朝鮮民主主義人民共和国に関する公正で客観的な報道を求めます

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 マスメディアによってつくられたステレオタイプの差別的「北朝鮮像」が、在日朝鮮人に対する迫害を当然視するような社会の風潮を生み出す大きな原因となっていると、私たちは考えます。


 よって、以下の要請を、報道各社に対して行いたいと思いますので、ぜひ賛同をお願い致します。


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「在日朝鮮人に対する迫害の原因となる差別的「北朝鮮」報道を止め、公正で客観的な報道を求める」要請書


【はじめに】

 去る2月23日、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部への銃撃がなされました。実行犯は「北朝鮮のミサイル発射が許せなかった」と供述したといいます。
 一方、政府は、「高校無償化法における就学支援金支給措置」から、朝鮮学校生のみを排除しています。
 日本政府は、この公的機関による公然とした差別を、「北朝鮮」―朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)の行為を理由に正当化し続けています。


 戦後日本社会において、在日朝鮮人に対する差別・迫害は、植民地時代から変わることなく行われていますが、近年、それは、社会の前面で公然と行われるようになってしまっています。さらにその言動は暴力化し、その存在自体をまるごと全否定するような内容となっています。

 街頭で「堂々と」、「朝鮮人を殺せ」と叫び、朝鮮学校を襲撃する・・・。
 このような行為の多くは、「北朝鮮」を理由として行われています。それが誰の目にも明らかな差別・暴力行為であっても、「北朝鮮(の核・ミサイル問題)」と関係づけたならば許されてしまうような状況が、この社会でつくり出されています。
 人の生命まで奪う可能性のあった朝鮮総連への銃撃は、このような状況の中で引き起こされました。


 植民地時代以来続く朝鮮人への差別、それを恥ずべきこととは思わず、公然と正当化し、上記のような状況をつくり出すまでに到った大きな原因のひとつに、政府やマスコミがつくり出したステレオタイプな「北朝鮮」像があります。

 その、「北朝鮮」に関する報道の多くは、事実や資料に基づく客観的な内容ではなく、「日本を攻撃しようとしている危険な国」・・・等のイメージー先入観を前提にしてのものとなっています。その結果、それが、朝鮮に対する憎悪や脅威を煽るものとなり、在日朝鮮人が迫害されやすい社会状況をつくり出す大きな原因になったと、私たちは考えています。

 

【「北朝鮮 核・ミサイル問題」の検証】

 では、この「核ミサイル問題」の実像とは、どのようなものでしょうか。政府間の公式文書や客観的事実に基づいて検証してみます。

 

一 「北朝鮮 核・ミサイル問題」の実像

朝鮮から先に攻撃することはあり得ない― 米朝の非対称な「対立」構図 

 90年代から始まるいわゆる「朝鮮半島核危機」以降、米朝の間では大きな合意が二度、成立しています。「朝米基本合意書」(1994)と「第四回六者協議共同声明」(2005)です。どちらの場合も、朝鮮の核開発の中止とアメリカが朝鮮を核攻撃―侵略しないことがセットの形で妥結しています〔注1〕。

 上記が相互の不可侵条約や核軍縮でないことからわかるのは、互いに攻撃の可能性があるのではなく、アメリカの側にその可能性があり、朝鮮の側がその「脅し」を受けているということです〔注2〕。

 そして、朝鮮の核開発は、アメリカからの攻撃を防ぐための「抑止」的なものであるということです。アメリカが攻撃しないと保証することで、朝鮮が核開発を中止する「合意」が成立しているということが、このことを裏づけています。
 したがって、朝鮮国家がそれを阻止したいとしている「アメリカからの攻撃」に100%の確率でつながることになる、アメリカや日本への先制攻撃など在り得ないのです〔注3〕。

 これまで朝鮮は一度も他国を攻撃―侵略したことはありません。一方、アメリカは絶えずそれを行って来ているという事実も、私たちは想い起こすべきでしょう。

 

二 <東アジアの平和と共生>に向けて

朝鮮戦争の休戦協定を平和条約へ、そして、米朝国交正常化を!

 以上から、いま、「北朝鮮の脅威」として騒がれている問題は、アメリカが朝鮮を決して攻撃しないという確実な保証があれば解決される問題だということがわかります。

 現在、アメリカと朝鮮は、1953年の朝鮮戦争「休戦協定」による休戦状況にあって、敵国同士の関係のままにあります。アメリカはその「協定」の規定を守らぬまま〔注4〕、韓国に軍隊を置き続け、朝鮮を攻撃する意図があることを公式に表明しながら、朝鮮に対する核攻撃を前提にした米韓合同軍事演習を繰り返しています。

 一方、朝鮮は、これらへの対抗措置をとりながら、「休戦協定」以降一貫して、これを平和条約に変え、国交を正常化することを求め続けていますが、アメリカは応じて来ませんでした。東アジアの状況を平和へと転換していく道は、休戦協定を平和条約にかえ、米朝国交正常化を行うことの中にこそあります。

 そしていま、米朝は、この「平和」に向け、初の首脳会談を行うことを宣言しました。


日本は朝鮮植民地支配の清算を、そして、日朝国交正常化を!

 日本政府は朝鮮に対し、植民地支配の清算をいまだに行っていません。しかし、そのような責務などまるで存在していないかのように、朝鮮への「圧力と制裁」のみを行って来ました。報道も、基本的にそのような姿勢を支持して来たのです。

 また、朝鮮半島の南北分断(―対立)は、そもそも日本の朝鮮植民地支配にその歴史的原因があるのですが〔注5〕、政府は南北の友好への動きを敵視し、それを逆行させようとしています。
 最近も、平昌オリンピックの開会式に出席した安倍首相は、再び戦争の危機状況をつくり出すことにつながる米韓合同軍事演習の再開を韓国に迫ることまでしています。
 南北の融和や首脳会談決定などに対する日本の報道も、「北朝鮮の『ほほえみ外交』に騙されるな」が基本トーンでした。

 日本政府が行うべきことは、戦争というゴールしか持たない「圧力・制裁」一辺倒の政策を行いながら危機を煽ることではなく、植民地支配の清算とそれに基づく朝鮮との国交正常化なのです。それを行えば、日朝の危機・対立関係は、自ずと解消されるのです。

 

【報道機関への要請】

 上記の「米朝・日朝関係」の実像は、簡単に入手できる公式文書を読み、歴史的経緯を調べれば見えて来るものです。しかし、ほとんどの報道機関は、朝鮮を「理性の通用しない何をするかわからない国、対話に値しない国」とする差別的「立ち位置」からの報道しかして来ませんでした。

 報道関係者のほとんどは、「ステレオタイプ」という概念を提示したアメリカのジャーナリスト・リップマンが「見てから定義しないで、定義してから見る」と述べたような、「色眼鏡」的手法でしか朝鮮に関わる現実を見て来なかったのではないでしょうか。そうしてつくり上げられた「北朝鮮像」が、在日朝鮮人に対する暴力―迫害を正当化し当然視するようなこの社会の風潮を生み出したのだということを、報道に携わる方々には自覚していただきたいのです。

 報道関係者には、このことの責任を痛感され、これまでの朝鮮関係の報道が差別や偏見に基づくものではなかったか、ダブルスタンダード的なものでなかったか、客観的事実に依拠してその検証を行っていただきたいのです〔注6〕。

 そして、平和へと大きく動き出した東アジアの状況に対して、ステレオタイプの「北朝鮮像」に依拠することなく、また、偏狭な自国中心的立場に陥ることなく、歴史と客観的事実に基づく公正な報道を行うよう求めます。


 以上は、「事実・正確・公正」な報道を義務づけている放送法と新聞倫理綱領に基づく要請でもあります〔注7〕。


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資料

〔注1〕

 1990年代前半の「第一次核危機」を経て合意された『朝米基本合意書(枠組み合意)』では、朝鮮側が稼働及び建設中の(プルトニウムが取り出しやすいとされる)黒鉛減速炉を凍結し軽水炉に替えることとセットで、「アメリカ合衆国は核兵器を使用せず、核兵器で威嚇もしないという公式保証を朝鮮民主主義人民共和国に与える。」とされた。
 また、「第二次核危機」後の『第四回六者協議共同声明』では、朝鮮が「すべての核兵器及び既存の核計画を放棄すること」とセットで、「アメリカ合衆国は、朝鮮半島において核兵器を保有しないこと、及び、朝鮮民主主義人民共和国に対して核兵器又は通常兵器による攻撃又は侵略を行う意図を有しないことを確認した。」との合意がなされた。


〔注2〕

 たとえば軍事演習にしても、朝鮮の方がアメリカのすぐ近くで行うことはない。


〔注3〕

 たとえば、2013年3月から4月にかけて、いまにも朝鮮が日本にミサイルを飛ばして来るような報道がなされたが、その「大騒ぎ」が終わった後で、以下のような「日米韓の分析記事」が紹介された。
 「日米韓は、ムスダン2基の配備は、3~4月に実施した米韓合同軍事演習に、核兵器を搭載できる米軍爆撃機が参加したことに対する対抗手段だった・・米軍の攻撃を思いとどまらせるための純粋な軍事行動だったと分析。・・4月末に米韓合同軍事演習が終了したことを待ちかねたように、ムスダン2基を日本海側から撤収させた。」(朝日新聞デジタル、2013・5・18)


〔注4〕

 「休戦協定」では「あらゆる外国軍隊の朝鮮撤退および朝鮮問題の平和的解決等の問題について協議する」(第60項)ことが約束されたが、そのすぐ後、実質的アメリカ軍たる国連軍の司令官・クラークは、停戦は「朝鮮からの即時撤退を意味するものではなく、早期撤退を意味するものでもない。・・我々は我々の戦闘力を維持しなければならない」(ロイター通信、1953・7・27 )との姿勢を公然と表明した。
 また、「朝鮮域外から増援する作戦飛行機、装甲車両、武器および弾薬の持ち込みを停止する」(第13項D )との条項も守ることなく、韓国での自らの軍備の増強を続け、57年には核ミサイルの配備を始めた。


〔注5〕

 朝鮮半島には、日本軍の武装解除と占領を目的として米ソが進駐し、分割占領した。日本が朝鮮を植民地支配し、その後、アメリカ等の連合国に戦争を仕掛け、敗北した結果、当時、日本の領土であった朝鮮半島へ米ソがやってきたのである。
 つまり、朝鮮の南北分断の歴史的起源・原因は日本にあった。


〔注6〕

 たとえば、朝鮮のミサイル試射をさも日本に向けて飛んで来たように表現して、朝鮮がいかにも危険な国であるかのように思わせる報道は繰り返しされるが、それが実際は日本列島のはるか上空の宇宙空間を飛行したものであったことは伝えない。
 また、朝鮮は「合意を裏切り続けた」という絶えず報道されることなども、その「実施措置」等に関する段階ごとの公式文書を時系列で追っていけば、それが本当かどうかすぐに客観的な形で明瞭になるにもかかわらず、日米政府の主張どおりの報道しかしない。このような例は「枚挙に暇がない」という数的レベルのことではなく、恒常的「質」としてそうである。
 これほどまでに極端かつ徹底した偏向姿勢は他のテーマでは見られないにもかかわらず、「北朝鮮」になると、そうなるのである。なぜそうなっているのか、そこに差別と偏見がないか、冷静・謙虚に検証していただきたい。


〔注7〕

【放送法】
 第四条 放送事業者は、国内放送及び内外放送〔略〕の放送番組の編集に当たっては、次の各号の定めるところによらなければならない。〔略〕 二 政治的に公平であること。/三 報道は事実をまげないですること。/四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

【新聞倫理綱領(抜粋)】(日本新聞協会)
 新聞は歴史の記録者であり、記者の任務は真実の追究である。報道は正確かつ公正でなければならず、記者個人の立場や信条に左右されてはならない。


以上

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