Actualización sobre la petición札幌聾学校の日本手話クラスの存続を!2022年12月2日、札幌地方裁判所で第1回の期日が開かれました
佐野 愛子Japón
3 dic 2022

弁護士の猪野先生の裁判報告をご了承を得てここにシェアします!

ろう児による北海道(道教委、札幌聾学校)に対する訴訟 裁判報告 北海道教育委員会は日本手話の言語の独自性を否定

 2022年12月2日、札幌地方裁判所で第1回の期日が開かれました。

 多くの方が傍聴に来てくれました。ありがとうございました。

 さて、北海道側は答弁書を提出していましたが、この内容は要約すると次のとおりです。

①児童に日本手話で授業を受けることは憲法上、保障された権利ではない。

②日本手話と日本語対応手話は同じ手話であって区別しない。

③二言語クラスは日本手話を基調としたものではなく、他のコミュニケーション手段も合わせて行うものである。

④児童と担任教諭では日本手話も含め種々の方法で意思疎通が出来ていたから問題はない。

 この答弁を受けて原告側は、主に次の点について主張・立証の準備をすることになりました。

①日本手話と日本語対応手話が全く異なるものであること

②北海道札幌聾学校が日本手話を基調としたクラス(二言語クラス)を設置したことについて設立経緯から整理し、同校が日本手話の授業を提供することが学校教育の内容となっていること

 二言語クラスでの日本手話の位置づけについて、北海道側は日本手話を基調に用いるものであることを明確に否定したため②が争点になったのですが、いずれにしても①学習を受ける権利、②日本手話と日本語対応手話が同じ手話、③二言語クラスが日本手話を基調とすることまで否定をするとは思いませんでした。

 ②③は当然の前提であり、④の担任教諭の日本手話の能力のみが争点でそうであれば①の学習を受ける権利まで否定する必要はないと考えていたからです。

 しかし、北海道側の主張である、日本手話と日本語対応手話を区別できないという主張は、これまでの北海道の立場を根底からひっくり返すものです。

 北海道は、これまで札幌聾学校での教育について、二言語クラスでの日本手話の重要性はいささかも変わらず、札幌聾学校の二言語クラスでは日本手話で授業を行うという方針であると明言してきました。

 北海道ろうあ連盟が今年3月に北海道教育委員会に面談し、そのことを確認しています。

「北海道札幌聾学校における日本手話を用いた教育について」(2022年3月31日)

 公式文書でも北海道は日本手話と日本語対応手話は区別して記載しています。

 文科省においても北海道側が証拠として提出してきた「聴覚障害教育の手引き(P32)」の中にもその区別が明確に記載されています。

 しかし、本訴訟では北海道はこれまでの経緯を完全に無視して二言語クラスでは日本手話を基調とするものではないと主張してきたのです。

 被告答弁書の中でもこの2つが区別して主張されており、北海道の混乱振りは明らかです。

 また日本手話を主とする二言語クラスにおいて、担任の教諭が日本手話ができないのは致命的といえるのですが、この点、北海道側は、担任教諭の日本手話能力について認否せず、全体として意思疎通ができているから問題がないと主張し、原告側は具体的に担任教諭の日本手話ができていない部分を特定して主張していることに対しても具体的な認否もしないし、被告側としての具体的な主張もしない、という応訴対応になっています。

 北海道は、児童(原告)が主張する、児童と担任教諭の具体的なやり取りの中で担任教諭が日本手話の問題点を指摘した部分については認否しないという姿勢で、本来、民事訴訟では当然にすべき認否すらも拒否しました。本来であれば「否認ないし争う」とした上で被告側が考えている原告と担任教諭のやり取りを具体的に主張することになるのですが、それすらしない、という姿勢です。

 実際の担任教諭については、北海道は、答弁書(P19)において、原告の主張を引用する形で、口話(原告は聴覚障がいがある)、指文字や板書、日本語対応手話(原告は日本語対応手話ができないと言っている)による対応で意思疎通を試みているとまで主張していますが、この程度でのコミュニケーションで授業ができるはずもないのですが、道教委はこのような主張をしているのです。

 結局、北海道側がここまで日本手話能力についてのハードルを下げるのはその担任教諭の日本手話能力がないということを認めたのと同じなのですが、そもそも二言語クラスにおいて日本手話を基調にしていないと主張していることは、担任教諭の日本手話能力が日本手話で授業ができるだけのものに達していないことの裏返しでもあります。

 ここで問われている日本手話能力は日常会話ができればいいというものではなく、普段の授業で児童にわかりやすく日本手話で語れるのか、です。(担任教諭は日常会話でもおぼつかないレベルです)

 北海道側が言うところの日本手話も含めた種々の方法で意思疎通を試みていればいいというレベルでは全く足りないわけです。

 問われているのは日本手話による授業が成り立っているのかどうかです。

 そこに対する北海道側の認否も含めた主張はありません。はっきりと逃げています。

 ところで、北海道側は上記本案に関する主張だけでなく、本案前の主張(答弁)もしてきました。

 何と、この訴訟の目的は2022年3月に定年退職となった教員の再雇用を目的とするものだ、だから却下せよ、と主張してきたのです。

 このような主張をすること自体、恥ずかしくないのでしょうか。

 上記教員は日本手話が堪能です。そのため定年退職後の札幌聾学校での再雇用を求めていましたが、道教委はこれを拒否。このときから道教委側は、この退職教員の問題のみならずこの札幌聾学校の問題について極めて感情的、敵意剥き出しの対応があり、それが本訴訟の中でもその主張を展開するという醜態をさらしたのです。

 この点について、裁判長は争点とは考えていないと明確に否定しています。

 個人の訴訟ならいざ知らず、北海道たるものが訴訟においてかかる主張を行うことは恥ずかしい限りです。

 ここにも道教委側の日本手話に対する敵意が表れています。

 次回期日は来年1月20日、弁論準備期日として指定されました。手続き自体は非公開のため傍聴はできませんが、その内容については報告いたします。

 次々回期日は3月17日となりましたが、これでこの児童(原告)の小学3年生での授業がまともに受けられないことが確定しました。

 なお、北海道側は、2022年7月に本訴訟が提起されたとき、マスコミ取材に対して適切に対応すると述べていたことから、原告側は8月には授業の改善方法など協議を申し入れました。

 しかし、即座に拒否されました。

 それでも原告側は10月にも再度、申し入れを行いました。この間の遅れを取り戻すため冬休みも含め小学3年生の授業について補習等を行うことに向けて代理人も交えて協議するよう要請するためです。

 ところが本訴訟の期日が近づいた2週間ほど前、道教委(担当吉田氏、本訴訟指定代理人)から原告代理人宛に連絡があり、「顧問弁護士の助言により、お母さん(保護者)に直接、連絡をすることにした。」と言ってきました。

 顧問弁護士の助言と言いながらその顧問弁護士は誰なのか特定しないのか、顧問弁護士の助言というが、その決定の責任は道教委にあるのではないか、と確認しました。

 吉田氏は、それ以上は答えないとして「切らせて頂きます」と言って一方的に電話を切りました。

 そして原告のお母さんのところに札幌聾学校の宇野教頭から連絡(メール)があり、授業の遅れがあるからお話しませんか、などと言ってきました。

 お母さん側からはあくまで代理人を交えて協議したいと回答しましたが、宇野教頭は明確に無視し、一方的に補習等について連絡(メール)してくるだけで何ら具体性がないものでした。

 要は、裁判が始まる前に自分たちはこれだけやっているアピールをしたいだけの形作りにすぎなかったわけです。

 結局、従来の日本手話ができない担任を主とした授業であることに変わりなく、これでは学習保障とはほど遠いものです。

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