中嶋 哲彦Japan
Jun 6, 2023

 いま、学校の先生方はあまりにも多くの業務を過重に背負わされ、教育現場からゆとりと活力が失われかねない状況があります。学校教育を子どもたちの深い思考と探究がなされる場にしていこうとするとき、その担い手である教員自身に思考と探究の時間が確保されないことは、本末転倒と言わざるを得ません。特に、これからの公立学校を「考える市民」育成の場にしていくためには、教職員自身が、十分な考える時間とゆとりを持つことが必要不可欠です。そのために、教員の長時間勤務に歯止めをかけ、今こそ、公立学校を、児童・生徒の知性が解放される場にしていきましょう。
小玉重夫(東京大学 教授)


 自民党によって提案されている調整額の増額という解決策は、教師の過重労働を容認するだけで何の解決にもなりません。教師たちに多大な犠牲を強いる教育では、子どもの幸福も社会の将来も準備することはできません。直ちに給特法を廃止して、通常の公務員並みの残業手当を支払うべきだと思います。
佐藤 学(東京大学 名誉教授)


国際的な比較調査のデータなどから見ても、日本における学校現場の多忙化状況は火を見るよりも明らかです。学校教員の仕事は、パンデミック状況を経ることで、単に学力形成にとどまらない、福祉的なケアという側面を含めて子どもの生活と将来を支えていくものであることがより明白になりました。それだけに、こうした学校現場の状況を放置すると、一人ひとりの子どもたちの現在及び将来が脅かされることになります。
また、教育現場には、授業方法や評価方法などに次々と改革の波が押し寄せていますが、こうした新たなタイプの授業方法や評価には、これまで以上に相応のコストがかかることを私たちは忘れるべきでありません。理想的な指針だけ掲げられても、これだけ人的リソースが不足している状態で、人的=財政的手当もなく、そうした指針の実現を求めるだけでは、現場の悲鳴に耳を塞ぎ、「やり甲斐搾取」を助長することにしかならないでしょう。
私は、早急に、現在の「教職員定額使いホーダイ」という状況が抜本的に解消されることを強く求めて、この署名運動に呼びかけ人として参加します。
澤田稔(上智大学 教授)


 社会的に子どもたちのもっとも近いところで働く先生たち。その先生たちが、自分の仕事にやりがいや生きがいを感じるためには、先生たちの労働条件を適切なものにすることは必須であると考えます。
給特法が成立したのは52年前。当時と比べて、学校や教師に求められるものは広がってきています。その中には、私たちの社会が多様性を受け入れ、個々人がその人らしく生きていけることを保障するように変化していっていることも含まれています。そのことは私たちの未来の社会においてもとても大切なことだと考えます。にもかかわらず、先生たちの労働環境は変わらず、それゆえに無賃の長時間労働を強いられることになっているのです。
私たちの社会が未来に向けて、より一層多様性を受け入れ豊かになっていくためにも、教師たちの労働環境の改善は急務だと考えます。給特法の廃止、学校の業務量に見合った教員配置、教育予算の増額を強く望みます。
清水睦美(日本女子大学 教授)

Copy link
WhatsApp
Facebook
Nextdoor
Email
X