
社会福祉法人グロー元理事長の北岡賢剛氏による長年にわたる性暴力やハラスメント被害を受けた原告2名が、北岡賢剛氏と社会福祉法人グローに対し法的責任と損害賠償を求めて2020年11月に提訴した裁判で、昨年10月24日に原告らの主張がほぼ認められる判決が出ました。しかし北岡氏は不服として控訴を行い裁判が続いてきましたが、4月11日に北岡氏が控訴を取り下げたとのことです。これにより、5月28日に予定されていた高裁の判決言い渡しはなくなり、昨年10月24日の東京地裁判決が確定しました。
Dignity for Allのサイトで、原告・木村倫さん(仮名)と弁護団の判決確定を受けてのコメント、プレスリリースをあわせてご確認下さい。
このことについて、現時点で確認できる記事は以下です。
- <独自>性暴力で損賠訴訟のグロー前理事長・北岡氏、控訴取り下げ220万円支払い確定、産経新聞、2025年4月20日
- 社福法人セクハラ訴訟 元理事長、控訴取り下げ 1審判決確定 /滋賀、毎日新聞、2025年4月23日
私たち、「社会福祉法人グローにおける性加害問題を考える会・滋賀」では、署名を通じて北岡賢剛氏、社会福祉法人グロー、滋賀県に性加害の告発に向きあうことを求めて来ましたが、判決確定を受けて、改めて北岡賢剛氏に真摯な謝罪を求めるとともに、グローと滋賀県には第三者委員会設置を通じた検証を行うよう求めます。
フジテレビの第三者委員会調査報告書では、国連ビジネスと人権指導原則の国際人権基準が求める企業の人権尊重責任、特に人権救済メカニズムの観点からフジテレビの体制や事案への取り組みが検証されています。特に障害者文化芸術分野の先駆的立場にある社会福祉法人として、国際人権基準が求める人権尊重責任を果たす組織に生まれ変わるためには、フジテレビのように第三者委員会による検証がなされることが必要不可欠です。
滋賀県も同様です。今回、控訴の取り下げで判決が確定した原告の木村倫さん(仮名)は、 東京にある社会福祉法人愛成会の所属ですが、2007年4月~2008年9月まで滋賀県社会福祉事業団(グローの前身)の職員でした。北岡氏は2000年に同事業団理事、2007年に理事長となっており、木村倫さんへのセクハラはその頃から始まっています。判決で事実認定された一連の不法行為は、滋賀県が障害者の文化芸術に力を入れる中で増していった北岡氏の権威の元で行われていたのです(※)。その点からも、社会福祉法人グローや滋賀県は、鈴木朝子さん(仮名・元グロー職員)の判決と共に木村倫さんの判決についても重く受け止めてしっかり検証してもらいたいです。
※こうした構造については下記の論稿参照
河かおる「社会福祉法人グロー前理事長による性暴力事件と「福祉先進県」レガシー」『しがの住民と自治』2025年1月号