Petition update世界遺産仁和寺前ホテル建設の特例許可取り消しを仁和寺前ホテル特例許可取消裁判の判決は、5月23日(金)午後1時10分 京都地裁101法廷です
世界文化遺産 仁和寺の環境を考える会Japan
Mar 11, 2025

仁和寺前ホテル特例許可取消裁判の判決は、5月23日(金)午後1時10分 京都地裁101号法廷に決まりました。署名は、引き続き取り組みますので、今後とも拡げていただきますようお願いします。

以下は、2025.2.21 最終弁論での中島晃弁護士の意見陳述です。

 

令和6年(行ウ)第10号 特例許可取消等請求事件

原 告  ○○○○ 外   

被 告  京都市  外

意見陳述書 2025(令和7)年2月21日

京都地方裁判所第3民事部合議DC2係 御中

原告ら訴訟代理人

弁護士  中  島    晃

1、本件特例許可には、1項から7項までの条件が付されており、そのうち7項に記載された「配慮事項」について、申請者である株式会社共立メンテナンスが上記配慮事項を履行することを条件として、特例許可が行われたものである。

ところで、本件特例許可を行うにあたって、この「配慮事項」がきちんと履行されていることが、建築基準法48条5項但書に定める特例許可の「住居の環境を害するおそれがない」との要件を充たすうえで決定的に重要であり、それが必要不可欠の前提条件となっていることはいうまでもない。

この点について、被告京都市は、答弁書において、「一定の面的な拡がりを有する事項である発生交通量については、建基法による規制や建築上の配慮によって的確にコントロールすることには限界があ」ると述べている(被告京都市答弁書11頁)。いいかえれば、建築基準法による規制では、交通量を抑制することは不可能であり、それ故に同法48条5項但書の要件をクリアーすることができないことを被告京都市も自認しているのである。

そこで苦しまぎれに、本件ホテルによって生じる発生交通量の抑制のために、特別に配慮事項なるものが考え出され、これを共立メンテナンスがきちんと履行するという、机上の空論をもとにして異例きわまる条件のもとに本件特例許可が行われたものである。

2、ところで、この「配慮事項」は、住環境の影響に関するものに限定しても8項目に及ぶものであって、これを申請者がどこまで履行できるかどうかもともと疑問のあるところである。この点で、共立メンテナンスの企業としてのコンプライアンスについても非常に疑問がもたれるところであるが、許可条件の7項の末尾にわざわざ「市長が重要な事項に違反したと市長が認めたとき」に限って、許可が取り消されるとされていることは、逆にいえば、軽微な違反は不問に付され、配慮事項の違反が日常茶飯事になって、まかり通ることになろう。これでは「住居の環境を害するおそれがない」などとはいえないことは火を見るよりも明らかである。

それだけではない。何か重要な事項の違反になるのは、京都市長の広範な裁量に委ねられており、結局、配慮事項など有名無実に終わるのではないかと危惧される。しかも、本件口頭弁論が終結する現時点でも覚書が締結されていないことはこの危惧を一層強めるものである。これでは、京都市と共立メンテナンスとの間の談合となれ合いがまかり通っているといっても過言ではない。

3、さらにいえば、交通量の抑制に関する配慮事項としてあげられている宿泊者には公共交通による来館を推奨することや、タクシーには交通ルートの事前周知を行うといったことは、宿泊者が大型のスーツケースを持って公共交通を利用することは必ずしも望ましいことはなく、非現実的であり、またタクシーにいくら交通ルートを事前周知したといっても、観光シーズンで渋滞する「きぬかけ道」ではなく、わき道を通ってホテルに行くというのが、タクシーと乗客の便宜にもなり、当り前のことではないかと考えられる。もとより、宿泊客への推奨やタクシーのルート指定は、何ら強制できるものではなく、これに従わなかったとしても制裁が加えられるものでもない。

そうすると、こうした推奨やルート指定はほとんど実効性をもたず、絵に描いた餅に終わることは目に見えている。

にもかかわらず、先に述べた「配慮事項」が履行されるとの誤った前提のうえに、「住居の環境を害するおそれがない」との要件を充足すると認定判断したことは、その前提となる配慮事項を過大に評価し、このため「住居の環境を害するおそれ」について過少に評価した誤りがあるといわなければならない。

よって、本件特例許可は違法であるから速やかに取り消されるべきである。

4、東京都新宿区下落合の2つの野鳥公園に挟まれた高台「タヌキの森」と呼ばれる屋敷跡に建設された集合住宅について、東京高裁は、令和21年1月14日建築工事がすでに9割近く完成していたにもかかわらず、建築確認を取り消し、また同年2月6日には執行停止の決定を行っており、この高裁判決と執行停止決定はいずれも最高裁判所によって認められている。

本件特例許可は、建築主による履行が期待できないにもかかわらず、きわめて異例な「配慮事項」を履行するという非現実的な条件に基づいて行われたものであって、その履行が全く担保されていないことは上述したとおりである。したがって、本件特例許可は、無理に無理を重ねた全くの辻褄合わせ以外の何物でもない。

こうした事態は行政の公正な運営を根本から歪めるものである。

今回の特例許可決定の背景には、上質宿泊施設誘致制度があり、この誘致制度にもとづいて誘致した本件ホテル建設を合法化するため本件特例許可がなされたのは、まさに他事考慮が働いた以外の何物でもなく、そこに裁量の逸脱濫用があることは明白である。

裁判所におかれては、そのことを正確に見抜き、本件特例許可とそれに基づく建築確認を取り消すことによって、正義と公正を実現させることを心から願ってやまないものである。    以上

 

 

 

 

 

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