SNSの匿名アカウントによる誹謗中傷を撲滅するために、プロバイダ責任制限法の改正と刑事罰化を求めます!

SNSの匿名アカウントによる誹謗中傷を撲滅するために、プロバイダ責任制限法の改正と刑事罰化を求めます!

TwitterやInstagramなどで、匿名性を隠れ蓑にした卑劣な誹謗中傷行為が後を絶ちません。
5月23日には、人気番組に出演中の女子プロレスラー・木村花さんが匿名アカウントからの心無い誹謗中傷に悩み、亡くなってしまうという悲しい事件が起きました。
現行の「プロバイダ責任制限法」の下では、名誉毀損等の成立要件を十分満たしていたとしても、相手が匿名アカウントであるためにプロセスが煩雑で、発信者情報開示や削除依頼の負担が大きく、捜査や事件化はおろか、その発信者すら特定できずに被害者が泣き寝入りするケースがほとんどです。
インターネット上で、名誉毀損、誹謗中傷、事実無根のデマ、プライバシー侵害、著作権侵害などの書き込みを匿名アカウントから行った個人を特定するには、発信者情報開示請求を行う必要があります。
「発信者情報開示請求」とは、プロバイダ責任制限法の4条において定められた、インターネット上で悪質な書き込みをした発信者の情報開示をプロバイダに求めることができる制度です。
このプロバイダ責任制限法での「プロバイダ」には、IPS 事業者だけでなく、Twitter、Instagram、FacebookなどのSNS運営者や、5ちゃんねるやガールズちゃんねるなどの匿名掲示板の運営者も含まれます。現状、匿名アカウントによる誹謗中傷、いわれのなきデマ等の悪質投稿に対して、これらのサービスの運営者たる「プロバイダ」達は、刑事責任が適用されないこともあり、十分な防止措置を講じていません。
違法性の高い投稿の削除要請があっても当日削除はされず、SNS・掲示板運営者などの「プロバイダ」が仮に削除に応じたとしても、実際に削除されるまでには長いタイムラグがあり、その間の被害者の損失や心理的な痛みは測り知れません。
そして、現行のプロバイダ責任制限法の下では、誹謗中傷等を発信している匿名アカウントの「本名」「住所」等の開示請求には、裁判所の「仮処分」が必要となります。そのためには、まず「名誉棄損罪」「侮辱罪」等に該当する事を立証する必要があり、実際の開示請求に至るまでに高いハードルがあり、誹謗中傷を受けている側の被害者に時間的・金銭的に多大なコストがかかるシステムになっています。
プロバイダ責任制限法が制定されたのは2001年であり、それからインターネットを取り巻く社会環境は大きく変わっており、
①発信者情報開示のための要件がそもそも高すぎる
②プロセスが煩雑で、弁護士費用をかけなければ高確率で開示請求に応じてもらえない
③削除要請後の対応に応じなくても「プロバイダ」が刑事責任を問われない
という、現行法はもう時代遅れとなっています。
インターネット上の誹謗中傷に対して、もっと法的な抑止力が働いていれば。プロバイダ側の対応がなあなあで、被害者が泣き寝入りせざるを得ないシステムが改善されていれば。木村さんの死は防げたのではないかと思ってしまいます…。
今後、匿名アカウントに隠れて、卑劣な誹謗中傷を行う行為を根絶するために、
①発信者情報開示のための要件を下げる
②費用をかけて弁護士に頼まなくても開示請求出来るように、開示までのプロセスを簡略化・デジタル化する
③削除等の要請に応じず被害者の不利益を拡大する「プロバイダ」には、刑事罰を下す
という内容で、今のSNSの実態と合った形での、プロバイダ責任制限法の法改正と刑事罰化を求めます。