

公益財団法人どうぶつ基金は2月7日、西村環境大臣の矛盾した回答に対して下記の質問と要請をいたしました。
{『公益財団法人どうぶつ基金要請書(令和4年 12 月 22 日)に対する回答に対する反論と再度の要請』に対する回答}に対する反論と再々度の要請
2023年2月7日
環境大臣 西村 明宏様
『公益財団法人どうぶつ基金要請書(令和4年 12 月 22 日)に対する回答に対する反論と再度の要請』に対する回答をいただきありがとうございます。
回答文書を読みましたが、大臣の回答は「捨て猫などが野生化したノネコの捕獲が進んだ効果も大きい」ことを科学的に証明するものではありません。
そればかりか、大臣の回答は
・引用1「アマミノクロウサギの個体数の増減には様々な要因が関係しており、それぞれが寄与している割合を数値で示すことは困難」
・引用2「ノネコ捕獲の効果が無いとはいえず」
と、「捨て猫などが野生化したノネコの捕獲が進んだ効果も大きい」という発言が合理的根拠(エビデンス)に基づいていないことを明記しています。
この大臣の回答が示すように本件ノネコ駆除事業は、内閣府が推進するEBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング。証拠に基づく政策立案)によるものではなく、国民の行政への不信を増大させるものです。
つきましては回答に対する反論と要請を再度いたしますので回答願います。
公益財団法人どうぶつ基金
理事長 佐上邦久
1,
「マングースの駆除に加え、森林の回復や捨て猫などが野生化したノネコの捕獲が進んだ効果も大きい」という発言を「アマミノクロウサギの個体数の増減には様々な要因が関係しており、ノネコの捕獲が寄与している割合及びノネコ捕獲における費用対効果を科学的に証明するデータはない」に訂正するとともに、国民に対して謝罪を要請します。
2,
回答でも「ノネコの捕獲が寄与している割合及びノネコ捕獲における費用対効果を科学的に証明するデータはない」ことを大臣自らが示されているわけですから、内閣府が推進するEBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング。証拠に基づく政策立案)に全くそぐわない「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画」による猫の駆除を即刻、中止してください。
3,
本要請に対する回答を2023年2月16日までに下記あてEメールにていただきますようお願いします。
Email:contact@doubutukikin.or.jp
公益財団法人どうぶつ基金
『公益財団法人どうぶつ基金要請書(令和4年 12 月 22 日)に対する回答に対する反論と再度の要請』に対する回答
公益財団法人どうぶつ基金
理事⾧ 佐上邦久 様
令和5年1月 18 日付でお送りいただいた標記の要請について、以下のとおり回答いたし
ます。
アマミノクロウサギの個体数の増減には様々な要因が関係しており、それぞれが寄与し
ている割合を数値で示すことは困難ですが、増加率の比較をもってノネコ捕獲の効果が無いとはいえず、むしろ、最後に奄美大島でマングースが捕獲された 2018 年以降も増加傾向が続いていること、また、少なくともノネコの捕獲によりアマミノクロウサギの直接的な捕食による影響は減少していることから、2018 年に開始したノネコ捕獲事業がアマミノクロウサギの個体数増加にプラスに働いていると考えています。
引き続き、関係機関と連携して、奄美大島におけるノネコ対策の効果について各種モニタリング結果に基づく科学的な検証を進めていきます。
公益財団法人どうぶつ基金要請書(令和4年 12 月 22 日)に対する回答に対する反論と再度の要請
2023年1月18日
環境大臣 西村 明宏様
公益財団法人どうぶつ基金要請書(令和4年 12 月 22 日)に対して回答をいただきありがとうございます。回答文書を読みましたが、本回答は「捨て猫などが野生化したノネコの捕獲が進んだ効果も大きい」ことを科学的に証明するものではありません。つきましては、本回答に対する反論と再度の要請をいたしますので回答願います。
公益財団法人どうぶつ基金
理事長 佐上邦久
「2015 年(8665.5)から 2021 年(19558.1)の間でも約 2.3 倍に増加(回答より引用)」
1,ノネコの駆除が行われていなかった
2015 年(8665.5)から 2018 年(13152.6)の間を比較するとアマミノクロウサギの推定生息数は中央値で 1.51倍に増加
2,319 頭の ノネコを捕獲した
2018 年(13152.6)から 2021年(19558.1)の間を比較するとアマミノクロウサギの推定生息数は中央値で 1.49 倍に増加
上記1,2を比較して増加率の変化が、ほぼないことからマングース防除の効果が拡大してきているが、ノネコ駆除の効果は、ほぼ無いと推測できます。
以上のことから、近年のアマミノクロウサギの増加傾向は、今のところ 2018 年が最後の 捕獲となっているマングース防除の効果が拡大してきていることと推測され、ノネコ対策の 効果は出ていないと推測されます。あるいは「ノネコの捕獲の効果は認められなかった」と結論できます。
にもかかわらず、
「マングースの駆除に加え、森林の回復や捨て猫などが野生化したノネコの捕獲が進んだ効果も大きい」
という発言はやはり、本回答で環境省が用いた客観的データを無視してノネコ駆除の効果を正当化する虚偽発言と言えます。少なくとも「ノネコの捕獲が進んだ効果も大きい」と発表するに至る客観的データではありません。
つきましては
1,
「マングースの駆除に加え、森林の回復や捨て猫などが野生化したノネコの捕獲が進んだ効果も大きい」という発言を「マングースの駆除に加え、森林の回復が進んだ効果も大きい。ノネコの捕獲の効果は認められなかった。」に訂正するとともに、国民に対して謝罪を再度要請します。
2,
上記のとおり「ノネコの捕獲の効果は認められなかった」ことを認め「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画」による猫の駆除を即刻、中止してください。
3,
本要請に対する回答を2023年1月27日までに下記あてEメールにていただきますようお願いします。
Email:contact@doubutukikin.or.jp
公益財団法人どうぶつ基金
理事長 佐上邦久(さがみくにひさ)
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以下、公益財団法人どうぶつ基金要請書(令和4年 12 月 22 日)に対する回答
より引用
2021 年の状態空間モデルを用いた個体数推定(以下、2021 年推定)による中央値での経 年変化をみると、2003 年(2329.8)から 2021 年(19558.1)の間に約 8.39 倍に増加し、 2015 年(8665.5)から 2021 年(19558.1)の間でも約 2.3 倍に増加しています。(表 1、図 1) また、環境省がノネコ対策に本格的に乗り出したのは、奄美大島5市町村、鹿児島県と共 に奄美大島ノネコ管理計画を策定した 2018 年からのことであり、現状の捕獲体制では奄美 大島の 50%程度しかカバーできていないものの、2018 年度から 2021 年度末まで 319 頭の ノネコを捕獲しています。(表 2) 2018 年(13152.6)から 2021 年の間を比較するとアマミノクロウサギの推定生息数は中 央値で 1.49 倍に増加 しています。(表 1、図 1) なお、マングース防除事業による自動撮影カメラ調査によるアマミノクロウサギの撮影 率においても⾧期的に増加傾向であり(図2)、各種調査結果や目撃情報を元にしたアマミ ノクロウサギの生息確認メッシュ(3次メッシュ※2)についても 2015 年以降新たに 85 メ ッシュの増加が確認できるなど(図3)、個体数推定以外でも、奄美大島におけるアマミノ クロウサギの生息状況が回復傾向であることを示す結果が得られています。 以上のことから、近年のアマミノクロウサギの増加傾向は、今のところ 2018 年が最後の 捕獲となっているマングース防除の効果が拡大してきていることに加えて、ノネコ対策の 効果が出ていると推測され、発言の訂正等の必要は無いと考えています。 引き続き、奄美大島の生態系の保全のためマングース防除、ノネコ対策、希少種の保護増殖等の取り組みを進めて参ります。
○奄美大島のアマミノクロウサギ推定生息数(速報値)※(沖縄奄美自然環境事務所,2022) ※中央値である50%のみ表記
2015 8665.5
2018 13152.6
2021 19558.1
引用ここまで
1,ノネコの駆除が行われていなかった
2015 年(8665.5)から 2018 年(13152.6)の間を比較するとアマミノクロウサギの推定生息数は中央値で 1.51倍に増加
2,319 頭の ノネコを捕獲した
2018 年(13152.6)から 2021年(19558.1)の間を比較するとアマミノクロウサギの推定生息数は中央値で 1.49 倍に増加
上記1,2を比較して増加率の変化が見られないことからマングース防除の効果が拡大してきているが、ノネコ駆除の効果は、ほぼ無いと推測できます。