

昨年1月から開始した神宮球場の取り壊し・移転計画を白紙に戻すことを求める本署名は、この1年で神宮球場の収容人数を超える3万8千以上のご賛同をいただきました。多くの皆さんのご賛同に、あらためてお礼申し上げます。
著名人からも神宮球場の保存を訴える声、樹木伐採は延期に
神宮外苑再開発計画は、東京都知事による工事認可が行われ、神宮第二球場は既に取り壊されたものの、多くの著名人や専門家、市民の声の高まりの中で、新ラグビー場敷地(建国記念文庫の森)の樹木伐採にストップがかかっている状況です。
著名人の中では、スワローズ公式ファンクラブの名誉会員でもある作家・村上春樹さんが「素敵な神宮球場を、どうぞこのまま残してください。一度壊したものって、もう元に戻りませんから」と述べ、神宮球場の保存を訴えました。このように歴史的文化財・神宮球場、秩父宮ラグビー場の継続利用への関心も高まっています。
しかし、事業者はさまざまな疑問に答えないまま、神宮球場取り壊し計画を強引に進めようとしています。
疑問には答えず、球場理念さえも示せない事業者
神宮球場にかわって新築される予定の新球場計画について、本署名では以下の懸念事項を指摘してきました。
・超高層ビルに囲まれることによる環境悪化
・アマチュア野球の排除
・建築物としての価値の喪失
・イチョウ並木枯損への影響
・工事による環境への悪影響
事業者サイトでは、あらたな新球場イメージ図を公開するなどしてきましたが、これらの疑問にこたえるものではありませんでした。それどころか、このイメージ図が、バックスクリーンも無く、外野席も大幅に削られるなどの点を指摘されると「あくまでイメージ」といい、「詳細設計は今後」「新球場のあり方やデザインは検討中」など、新球場がどのような球場になるのかという理念さえも示せない状況です。一方で、外野スタンドの座席削減予定については明言しており、野球ファンの懸念を深めています。
事業者が新築の理由として強調するのは、施設の「老朽化」ということですが、100年を超える多くの歴史的建造物が改修により継続使用されている実績をふまえ、専門家からも提案されている改修案などを参考に、継続使用の可能性を広く議論すべきです。超高層ビル建築を目的とした再開発のために、歴史的建造物である神宮球場・秩父宮ラグビー場が犠牲にされてしまうことを、このまま見過ごすわけにはいきません。
「セットバック」案で野球環境さらに悪化の懸念
また、新球場計画の新たな問題点もクローズアップされています。そのひとつは「セットバック」案です。これは、新球場が4列のイチョウ並木に接近して建設される計画のため、イチョウ並木の枯損を懸念する世論への配慮から、新球場の位置をイチョウ並木から後方にずらすことを検討するというものです。
これは、新球場の限られた敷地をさらに狭めるもので、すでに縮小されることになっている外野席またはフィールドを削らなければ実現できません。野球環境をさらに悪化させる懸念をはらむものです。
また事業者は、イチョウ並木を守るといいながら、4列のイチョウ並木の兄弟木でもある18本のイチョウ並木(秩父宮ラグビー場東側)が、新球場の敷地となるため手をつけられることについては語ろうとしません。
もちろん新球場施設のために、4列+18本のイチョウ並木を犠牲にすべきではないでしょう。苦し紛れの「セットバック」案ではなく、現在の神宮球場を改修で使い続ける可能性を、広く議論することこそ必要ではないでしょうか。
「神宮球場取り壊し・移転計画は白紙に」の声を広げましょう!
神宮外苑再開発は、今後10数年にわたって行われる計画です。今年7月の東京都知事選では、神宮外苑再開発計画が争点となることが予想されますが、樹木伐採にストップがかかっている中、無謀・強引な計画にさらに社会の注目が集まれば、事態は大きく動くでしょう。
村上春樹さんの言うように、一度壊したものは元には戻りません。歴史ある神宮球場を取り壊し・移転ではなく、既存の場所で大改修することを求めて、さらに #神宮球場を守りましょう という声を広げていきましょう。