「多種多様」がどうしてダメなの?!外国人学校に幼保無償化を適用してください!

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Breve descrição (Português)(ポルトガル語による概要説明)

 私たちは、外国人学校にも幼児教育・保育の無償化を適用することを強く求めます。

 5月17日、 「子ども・子育て支援法の一部を改正する法律 」が公布され、「全ての子どもが健やかに成長するように支援する」ことを基本理念に(同法第2条)、10月1日より、幼児教育・保育の無償化(以下、「幼保無償化」)が実施されます。

 ところが「全ての子ども」と言いながら、この幼保無償化から外国人学校の幼稚園・保育園が除外されています。8月2日の共同通信の報道によれば、各種学校に当たる外国人学校の幼稚園約90施設が対象外となるとされています(そのうちの40 施設は「高校無償化」制度からも除外されている朝鮮学校の幼稚班です)。しかも、その理由は「多種多様な教育を行って」いるからだとされています。

 「多種多様」がどうしてダメなのでしょうか?

 私たちは、多様性が尊重される社会の実現を目指す立場から、このような差別を決して容認できません。

 乳幼児期は、言うまでもなく子どもの成長にとって大変重要な時期であり、特に外国人にとっては、母語・継承語で幼児教育・保育を受けられる環境は、その子どもの言語的な発達やアイデンティティを育む上でかけがえのないものです。そうした環境は、これまで、保護者の負担する保育料や寄附、周囲の支援によって何とか維持されてきました。この度の幼保無償化からの外国人学校除外は、この努力を踏みにじり、保育料負担に不当な格差を持ち込み、ひいては外国人の幼児教育・保育の場を閉鎖に追い込むことにつながることであり、断じて許されません。

 さらに、外国人学校が各種学校という法的地位を得るために経てきた歴史や、個々の学校の努力を省みるならば、そうした法的地位を得ていない幼児教育・保育施設は対象になるのに、各種学校だけは対象にならないというのは到底納得できるものではありません。

 私たちは、各種学校認可校はもちろん、各種学校未認可の外国人の幼児教育・保育施設を利用する外国人の子どもたちも含め、日本社会で生活する「全ての子どもが健やかに成長するように支援する」という基本理念のもとで、多種多様な幼児教育・保育の機会を保障されることを強く求めます。

「外国人学校に幼保無償化適用を求めるキャンペーン」実行委員会

(世話人 板垣竜太、河かおる、駒込武、藤永壯、山本かほり)

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第1次集約締切:2019年8月31日【終了】

第2次集約締切:2019年9月24日【終了】

第3次集約締切:2019年10月30日(予定)

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 以下に、外国人学校が幼保無償化の対象とならないとする政府の方針がどうしておかしいのかについて、制度的・法的な面から説明します。

1.外国人学校が幼保無償化の対象とならないとする政府の説明

 外国人学校が幼保無償化の対象とならないという政府の説明は、次の3つの資料で確認できます。全て各種学校について書かれたものですが、幼児教育・保育を行っている各種学校は外国人学校しかありませんので、外国人学校は幼保無償化の対象にならないと言っているのと同じです。

(1)   関係閣僚合意(2018.12.28)
 政府は昨年12月28日、関係閣僚合意「幼児教育・高等教育無償化の制度の具体化に向けた方針」を決定しました。その際、「法律により、幼児教育の質が制度的に担保された施設」の注釈において、各種学校は「幼児教育を含む個別の教育に関する基準はなく、多種多様な教育を行っており、また、児童福祉法上、認可外保育施設にも該当しないため、無償化の対象とはならない」としました。

(2)   厚労省通達(2019.4.5)
 今年4月5日には、厚生労働省子ども家庭局長「児童福祉法施行規則の一部を改正する省令の公布について」が発せられ、その「第五その他」の「3 各種学校について」の中で、(1)の関係閣僚合意の内容を繰り返し、都道府県知事等に対し「各種学校担当部局とも連携の上、今後とも適切に対応されたい」としました。

(3)   FAQ(2019.5.30)
 さらに、5月30日に開催された、「幼児教育・保育の無償化に関する都道府県等説明会」で配付された「幼児教育・保育の無償化に関する自治体向けFAQ【2019年5月30日版】」においては、「Q21 各種学校は幼児教育・保育の無償化の対象となりますか」との問いに対して、以下の二つの理由をあげて対象にならないとしました。

  各種学校は、

  1. 幼児教育を含む個別の教育に関する基準とはなっておらず、多種多様な教育を行っており、法律により幼児教育の質が制度的に担保されているとは言えないこと、
  2. また、学校教育法に基づく教育施設については、児童福祉法上、認可外保育施設には該当しないことから、今般の無償化の対象とはなりません。

2.「多種多様」と「質の担保」は関係ない
 政府は多種多様な教育を行っているから幼児教育の質が制度的に担保されないとしていますが、多種多様であることと質の担保は全く別です。そもそも、今回の幼保無償化では、ベビーシッターや一時預かりも対象となっているのであり、努力して各種学校という法的地位を得てきた外国人学校に対して「質の担保」ができないから対象外とするのは全く矛盾しています。

 (3)のFAQでは、「Q22 インターナショナルスクールは幼児教育・保育の無償化の対象となりますか」に対し、「幼稚園としての認可を受けていれば、無償化の対象になりますし、認可を受けていなくても、乳幼児が保育されている実態がある場合、認可外保育施設の届出があれば、保育の必要性のある子供については施設等利用給付の対象となります」としながら、最後に「一方、各種学校については、No.21の通り、今般の幼児教育・保育の無償化の対象とはなりません」としています。

 ここでいう「インターナショナルスクール」は、各種学校の法的地位を獲得に至っていない外国人学校を指すと思われますが、そうした学校は「認可外保育施設の届出があれば」対象とするが、それでも各種学校は対象外だと念を押しています。各種学校未認可の外国人学校は認可外保育施設として幼保無償化の対象になるが、各種学校認可の外国人学校は、「質の担保」ができないから対象にならないというのは、どう考えても矛盾しています。

3.各種学校が認可外保育施設に「該当しない」とする根拠が不明
 FAQでは、「学校教育法に基づく教育施設については、児童福祉法上、認可外保育施設には該当しないことから、今般の無償化の対象とはなりません」とされています。幼児教育・保育を行っている各種学校が、認可外保育施設として都道府県等に届出をすると、このFAQを根拠にして届出が受理されなかったり、一度受理されたものが送り返されたりという事態が実際に発生しています。

 各種学校認可された外国人学校の中には、何年も前から認可外保育施設としての届出を行い、指導監督を受けてきたところもあります。こうした実態と、「該当しない」という政府説明は矛盾します。

 児童福祉法およびその施行規則には、学校教育法に基づく教育施設は届出対象外であるとの条文はありません。むしろ、乳幼児を保育している場合は、児童福祉法第59条の2によって1ヶ月以内に「届け出なければならない」と定められていますので、届出の不受理は児童福祉法違反にあたるのではないかと思われます。

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