ハーグ条約の悪用を阻止して、子どもをDV虐待親の暴力から守ってください


ハーグ条約の悪用を阻止して、子どもをDV虐待親の暴力から守ってください
署名活動の主旨
EN
※この署名は、世界8カ国10団体で一斉に取り組まれています
■レイプされて出産。母国に赤ちゃんと一緒に戻ったら、国際誘拐犯に。赤ちゃんを手放せと言われた
「大学へ留学するために荷物をまとめていたときは、自分の身にまさかこんなことが起こるなんて思いもしませんでした。大学1年生の時にレイプされました...。子供を出産した後、学業とアルバイト、そして息子の世話、その全てを自分ひとりですることは不可能だとすぐにわかりました。だから、息子と一緒に母国の実家に帰りました。
息子と一緒に帰国した後、国際的誘拐罪の適用を受けることになりました。ハーグ条約を知らなかった私は、国際法を破ってしまったことにショックを受けました。とても怖くなりました。私はただ子どもを育てたかっただけなのに。
私は敗訴し、子どもを元の国に戻すよう命じられました。新しいビザを取得することができなかったので観光ビザで戻ることになりましたが、戻ったら住む場所や仕事を見つけることができると期待していました。ソーシャルワーカーには、息子だけ送り出した方がいいんじゃないかと言われました。私の赤ちゃんをそんなふうに言うなんて信じられませんでした。まだ母乳をあげていて、私は母親なのに...
私は政府からの支援は一切受けられず、息子の食費のために定期的に自分の食事を抜いています。ハーグ条約は無茶苦茶です。人生を破壊するものです。」
ハーグ条約(正式名称:「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」)は、親権(監護権)を持たない父親が子どもを海外に拉致するのを防ぐために設立されました。日本は2014年から加盟しています。
しかし、今日、この条約は、全く逆の目的で悪用されていると言わざるをえません。実際は、児童虐待や暴力から逃れて安全な「母国」に戻ろうとする母親を「逃がさない」ために虐待の加害者によって悪用される(参照 1)ケースが75%以上を占めているのです。
今年10月にハーグ条約の国際会議が開催される予定です。
条約の悪用を防ぐ対策が今すぐに必要であるということを少しでも多くの方々に知っていただき、強制的に主な監護者から引き離された子どもたちの声を国際会議に届けたいと考え、この署名活動に取り組む事になりました。
ハーグ条約は「DVや虐待の被害者を守る仕組みをほとんど持っていないこと」がとりわけ大きな問題なのです。
条文に一箇所だけ、「子供に重大な危険が及ぶ場合」は除外されるとなっているだけです。
日本政府は、ガイドラインを定めるなどDVや虐待の被害への対策を講じてはいますが、暴力から子どもと共に逃れようとする海外在住の当事者に周知されているとは言えないのが実際の状況です。
安全対策や返還命令後のフォローアップの体制が皆無な状態で、嫌がる子どもを母親から無理やり引き剥がして別の国に強制的に送り返される例なども多数となっています(参照2)。
子どもを虐待のある環境に送り返し、結果として主たる保護者もその関係性に戻ることを強要し、そこに留まることを強要する、そのようなことは、子どもたちの安全な生活のために許されることではありません。
現在のハーグ条約の運用体制では、DV被害に遭い、自分と子どもを守るために国外に逃れるという権利が剥奪されてしまうのです。
■ハーグ条約が子どもを危険に晒している理由
- 返還に関する条約の「例外」を受け入れることはほとんどないこと。ハーグ条約は「子どもを元の国に送り返す」ことが原則となっているため、主たる保護者の安全はおろか、子どもの意思や安全までもが犠牲にされる結果になることがあります。裁判所は「何があっても返還」というスタンスで、返還に関する条約の「例外」を受け入れることは世界的にほとんどありません。
- 虐待・DVの明らかな証拠がある場合でも、返還の例外適用になることは極めて稀で(参照3)、裁判所は子どもの返還を命じていること。
- 条約に基づいて元の国に返還された後、子どもを守るための保護対策やリスク評価もなく、子どもの安全を確認するためのフォローアップがないこと。
- ハーグ条約は一般に知られておらず、判断の基準の概念も一貫性がなく不明確であるため、多くの親が知らない内にこの法律に抵触してしまうこと。
- 裁判所に子どもを返還するよう命令され、元の国に連れて帰った親は、「誘拐者」としての差別や刑事告発に直面する可能性があること。たとえ常に主たる保護者であったとしても、帰国後に親権はおろか面会権すら失ったり、逮捕されたり、加害者からの度重なる訴訟によって経済的・社会的に困窮するなど耐え難い状況に陥り、子どもの安心・安全な養育環境を守ることができなくなる事例の報告は多いです。
■上記の対策として、外務省と最高裁判所に要望すること
1. ハーグ条約の申し立てがあった事案において、DV虐待を報告した者の数および判決が家族に及ぼした結果について、統計データを収集する制度を作ってください。私たちの元には、ハーグ条約の犠牲になった子どもやその主な保護者から、悲痛な声が数多く届いていますが、問題を定量的に分析するに足るデータがどの国においても、ほとんど存在しません。現状の問題点を正しく分析するためにも、まずは統計取るためのデータを収集してください。
2. 上記の問題点を分析し、是正するために第三者機関によるハーグ条約のレビューを行ってください。
3. DV被害や児童虐待の専門家を含む、ハーグ条約を監督するための第三者機関を設立してください。
4. DV被害者、虐待された子どもたちが確実に支援制度を利用できるように、国際結婚を解消した夫婦に対し、プッシュ型の支援を行う体制を整備してください。日本政府は条約締結時にDV被害者のための対応のガイドラインを定め、支援スタッフを配置していますが、実際の当事者には周知されているとは言えません。
「どんな言葉でも、私たちが受けたトラウマを伝えることはできません。ハーグ条約について、そして子どもと一緒に家に帰れないという事実について、誰もが知る必要があります。」- ハーグ条約のため母国に戻れない親
ご署名とご支援を何卒宜しくお願いいたします。
参照
- Professor Nigel Lowe and Victoria Stephens. “A statistical analysis of applications made in 2015 under the Hague Convention of 25 October 1980 on the Civil Aspects of International Child Abduction – Global Report”, Sep 2017, pp3.
- Trayn Lindhorst and Jeffery L. Edelson. Battered Women, Their Children, and International Law. Northeastern University Press, 2012.
- 外務省・最高裁判所への情報照会の結果のデータによる。
日本においては2014年に条約が発効して以来、外国への返還申し立て件数135件の内、84%が父親による申し立てです。申し立てをするということは、当人同士の話し合いでは解決できない紛争性が高い関係であることを示します。しかしながら、子どもを元の国に返すことを拒否する理由としてDVや暴力など「重大な危険」(ハーグ条約13条1項(b))が認定された数はわずか4件です。日本の離婚調停裁判においては、少なくとも25%(司法統計)は暴力が原因であることを考えると、家庭内暴力を理由に返還の拒否が認められることはほとんど不可能な状況であることが分かります。

38,123
署名活動の主旨
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※この署名は、世界8カ国10団体で一斉に取り組まれています
■レイプされて出産。母国に赤ちゃんと一緒に戻ったら、国際誘拐犯に。赤ちゃんを手放せと言われた
「大学へ留学するために荷物をまとめていたときは、自分の身にまさかこんなことが起こるなんて思いもしませんでした。大学1年生の時にレイプされました...。子供を出産した後、学業とアルバイト、そして息子の世話、その全てを自分ひとりですることは不可能だとすぐにわかりました。だから、息子と一緒に母国の実家に帰りました。
息子と一緒に帰国した後、国際的誘拐罪の適用を受けることになりました。ハーグ条約を知らなかった私は、国際法を破ってしまったことにショックを受けました。とても怖くなりました。私はただ子どもを育てたかっただけなのに。
私は敗訴し、子どもを元の国に戻すよう命じられました。新しいビザを取得することができなかったので観光ビザで戻ることになりましたが、戻ったら住む場所や仕事を見つけることができると期待していました。ソーシャルワーカーには、息子だけ送り出した方がいいんじゃないかと言われました。私の赤ちゃんをそんなふうに言うなんて信じられませんでした。まだ母乳をあげていて、私は母親なのに...
私は政府からの支援は一切受けられず、息子の食費のために定期的に自分の食事を抜いています。ハーグ条約は無茶苦茶です。人生を破壊するものです。」
ハーグ条約(正式名称:「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」)は、親権(監護権)を持たない父親が子どもを海外に拉致するのを防ぐために設立されました。日本は2014年から加盟しています。
しかし、今日、この条約は、全く逆の目的で悪用されていると言わざるをえません。実際は、児童虐待や暴力から逃れて安全な「母国」に戻ろうとする母親を「逃がさない」ために虐待の加害者によって悪用される(参照 1)ケースが75%以上を占めているのです。
今年10月にハーグ条約の国際会議が開催される予定です。
条約の悪用を防ぐ対策が今すぐに必要であるということを少しでも多くの方々に知っていただき、強制的に主な監護者から引き離された子どもたちの声を国際会議に届けたいと考え、この署名活動に取り組む事になりました。
ハーグ条約は「DVや虐待の被害者を守る仕組みをほとんど持っていないこと」がとりわけ大きな問題なのです。
条文に一箇所だけ、「子供に重大な危険が及ぶ場合」は除外されるとなっているだけです。
日本政府は、ガイドラインを定めるなどDVや虐待の被害への対策を講じてはいますが、暴力から子どもと共に逃れようとする海外在住の当事者に周知されているとは言えないのが実際の状況です。
安全対策や返還命令後のフォローアップの体制が皆無な状態で、嫌がる子どもを母親から無理やり引き剥がして別の国に強制的に送り返される例なども多数となっています(参照2)。
子どもを虐待のある環境に送り返し、結果として主たる保護者もその関係性に戻ることを強要し、そこに留まることを強要する、そのようなことは、子どもたちの安全な生活のために許されることではありません。
現在のハーグ条約の運用体制では、DV被害に遭い、自分と子どもを守るために国外に逃れるという権利が剥奪されてしまうのです。
■ハーグ条約が子どもを危険に晒している理由
- 返還に関する条約の「例外」を受け入れることはほとんどないこと。ハーグ条約は「子どもを元の国に送り返す」ことが原則となっているため、主たる保護者の安全はおろか、子どもの意思や安全までもが犠牲にされる結果になることがあります。裁判所は「何があっても返還」というスタンスで、返還に関する条約の「例外」を受け入れることは世界的にほとんどありません。
- 虐待・DVの明らかな証拠がある場合でも、返還の例外適用になることは極めて稀で(参照3)、裁判所は子どもの返還を命じていること。
- 条約に基づいて元の国に返還された後、子どもを守るための保護対策やリスク評価もなく、子どもの安全を確認するためのフォローアップがないこと。
- ハーグ条約は一般に知られておらず、判断の基準の概念も一貫性がなく不明確であるため、多くの親が知らない内にこの法律に抵触してしまうこと。
- 裁判所に子どもを返還するよう命令され、元の国に連れて帰った親は、「誘拐者」としての差別や刑事告発に直面する可能性があること。たとえ常に主たる保護者であったとしても、帰国後に親権はおろか面会権すら失ったり、逮捕されたり、加害者からの度重なる訴訟によって経済的・社会的に困窮するなど耐え難い状況に陥り、子どもの安心・安全な養育環境を守ることができなくなる事例の報告は多いです。
■上記の対策として、外務省と最高裁判所に要望すること
1. ハーグ条約の申し立てがあった事案において、DV虐待を報告した者の数および判決が家族に及ぼした結果について、統計データを収集する制度を作ってください。私たちの元には、ハーグ条約の犠牲になった子どもやその主な保護者から、悲痛な声が数多く届いていますが、問題を定量的に分析するに足るデータがどの国においても、ほとんど存在しません。現状の問題点を正しく分析するためにも、まずは統計取るためのデータを収集してください。
2. 上記の問題点を分析し、是正するために第三者機関によるハーグ条約のレビューを行ってください。
3. DV被害や児童虐待の専門家を含む、ハーグ条約を監督するための第三者機関を設立してください。
4. DV被害者、虐待された子どもたちが確実に支援制度を利用できるように、国際結婚を解消した夫婦に対し、プッシュ型の支援を行う体制を整備してください。日本政府は条約締結時にDV被害者のための対応のガイドラインを定め、支援スタッフを配置していますが、実際の当事者には周知されているとは言えません。
「どんな言葉でも、私たちが受けたトラウマを伝えることはできません。ハーグ条約について、そして子どもと一緒に家に帰れないという事実について、誰もが知る必要があります。」- ハーグ条約のため母国に戻れない親
ご署名とご支援を何卒宜しくお願いいたします。
参照
- Professor Nigel Lowe and Victoria Stephens. “A statistical analysis of applications made in 2015 under the Hague Convention of 25 October 1980 on the Civil Aspects of International Child Abduction – Global Report”, Sep 2017, pp3.
- Trayn Lindhorst and Jeffery L. Edelson. Battered Women, Their Children, and International Law. Northeastern University Press, 2012.
- 外務省・最高裁判所への情報照会の結果のデータによる。
日本においては2014年に条約が発効して以来、外国への返還申し立て件数135件の内、84%が父親による申し立てです。申し立てをするということは、当人同士の話し合いでは解決できない紛争性が高い関係であることを示します。しかしながら、子どもを元の国に返すことを拒否する理由としてDVや暴力など「重大な危険」(ハーグ条約13条1項(b))が認定された数はわずか4件です。日本の離婚調停裁判においては、少なくとも25%(司法統計)は暴力が原因であることを考えると、家庭内暴力を理由に返還の拒否が認められることはほとんど不可能な状況であることが分かります。

38,123
2023年6月26日に作成されたオンライン署名