Petition update北岡賢剛氏、社会福祉法人グロー、滋賀県は性加害の告発に向き合ってください滋賀県議事録シリーズ④2025年6月20日 節木三千代議員
社会福祉法人グローにおける性加害問題を考える会 滋賀Japan
18 Sept 2025

滋賀県議会、2025年6月定例会議での節木三千代議員による社会福祉法人グローにおける性加害問題に関する質疑の議事録が公表されましたので、以下に転載します。

◆節木三千代議員

 人権に関わる問題で、3項目めに移ります。
 社会福祉法人グロー元理事長による性暴力およびハラスメントに対する県の対応について、一問一答で全て知事にお聞きします。
 2020年11月、社会福祉法人グロー元理事長、北岡賢剛氏による長年にわたる性暴力やハラスメント被害を受けた原告2名が、北岡氏とグローに対し、法的責任と損害賠償を求めて提訴。第1審では原告らの主張はほぼ認められ、被告側には損害賠償と安全配慮義務違反が認められていましたが、北岡氏は不服として控訴を行っていました。控訴審判決は2025年5月28日、東京高等裁判所で言い渡される予定でしたが、同年──今年4月11日の和解期日に北岡氏は控訴を取り下げ、これをもって一審判決は確定しました。裁判手続は全て終了いたしました。
 昨年10月の判決を受けて、11月議会での私の質問に対して知事は、県として至らぬ点や反省すべき点がなかったのか振り返る、今後の教訓、対策としていくとされていますが、どのように取り組まれたのか、知事に伺います。

◎知事(三日月大造)

 今も一部、御紹介いただきましたけれども、県はこれまで、法令等で与えられた権限に基づき、制度や基準に照らし、問題がないことを確認し、また、司法の場に委ねている事案の事実関係については裁判所において判断されるものと考えてまいりました。しかしながら、本県のこれらの対応が適切であったかの検証を行うため、判決を受けて、外部有識者5名の方々の御意見も踏まえ、振り返りを行ったところでございます。
 その結果、係争中であっても、事業を委ねている立場から事実確認を行うなど、もう一段、深く考え、実践し、性暴力、ハラスメントを許さない姿勢を明確にすべきだったと考えており、原告の方への気持ちや県民の受け止めに対する配慮を欠いていたことは大変重く受け止めなければならないと考えております。
 これらを教訓といたしまして、グローへの対応にとどまらず、ハラスメント事案を許さない姿勢をより明確にし、再発防止の徹底を図ってまいりたいと存じます。

◆節木三千代議員

 知事は6月17日の記者会見の場で、記者の質問にいろいろ、グローの関わった件について答えておられましたが、その中で、世界標準の人権意識の水準というふうに言われておられました。知事が言われる、世界標準の人権意識の水準に上げるということだと思いますが、その認識は、知事はどのように持っておられるのか、再度、問いたいと思います。

◎知事(三日月大造)

 世界標準の人権意識ということで申し上げれば、国連で2011年にビジネスと人権に関する指導原則というものを定められておりまして、人権を保護する国家の義務、人権を尊重する企業の責任、そして救済へのアクセス、3つの柱から構成されておりますので、こういったことを県というものに置き換え、読み替え、また、企業、事業所等にどのようにそういったものを反映させていくのかという視点で申し上げたところでございます。

◆節木三千代議員

 さらに、今後の対応で、役員、管理職層を対象にした研修を、今年度、始めるとされていますが、これについてはもちろん、今、知事が言われました世界標準の人権意識の水準を目指して、県が、直接、研修を行われる予定でしょうか、ちょっと確認させていただきたいと思います。

◎知事(三日月大造)

 今回の振り返りの中で、ハラスメント対策法人全般のテーマの中で研修の実施というところの中に、研修を今年度から新たに実施ということを、今、お尋ねいただいているんだと思いますが、どのような主催で、また、どのような方々を対象に、どういう内容で研修をするのかということについては、改めてまた、検討した結果を皆様方にお知らせしたいと思いますが、当然、こういった世界標準の人権の原則についても周知することは必要だと考えております。

◆節木三千代議員

 県が、直接、研修をすべきだというふうに思います。有識者5名に個別に意見や助言をいただいたとお聞きしましたが、お一人お一人の意見、助言はどのようなものがあったのか、知事に伺います。

◎知事(三日月大造)

 まず、グローへの対応につきましては、グローに対して事案を検証するための第三者委員会の設置などを助言すべきではなかったのかと、また、指定管理について、判決が出た今、法人の適格性については、判決の内容も踏まえ、再度、検討すべきだということ、また、女性活躍推進企業認証について、係争中に認証はすべきではなかったなどの御意見をいただいたところでございます。
 また、グローのみならず、法人全般のハラスメント対策につきましては、この事例を契機に、仕事の世界においてハラスメントはあってはならないという考えに基づき指定管理者の運用を行うべきという御意見や、ハラスメントに関する項目を監査や指定管理等の項目に入れるべきなどの御意見をいただいたところでございます。

◆節木三千代議員

 今、紹介されました意見を、今回、県が取りまとめたという、そういう理解でいいのか、知事にちょっと確認させてください。

◎知事(三日月大造)

 そういった御意見、助言を踏まえ、県として振り返り、検証をさせていただいたということですので、単に御意見いただいたことだけを取りまとめてということよりも、この間、県としての振り返りも行った上で、いただいた御意見や御助言等を踏まえて、今回、発表させていただいた、取りまとめさせていただいたということでございます。

◆節木三千代議員

 なぜ個別に意見、助言を受けることにしたのか、その経緯について、知事に伺います。

◎知事(三日月大造)

 今回、5名の方に、この振り返りについて御意見をお聞きいたしました。お一人お一人に、この間の経過等も御説明しながら丁寧に御指摘を聞いていきたいという考えから、個別に訪問することなどにより御意見を承りました。また、振り返り、最終的に取りまとめるに当たりましては、外部有識者の御意見も踏まえ、反省点や今後の取組等について庁内で議論を重ねた上で、庁内での検討結果を、改めて外部有識者から御意見をいただくことで、参集いただいた場合以上に丁寧な聞き取りになるとも考え、個別に意見を伺うこととしたものでございます。
 また、いろんな5名の方の御都合を聞きながら一堂に参集ということよりも、個別に当たらせていただいたほうが、より迅速にお考えを聞けるという、そういった考えもありました。

◆節木三千代議員

 有識者の委員会として、私は委員会で取りまとめられるべき事案だというふうに思います。しかもこの有識者の中には、検証を受けるべき指定管理選定委員会の委員さんも含まれており、個別に聞く、県の都合でこうしたやり方で行っているとしか思えないんですけれども、再度、知事に聞きたいと思います。

◎知事(三日月大造)

 この有識者の中にどういった方に加わっていただくのか、また、どういったやり方で御助言、御意見等を伺うのかということについて、私自身も関与しながら判断をして行ってまいりました。
 今、議員がおっしゃったようなお考えもあるのかもしれませんが、それぞれの方からそれぞれの見地で、いずれも厳しい御指摘、御意見等もいただきましたし、この間の経過等を一定御存じの方の御意見等もお聞かせいただきたいということで選定させていただいたところでございますので、必ずしも県の都合でということには当たらないのではないかと考えております。

◆節木三千代議員

 私は、この問題の提訴後、2020年の11月に、同法人が社会福祉事業団の時代から県と密接な関係があったこと、そして、2つの県立施設を県の指定管理者としていいのかという質問をしてまいりました。
 被害者の元職員、(仮称)スズキさんの声を紹介し、県として、調査委員会を設けて事実を明らかにするように求めてきました。しかし、法人において自主的な調査を行い、その結果に基づいて必要な対応を講じていただきたいと、知事は、裁判の結果が出るまで堂々と、この法人任せの答弁をこの議場でされてきました。そして、3年間の指定管理後も、その後3年間、指定管理し、2023年に5年間の指定管理として選定されたときも、この選定委員会自身は公正で中立な視点で審査が行われている、瑕疵がないと、ここまで言い切って、本当に弱腰だったというふうに思います。議会の指摘を、私は無視されてきたのではないかという憤りさえ感じます。最も人権が重んじられなければならない障害者福祉の施設で、この提訴後、5年間も指定管理を続けてきた。私は知事の責任が本当に問われると思いますが、再度、伺いたいと思います。

◎知事(三日月大造)

 その御指摘は甘んじてしっかりと受け止めたいと思います。とはいえ、一方で、係争中の案件でもございましたので、その事実認定ということに対して県がどれだけの確証を持って行えるのかということもございました。かつ現場がある、当事者がいらっしゃるという中で、どういった方にこの施設の運営をお任せするのかということについては、そのとき持っている基準と条件で、出されている申請を見ていくという、こういう作業も必要でございました。
 ただ、今となっては、もっと踏み込んだ対応、対策が、当時、取られてしかるべきではなかったのかと、こういう御指摘、御助言も受けて、反省、振り返りも行ったところでございますので、今後に生かしてまいりたいと存じます。

◆節木三千代議員

 県の対応が二次被害を与えたという認識は知事におありですか、再度、伺います。

◎知事(三日月大造)

 そういったことは、被害に遭われた方の証言として報じられていることからも承知をしております。
 おっしゃったように、提訴している、判決が認められた、この間もその当該法人が指定管理を受ける、そのことに対して、県がその法人でいいと言っていることに対して、被害に遭われた方を、より一層、傷つける、また、不快に思われる、そういったことにつながっているということも、これは受け止めなければいけないことだと思います。そういったことも含めて反省、振り返りをし、対応をしっかりと改めていきたいと考えております。

◆節木三千代議員

 被害者を支える会では、知事の記者会見後、このようなコメントを出されています。長年の北岡賢剛氏による性暴力、ハラスメント被害について、幾つもの高いハードルを乗り越えながら原告がようやく声を上げたとき、北岡氏が役員などで関わっている多くの法人は沈黙するか、係争中を理由に何も表明してきませんでした。また、滋賀県も係争中を理由として態度を表明してきませんでした。一方、声を上げたのは原告の友人や元同僚、家族、そして、滋賀県でもこの事案に関心を向けてくださった市民の皆さんです。この構造自体がまさに性暴力、ハラスメントを温存させてきた仕組みそのもののように感じます。もしも力を持っている法人役員の皆さんが、行政機関の皆さんが、性暴力、ハラスメントは絶対に許されるものではなく、その声を上げた人がいたら、その方たちの安全性を保障しながら真摯に耳を傾けると表明したとしたら、暴力の構造を温存せず、二次被害が防げるかもしれない、ほかに被害を受けていた人がいたらその人も声を上げられたかもしれない、未来の世代の皆さんが声を上げていいんだと思えたかもしれない、力を持っている人たちが重要な場面で沈黙することはそんな当たり前に尊重されるべき希望を一つ一つ摘み取っていくことになると、このように述べておられます。しっかりと胸に刻んでいただきたいと思います。
 私は、県として第三者委員会をつくって、県の対応がどうだったのか振り返る検証、それこそ検証すべきだと思いますが、知事に伺います。

◎知事(三日月大造)

 まず、冒頭おっしゃった、性被害に遭われた方のそういった悲痛な思い、そして、そういった声を上げられて、裁判で何度も、例えば証言をされたりするだけでも二次被害やそのつらさがあったことを思うと、そのことは胸に刻み、そういった事象が起こったときにどのように対応していくべきなのかということについて、今後の県の対応に生かしていきたいと思います。
 なお、後段、御指摘のあった県の対応について、第三者委員会を設置して調査等を行うべきではないかということについてでございますが、日弁連でも、企業等不祥事における第三者委員会のガイドラインを定められておりますが、第三者委員会を設置する場合として、犯罪行為、法令違反、社会的非難を招くような不正、不適切な行為等が発生した場合および発生が疑われる場合と定められているところでございまして、今回の事案は、県における犯罪行為や法令違反等の調査、検証等を行うものではありませんので、第三者委員会を設置する場合には当たらないのではないかと考えておりますが、先ほどお取り上げいただいた、そういった反省や振り返りの中で、できる限り様々な方の御助言、御意見等を踏まえて取りまとめもさせていただきましたので、そういったものを生かしてまいりたいと存じます。

◆節木三千代議員

 振り返りであって、検証ではないんです。県の対応で、選定委員会でどんな資料に基づいてどんな議論が行われたのか、2回目の選定委員会では、なぜ5年も期間を延ばしたのか、女性活躍推進企業認証をなぜ認めたのか、私は、掘り下げて、ここは県がやっぱり第三者に検証してもらうべきことだというふうに思います。その認識はおありですか、もう一度、知事に伺いたいと思います。

◎知事(三日月大造)

 先ほど申し上げた答弁のとおり、県が新たに、今やってきたこと以外に第三者委員会で検証ということは、現時点、考えておりませんが、今御指摘いただいたような、女性活躍の認証企業に認証したことであるとか、この間、指定管理者の選定を、司法判断、係争中ということを理由に、もちろん基準等に照らして適切だったということで行ってきたとはいえ、もっと踏み込んだ対応が取られるべきではなかったのかということはしっかりと受け止めて、今後に生かしてまいりたいと存じます。

◆節木三千代議員

 そういう態度を取られることが、私は二次被害を与えているというふうに指摘をしておきたいと思います。

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