
賛同者の皆様
10月20日に本署名を厚労省、文科省、内閣府に提出し、制度要請を行いました。大変遅くなりましたが、要請の概要に関してここで報告させていただきます。
なお、署名提出時には29,939筆だった賛同者数が、本日11月20日17時半時点で、30,082筆と、3万筆を超えました!!
そのため、署名開始の経緯から説明させていただきます。
今年の3月2日、自民党の「教育・人材力強化調査会」は「異次元の少子化対策」への提言で、学生時代に奨学金の貸与を受けた人が子どもをもうけた場合、返済額を減免する案を示しました。
これを受け学生ユニオンは、この政策案に反対し、学ぶ権利、子どもを産み育てる権利、子どもを産まない権利を無条件に保障すべきということを主張し、「権利を条件付きにするな」署名を始めました。
この度、署名が約3万筆集まったので、厚生労働省、文部科学省、内閣府宛で、署名提出と要請を行いました。
当日は、厚生労働省から1人、文部科学省、子ども家庭庁から2人ずつ、計5人の担当者が要請に出席しました。また、社民党の福島みずほ議員、共産党の倉林明子議員にも同席いただきました。
要請を終えて、まずは、出産を条件に奨学金を免除するといった政策は考えておらず、今後も考えることはないという回答を聞けたことが何よりよかったです。自民党内で話されていることと各省庁の実務レベルで計画されることの間には差があることを実感しました。
奨学金に関しては「高等教育の修学支援新制度」の拡充などより多くの人に修学支援が行き渡るように模索しているとのことでしたが、もはや大学に子どもを通わせることができない人の方が多くなっているという事実をフードバンクの実態から伝え、住民税非課税世帯よりも収入の高い世代にも普遍的に修学支援を拡充すべき旨、訴えました。
また、「高等教育の修学支援新制度」が新たに理・工・農学部への支援を盛り込むことや、文科省の教員になったら奨学金免除の政策案などについて、国が欲しがる人材にだけ支援を拡充するのではなく、意欲に関わらない普遍的な修学支援を行うべきということも併せて要請しました。
当日は、ユニオンの学生からも、自身が奨学金を借りている話が出て、当事者の立場から奨学金の実態を直接伝えられたのは非常に意義があったと思います。
児童手当や児童扶養手当に関しては、今回あまり深堀りできなかったのですが、とりわけ扶養手当の拡充に消極的だったことが印象に残りました。
また、子ども家庭庁が、フードバンクや子ども食堂の経済支援などを子育て支援施策の例として挙げていましたが、市民の善意を前提とした間接的な支援ではなく、給付金や、各種手当の拡充など、行政の責任で直接の経済支援を行うべきと、これもフードバンク運営の経験やフードバンク利用者の実態から訴えました。
フードバンクは、決して楽ではない準備作業をスタッフが無償で運営して、なんとか継続しているものも少なくありません。スタッフ自身も仕事などがある中で定期的な開催が続けられるかわからないということを、私たちもフードバンクを開催する中で実感してきました。また、勿論フードバンクで配布されるものには数の制限があることに加え、シングルマザー世帯など、子どもを預ける場所がないためにフードバンク会場に足を運ぶのが難しい人もおり、希望する人全員が受け取れるわけではありません。
各種食糧支援の経済的支援という不安定な方法で子育て支援を行うというのは行政の行う施策としてナンセンスだと思わざるを得ません。
厚労省の回答からは、最低賃金改定における生計費の認識の甘さを感じました。
昨今、もはや大卒でも真っ当な職につけるか怪しい状況です。勿論、高等教育無償化は切実な要求ですが、労働市場の不安定化を鑑みれば、努力すれば安定した生活が送れるというのはもはや幻想です。貧困を自己責任にせず、生活実態に即した生計費を最低賃金改訂にしっかり反映させ、賃金の底上げを今すぐ図らなければならないと強く訴えました。
以上が要請の概要です。
単発の要請で、尚且つ1時間という短い時間では若干の消化不良感も覚えつつも、有意義なやり取りができたと思います。
出産したら奨学金減免の政策自体は、本署名も含め、SNSをはじめとした世論の高まりによって取り下げられました。しかし、政府の望む国家像、社会像、市民像のためにしか社会保障を使わない「施し」のような態度は依然として強いと言わざるを得ません。今後も似たような政策案、法案が出てくるだろうと思います。
今後も学生ユニオン一同、政府の動向を注視し、疑問や怒りの声を政府に対して投げかけていきたいと思います。
署名に賛同してくださった30,082名の皆さま、改めてお力添えいただきありがとうございました。
首都圏学生ユニオン