Petition update困窮者を生活保護制度から遠ざける不要で有害な扶養照会をやめてください!「役所の対応には失望しかありません」~扶養照会をめぐる当事者の声(1)
稲葉 剛Japan
Jan 28, 2021

 生活保護の扶養照会の見直しを求めるネット署名へのご協力をありがとうございます。 

 おかげさまで、賛同者は3万3千人を超えました。

 一昨日からは、この問題に関わる三者三様の当事者(生活保護の利用者・相談者、その親族、福祉事務所職員)から扶養照会に関する体験談を募集しています。

扶養照会に関する体験談を募集します。
 

 こちらのフォームには、すでに120件以上の体験談を寄せていただいています。送っていただいた体験談は、ネット署名とともに厚生労働省に提出する予定です。

 フォームに寄せられた体験談を抜粋して、立場別に3回に分けて転載します。1回目は、生活保護の利用当事者や元当事者、窓口に相談に行ったものの申請には至らなかった方の声です。

 生活保護を利用している方からは、親族に扶養照会をされたことが心理的な負担になったという声がたくさん寄せられました。

・大阪市平野区で生活保護を申請した際に、その時点で離婚した元嫁と娘の名前、連絡先を書けと言われた。娘が成人した時は扶養照会をすることもあると言われた。拒否したかったが、その時は生活保護申請して生き延びたいので書いた。拒否したかったし、今からでも扶養照会は廃止して、離婚した元家族に心理的負担を負わせたくない。

・墨田区で申請。
母親と兄に扶養照会の書類が届く。
兄に「扶養義務がある!扶養義務があるって書いてあるんだよ!!!どうすんだよ!!!!ふざけんな!!!!!」と電話で大声を出された。
苦痛。

 厚生労働省は各自治体に出した通知の中で、DVや虐待などの問題がある場合は、扶養照会をしなくてよいと伝えています。しかし、こうした問題があるにもかかわらず、扶養照会をされてしまったという方もいらっしゃいました。

・大阪市旭区役所で、民生委員さんに付き添って頂き、DVで離婚したから元旦那には知らせないで欲しいと説明したにも関わらず、生活保護の調査資料に一切記録されておらず元旦那に生活保護の申請の際に扶養照会が送られて住居がバレてしまいました。
 いつこちらに来るかわからない恐怖があるにも関わらず、責任逃れをしたいのか、ご実家に帰られるのが一番!と言って、子ども達の生活環境を変えたくないから旭区で引っ越したいと言っても嫌な顔をされました。正直、今回のような事が無ければこんなに怯えて引っ越ししなくていい話しで、本当に区役所の対応には失望しかありません。

・申請時、父親に扶養照会すると言われ、DVにより逃げているのでやめてほしいと伝えましたが、規則なので扶養照会しなければ申請は受けられないと言われ、仕方なく了承しました。
 福祉事務所からの扶養照会により、父親に居場所がバレてしまい家に何度も押しかけられました。こどもの出産手当一時金を父親の口座振込に変更され奪われたり、保護費を奪われたり、家の中の家電等も奪われました。
 今は転居し安心して暮らせていますが、あの時の恐怖は忘れられません。DV加害者への扶養照会は禁止にしてもらいたいと願います。

 扶養照会を止めてもらうため、虐待があった事実を伝えなければならなかったが、そのことによる心理的なダメージが大きかったという声もありました。

・親からの虐待が原因で、精神障害を負いました。過去の記憶を記憶喪失するほどでした。過去のことを思い出そうとすると、解離等の精神症状を起こします。ケースワーカーに「扶養照会をしないでほしい理由」を、解離を起こしながら説明しました。それで申請は通りましたけど、その日は体力を消耗して、ぐったりしました。

 また、厚生労働省のホームページには、「扶養義務者の扶養は保護に優先しますが、例えば、同居していない親族に相談してからでないと申請できない、ということはありません。」と書いてありますが、一部の自治体では扶養照会を水際作戦のツールに使っている実態も改めて明らかになりました。

・相談の段階(市役所の福祉課)で…両親は存命か?兄弟は何人いる?自分との間柄は?近くに親族は住んでるいないのか?等々…かなり踏み込んだ質問を立て続けにされ、申請したら両親、兄弟、親族に連絡が行くけど良いか?と言われました。その段階で生活保護の申請を諦めました

・私は当時赤ちゃんを抱えシェルターに保護され、シングルマザーになりました。大阪府の母子支援担当者に相談をしましたが、働いてください!の一点張りでした。
 生活保護は申請できませんと追い返され、親の職業も聞かれ、両親公務員、公務員の何をしているかを聞かれ、職種を伝えましたら、公務員なら親に言え、無理無理無理、働けといわれ、取り合ってくれませんでした。親は遠く離れた地に住んでいます。

 自治体の対応にバラつきが出てしまう背景には、厚生労働省の通知が、例外的に扶養照会を行わなくてよいケースを列挙するという書き方をしていることにも原因があると私は考えています。

 福祉事務所の職員には「原則として扶養照会は実施するものである」という考え方が刷り込まれており、例外として「照会が不要」のケースがあると言われても、禁止されているわけではないため、「親族に連絡しても問題ない」と考えてしまうのではないでしょうか。

 やはり、通知を出し直し、「本人の意思を無視して家族に連絡をしてはならない」という新たな原則を確立する必要があると思います。

 引き続き、署名へのご協力をお願いいたします。

 

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