今度こそほんとうに原発事故の恐怖とさよなら! ――稼働中の原発をすべて即時停止し、全原発を廃炉とする決断を求めます


今度こそほんとうに原発事故の恐怖とさよなら! ――稼働中の原発をすべて即時停止し、全原発を廃炉とする決断を求めます
署名活動の主旨
今年1月1日の能登半島の大地震で、石川県の志賀原発や、世界最大の原発である新潟県の柏崎刈羽原発も被災しました。
震度7を記録した志賀町にある志賀原発では原発直下で震度5強、設計で想定された揺れを上回り、外部電源を受けるための変圧器が故障、一部の電源が使用できなくなりました*1。柏崎刈羽原発も、近年の大震災で繰り返し被災したうえに今回も震度5強に見舞われ、核燃料プールから水があふれました*2。
もしも原子力発電所が運転中だったら…。震源に近い珠洲市での原発建設計画を市民が阻止していなかったら…*3。わたしたちは自分たちの日常生活が薄氷の上にあることを自覚せざるをえませんでした。
大地震は、原発事故の避難計画が「絵に描いた餅」であることも明らかにしました。能登半島では多くの建物が倒壊し、土砂崩れや地割れなどで避難ルートがズタズタになりました*4。刈羽村でも液状化や道路のひび割れが発生しました*5。もしも原発が大事故を起こしていたら、いまも救助に行けていないのではないか…。世界で発生するマグニチュード6以上の地震の約2割が集中する「地震列島」日本で、原発の維持は無謀であることを痛感しました*6。
2011年3月、東日本大震災で東京電力の福島第一原発がメルトダウンして爆発したとき、膨大な数の人々が放射能にさらされ、着の身着のままの避難を強いられました。それ以来10年以上にわたって帰還できず、あるいは甲状腺がんと診断されたり、今も様々な健康不安に悩まされ続けたりしている人も少なくありません*7。原発事故のもたらす被害はあまりにも広く深く、あまりにも長く続きます。
原発依存はわたしたちの「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利(生存権)」(憲法第25条)を根底からおびやかし、使用済み核燃料は未来世代に大きなツケを残します。 それにもかかわらず、岸田首相は「原発再稼働の方針は変わらない」と発言し、関西電力は能登半島に近い40年超えの老朽原発である美浜原発3号機を再稼働しました*8。
わたしたちの命を軽視する無責任な原発推進・再稼働を容認することはできません。
私たちは13年前の福島原発事故で、原発から完全に撤退すべきでした。
今度こそほんとうに原発事故の恐怖とさよならするために、
稼働中の原発をすべて即時停止し、全原発を廃炉とする決断を求めます。
2024年1月 京都の市民連合・ユナイトきょうと
この呼びかけ文をPDFファイルでコチラからダウンロードしていただくことができます。拡散にご利用ください。
バナー画像は福島第一原発近くの請戸小学校と双葉南小学校。原発事故から10年以上の歳月を経て時が止まっている(2023年9月23日 村上ひなこ撮影)。
*1 「志賀原発 完全な復旧には半年以上かかる見通し トラブル続く」『NHK NEWS WEB』2024年1月22日付。
*2 「柏崎刈羽原発、燃料プールから水あふれる…建屋外の流出や被害確認なし」『読売新聞』2024年1月1日付。
*3 「珠洲原発を止めて「本当によかった」 無言電話や不買運動に耐えた阻止活動28年の感慨」『東京新聞』2024年1月23日。
*4「 志賀原発 相次ぐトラブル 地震で何が起きていたのか?」『NHK NEWS WEB』2024年1月22日付。
*5「「柏崎刈羽」周辺道路にも無数の亀裂…「原発は本当に大丈夫か?」地元に広がる不安の声」『東京新聞』2024年1月11日付。
*6 国土交通省・河川データブック2023「2-2脆弱な国土 2-2-4世界のマグニチュード6以上の震源分布」。
*7 「福島・甲状腺がん 語りはじめた若者の声をきく」『NHK福祉情報ハートネット』2023年10月13日。「甲状腺がん裁判、「東電主張の被曝評価は過小だ」」『東洋経済NLINEオンライン』2023年6月12日。
*8 「能登半島地震を「非常災害」指定へ 首相、原発再稼働「変わらない」」『朝日新聞』2024年1月14日付。「定検中の美浜原発3号機 18日に原子炉起動 運転再開」『NHK NEWS WEB』2024年1月18日付。
参考:原発についてよくある質問とわたしたちの見解
Q1.原発がなくなれば、電気が足りなくなるのではないですか?
A1. 電気事業連合会「電源別発受電電力量の推移」によれば、2011年の福島第一原発事故から2014年までは原発の占める発電電力量は0~2%、2021年でも7%に過ぎません。これを再生可能エネルギーで置き換えることは十分に可能です。とりわけ大地震のときには送電線網が寸断されるために、太陽光発電や小規模水力発電などによりエネルギーを地産地消できる仕組みを準備しておくことが大切です。
Q2.原発がなくなれば電気代が高くなるのではないですか?
A2. 世界的に太陽光発電や風力発電や蓄電池にかかわる発電コストが小さくなる一方、原発にかかわる発電コストが増大しているために、米国エネルギー情報局の試算(2022年)で原発のコストは再生可能エネルギーのコストの2倍となります。日本で原発のコストが低いとされるのは、使用済み核燃料の処理・処分にかかわるコストや原発事故対策のコストをあえて低く見積もる制度設計のためです(原子力市民委員会「今こそ知りたい エネルギー・温暖化政策Q&A(2023年版)」)。
Q3.原発事故が起きた場合に、その被害はどれくらいの範囲に及ぶのですか?
A3. 東電の福島第一原発事故では、原発から30キロ圏が強く汚染されて避難を強いられたのみならず、原発から約60キロである福島県中通り地域でもかなりの汚染が確認され、除染が実施されています(ふくしま復興情報ポータルサイト「避難区域の変遷について」)。1基の原発で大事故が起きれば、近接した原発もコントロール不能となり、複数の原発での同時発災が起きる危険性が非常に高くなります。福井県の若狭湾に位置する大飯原発の運転差し止めを求めた判決では、福島第一原発事故当時原子力委員会が検討作成した資料に基づいて、核燃料が溶融する事故が起きた場合に強制移転の範囲は170キロ圏、任意移転は250キロ圏内、汚染は数十年に及ぶという見解を示しました(『東京新聞』2014年5月22日付)。 京都市中心部を例にとった場合、高浜・大飯原発までの距離は約60キロ、志賀原発までの距離は約270キロとなります。日本国内の大部分は原発から250キロ圏内にあり、どこに住んでも原発事故の恐怖から自由ではありえません。
Q4.停止している原発でもリスクがあるのですか? 廃炉まで必要ないのでは?
A4. 稼働していて核燃料が非常な熱を持っている状態に比べれば、停止して燃料が少しでも冷えている原発の方が事故のリスクは低くなると言えます。ただし、原子炉で使用した燃料棒は使用後も熱を発し続けるために、プールで水を循環させて冷却し続ける必要があります。プールは頑丈な圧力容器に覆われてはいないので、冷却できなくなると、核燃料が燃え出し、放射性物質が外に漏れだします。北陸電力は、志賀原発は13年間にわたって運転停止していたために、たとえ電源が途絶えて冷却が停止した場合でも17日間はプールの水が蒸発しないと発表しています(『NHK News Web』1月2日付)。ですが、わずか17日間の猶予期間が与えられているだけとみることもできます。
福島第一原発事故では、4号機の使用済み核燃料プールには炉心から取り出したばかりの発熱量の大きなものを含めて、大量の使用済み燃料がぎゅうぎゅう詰めの状態で入っていました。偶然の重なりによってプールの水の喪失は回避されましたが、停止している原発でも大事故の危険性があることが明らかになりました(NHKメルトダウン取材班「福島原発事故「10年目の真実」…「東日本壊滅」という最悪シナリオを回避できた「本当の深層」)。
さらに、ロシア軍によるウクライナ侵攻直後の2022年3月、原子力規制委員会の更田豊志委員長(当時)は国会において使用済み核燃料貯蔵施設を武力攻撃から守るのは無理という見解を表明しています(『東京新聞』2023年2月22日付)。安全保障の大切さを掲げて防衛費に巨額の予算をあてるくらいならば、すべての原発を一刻も早く停止した上で、防衛予算を原発の廃炉作業に振り向けることが必要です。

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署名活動の主旨
今年1月1日の能登半島の大地震で、石川県の志賀原発や、世界最大の原発である新潟県の柏崎刈羽原発も被災しました。
震度7を記録した志賀町にある志賀原発では原発直下で震度5強、設計で想定された揺れを上回り、外部電源を受けるための変圧器が故障、一部の電源が使用できなくなりました*1。柏崎刈羽原発も、近年の大震災で繰り返し被災したうえに今回も震度5強に見舞われ、核燃料プールから水があふれました*2。
もしも原子力発電所が運転中だったら…。震源に近い珠洲市での原発建設計画を市民が阻止していなかったら…*3。わたしたちは自分たちの日常生活が薄氷の上にあることを自覚せざるをえませんでした。
大地震は、原発事故の避難計画が「絵に描いた餅」であることも明らかにしました。能登半島では多くの建物が倒壊し、土砂崩れや地割れなどで避難ルートがズタズタになりました*4。刈羽村でも液状化や道路のひび割れが発生しました*5。もしも原発が大事故を起こしていたら、いまも救助に行けていないのではないか…。世界で発生するマグニチュード6以上の地震の約2割が集中する「地震列島」日本で、原発の維持は無謀であることを痛感しました*6。
2011年3月、東日本大震災で東京電力の福島第一原発がメルトダウンして爆発したとき、膨大な数の人々が放射能にさらされ、着の身着のままの避難を強いられました。それ以来10年以上にわたって帰還できず、あるいは甲状腺がんと診断されたり、今も様々な健康不安に悩まされ続けたりしている人も少なくありません*7。原発事故のもたらす被害はあまりにも広く深く、あまりにも長く続きます。
原発依存はわたしたちの「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利(生存権)」(憲法第25条)を根底からおびやかし、使用済み核燃料は未来世代に大きなツケを残します。 それにもかかわらず、岸田首相は「原発再稼働の方針は変わらない」と発言し、関西電力は能登半島に近い40年超えの老朽原発である美浜原発3号機を再稼働しました*8。
わたしたちの命を軽視する無責任な原発推進・再稼働を容認することはできません。
私たちは13年前の福島原発事故で、原発から完全に撤退すべきでした。
今度こそほんとうに原発事故の恐怖とさよならするために、
稼働中の原発をすべて即時停止し、全原発を廃炉とする決断を求めます。
2024年1月 京都の市民連合・ユナイトきょうと
この呼びかけ文をPDFファイルでコチラからダウンロードしていただくことができます。拡散にご利用ください。
バナー画像は福島第一原発近くの請戸小学校と双葉南小学校。原発事故から10年以上の歳月を経て時が止まっている(2023年9月23日 村上ひなこ撮影)。
*1 「志賀原発 完全な復旧には半年以上かかる見通し トラブル続く」『NHK NEWS WEB』2024年1月22日付。
*2 「柏崎刈羽原発、燃料プールから水あふれる…建屋外の流出や被害確認なし」『読売新聞』2024年1月1日付。
*3 「珠洲原発を止めて「本当によかった」 無言電話や不買運動に耐えた阻止活動28年の感慨」『東京新聞』2024年1月23日。
*4「 志賀原発 相次ぐトラブル 地震で何が起きていたのか?」『NHK NEWS WEB』2024年1月22日付。
*5「「柏崎刈羽」周辺道路にも無数の亀裂…「原発は本当に大丈夫か?」地元に広がる不安の声」『東京新聞』2024年1月11日付。
*6 国土交通省・河川データブック2023「2-2脆弱な国土 2-2-4世界のマグニチュード6以上の震源分布」。
*7 「福島・甲状腺がん 語りはじめた若者の声をきく」『NHK福祉情報ハートネット』2023年10月13日。「甲状腺がん裁判、「東電主張の被曝評価は過小だ」」『東洋経済NLINEオンライン』2023年6月12日。
*8 「能登半島地震を「非常災害」指定へ 首相、原発再稼働「変わらない」」『朝日新聞』2024年1月14日付。「定検中の美浜原発3号機 18日に原子炉起動 運転再開」『NHK NEWS WEB』2024年1月18日付。
参考:原発についてよくある質問とわたしたちの見解
Q1.原発がなくなれば、電気が足りなくなるのではないですか?
A1. 電気事業連合会「電源別発受電電力量の推移」によれば、2011年の福島第一原発事故から2014年までは原発の占める発電電力量は0~2%、2021年でも7%に過ぎません。これを再生可能エネルギーで置き換えることは十分に可能です。とりわけ大地震のときには送電線網が寸断されるために、太陽光発電や小規模水力発電などによりエネルギーを地産地消できる仕組みを準備しておくことが大切です。
Q2.原発がなくなれば電気代が高くなるのではないですか?
A2. 世界的に太陽光発電や風力発電や蓄電池にかかわる発電コストが小さくなる一方、原発にかかわる発電コストが増大しているために、米国エネルギー情報局の試算(2022年)で原発のコストは再生可能エネルギーのコストの2倍となります。日本で原発のコストが低いとされるのは、使用済み核燃料の処理・処分にかかわるコストや原発事故対策のコストをあえて低く見積もる制度設計のためです(原子力市民委員会「今こそ知りたい エネルギー・温暖化政策Q&A(2023年版)」)。
Q3.原発事故が起きた場合に、その被害はどれくらいの範囲に及ぶのですか?
A3. 東電の福島第一原発事故では、原発から30キロ圏が強く汚染されて避難を強いられたのみならず、原発から約60キロである福島県中通り地域でもかなりの汚染が確認され、除染が実施されています(ふくしま復興情報ポータルサイト「避難区域の変遷について」)。1基の原発で大事故が起きれば、近接した原発もコントロール不能となり、複数の原発での同時発災が起きる危険性が非常に高くなります。福井県の若狭湾に位置する大飯原発の運転差し止めを求めた判決では、福島第一原発事故当時原子力委員会が検討作成した資料に基づいて、核燃料が溶融する事故が起きた場合に強制移転の範囲は170キロ圏、任意移転は250キロ圏内、汚染は数十年に及ぶという見解を示しました(『東京新聞』2014年5月22日付)。 京都市中心部を例にとった場合、高浜・大飯原発までの距離は約60キロ、志賀原発までの距離は約270キロとなります。日本国内の大部分は原発から250キロ圏内にあり、どこに住んでも原発事故の恐怖から自由ではありえません。
Q4.停止している原発でもリスクがあるのですか? 廃炉まで必要ないのでは?
A4. 稼働していて核燃料が非常な熱を持っている状態に比べれば、停止して燃料が少しでも冷えている原発の方が事故のリスクは低くなると言えます。ただし、原子炉で使用した燃料棒は使用後も熱を発し続けるために、プールで水を循環させて冷却し続ける必要があります。プールは頑丈な圧力容器に覆われてはいないので、冷却できなくなると、核燃料が燃え出し、放射性物質が外に漏れだします。北陸電力は、志賀原発は13年間にわたって運転停止していたために、たとえ電源が途絶えて冷却が停止した場合でも17日間はプールの水が蒸発しないと発表しています(『NHK News Web』1月2日付)。ですが、わずか17日間の猶予期間が与えられているだけとみることもできます。
福島第一原発事故では、4号機の使用済み核燃料プールには炉心から取り出したばかりの発熱量の大きなものを含めて、大量の使用済み燃料がぎゅうぎゅう詰めの状態で入っていました。偶然の重なりによってプールの水の喪失は回避されましたが、停止している原発でも大事故の危険性があることが明らかになりました(NHKメルトダウン取材班「福島原発事故「10年目の真実」…「東日本壊滅」という最悪シナリオを回避できた「本当の深層」)。
さらに、ロシア軍によるウクライナ侵攻直後の2022年3月、原子力規制委員会の更田豊志委員長(当時)は国会において使用済み核燃料貯蔵施設を武力攻撃から守るのは無理という見解を表明しています(『東京新聞』2023年2月22日付)。安全保障の大切さを掲げて防衛費に巨額の予算をあてるくらいならば、すべての原発を一刻も早く停止した上で、防衛予算を原発の廃炉作業に振り向けることが必要です。

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2024年1月25日に作成されたオンライン署名