
本キャンペーンにご賛同くださいまして、誠にありがとうございます。
さて、本キャンペーンでは、複数の店舗をもつ全国の大手書店様19社に対して、署名と公開質問状を提出しておりました。
そして、公開質問状への回答期限である7月23日の段階で、何らかの形で回答してくださったのは、全19社のうち2社のみという結果でした。
以下、各書店様の反応や回答をご報告いたします。
<5月に署名および公開質問状の提出先を伺った時点で、「回答しない」「受け付けていない」などの回答をされた書店様>
①くまざわ書店様→「回答するか検討中」(結果、回答なし)
②精文館書店様→「署名を受け付けていない」
③トップカルチャー様→「回答を差し控える」
④明屋書店様→「対応を検討中。いつ返事できるか不明」(結果、回答なし)
⑤フタバ図書様→「回答しない」
⑥ブックファースト様→「回答しない」
⑦文教堂様→「検討中」(結果、回答なし)
⑧文真堂書店様→「回答しない」
⑨未来屋書店様→「回答しない」
⑩明林堂書店様→「回答しない」
⑪八重洲ブックセンター様→何度連絡しても「店長か副店長につなぎ、後で折り返し連絡する」との返答(結果、回答なし)
<署名と公開質問状を受け付けてくださるも、回答されなかった書店様>
①紀伊國屋書店様
②啓文堂書店様
③三省堂書店様
④三洋堂書店様
⑤平和書店様
⑥宮脇書店様
<何らかの形で回答された書店様>
①有隣堂様→電話で署名等の提出先を問い合わせた時点で回答あり。趣旨は以下の通り。
・世の中には様々な考えがあり、書店は人々に多様性を提供する役割を担います。
・社として特定の書籍を排除はいたしません。ただし、法律や条例に反しないものに限ります。なお、出版社が自主回収しているものは、販売いたしません。
・書籍は、お客様に御自身の判断で購入していただきます。
・書店は、スペースに限りがございます。店員個々の判断で、陳列する書籍を選んでおります。全ての書籍を陳列することはできないため、制約のなかで実情に合わせて陳列しております。
以上。
②リブロプラス様→メールにて回答あり。趣旨は以下の通り。
書店の営業活動は、出版物の特性上、多様な思想信条を市場を通じて社会に広める機能を担っています。
場合によっては、人種差別に限らず、さまざまな暴力、あるいは人権侵害に、間接的に加担することがあり得る性質のものと認識しています。
店舗で取り扱う商品は、その自覚をもって注意深く選定しなければなりません。
弊社においても、取扱商品が暴力的でないか、人権侵害に加担するものでないかは、慎重に検討し、個別に判断すべきものと考えます。
また、商品の分類と陳列方法は、商品特性に応じたものであるように努めています。
多くの出版物を取り扱う中で、十分な検討が行き届かないことや、個別の判断を誤ってしまうこともまったくないとは申しませんが、何よりも店舗を支えていただくお客様に信頼されるように日々、研鑽を重ねてまいります。
以上。
なお、弊会が主催した6月18日のシンポジウムについて、「表現物を取り扱う事業を営むものとして学び続けたいと存じます」と、リブロプラスの担当者様から非常に真摯で謙虚なお言葉を頂戴しました。
さて、今回の結果を受けて、2つの疑問が残りました。
1つは、ジュンク堂書店様の先例があるにもかかわらず、なぜ19社のうち17社の書店様は無回答であるのかということです。
もう1つは、前回と今回のキャンペーンにおいて、真摯にご回答くださった書店様も、公開質問状の各項目に直接ご回答いただくのが難しかったのはなぜかということです。
一方で、ご回答くださった書店様は、いずれもその社会的影響を考慮したうえで、商品を陳列する必要があると認識なさっていることが分かりました。
また、有隣堂様が「法律や条例に反しないものに限り、特定の書籍を排除しない」と回答されていることからも、社会に反差別規範が築かれることで、書店の状況は十分に変わり得ることも分かりました。
弊会主催のシンポジウムで、ヘイト本が書店に並ぶ背景には、取次会社による配本という出版業界の構造的問題がありつつも、店舗に足を運ぶ消費者の声で陳列の状況は変わり得るという話がありました。
また、書店はマイノリティが「生きのびるための言葉」を得る希望の場になり得るという話もありました。
今回の署名と公開質問状は、大手書店におけるヘイト本の陳列方法を直接的に変えるまではいかなかったかもしれません。
しかし、このキャンペーンをきっかけに、ご賛同くださっている皆様お一人お一人が、今後お近くの書店様にヘイト本を平積みなどにしないよう説得していただいたり、あるいは反対に、ヘイト本を目立つように陳列していない書店様に励ましの声を届けていただいたりすることで、状況は着実に変わり得るということが明らかになりました。
これもひとえに、ご賛同くださっている皆様のおかげであり、改めまして心より感謝申し上げます。
弊会も、署名とは少し異なるアプローチで、引き続き状況の改善に努めてまいります。
全ての書店が誰にとっても希望の場となるように、是非ご一緒に声を上げ続けてください。
新たなアクションが形になりましたら、またご報告いたします。
今後とも、何卒よろしくお願いいたします。