

議案第14号 令和5年度 目黒区一般会計予算
2023.3.13 松嶋
3款 区民生活費(予算書185ページ 美術館維持管理費)
目黒区美術館について
築36年の東京・目黒区美術館を解体し、隣接する区民センターなどと一体的に再開発を行って新たに複合施設を作る計画を区が打ちだしています。目黒区が美術館設置条例において、自らうたっているように、美術館は、美術の振興を図り、教育及び文化の向上のための施設です。
今後の美術館の解体によって、より良いものになるというが、懸念も多い。目黒区美術館の設置目的は変わらないというが、きちんと役割が果たせるのか、ということについて伺いたい。
美術館解体を懸念する区民からは、「芸術は効率、採算で考えるものではない」、「美術館を含めての再開発は断固反対」という声も上がっています。同館を解体せず存続を訴えているわけですが、この声について、目黒区はどのように受け止めているか。
美術館のロビーに設置されている日本を代表する現代美術家原口典之の鉄鋼の立体彫刻をどうするのか、また朝倉文夫作の野外彫刻などをどうするのか。
先日の質疑で、今の目黒区美術館を残すとすると今後35年維持するとしたら、130億の維持管理経費と答弁があった。この130億円の根拠は何か。区民の方が、ある大学の建築学科の先生に伺った話とのことですが、目黒美は建てたときの建築費が1987年でも40億円前後だろう、ということを聞きました。建築費より高くなる。
(再質問)
美術館を解体し、隣接する区民センターなどと一体的に再開発したら、にわかに良い美術館になるということではない。歴史的な建造物の美術館はたくさんある。先日、私は国立近代美術館に行ったが、昭和27年(1952年)の建物。改修を経て、今も素晴らしい佇まい。現代的な展覧会企画をやって今も大勢の人が足を運ぶ。建物をきれいにしたら人が来るとかではない。
この間、他の会派からの質疑の中で、入場者数の答弁があった。昨年度、企画展年間6回。目標人数全体で28200人。結果的35419人。目標上回る。コロナ禍にあっても、目標を上回っている。優れた企画など行う中で、現状とても頑張っていると思う。先の質疑(自民田島への答弁)に対して、目黒区は「これまでの美術館の役割を踏まえて、多様な施設の連携を図る。美術館については、事業と規模を減らさず、引き続き実施する。現状と同規模。さらに貸し室の活用。多目的空間も活用して、展示スペースにする。」などと、答弁している。2点伺う。
・今後の美術館のあり方については、多目的空間、区民交流室など、共用スペースを活用するとしている。私は一昨日、美術館の学芸員の方にお話を聞いた。展示施設には博物館法によって、作品の安全性、防火など厳しい制約があると聞いている。どこでも展示ができるわけじゃない。多目的空間、区民交流室など、共用スペースで、文化に触れる機会を作るというが、作品展示なので、それはクリアできるのか。
・建物の解体について。現在の目黒区美術館は、貴重な文化的建造物であるとともに、目黒区の文化縁を形成・発展させる核としての役割を担っており、展示スペース、ワークショップスペース、区民ギャラリーなど、美術に親しむとともに、創作活動の発表の場としての機能を有している。機能については、新たな区民センター美術館でも継続させていくといっていますが、「(新施設では)美術館全体の延床面積が現在の3分の1以下になる。地元文化の継承性が損なわれる」と区民からの声が上がっている。本来の美術館の目的である、美術の振興、教育、そのための美術館としての展示など機能。専用の延床。減るわけです。そうした機能、役割を維持できるのか。
(再々質問)
・なぜ解体ありきなのか。美術館には、固有の機能、役割がある。現在の美術館を解体し、多機能化、複合化するのではなく、現在の役割、機能を維持する意味で、建物を維持し、改修するという考え方はないのか。費用面でも、環境の面でも、こうした視点は重要。建物の解体について。貴重な文化遺産であるということ。美術館の役割。美術的な価値。機能。そのところの認識は?
・美術館には、本来の機能・役割がある。にもかかわらず、それらを多機能化複合化するのは、区民センターが、区有施設見直しのリーディングプロジェクトであり、そのモデルケースになっているからだ。それと同時に、政府と企業がこの間、PPP/PFI方式の官民連携を推進してきた。そうした中で、「民間事業者の参入」を前提にした公共施設の統廃合や再編、管理運営が進み、全国でいろんな問題が起こっている。目黒区の区民センターの建て替え計画についても、PFI方式、公民連携、施設の統廃合。同じものだ。国や大企業の言い分に従うのではなく、区民、住民の声を反映した美術館のあり方こそ、目黒区は目指すべきじゃないのか。
今、目黒区美術館を一体とした解体に区民、住民、美術を愛する人々からおかしいという声が上がっている。目黒区美術館を含む区民センターの建て替えについては、区民の声、文化芸術を愛する人の声を尊重する計画を作るべきではないか。
参考資料 原口典之作品紹介ウェブサイト
https://root-k.jp/artists/noriyukiharaguchi/