豊田市のみつご虐待死事件の母親が子育てしながら罪を償えるように、執行猶予を求めます!

豊田市のみつご虐待死事件の母親が子育てしながら罪を償えるように、執行猶予を求めます!
豊田市のみつご虐待死事件で、3年6ヶ月の実刑判決が出ました。(2018年1月11日、三つ子の次男を脳挫傷で死なせてしまうという事件です。)
虐待死は許されることではありません。でも、3年6ヶ月は長すぎます。残った二人のお子さんは乳児院に預けられているそうです。服役を終えて出てきた時、二人のお子さんは5歳半です。11ヶ月から5歳半まで乳児院で母親に会えずに過ごすことになります。彼女にとっては、残った2人の子どもに向き合って育てながら罪を償うほうがいいと思います。
だから、実刑判決ではなく、執行猶予付きの判決を求めます。(「平成21年以降に起きた多胎の母親が多胎児が生後1年以内起こした傷害致死事件」で初めての実刑判決です。)
ぜひ、署名していただき、このお母さんを、子育てをしながら罪を償わせてあげてください!
どうか、三つ子育ての過酷さを想像していただき、次の判決で執行猶予がつくよう、署名をお願いします。
執行猶予がついたら、彼女は、残った2人の子どもに向き合って育てながら、罪を償っていかれるはずです。
どうか、一番かわいい時期の2人の子供を、手元で育てさせてあげてください。よろしくお願いいたします。
わたしは大阪に住む三つ子の母です。https://twitter.com/okeikomika
三つ子の母だから、彼女がなぜ虐待死をさせてしまうほど、追い詰められていったのかわかります。きっと、三つ子の母のかたは、わかってくれると思います。彼女がしたことは特別なことではありません。三つ子の母でなくても、子育てをしたことがあるひとなら、想像していただけると思います。
三つ子育児は手伝ってくれるひとがいないとできません。彼女には誰も助けてくれるひとがいませんでした。疲れ果てだんだん追い込まれていったのでしょう。
彼女だからこの事件が起こったのではありません。三つ子を育てる生活は、想像以上に過酷です。三つ子育児で手伝ってくれるひとがいなかったら、誰にでも起こりうることです。
赤ちゃんは3時間起きに授乳(ミルク)しますが、三つ子が一緒の時間にミルクを欲しがるわけではありません。ミルクを飲む時間はバラバラです。そして、オムツ換えは、一人約10回だから、毎日30回もおむつを換えるのです。だから、三つ子の母は24時間ずっと起きていて、隙間に睡眠をとるという生活です。こんな生活で、正常な判断ができるわけがありません。
ここからは、想定される疑問に答えていきたいと思います。
①誰かに相談すればよかったのではないか?
三つ子の母親は、どこに相談していいのかわからないのです。
多胎育児に関する団体はいろいろあります。とても親切にしてもらえますし、こころのこもった活動をしていらっしゃいます。ただ、所属しているのは、双子の母親が多いのが現状です。なぜなら、三つ子を育てていている母親は、忙しくて、体がしんどくて、そういう会へも行けないからです。双子育てと三つ子育ては違います。わたしも多胎育児に関する団体に参加したことはありますが、「大変そう」と言われてますます落ち込んでしまいました。(どうして落ち込んだのかというと、「三つ子を育てているひとにしかわからないことがある」と思ったからです。多胎育児に関する団体への悪意はありませんので、どうか、三つ子の母の本心だとご理解していただけるとありがたいです。)
②保健師さんなどに相談したらいいのではないか?
わたしも数回来ていただいたことがありますが、三つ子育児でくたくたなので、隙間時間はとにかく横になっていたいのです。だから、保健師さんの訪問に対応するのが難しかったです。実際に家に来られても、出ることができないことが多かったです。玄関まで行く体力が無いのです。3時間起きの授乳(ミルク)そして、三人のオムツ交換で、体が疲れ果ててくたくたです。とにかく横になっていたいのです。
③ファミリーサポート制度を利用したらよかったのではないか?
利用を開始する際、事前の面談などが必要なので、②と同じになりますが、とてもじゃありませんが、三つ子を連れて、面談へいくことができません。ほとんど寝ていない状態なのです。わたしは、三つ子が1歳になるまでの記憶がまったくありません。きっと、三つ子の母親は全員、そのような状態です。だれかに助けてほしい。でも、その声をあげる体力すら残っていません。だから、ファミリーサポート制度のような手続きがかかることはできないのです。(こちらも、ファミリーサポート制度を批判するものではないことをご理解ください。ファミリーサポート制度のおかげで助かっている母親もたくさんいると思います。)
また、まだ歩かない三つ子を連れて外出できるでしょうか?できません。ひとりで三人の赤ちゃんを連れて、外出ができないのです。
④母親なら、どれだけ体がしんどくても我が子に虐待などしないと思われるかたへ
子供はかわいいです。この母親も子供が可愛いと言っています。ただ、ほぼ寝ていない生活では、可愛いと思う余裕もなくなっていきます。この虐待死事件は、母親ががんばってがんばって、ぎりぎりまでがんばった結果起こったことだと思います。
逃げることだってできたかもしれません。それをしなかった。それは母親だからではないでしょうか。
実際にわたしは、ふとした瞬間に、「子供がいなかったら・・・」と想像してしまうことがあります。それくらい、三つ子育ては体がしんどいです。では、三つ子の母親は子供を死なせるのか?と聞かれるかもしれませんが、三つ子を育てていける母親には、助けてくれる両親が近くにいます。助けてくれないひとは、過労死と隣り合わせの生活をしているのです。
⑤母親を執行猶予にすると、「残った二人をまた虐待するのではないか」「今度は一家心中をするのではないか」というお声をいただいております。
執行猶予がついた場合も、きっと、この母親をサポートする体制を整えてから、乳児院にいる子供たちは戻ってくるのではないでしょうか。ここは、確信はありません。でも、こうした反対意見も、担当弁護士さん等へ伝えます。
反対意見もお寄せください。そのご意見が「対策」を考えるきっかけになると思います。そして、わたしは、日本がきっと、この母親をサポートする体制を整えてくれると信じています。そして、この母親のことも信じたいです。
⑥「この母親の精神状態で、また子育てをさせるのは残酷ではないか」というお声をいただいております。
こちらも⑤と同様です。日本が、きっと適切なサポート体制を整えてくれます。そう信じます。
⑦子供が嫌い。子育てが嫌いな母親に、どうして執行猶予をつけて、子育てをまたさせるのかというお声について。
新聞記事を見ていただきたいと思います。この母親は、子供が嫌いなわけでも、子育てが嫌いなわけでもありません。ほとほと疲れていて、判断ができない状態になっていたのだと思います。
どうか、三つ子育ての過酷さを想像していただき、次の判決で執行猶予がつくよう、署名をお願いします。
執行猶予がついたら、彼女は、残った2人の子どもに向き合って育てながら、罪を償っていかれるはずです。
どうか、一番かわいい時期の2人の子供を、手元で育てさせてあげてください。よろしくお願いいたします。
2019.3.19追記
「この母親は執行猶予を望んでいるのか?」「この母親はまた子育てをしたいと思っているのか?」とたくさんのかたからのコメント等いただいております。そこで、裁判を傍聴されたかたからのお話を追加掲載させていただきます。
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裁判を傍聴された方によると「一審の時、このお母さんは保釈されていて、心療内科とカウンセリングに通っているとのことでした。
また、今後は実家に戻って育児をしたいという希望を述べられ、
お子さんの帰宅については、児童相談所と相談しながらまず面会から進めていくとのことです。児童相談所との間では、職員との面接を重ねていて、3月中にお子さんとの面会が実施される予定ということでした。
家に戻すタイミングは、このお母さんの状況をみて、児童相談所が考えると思いますので、すぐにこのまま2人のお子さんが家に戻るということではないと思います。
まずは、会って親子の絆を取り戻すところから始まるそうです。
またご実家のお父さんが証言にたたれ、きょうだいも含め、家族全員で支えて一緒に育児をするとお話されていました。なお、実刑判決が出たことで、今はどこかの施設に収容されていると思います」とのことです。
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彼女はまた子育てしたいと望んでいます。そして、執行猶予がついたからといって、すぐにお子さんが戻るということではありません。そして、子育てが再開されたとき、ご実家のご家族全員が支えて、一緒に育児をされていかれます。
言葉不足で申し訳ありません。実際にわたしが彼女と会話する立場にありませんので、裁判を傍聴された方のコメントから、彼女の気持ちをわかっていただけると幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
2019.3.22追記
ぎふ多胎ネットのホームページより転載させていただきます。
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以下、みつごのお母さんからのメッセージです。
本日3月22日、保釈され、社会に出ることができました。
判決後、多くのみなさまが、みつご育児の大変さに共感して声をあげてくださったこと、減刑の署名をしてくださったことを弁護士の先生から聞きました。一人ではないと感じ、次男と残された二人の子どもたちへの思いや、孤独と絶望に押しつぶされそうな拘置所での生活の大きな心の支えになりました。本当にありがとうございました。
本来であれば、声をあげてくださったみなさま、署名をしてくださったみなさまの前で、お礼をすべきところですが、まだ産後うつ病の治療中であることと控訴審の裁判を控えていることから、このコメントで代えさせていただきます。
これから、判決前に通っていた心療内科でうつ病の治療を再開します。カウンセリング治療も再開し、次男への思いを含め、事件を起こしてしまったことを振り返っていきます。
判決直前に事件以来約1年ぶりに、子どもたちとの面会がかない、抱きしめることができました。子どもたちとの絆を一日も早く取り戻し、次の判決までの間、母親として、現在施設でお世話になっている子どもたちにできる限りのことをしたいので、さきほど児童相談所に面会を再開してもらえるようお願いしました。
毎日次男を思い出し、胸が張り裂けそうな思いです。次男の命を奪ったことは決して許されることではなく、私の命をかけても償いきれないことだと思いますが、これからの一生をかけて償なっていきたいと思っています。
そして、残る二人の子どもたちの母でもあることを考えると、一日も早く子どもたちとともに生活していきたいと思います。その際には、児童相談所にご指導いただき、また、家族、病院、カウンセラー、多胎支援や地域の方々など、多くのみなさまの助けを借りながら、しっかりと子どもたちに向き合っていくつもりです。
そこで、大変身勝手であるとは承知しながら、執行猶予判決を求めて、控訴させていただくことにしました。
本当にありがとうございました。