「在外投票できない!」:在外ネット投票の一日も早い導入を求めます


「在外投票できない!」:在外ネット投票の一日も早い導入を求めます
署名活動の主旨
▼署名活動の主旨
今回の令和8年衆議院選挙は、これまでの在外投票の歴史の中で最悪の投票環境となりました。「戦後最短の選挙期間」「在外投票にとって初めての真冬の選挙」「世界中での郵便サービスの低下」などの問題です。SNS上でも「在外投票できない」「間に合わない」などの声が多く上がりました。
これまでで最も過酷な在外選挙にもかかわらず、今回の衆院選は過去最多の在外投票者数となりました。最悪の投票環境の中、多くの海外有権者がひるまず、諦めず、一票を投じました。
一方で多くの海外有権者が在外投票した、あるいは在外投票しようとしたことによって、同制度が抱える多くの問題が可視化されることになりました。
また過去最多の在外投票者数といえ、海外有権者数(約105万人)ベースの投票率は未だに2%台です。20%ではなく、2%です。報道等で今回の在外選挙の投票率として「28.02%」という数字が出てますが、それは在外選挙人登録者数(約10万人)ベースの数字で在外投票制度の実態を表してるものではありません。
現実は「投票率2%台」です。
現在の在外投票制度は、今回の解散の時期云々以前に、多くの問題を抱えています。これまで何度もメディアに取り上げられ、日本政府や各党、議員、省庁もその問題の存在を理解しています。またその解決方法が「在外ネット投票の導入」しかないこともわかってるはずです。にもかかわらず、在外ネット投票を導入する前にこれまでで最も過酷な在外選挙を行うこととなりました。
在外ネット投票の導入を最初に提言したのは、総務省が作った有識者会議でした。海外有権者側ではなかったのです。同有識者会議が2018年、在外選挙へのインターネット投票の導入を提言しました。それから8年、日本政府は「在外ネット投票の導入」という解決策を知りながら、法制化もせず、問題の多い在外投票制度を放置してきました。そして今回の戦後最短の真冬の在外選挙です。
ここで私たちが声を上げなければ、また同じことが必ず起きます。今回の過酷な在外選挙を水に流すことはできません。海外有権者の怒りや思いを何らかの形にすべきと思い、在外ネット投票の一日も早い導入を求めるオンライン署名運動を始めることにしました。
集まった署名は、総務大臣、外務大臣、デジタル大臣への提出を目指します。また同時に国会への「請願」の参考資料として提出することも検討します。さらに在外投票議連(「在外投票を推進する議員連盟」)にも海外有権者の声として届けます。
2023年から各党、各議員、各省庁に対して「在外ネット投票の一日も早い導入」を説得し続けてきました。その甲斐もあり、昨年12月の在外投票議連で「在外ネット投票の議連案を作る」というところまできました。ここから同法案の詰めに入ります。
そのときに必要なのは皆さんの声です。「多くの海外有権者、そして同じ問題意識を持つ国内有権者が在外ネット投票の導入を求めている」。そのことを議連に参加する議員や各党、各省庁に訴えることによって、在外ネット投票の法制化をさらに一歩前に進めることができます。
皆さんの力が必要です。皆さんの力をください。在外ネット投票の一日も早い導入のために皆さんの力をあらゆる場面で最大限活用することをお約束します。
署名運動へのご賛同及びご支援、ご協力、ぜひよろしくお願いいたします。
海外有権者ネットワークNY 共同代表 竹永浩之
▼「なぜ在外ネット投票なのか?」:在外投票制度が抱える3つの問題
解散の時期に関係なく、現在の在外投票制度は3つの大きな問題を抱えています。今回の解散総選挙は、それらの問題があるにもかかわらず、さらに負荷をかけてきた形です。またそれぞれの問題は非常に解決が難しいのが現実です。
この3つの問題を解決する方法は「在外ネット投票」しかありません。他に方法があれば「ネット投票」でなくてもいいのです。しかし他に解決方法がないのが現実です。
以下でその3つの問題について説明します。
▼「遠すぎる在外公館」
世界の面積は日本の約400倍。今回の在外選挙で設置された在外投票所(在外公館)は233カ所です。400倍の広さに対して233カ所しかありません。つまり面積で割ると、日本の広さに在外投票所がひとつもない計算になります。日本と韓国と台湾を足して、在外投票所が1カ所あるかどうか。その距離感で海外有権者は在外公館投票しなければなりません。遠すぎるのです。
また「遠すぎる」以前の問題として、日本の在外公館がない国も40ヵ国あります。それらの国では在外公館投票自体が不可能で、ほとんどの国で郵便サービスも充実してません。つまり在外投票できないということです。
▼「短すぎる投票期間」
今回の解散総選挙では、解散から投開票日までが戦後最短でした。確かにそれも問題です。ただ在外投票制度はそれ以前に「短すぎる投票期間」という問題を抱えています。在外公館投票の投票用紙を日本に人の手で運ぶため、日本よりも6日以上前に在外公館投票が締め切られるからです。
今回の衆院選の在外公館投票日数の平均は4.37日。3日間だけの在外公館が14カ所あります。在外公館投票が始まるのは公示日の翌日なので、今回の在外選挙で3日間の公館は「水、木、金」のみの投票でした。つまり週末は含まれませんでした。
在外公館投票が4日間以上ある公館は一応、週末を含みます。ただ土曜日までの公館が133カ所と最も多いです。「遠すぎる在外公館」の部分でご説明したように、公館までの距離を考えると、週末しか投票に行けないという海外有権者が多いはずです。ただ在外公館投票できる週末は1回のみ。さらに土曜日までの公館が133カ所。今回のように解散から公示日までが近いと、すでにその週末の予定が入ってる有権者も当然います。「短すぎる投票期間」問題に「遠すぎる在外公館」問題が覆いかぶさってくる形です。
▼「間に合わない郵便投票」
在外投票制度は「在外公館投票」と「在外郵便投票」が機能して初めて成立します。なぜなら在外公館が遠いため、実際に物理的に投票に行ける海外有権者が限られるからです。そのための「在外郵便投票」です。しかし現在の在外郵便投票制度はほとんど機能してません。つまり2本の足の片方が完全に折れてる状態です。
前回の衆院選在外郵便投票者数は世界で246人でした。繰り返します。在外郵便投票したのは、世界中で246人だけでした。なぜなら現在の在外郵便投票では投開票日に「間に合わない」からです。
在外郵便投票には4つのステップがあります。
たとえば今回の解散総選挙では、この4つのステップを解散の話が出てから投開票日までに完了させる必要がありました。またステップ②~④は16日間しかありませんでした。通常の国際郵便では間に合いません。有権者は国際速達やFedexやDHLなどのクーリエ、選管はEMSを使う必要がありますが、それでも間に合わない可能性が高かったです。
在外郵便投票に関しては今回の解散総選挙だけでなく、慢性的に「間に合わない」問題を抱えてきました。その「間に合わない」を積み重ねる中で在外郵便投票利用希望者が激減。前回衆院選での在外郵便投票者数246人に至りました。
下は「日本からわざわざ在外郵便投票用紙を取り寄せたにもかかわらず、最終的にその票がカウントされなかった海外有権者の割合」です。「投票用紙を返送できなかった海外有権者数」と「返送したにもかかわらず締切に間に合わなかった海外有権者数」を足して計算してあります。ここでは「在外郵便投票不成立の割合」と呼びます。
前回の令和6年衆院選在外郵便投票では、実際に海外で郵便投票用紙を手にした海外有権者の票の54.3%が無効になりました。54.3%です。過去のデータからわかるように平成24年以降、毎回40数%~50数%の票が無駄になりました。当然トライすることを諦める有権者も出ます。それを繰り返した結果が前回の246人です。
また世界的な郵便サービスの低下も「間に合わない」問題に大きく影響してます。日本の在外郵便投票制度はその半分を必ず他国の郵便システムに委ねることになります。国によっては日本のような安定した郵便サービスはまったく期待できません。また他国の郵便サービスを日本側が改善することも不可能です。つまり解決方法は他国の郵便サービスを飛び越える方法(=ネット)しかないのです。
▼在外ネット投票しかない!
「遠すぎる在外公館」「短すぎる投票期間」「間に合わない郵便投票」の3つの問題を解決する方法は在外ネット投票の導入しかありません。他に解決できる方法があれば検討すべきです。しかし「人」が物理的に動く、「投票用紙」を物理的に動かす方法には限界があります。それを飛び越える方法=ネットでなければ、根本的な解決にはなりません。
「在外公館への郵便投票」という案もあります。ただこの場合も特に「他国の郵便システム」に頼ることになります。これからさらに劣化するであろう「他国の郵便システム」に、です。また「在外公館への郵便投票」が間に合うのは基本的に先進国です。発展途上国在住の有権者はその方法では救うことはできません。もし在外投票制度を大きく変えるとしたら、現在「棄てられた海外有権者」である彼らを今度こそ救うべきです。
▼在外ネット投票法制化の現在位置
最初の「署名活動の主旨」で書きました通り、総務省の有識者会議である「投票環境の向上方策等に関する研究会」は2018年、在外ネット投票の導入を提言しました。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei15_02000190.html
また総務省は令和元年から「在外選挙インターネット投票システムの技術的検証及び運用等に係る調査研究事業」を毎年行っています。在外ネット投票の制度面や技術面のかなりの部分は固まってきてます。
https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/senkyo/zaigai_senkyo/index.html
さらに昨年12月に開催した在外投票議連の総会で「在外ネット投票の議連案を作る」というところまで来ました。在外ネット投票を法制化しようというプロセスはすでに始まっているのです。
▼在外ネット投票実現のために今必要なこと
前述のように在外ネット投票の法案作りはすでに動き出してます。同法案を実際に成立させるために今必要なのは、皆さんの声です。「在外ネット投票の一日も早い導入を求めます」。その声を国会や政党、議員、省庁に届けることによって、在外ネット投票の法制化を前に進めることができます。それがこの署名運動の目的です。
またもうひとつ必要なのは、ご自身の選挙区選出国会議員へのアプローチです。SNS、メール、電話、訪問など、どんな方法でも構いません。在外ネット投票の導入を訴えていただけたら、法制化へのさらなる後押しになります。
皆さんのご支援、ご協力、ぜひよろしくお願いいたします。
海外有権者ネットワークNY 共同代表 竹永浩之
【関連ページ】
総務省・在外投票ページ
https://www.soumu.go.jp/senkyo/netsenkyo.html
総務省への意見・提案
https://www.soumu.go.jp/form/common/opinions.html
外務省・在外投票ページ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/senkyo/index.html
外務省への意見・提案
https://www2.contact.mofa.go.jp/form/pub/mofaj/feedback
【関連報道】
2025年7月2日 毎日新聞
▼ネット投票の導入へ、詰め寄る河野氏 海外在住者の投票率低下
https://mainichi.jp/articles/20250701/k00/00m/010/023000c
2025年10月30日 読売新聞
▼不便過ぎる在外投票、実質投票率2~3%…選挙の度に公館へ・日本へ郵送間に合わず
https://www.yomiuri.co.jp/national/20251030-OYT1T50023/
2026年1月23日 朝日新聞
▼最短総選挙、在外投票に壁 遠い公館、期間短く交通費負担も 郵便請求、日本に届くまで1週間 衆院選
https://digital.asahi.com/articles/DA3S16388148.html
2026年1月23日 毎日新聞
▼衆院選の在外投票、233公館で実施へ 28日から 低投票率懸念
https://mainichi.jp/articles/20260123/k00/00m/010/252000c
2026年1月24日 朝日新聞
▼最短準備、焦る困る 投票所の入場券「速達で送るしか」 衆院選
https://digital.asahi.com/articles/DA3S16388356.html
2026年1月24日 朝日新聞
▼車で8時間か、1万円超かけ郵便か 海外有権者「投票間に合わない」
https://digital.asahi.com/articles/ASV1R0G8DV1RUTIL031M.html
2026年1月28日 日経新聞
▼衆議院選挙の期日前投票・在外投票始まる 国民審査は2月1日から
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA279M20X20C26A1000000/
2026年1月29日 朝日新聞
▼在外投票が開始、有権者は「もう少し時間を」 解散から7日で終了も
https://digital.asahi.com/articles/ASV1X46V1V1XUHBI00WM.html
2026年1月29日 朝日新聞
▼「超」短期決戦、追われる海外 北京・バンコク・ジャカルタでは 衆院選
https://digital.asahi.com/articles/DA3S16392605.html
2026年1月31日 朝日新聞
▼在外投票、時間がない 早々に締め切り・登録間に合わず 衆院選」
https://digital.asahi.com/articles/DA3S16393648.html
2026年1月31日 日経新聞
▼戦後最短の衆院選、海外在住に厳しく 郵便投票が間に合わない恐れ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB28CP80Y6A120C2000000/
2026年2月6日 毎日新聞
▼「泣く泣く投票を諦めた」 超短期決戦の余波、海外在住日本人の怒り
https://mainichi.jp/articles/20260206/k00/00m/010/057000c
2026年2月9日 毎日新聞
▼衆院選の比例代表の在外投票数、過去最多 前回選比67%増
https://mainichi.jp/articles/20260209/k00/00m/010/404000c
2月10日 朝日新聞
▼在外投票率、前回より増 実質2%台 衆院選
https://digital.asahi.com/articles/DA3S16401031.html
2月11日 中国新聞
▼衆院選、届かなかった1票 オーストラリアから郵便投票も…戦後最短日程の余波 三原出身男性
https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/786031
2月11日 中国新聞
▼在外投票 前回衆院選で54・3%無効 構造的欠陥の指摘も
https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/786033
2月14日 東京新聞
▼「私の選挙権は…」急な衆院解散で投票できなかった海外有権者 怒りを込めて「ネット投票」を求める動きも
https://www.tokyo-np.co.jp/article/468665
【署名主催】
海外有権者ネットワークNY 共同代表 竹永浩之
Email : jovnewyork@gmail.com
21,502
署名活動の主旨
▼署名活動の主旨
今回の令和8年衆議院選挙は、これまでの在外投票の歴史の中で最悪の投票環境となりました。「戦後最短の選挙期間」「在外投票にとって初めての真冬の選挙」「世界中での郵便サービスの低下」などの問題です。SNS上でも「在外投票できない」「間に合わない」などの声が多く上がりました。
これまでで最も過酷な在外選挙にもかかわらず、今回の衆院選は過去最多の在外投票者数となりました。最悪の投票環境の中、多くの海外有権者がひるまず、諦めず、一票を投じました。
一方で多くの海外有権者が在外投票した、あるいは在外投票しようとしたことによって、同制度が抱える多くの問題が可視化されることになりました。
また過去最多の在外投票者数といえ、海外有権者数(約105万人)ベースの投票率は未だに2%台です。20%ではなく、2%です。報道等で今回の在外選挙の投票率として「28.02%」という数字が出てますが、それは在外選挙人登録者数(約10万人)ベースの数字で在外投票制度の実態を表してるものではありません。
現実は「投票率2%台」です。
現在の在外投票制度は、今回の解散の時期云々以前に、多くの問題を抱えています。これまで何度もメディアに取り上げられ、日本政府や各党、議員、省庁もその問題の存在を理解しています。またその解決方法が「在外ネット投票の導入」しかないこともわかってるはずです。にもかかわらず、在外ネット投票を導入する前にこれまでで最も過酷な在外選挙を行うこととなりました。
在外ネット投票の導入を最初に提言したのは、総務省が作った有識者会議でした。海外有権者側ではなかったのです。同有識者会議が2018年、在外選挙へのインターネット投票の導入を提言しました。それから8年、日本政府は「在外ネット投票の導入」という解決策を知りながら、法制化もせず、問題の多い在外投票制度を放置してきました。そして今回の戦後最短の真冬の在外選挙です。
ここで私たちが声を上げなければ、また同じことが必ず起きます。今回の過酷な在外選挙を水に流すことはできません。海外有権者の怒りや思いを何らかの形にすべきと思い、在外ネット投票の一日も早い導入を求めるオンライン署名運動を始めることにしました。
集まった署名は、総務大臣、外務大臣、デジタル大臣への提出を目指します。また同時に国会への「請願」の参考資料として提出することも検討します。さらに在外投票議連(「在外投票を推進する議員連盟」)にも海外有権者の声として届けます。
2023年から各党、各議員、各省庁に対して「在外ネット投票の一日も早い導入」を説得し続けてきました。その甲斐もあり、昨年12月の在外投票議連で「在外ネット投票の議連案を作る」というところまできました。ここから同法案の詰めに入ります。
そのときに必要なのは皆さんの声です。「多くの海外有権者、そして同じ問題意識を持つ国内有権者が在外ネット投票の導入を求めている」。そのことを議連に参加する議員や各党、各省庁に訴えることによって、在外ネット投票の法制化をさらに一歩前に進めることができます。
皆さんの力が必要です。皆さんの力をください。在外ネット投票の一日も早い導入のために皆さんの力をあらゆる場面で最大限活用することをお約束します。
署名運動へのご賛同及びご支援、ご協力、ぜひよろしくお願いいたします。
海外有権者ネットワークNY 共同代表 竹永浩之
▼「なぜ在外ネット投票なのか?」:在外投票制度が抱える3つの問題
解散の時期に関係なく、現在の在外投票制度は3つの大きな問題を抱えています。今回の解散総選挙は、それらの問題があるにもかかわらず、さらに負荷をかけてきた形です。またそれぞれの問題は非常に解決が難しいのが現実です。
この3つの問題を解決する方法は「在外ネット投票」しかありません。他に方法があれば「ネット投票」でなくてもいいのです。しかし他に解決方法がないのが現実です。
以下でその3つの問題について説明します。
▼「遠すぎる在外公館」
世界の面積は日本の約400倍。今回の在外選挙で設置された在外投票所(在外公館)は233カ所です。400倍の広さに対して233カ所しかありません。つまり面積で割ると、日本の広さに在外投票所がひとつもない計算になります。日本と韓国と台湾を足して、在外投票所が1カ所あるかどうか。その距離感で海外有権者は在外公館投票しなければなりません。遠すぎるのです。
また「遠すぎる」以前の問題として、日本の在外公館がない国も40ヵ国あります。それらの国では在外公館投票自体が不可能で、ほとんどの国で郵便サービスも充実してません。つまり在外投票できないということです。
▼「短すぎる投票期間」
今回の解散総選挙では、解散から投開票日までが戦後最短でした。確かにそれも問題です。ただ在外投票制度はそれ以前に「短すぎる投票期間」という問題を抱えています。在外公館投票の投票用紙を日本に人の手で運ぶため、日本よりも6日以上前に在外公館投票が締め切られるからです。
今回の衆院選の在外公館投票日数の平均は4.37日。3日間だけの在外公館が14カ所あります。在外公館投票が始まるのは公示日の翌日なので、今回の在外選挙で3日間の公館は「水、木、金」のみの投票でした。つまり週末は含まれませんでした。
在外公館投票が4日間以上ある公館は一応、週末を含みます。ただ土曜日までの公館が133カ所と最も多いです。「遠すぎる在外公館」の部分でご説明したように、公館までの距離を考えると、週末しか投票に行けないという海外有権者が多いはずです。ただ在外公館投票できる週末は1回のみ。さらに土曜日までの公館が133カ所。今回のように解散から公示日までが近いと、すでにその週末の予定が入ってる有権者も当然います。「短すぎる投票期間」問題に「遠すぎる在外公館」問題が覆いかぶさってくる形です。
▼「間に合わない郵便投票」
在外投票制度は「在外公館投票」と「在外郵便投票」が機能して初めて成立します。なぜなら在外公館が遠いため、実際に物理的に投票に行ける海外有権者が限られるからです。そのための「在外郵便投票」です。しかし現在の在外郵便投票制度はほとんど機能してません。つまり2本の足の片方が完全に折れてる状態です。
前回の衆院選在外郵便投票者数は世界で246人でした。繰り返します。在外郵便投票したのは、世界中で246人だけでした。なぜなら現在の在外郵便投票では投開票日に「間に合わない」からです。
在外郵便投票には4つのステップがあります。
たとえば今回の解散総選挙では、この4つのステップを解散の話が出てから投開票日までに完了させる必要がありました。またステップ②~④は16日間しかありませんでした。通常の国際郵便では間に合いません。有権者は国際速達やFedexやDHLなどのクーリエ、選管はEMSを使う必要がありますが、それでも間に合わない可能性が高かったです。
在外郵便投票に関しては今回の解散総選挙だけでなく、慢性的に「間に合わない」問題を抱えてきました。その「間に合わない」を積み重ねる中で在外郵便投票利用希望者が激減。前回衆院選での在外郵便投票者数246人に至りました。
下は「日本からわざわざ在外郵便投票用紙を取り寄せたにもかかわらず、最終的にその票がカウントされなかった海外有権者の割合」です。「投票用紙を返送できなかった海外有権者数」と「返送したにもかかわらず締切に間に合わなかった海外有権者数」を足して計算してあります。ここでは「在外郵便投票不成立の割合」と呼びます。
前回の令和6年衆院選在外郵便投票では、実際に海外で郵便投票用紙を手にした海外有権者の票の54.3%が無効になりました。54.3%です。過去のデータからわかるように平成24年以降、毎回40数%~50数%の票が無駄になりました。当然トライすることを諦める有権者も出ます。それを繰り返した結果が前回の246人です。
また世界的な郵便サービスの低下も「間に合わない」問題に大きく影響してます。日本の在外郵便投票制度はその半分を必ず他国の郵便システムに委ねることになります。国によっては日本のような安定した郵便サービスはまったく期待できません。また他国の郵便サービスを日本側が改善することも不可能です。つまり解決方法は他国の郵便サービスを飛び越える方法(=ネット)しかないのです。
▼在外ネット投票しかない!
「遠すぎる在外公館」「短すぎる投票期間」「間に合わない郵便投票」の3つの問題を解決する方法は在外ネット投票の導入しかありません。他に解決できる方法があれば検討すべきです。しかし「人」が物理的に動く、「投票用紙」を物理的に動かす方法には限界があります。それを飛び越える方法=ネットでなければ、根本的な解決にはなりません。
「在外公館への郵便投票」という案もあります。ただこの場合も特に「他国の郵便システム」に頼ることになります。これからさらに劣化するであろう「他国の郵便システム」に、です。また「在外公館への郵便投票」が間に合うのは基本的に先進国です。発展途上国在住の有権者はその方法では救うことはできません。もし在外投票制度を大きく変えるとしたら、現在「棄てられた海外有権者」である彼らを今度こそ救うべきです。
▼在外ネット投票法制化の現在位置
最初の「署名活動の主旨」で書きました通り、総務省の有識者会議である「投票環境の向上方策等に関する研究会」は2018年、在外ネット投票の導入を提言しました。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei15_02000190.html
また総務省は令和元年から「在外選挙インターネット投票システムの技術的検証及び運用等に係る調査研究事業」を毎年行っています。在外ネット投票の制度面や技術面のかなりの部分は固まってきてます。
https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/senkyo/zaigai_senkyo/index.html
さらに昨年12月に開催した在外投票議連の総会で「在外ネット投票の議連案を作る」というところまで来ました。在外ネット投票を法制化しようというプロセスはすでに始まっているのです。
▼在外ネット投票実現のために今必要なこと
前述のように在外ネット投票の法案作りはすでに動き出してます。同法案を実際に成立させるために今必要なのは、皆さんの声です。「在外ネット投票の一日も早い導入を求めます」。その声を国会や政党、議員、省庁に届けることによって、在外ネット投票の法制化を前に進めることができます。それがこの署名運動の目的です。
またもうひとつ必要なのは、ご自身の選挙区選出国会議員へのアプローチです。SNS、メール、電話、訪問など、どんな方法でも構いません。在外ネット投票の導入を訴えていただけたら、法制化へのさらなる後押しになります。
皆さんのご支援、ご協力、ぜひよろしくお願いいたします。
海外有権者ネットワークNY 共同代表 竹永浩之
【関連ページ】
総務省・在外投票ページ
https://www.soumu.go.jp/senkyo/netsenkyo.html
総務省への意見・提案
https://www.soumu.go.jp/form/common/opinions.html
外務省・在外投票ページ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/senkyo/index.html
外務省への意見・提案
https://www2.contact.mofa.go.jp/form/pub/mofaj/feedback
【関連報道】
2025年7月2日 毎日新聞
▼ネット投票の導入へ、詰め寄る河野氏 海外在住者の投票率低下
https://mainichi.jp/articles/20250701/k00/00m/010/023000c
2025年10月30日 読売新聞
▼不便過ぎる在外投票、実質投票率2~3%…選挙の度に公館へ・日本へ郵送間に合わず
https://www.yomiuri.co.jp/national/20251030-OYT1T50023/
2026年1月23日 朝日新聞
▼最短総選挙、在外投票に壁 遠い公館、期間短く交通費負担も 郵便請求、日本に届くまで1週間 衆院選
https://digital.asahi.com/articles/DA3S16388148.html
2026年1月23日 毎日新聞
▼衆院選の在外投票、233公館で実施へ 28日から 低投票率懸念
https://mainichi.jp/articles/20260123/k00/00m/010/252000c
2026年1月24日 朝日新聞
▼最短準備、焦る困る 投票所の入場券「速達で送るしか」 衆院選
https://digital.asahi.com/articles/DA3S16388356.html
2026年1月24日 朝日新聞
▼車で8時間か、1万円超かけ郵便か 海外有権者「投票間に合わない」
https://digital.asahi.com/articles/ASV1R0G8DV1RUTIL031M.html
2026年1月28日 日経新聞
▼衆議院選挙の期日前投票・在外投票始まる 国民審査は2月1日から
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA279M20X20C26A1000000/
2026年1月29日 朝日新聞
▼在外投票が開始、有権者は「もう少し時間を」 解散から7日で終了も
https://digital.asahi.com/articles/ASV1X46V1V1XUHBI00WM.html
2026年1月29日 朝日新聞
▼「超」短期決戦、追われる海外 北京・バンコク・ジャカルタでは 衆院選
https://digital.asahi.com/articles/DA3S16392605.html
2026年1月31日 朝日新聞
▼在外投票、時間がない 早々に締め切り・登録間に合わず 衆院選」
https://digital.asahi.com/articles/DA3S16393648.html
2026年1月31日 日経新聞
▼戦後最短の衆院選、海外在住に厳しく 郵便投票が間に合わない恐れ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB28CP80Y6A120C2000000/
2026年2月6日 毎日新聞
▼「泣く泣く投票を諦めた」 超短期決戦の余波、海外在住日本人の怒り
https://mainichi.jp/articles/20260206/k00/00m/010/057000c
2026年2月9日 毎日新聞
▼衆院選の比例代表の在外投票数、過去最多 前回選比67%増
https://mainichi.jp/articles/20260209/k00/00m/010/404000c
2月10日 朝日新聞
▼在外投票率、前回より増 実質2%台 衆院選
https://digital.asahi.com/articles/DA3S16401031.html
2月11日 中国新聞
▼衆院選、届かなかった1票 オーストラリアから郵便投票も…戦後最短日程の余波 三原出身男性
https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/786031
2月11日 中国新聞
▼在外投票 前回衆院選で54・3%無効 構造的欠陥の指摘も
https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/786033
2月14日 東京新聞
▼「私の選挙権は…」急な衆院解散で投票できなかった海外有権者 怒りを込めて「ネット投票」を求める動きも
https://www.tokyo-np.co.jp/article/468665
【署名主催】
海外有権者ネットワークNY 共同代表 竹永浩之
Email : jovnewyork@gmail.com
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