大学入学共通テストへの民間試験導入を止めて下さい!

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(A)署名内容

1.2021年1月から始まる大学入学共通テストで、英語の試験に民間試験が導入されることに反対します。

2.2024年以降の民間試験一本化に反対します。

この二点に賛同していただける方の署名をお願いいたします。

受験生や保護者を含め、この問題に関心のある方すべてに署名への参加をお願いします。

この署名は、衆議院議長、参議院議長、内閣府、文部科学省に提出いたします。

 

(B) 署名の目的

 この署名活動は、日本の外国語教育にとって、また受験生にとって問題点が多い今回の民間試験導入に対して、実際に外国語教育にたずさわる教員自身が、声を上げるべきでないかと考えて始めたものです。

 署名については、日本外国語教育改善協議会(注)の議論の中で発案されましたが、署名活動はこの組織としての取り組みではなく、あくまで個人の集まりである「大学入学共通テストへの民間試験導入に反対する会」として、行うものです。

 

(注:日本外国語教育改善協議会は、1974年に結成された日本英語教育改善懇談会を1997年に改称した団体です。毎年定期大会を行い、日本の外国語教育の改善を求めて、意見書を文科省などに提出しています)

 

 

(C)反対理由 

 民間試験の導入に反対する理由はたくさんありますが、署名要請活動をするにあたり、以下の8項目にまとめました。

 

(1)全受験者に等しく共通テスト内でテストするべきである。

 大学入学共通テストの中で他の科目はすべて受けることができるのに、英語だけ、それも有料で別に民間試験を受けなくてはならないというルールは異常です。共通テストという名前に合いません。追加負担のない形を求めます。

 

(2)公的試験は公平でなくてはならない。

 民間試験対策の費用負担では経済力などの面で生徒間の不公平がさらに広がってしまいます。高校3年4月以降の2回を利用となっていますが、多くの生徒が試験慣れのためにそれ以前から受けるでしょう。もともとは受験自由が前提の民間試験を必須のものとすることに無理があります。

 

(3)民間試験導入は学校教育を改善しない。

 そもそも外部に出題を委ねると、文部科学省は出題に責任を持たないことになります。それは、学習指導要領とも学校教育ともつながらないだけでなく、それらの存在意義の否定にさえなるものです。大学入学試験の改善を本当に意図するなら、それ専用の問題を責任官庁が作るべきです。

 

(4)スピーキングテストは民間試験導入の必然的理由とはならない。

 今回の民間試験導入は、センター試験より出題の質が高いという理由ではなく、スピーキング導入も、他の技能の試験からスピーキングを分離させれば済むことであって、民間試験で4つの技能全て計り直す必然性はありません。東大案のように各学校の授業で評価するのが、教育の本筋です。むしろ共通テストから英語を除外することの弊害があります。また、スピーキングテストは英語力以外の要素に大きく左右されるものであることも無視すべきではありません。

 

(5)日本の大学入試制度とCEFRは考え方が異なる。

 CEFRの考える複文化主義(pluriculturalism)・複言語主義(plurilingualism)の考え方は日本での受験生選抜のための学力概念とは異質で、日本の大学入試の合否判定資料として使えないものです。民間試験の4技能をひとまとめにして判定するテストの形も、本来のCEFRの趣旨と合わないものです。

 

(6)複言語主義について。外国語は英語だけではない。

 外部試験導入で話題にされている試験・検定は、すべて英語です。しかし、他の言語を無視・軽視するのはCEFRの複言語主義、つまり多様性の積極的受容という理念と逆を行くものです。言語教育は、多様性を重視するものでなくてはいけません。

 

(7)公務員が民間試験のために働くことになる。

 8種の民間試験から好きなものを選べるから公平だというのは、受験をさせる側の論理であって、させられる側からの真実ではありません。学校が会場提供や民間試験対策をするなら、その時点で生徒にどの民間試験を受験させるか学校単位で選択せざるを得なくなるでしょう。しかしそれでは、学校教員が民間の営利活動のために働くことになります。また、民間試験の集計を学校一括で送る仕組みも、営利活動の一部に関わることになり、問題です。

 

(8)民間試験導入は、公教育の内容を変質させてしまう。
 大学入試への民間試験導入で、高校の授業がその対策テクニックを訓練する場に変わってしまいます。入試を変えることで教育の内容を変えようというのは順番が逆です。入試は高校教育の成果を測るものであり、それを測れない試験の導入は、公教育という概念を全く否定したものになります。それは、中学校以下の教育にも悪影響を及ぼします。

 

 以上の理由から、私たちは、大学入学共通テストへの民間試験導入に反対します。

 

「大学入学共通テストへの民間試験導入に反対する会」

 

 

署名呼びかけ人:

田島久士、手島良(一般財団法人語学教育研究所)

中山滋樹( GDM英語教授法研究会)

神谷善弘、佐々木力(高等学校ドイツ語教育研究会)

瀧口優、池田真澄(新英語教育研究会)

 

賛同者:

柳沢民雄、関口昭男、柏村みね子、日比和子、吉岡潤子、棚谷孝子、竹島さち子、浅川和也、高木繁、奈良勝行、新妻恵美子、小美濃博、田中渡、大栗健二、石井輝、諌山和可、黒丸栄子、菊地恵子、花田禮司