Petition update山梨県の500年の欅の伐採を止める

巨樹の防災機能とコンクリート施工の限界とリスク

山梨県大月市 西沢の欅を守る会山梨県大月市, Japan
Aug 29, 2025

【巨樹の防災機能 ― 自然の「生きたインフラ」】

1. 根系による斜面安定効果

森林科学や土木工学の研究では、大木の根は斜面崩壊防止に大きく寄与することが示されています。 東京大学農学部の研究(田中ら, 2011)によれば、樹木根系が土壌のせん断強度を高める効果は、人工擁壁の補強に匹敵する場合があると報告されています。 欅のような巨木は、地表から深層にかけて広範囲に根を張り巡らせており、これが自然の「アンカー」として土壌を保持します。

 2. 保水力と洪水緩和

巨木は一本あたり数百リットルの水を一時的に保持できると言われています(森林総合研究所データ, 2008)。 豪雨時、樹冠と根系は「天然のダム」として機能し、一気に水が流れ込むのを防ぎます。欅の伐採は、地域の治水力を低下させ、逆に洪水リスクを高めかねません。 

3. 気候変動への適応機能

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)報告書でも、大径木の存在が地域気候の緩和に貢献すると指摘されています。 欅は日陰をつくり気温を下げ、CO₂を大量に吸収し、都市型水害の要因となるヒートアイランド化を抑える役割も担います。

【コンクリート施工の限界とリスク 】

行政が選びがちな「コンクリートで固める工事」には短期的な安定性はありますが、長期的には以下の課題があります。

 1. 耐用年数の制約

コンクリート擁壁の寿命は30〜50年程度とされ、維持管理コストが必ず発生します。自然の大樹は数百年にわたり機能し続ける「無償のインフラ」です。 

2. 浸透性の喪失

コンクリート化された沢は水を地中に浸透させず、地下水位の低下を招きます。これは桂川水系の水循環にも影響を与えかねません。

 3. 生態系の断絶

沢をコンクリートで覆うことは、生物多様性を根こそぎ奪います。昆虫、鳥類、両生類、微生物に至るまで、命のつながりが失われます。 つまり、コンクリート工事は「即効性はあっても持続性に欠ける解決策」です。

 【他地域の事例から学ぶべきこと 】

・長野県や岐阜県では、巨樹を残した治山工事が採用されており、「木の根を生かした防災」が実現しています。 

 ・欧州では「グリーンインフラ」として、大木や森林を自然の防災設備と位置付け、   コンクリート依存から脱却する流れが進んでいます。

 

 山梨県が進めようとしている計画は、時代の流れに逆行しているのです。

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