2021年5月21日
当初編集長に書簡を送るつもりでしたが、ドミニオン・ポスト紙とStuffは我々をインタビューして、ケリーの逝去4周年の記念についての記事を掲載してくれました。その記事は今日発表されました。そこで、用意していた書簡に認めた事を以下に記します。また、末尾に発表された記事のリンクも付しておきます。
編集長殿
5月17日は、私たちの息子、Kelly Savageが亡くなってから4度目の記念日です。Kellyは、2017年の5月10日に大和精神科病院で心臓発作を起こし、その一週間後にこの世を去りました。Kellyは、双極性障害に起因する極度の精神衰弱を患い、亡くなる10日前に同病院に入院していたのです。息子は、入院した時から死に至る心臓発作を起こすまでの間、ずっとベッドに縛り付けられていました。そのため、Kellyの死因はおそらく10日間身体拘束を受けた事によって足に血栓が出来、それが肺に達したからだと考えて間違いないでしょう。
大和精神科病院の関係者から、Kellyの死についての説明と調査を繰り返し拒否された後、私たちは社会に訴えて、日本の精神科病院が患者に長時間にわたる身体拘束を続けている事、そのため患者たちがKellyのような悲運の危険にさらされている事へ公衆の注意を喚起してきました。警察の解剖を調査したある研究によると、2016―2018年の3年間に精神科病院で起こった死亡例の47件が、身体拘束に起因している疑いがある事がわかっています。しかも、この調査には東京の例は含まれていません。(2019年9月1日付の読売新聞「身体拘束:突然死の危険」)
世界の他の先進国諸国はそのほとんどが、極めて特別な状況以外では身体拘束という手段を使っていません。使うにしても、一回に行う時間は、数時間中数分という短さです。最近の調査では、日本ではアメリカの150倍、ニュージーランドの1900倍以上の身体拘束が行われている事がわかりました(著者:Newton-Howes, G., Savage, M., Arnold, R., Hasegawa, T., Staggs, V., & Kisely, S. 研究名:環太平洋諸国の身体拘束の使用状況:国際疫学調査。疫学と精神科科学、29号、E190doi:10.1017/S2045796020001031, 2020)
私たち、そしてこの問題を憂慮する他の関係者各位・関係機関は、これからも、日本の精神科医療従事者の実践と医療姿勢、並びに、長時間の身体拘束という野蛮な医療行為を許容している政府の関係省庁の実態を公表し、注視し続けます。具体的には私たちの努力は以下のような活動の形を取っています:
NHKのドキュメンタリー:ハートネットTV、身体拘束のない国へ~ニュージーランドからの報告
ニュージーランドラジオのビデオ:「死の床:Kelly Savage Story」
:https://shorthand.radionz.co.nz/kelly-savage.../index.html
Kellyが主要メディア(印刷物)に掲載された事の多数の報告
日本政府へ身体拘束の使用を減らすよう訴えた嘆願書は1万3千以上の署名が集まりました
日本政府に身体拘束を減らすように訴えた嘆願書は、世界中の著名な精神科医31名が署名をしました。この嘆願書提出の結果、2019年、日本に対して世界精神医学協会の倫理委員会へ告訴が提示されました。
:https://www.change.org/.../so-my-son-s-death-won-t-be-in
20年の間にその数は倍以上となり、毎年6月30日の時点での日本の精神科病院で身体拘束を受ける人の数は、2017年には12,528人とピークに達しました。それが、おそらく我々の努力の結果でしょう、2019年度には若干減少して10,875人になりました。しかしながら、まだこの数は多すぎると言わざるを得ません。
これほどの努力をしても私たちの息子は戻っては来ません。ただ、他の家族が私たちと同じような悲劇を体験しないようにと願って努力を続けているのです。
署名:Michael Savage and Martha Savage
2021年5月15日ニュージーランドのウエリントンにて