

奨学金帳消しプロジェクトでは、1月28日、奨学金問題に長年取り組んできた「奨学金問題対策全国会議」事務局長の岩重佳治弁護士を迎え、救済措置や債務整理の「正しい知識」について共に学び、解決に向けた相談ができるセミナーを開催しました。セミナーには90人近くの申し込みがあり、当日の様子はNHK「ニュース7」でも報道されるなど、大きな注目を集めました。
イベントのアーカイブ動画をyoutubeで公開中です:https://www.youtube.com/watch?v=3Y0nNgWJ4Eg
●イベントレポート
イベントには奨学金の債務当事者や保証人、相談業務に携わる教育関係者など合計90名ほどの申し込みがあり、50名ほどが出席しました。
第一部では、岩重弁護士から奨学金制度の問題点と、返せなくなった時の対処法についての解説がありました。
岩重弁護士は冒頭で「どんなに本人が努力しようと、返せなくなる場合はある。だからこそ、そのリスクと正面から向き合い、対処法を考えていくことが必要だ」と強調しました。
奨学金は事前の審査なく貸し付けを行うという制度の運用上、誰もが返済困難に陥る可能性があります。学費の高騰や雇用の悪化により、そのリスクは近年飛躍的に高まっています。それにもかかわらず、返済制度の運用は硬直的で機械的に取り立てを強化しており、救済制度も非常に限定的です。そのため、精神疾患で働くことが難しい人など、明らかに支払い能力がない人が一方的に機構から裁判で訴えられるといった例が続出していると岩重弁護士はいいます。
そのような厳しい現実の中でも、解決策はあると岩重弁護士は話します。まずは自己破産制度の活用です。自己破産はいまだに偏見が根強い制度ですが、債務者の生活を守るために作られた制度であり、制度を活用することは正当な権利です。そのほかにも、返還期限の猶予や長期の分割和解など、さまざまな制度を活用して対処ができるということを、実際の相談事例を交えて解説しました。
最後に、岩重弁護士は、債務者に無理な返済を強いる現状の奨学金制度は変わる必要があると語りました。自己責任意識や家族内で対処しなければという意識のもとで債務を抱えるのではなく、当事者が困難に対し声をあげることが重要であると訴え、参加者に「耐える強さを、変える力に」とエールを送りました。
第二部では、「奨学金問題がもはや個人的な問題ではないことを示し、社会的に問題提起しよう」という呼びかけのもと、参加者がそれぞれの債務額を紙に書いて掲げるアクションを行いました。
「脱!自己責任論!安心して学べる社会を!」「28歳保育士 自己破産しました!」「23歳会社員 800万円」「53歳 派遣社員 720万」など、参加者それぞれが自らの債務額を掲げることで、現状を力強く訴えました。
●NHKニュース7で、セミナーの様子が報道されました。
「『将来子どもを持つ』46% 18歳前後の若者 金銭負担などが壁に」
*奨学金セミナーの様子は、1:47からです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230212/k10013978801000.html
●メンバー募集中
奨学金プロジェクトでは現在、奨学金問題の改善を進めるための、セミナー・相談会の運営、調査活動、問題発信に取り組みたい学生や社会人のメンバーを募集中です。
プロジェクトでは現在、10代〜30代のメンバーが活躍しています。中には奨学金を借りている当事者、福祉関係者、学生など多様なメンバーが活躍中です。
「自分に何ができるかわからないけど、とりあえず話を聞いてみたい」という方も歓迎です。
関心のある方は、以下のリンクから説明をご覧ください。
https://shougakukinsoudan.wixsite.com/my-site/volunteer