札聾の裁判についての判例解説が出ました。
書いてくださったのは中央大学の博士後期課程に在籍中の関穂乃佳さんとアイヌ民族等の少数民族の権利問題の権威である中央大学法科大学院教授の小坂田裕子教授です。
「日本手話で教育を受ける権利―国際人権法に基づく評価」
新・判例解説Watch 国際公法No. 66 文献番号z18817009-00-090662696
[札幌高判/R7.9.11(LEX/DB25623485)]https://www.tkc.jp/law/lawlibrary/commentary/
この解説では、「障害者権利条約」及び「子どもの権利条約」(いずれも日本が批准する国際法)について、それらの規定が抽象的であることをもって日本手話で教育を受ける権利が具体化されたものとは解されないとした札幌高等裁判所の判断を強く批判しています。
「このように条約の規定に抽象的な文言が用いられていることのみをもって原告らの権利及び国家の義務を否定したことは、国際人権基準に照らして是認できない。本来、国内裁判官は国家機関の一部として国際人権規範の名宛人であり、日本が締約国である条約を解釈する際は、条約機関の有権的解釈を誠実に考慮する義務を負う。」との部分にはとても勇気づけられました。
「本件において、CPRD(障害者権利条約)24条3項(c)に規定される、原告ら「個人にとって最も適当な言語」が日本手話であったことは明らかなのであるから、日本は日本手話に堪能な教員を配置する義務を負う。当該義務は、平等及び無差別原則に基づく義務であり、当該義務の不履行は日本の条約違反に相当する。裁判所は、日本手話による教育を受ける権利をろう児に保障しないことが、彼らの他の人権を脅かし、将来の可能性を奪うものであることを認識する必要がある。」というこの解説の結論が、どうか最高裁の判決に反映されますように!!!