入管の民族差別・人権侵害と闘う 全国市民連合東京, Japan
18 Apr 2023

 2年前に廃案となった入管法改正案がこのたび復活し、国会に再提出されたことに、市民としての大きな怒りとともに、このような国家の下で暮らすことの恥ずかしさを感じています。

 市民社会の力で廃案に追い込んだ前回の法案は、非人道的な内容が批判の的となりましたが、今回の法案でも根本的な改善がなされたとは全くいえません。そのことは、日本国民以外の存在を相変わらず監理対象のまなざしでしか捉えようとしない現政権の姿勢の表れといえるのではないでしょうか。

 こうした入管政策における排外主義的姿勢とは対照的に、政府はこの間、外国人労働者の受入には積極姿勢を示してきました。在留資格「特定技能」による労働者としての受け入れが開始され、直近では技能実習制度の見直し・廃止の方向性も示されるようになってきました。しかし、そこでは一定期間の滞在後は帰還させる方針が貫かれ、まるで足りないモノを輸入するかのように、産業界で深刻化している人手不足の穴埋め的解決策が示されているにすぎません。

 今、最も欠けているのは、外国人労働者も人間であり、さまざまな地域で日々暮らしを再生産する住民という視点ではないでしょうか。問題の根源は、弱い立場の外国人・難民申請者ではなく入管法であり、共に暮らす住民としてどう受け入れ、新たな関係をつくるかがという視点で入管行政を抜本的に改めることが避けて通れない段階にきています。

 以上の点から、今回の法案は再び廃案とし、難民申請者や非正規滞在者を含む外国人住民の視点から、今日の時代にふさわしい入管法の再構築を図ることを訴えます。

岩佐和幸(高知大学人文社会科学部教授・同学部長)

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