ねました。そしたら駅員は「そういう使い方をしたら失効させます」と見下すような対応をされて、非常に嫌な気持ちになったそうです。隣の登戸駅でも同じような対応をされるとは驚きです。

【参考資料⑤南海電気鉄道 運賃割引適用へ】

これまで知的障がい者と身体障がい者しか限られていませんでしたが、精神障がい者も割引対象になるそうです。10月から導入。それは喜ばしいですが、精神障害者保健福祉手帳を持つ人とその介護者に適用というのが十把一絡げにされているようで引っかかります。介助者が必要な場合もあると思いますが、1人でも構わないという方もいると思います。発表された割引制度では、単独の場合は移動距離が101キロ以上でないと割引は適用されません。当事者の事情に即した割引なのか疑問が残ります。

【続報】
署名の賛同者が3万名を超えたので、10月27日署名提出と記者会見を行いました。
参議院予算委員会でこの問題について横沢たかのり議員が質問し、大臣から「鉄道事業者に理解と協力を得られるよう努めてまいります」との答弁を引き出しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

斉藤国土交通大臣の「経営判断」という発言、鉄道会社もよく口にしますが、私は方便だと思います。自分もいつ障がい者になるか分かりません。健康診断で異常がなかったのに、ある日突然、脳梗塞になってしまった当事者の方を実際知っています。誰もが障がい者になり得るし、明日は我が身です。障がい者割引は、経営判断ではなく公共交通としてやっていくという前提に立つのが望ましいと私は思います。

【取り上げられたメディア】
福祉新聞
岩手日報
NHK
ニュースDIG
東京新聞
点字毎日

【記者会見の模様をレポートしたもの】
障害者は単独行動しないもの? 時代遅れの鉄道の障害者割引

改正案が出されました。

 

 

 

法律案が改正

 

 

 

そして・・

 

精神障害者の運賃割り引き JR6社と大手私鉄16社すべてで導入へ

 

課題は大きいですが、当事者の実態調査の中で、精神障がい者の割引を求める声が非常に多く、進歩と言えると思います。

なぜ介護者同伴なのかという質問ですが、「バリアフリーがなく障がい者が介護者としか移動できなかった旧国鉄自体に、障がい者と介護者合わせて一人分の料金になるように設定された」とあります(NEWSDIGの記事より)。

この署名を立ち上げた時、周囲から「難しい問題」といった声が何度も言われました。でも諦めたらそれで終わりです。粘り強く働きかけてきて良かったです。賛同者の皆様お疲れさまでした。よりよい社会にしていきましょう!

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相馬 杜宇署名発信者脳出血発症→左の片麻痺&高次脳機能障害。「鉄道の障がい者割引、仕組みを見直して下さい!!」というオンライン署名を立ち上げました。
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35,007


意思決定者

東武鉄道株式会社
東武鉄道株式会社
西武鉄道株式会社
西武鉄道株式会社
京成電鉄株式会社
京成電鉄株式会社
京王電鉄株式会社
京王電鉄株式会社

賛同者からのコメント

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2023年6月1日に作成されたオンライン署名