コロナ禍で危険が伴うパンダシャンシャンの中国返還を中止すべき。 日本永住を視野に入れ中国側と協議することを求めます。

コロナ禍で危険が伴うパンダシャンシャンの中国返還を中止すべき。 日本永住を視野に入れ中国側と協議することを求めます。
「新型コロナが収束しない中で乗り継ぎ便での長距離移動は安全安心ではないため中止すべき」
2017年6月12日に上野動物園で生まれたパンダのシャンシャンですが、東京都と中国との規定により2023年3月まで中国に返還されることになっています。
しかしながら私たちはシャンシャンの中国返還について、引き続き懸念を抱いております。
新型コロナがまだ完全に収束しない中、行先の四川省との直行便も再開していない、乗り継ぎ便を使っての約50時間以上にわたる長旅はパンダの体と精神への負担はとても大きいです。長時間にわたって狭い檻の中に閉じ込められ、貨物同然の運び方は動物の命を脅かす恐れがあるため、断固として反対します。さらに同行する飼育員、関係者も現地での行動制限があるので、様々なリスクが伴うことになります。
「シャンシャンは日本生まれ日本育ちの大和撫子」
シャンシャンは29年ぶりに上野動物園に誕生した待望のパンダです。生まれた当時は日本全国の新聞、テレビ局のトップニュースになるほどの盛り上がりでした。シャンシャンの年間経済効果はおよそ267億、誕生から約3年半の間の経済効果試算は約539億円です。現在、凄まじい活躍をされているMLBの大谷翔平選手について、日米合わせた経済効果は約240億円とも言われており、シャンシャンもいかに人々に対して大きな影響を与えているかがわかります。更にシャンシャンが誕生した2017年、上野動物園の入園者数が6年ぶりに400万人を突破しました。翌年の2018年も65万人増え入園者数は465万人になりました。連日の長蛇の列、平日は1、2時間待ち、土日の2、3時間待ちは当たり前です。1歳の誕生日は平日にも関わらず遠方からたくさんの人達がお祝いに駆けつけ、待ち時間は5時間以上になりました。開園を待つために朝4時から並ぶ人達も大勢いました。誕生日限定発売のグッズを買い求め、長蛇の列ができ、商品が次々と売り切れました。上野周辺のお店や、アメ横も連日の賑わいで売上が倍増しました。これほど人々に愛され、地域の繫栄に貢献してきたパンダは今までもこれからも現れる可能性は少ないのではないでしょうか。シャンシャンは他のパンダとは違い、表情豊かで笑顔や仕草から喜怒哀楽が伝わってくる天性の愛らしさが、多くの人々の心を魅了し、唯一無二の存在になりました。シャンシャンは日本生まれ日本育ちの大和撫子、どんなときでも私たちに癒しと元気、勇気と希望を与えてくれた東京の宝物です。だからこそ私たちはシャンシャンの幸せを一番に考え、愛と感謝でシャンシャンに恩返しをしたいです。
「日本生まれのパンダは日本で幸せになるという選択肢もある、その実現方法について検討すべき」
再びパンダの人気を再認識できました上野動物園はパンダの長期的な飼育、繁殖を見据え西園に新しいパンダ舎「パンダのもり」の着工を決め、2020年に完成しオープンしました。新しい優れた環境の中で4年ぶりに繁殖に成功し、2021ねん6月23日に上野動物園にとって初めてとなる双子パンダが誕生しました。久々の明るいニュースに喜びの声が続出、全国の皆様がテレビや動画を通じてお母さんパンダのシンシンの出産と子育ての様子を見る機会も増えています。シンシンと飼育員の揺るがない信頼関係があるからこそ今回の双子出産及び子育てが成功していることが分かります。シャンシャンにも生まれ育った上野で生まれたときから一番身近で接してきた信頼できる飼育員さんたちのもとで同様の幸せが訪れることはシャンシャンにとって幸せになる一つの選択肢のではないでしょうか。
シャンシャンを愛する多くの人達は、シャンシャンが素敵なパートナーにめぐりあい、母親になって元気に子育てをして幸せな生涯を過ごしてほしいと心から願っています。中国へ渡りパートナーにめぐり逢い生まれ故郷の上野を離れるという考え方もあります。一方で飼育下の全パンダのデータは国際血統登録台帳で管理され、台帳のデータを参考にふさわしい繁殖相手を選ぶことも可能とのことです。中国からパートナーを迎え生まれ育った故郷の上野で暮らして幸せになるという道があります。上野でこれまで大切な一人っ子として愛され育てられたシャンシャンがすでにパンダの成人年齢と言われる4歳を超えました。メスパンダの場合は大人になる前に中国に行くケースは多いですが、日本で大人のパンダになったシャンシャンは中国に行って多くのパンダの中で順応できず孤立してしまう可能性があります。多くの日本国民から愛されているシャンシャンには、前例を覆し生まれ育った上野で幸せな生涯を過ごす新たなパンダの未来を切り開いてほしいと切望しています。
いくつもの困難を乗りこえて生きているパンダの姿は暗いニュースが多い世の中でも人々に勇気と希望を与え、疲弊している人々の心を癒すことになるでしょう。上野動物園はパンダの飼育繁殖に苦労した過去もあり、シャンシャンは上野動物園で初めて自然繫殖によって生まれ健康に育ったパンダです。日本中の多くの人々がシャンシャンに対して特別な思い入れを持っています。シャンシャンがいることで心が救われた人たちも大勢います。新型コロナが収束していない状況で中国に返還するのではなく、シャンシャンが故郷の上野で幸せに暮らせることを実現できる方法について東京都と中国側で協議することを切にお願いしたいと考えています。東京都にお願いするにあたって、動物を愛する一人でも多く皆様の支持をいただきたく、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。代表一同心より感謝します。
(※パンダのレンタル料について懐疑的な意見もありますが、パンダはワシントン条約の規定により贈与が禁止されています。料金が発生する研究目的でのレンタルのみ許されています。上野動物園は現在シャンシャンの親であるリーリー、シンシンのペアで年間95万ドル/約1億円が発生しており、シャンシャンは日本生まれのためこれまでレンタル料金は発生していません。レンタル料金については中国、アメリカ、日本、ドイツなど十数か国が共同で行っている野生動物の保護活動、SAVE THE PANDAプロジェクトなどの運用資金として使われています。)