クルド人学生T君とそのご家族全員が安心して暮らせるよう在留資格を求めます!

クルド人学生T君とそのご家族全員が安心して暮らせるよう在留資格を求めます!

クルド人学生T君とそのご家族全員が安心して暮らせるよう在留資格を求めます!
クルド人学生T君友人有志一同より
【宛先】
法務大臣
出入国在留管理庁長官
東京出入国在留管理局長
私たちは友人のクルド人学生T君のための署名を集めております。1人でも多くの方に、ご賛同、ご協力頂ければ有り難く、何卒宜しくお願い申し上げます。
(本人やご家族に危険が及ぶ可能性があり、名前は仮名とさせていただきます。)
【署名の目的】
T君本人の学生ビザの取得はもちろんのこと、本人及びご家族全員が強制送還されずに、安心して、日本で暮らせるように難民認定、または在留許可を得られること
【署名提出予定】
前回、裁判への提出のため、5月8日を目処に1回目の提出をさせていただきました。そして現在、裁判に向け2回目の提出を7月中に予定しております。
署名は、その後もご家族全員の在留資格が取得出来るまで、継続して集めていく予定です。引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。
【概要】
T君はトルコ出身のクルド人で、現在大学に通い、社会に貢献しようと日々勉学に励む真面目で優秀な学生です。T君とそのご家族はトルコでの迫害を逃れて来日しましたが、難民申請が認められず、日本での在留許可も得られず、住民票や健康保険加入や就労などの基本的な生活の権利もない「仮放免」という立場のため、大変な苦境の中にいます。
「仮放免」では、居住地以外の都道府県に許可なく行くことが出来ないため、T君は、大学に通うためにも、その度(毎月等)入国管理局(以後、入管)に行って許可を得なければなりません。また、「仮放免」の状態では、働くことが禁止されているため、大学を卒業しても就職することはできません。
彼のご家族も、全員「仮放免」という立場であり、働くことが出来ません。ご両親には持病がありますが、健康保険にも入れないので診療費も10割(またはそれ以上)の負担となり、治療することも容易ではありません。また、「仮放免」の更新に定期的に入管に行く必要がありますが、更新される保証はなく、許可・不許可の権限は入管の裁量に全て任され、理由が明かされずに、いつ仮放免が認められなくなり、入管の収容施設に無期限収容されてしまうか、また、迫害を受ける危険がある国に強制送還されてしまうかもわからない状況にあります。(T君の詳細後述→【T君のこと】)
私たちは、T君が将来の夢を実現していけることを願うと共に、そのT君とご両親、そして日本で生まれたご兄弟、支えあって生きてきたT君の一家全員が、強制送還や無期限収容などをされることなく日本で安心して生活していけるよう、切に願い、この署名を募ることにいたしました。
【在日クルド人の状況とその背景】
クルド人は、国を持たない世界最大の民族と言われ、主にトルコ、イラン、イラク、シリア、アルメニアの一部などにまたがる地域に約2500万人〜3000万人ほど居住していると言われています。
1923年に建国したトルコは、単一民族国家であるとして、「先住民」でもあるクルドなどの他民族の存在を認めず、クルド人は「山岳トルコ人」と呼ばれ、クルド語を禁止されたり、クルドの名前を変えさせられたりして約100年間にわたり存在を否定され、迫害や弾圧など根強い差別を受けてきました。トルコと日本はビザ無し渡航が認められていることもあり、1990年代から迫害を逃れて来日したクルド人たちが主に埼玉県南部を中心に、2000人以上住んでいるといわれています。
世界的にはクルド人などトルコ国籍の難民申請者の4割以上が難民認定されている一方、日本では今までにトルコ出身のクルド人は一人も難民として認められていません。また、日本の難民認定率そのものが、申請者の0.2〜0.4%(1%未満)程度で、数にして1年間に数十人程度(欧米諸国では数万単位の受入れ)であり、日本は、難民条約やグローバルコンパクトを批准している国とはとても言えないような状況です。
そのため、トルコ出身のクルド人など帰れば迫害の危険のある方々は、複数回の難民申請を繰り返すことになりますが、難民認定されないだけではなく、不認定と共に在留資格さえ取り上げられ、迫害の危険がある国への強制送還や、理由も明かされずに突然捕まり、家族と引き離されて自由を奪われる無期限収容などの人権のない非人道的な処遇を受けることの多い状況があります。
【T君のこと】
T君が物心つく前に、お父さんが迫害の危険を逃れてトルコから日本に先に来日。T君は、10歳の時にお母さんと一緒に来日し、お父さんと再会することが出来ました。しかしその後T君が小学生の時にお父さんが入管に収容され、T君もご家族も大変苦しまれ、その後も不安な日々を送ってきました。T君自身も高校入学以後、「難民申請」や「仮放免」の更新に入管に行く中で、「どんなに頑張って勉強しても無駄だよ。トルコに帰りな」などと言われ、傷つき精神的にボロボロになりました。
小学校の時からずっと頑張ってきたサッカー選手になりたいという夢も、「どんなに頑張っても、在留資格がないと、サッカーチームにも入れない」と入管職員に告げられ、また、「仮放免」では健康保険にも入れないので、怪我をしても医療費が10割以上負担で(自由診療のために2倍以上請求されるケースもあり)診療を受けることが難しいこともあって、高校1年でその夢をあきらめました。
持病を抱えているご両親も、仮放免中で持病の治療さえままならない状況にあることは先述【概要】の通りです。実際に日本で生まれたり育ったりしているクルドや外国籍の子供たちで仮放免の状況の人も多く、進学や将来の夢をあきらめ、生きる希望さえ持てなくなる人もたくさんいるのです。
T君も退学を考えましたが、学校をやめればそれまで支えてきてくれた両親や周りの人を裏切ることになると考え、困難な状況の中でも更に努力を重ねて大学への進学も勝ち取り、日々真剣に学び続けています。T君の夢の実現は、彼をサポートしてきた多くの人たちの夢と希望でもあります。
そしてそれは、同じ時を共に生きる日本の私たちの夢と希望でもあると思います。
しかし、在留許可のない今のままでは、T君がどんなに努力し頑張っても、就職することは出来ず、T君もご家族も一緒に日本に住み続けられるかさえわからず、T君の兄弟も成人すればいつ誰が無期限収容や、差別され迫害の危険のあるトルコに強制送還されてしまうかもわからないのです。
もしトルコに強制送還されれば、迫害や弾圧による生命の危険がある中で、クルド人であることを隠しながら生きていかねばならず、日本育ちのT君や日本生まれの兄弟たちにとっては、慣れないトルコの環境で危険と隣合わせで生きる事になり、今まで日本で頑張って培ってきた大切な教育の成果を発揮する機会も奪われ大変不利益を被る事にもなり、先生方をはじめ彼らをサポートしてきたたくさんの人たちが大変に危惧しています。
【結びに希望を託して】
元より人権は、全ての人に等しく保障される権利ですが、現在の日本では、在留資格を失って非正規滞在になってしまった外国人や難民にはその基本的な人間の権利が保障されていない状況です。
そして実は在留資格は、外国人が仕事を失ったり、学校に行けなくなったり、離婚したり、難民申請が不許可になった、等のタイミングで簡単に失われ、非正規滞在者になってしまうということは、一般的にはあまり知られていません。
今日本は、少子高齢化が急速に進んで人材不足が叫ばれ、グローバル化、海外からの労働力が求められています。その日本の中で、長年暮らし学んできて、日本の社会にもなじんで生きてきた人たちが、働くことも基本的な人権も守られず、安心して暮らせないとしたら、私たちは、そんな日本を本当に誇りに思うことができるでしょうか。
現在、心ある方たちや国会議員なども尽力され、ウクライナの避難民を迅速に数百人規模で受入れていることは、前向きに喜びたいと思います。その一方、その他の国や地域の困難な状況にある方々、また何より、長年日本で暮らしてきて、生活基盤や教育基盤が日本にあるにもかかわらず、在留資格がなく、「仮放免」という基本的な人権や生活の権利を奪われて苦しんでいる在日外国人の方々に対しても、同様に人道的な配慮で在留資格を与えてもらいたいと思います。
T君をはじめ、日本に生きている人たちがみな人権を尊重され、一緒に未来を担い創っていける、そんな私たちが本当に誇れる人道の国に日本がなってほしいと切に願っております。
どうかT君を信じ励まし希望を託しているたくさんの方々のためにも、日々努力し大きな希望と期待を背負って羽ばたこうとしているT君自身が学生ビザや就労許可を取得出来ることはもちろんですが、T君と一緒に支え合って地域の中で頑張って生きてきたご家族も差別や迫害を受ける国に強制送還されたり、突然自由を奪われ拘束される収容などの人権侵害を受けるようなことがなく、安心して共に安全に暮らせるように、T君と家族全員に難民認定、または在留特別許可や就労許可を一日も早く取得できますように、どうか心よりよろしくお願い申し上げます。
大変長文になりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
署名にご協力いただければ大変嬉しく感謝でございます。
2022年5月
クルド人学生T君友人有志一同より
【参考動画・資料など】
映画「マイスモールランド」2022年5月6日から全国上映予定
なぜ難民申請を繰り返すのか?送還の恐怖とは? 2020/12/28
なぜクルドの市民は犠牲になったか NewsX 2019/4/2
解説動画:入管収容施設の問題点と『難民』の実態 2018/11/28
【世界難民の日】トルコから日本に逃れるも…「ビザもなく働けない」難民申請認められず ·日テレNEWS 2022/06/20
難民条約とは?なぜ入国管理局で暴行が起きているの?(CALL4)2020/07/29
クルド人はどんな人たち?4カ国に暮らす理由 ナショナルジオグラフィック(nikkeibp.co.jp) 2019/10
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/102100607/?P=2
日本に住むクルド人コミュニティとの出会い|映画「風の電話」2020.01.25
https://realsound.jp/movie/2020/01/post-490379_2.html
なぜ、日本の入国管理局は人権無視と批判されるのか? #みんなのWHY TBS 2020/03/24
日本人の女性と結婚して10年以上になるクルド人男性のドキュメント『終わらないロックダウン』
ドキュメンタリー映画『東京クルド』公式サイト| (tokyokurds.jp)
https://tokyokurds.jp/?msclkid=24d148decdb911ec83d63b7426216d48
(9) 大阪入管の『密室』で何が 骨折のトルコ人男性が国と和解するまで - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=0JJALWcxQcE
東京入管施設内の実態 NewsX 2019/7/1
入管施設の実態、「トイレも監視」TBS news23 2019/12/6
なぜ日本は難民をほとんど受入れないのか 2016年 BBC作成
クルド難民を拒絶する法務省 Mネット2020年6月
https://migrants.jp/news/blog/20210212_1.html
VOICES「子どもたちに学ぶ権利を」クルド人女性の願い 毎日新聞 2019/06/19
入管収容施設のヤバすぎる現状について せやろがいおじさん、ロンブー淳、高橋済弁護士
【難民と認めて】命の危機から来日も・入管に3年収容 ABCテレビニュース2021/11/05
https://www.youtube.com/watch?v=I5Kwd9KFeLc
日本にいる“居場所がない”外国人たちが問いかけるもの 【アスミライ プロジェクト】2021/03/17
【news23】衝撃の内部映像、収容者“暴行”入管施設で何が? 2019/12/24
強制送還~終わりなき入管の暴力~(TVF2021応募作品)
https://www.youtube.com/watch?v=BnG421Y-DvY
特別リポート:「祖国は日本」かなわぬ夢 漂う難民申請者の子どもたち ロイター 2017年5月22日
https://jp.reuters.com/article/japan-children-idJPKBN13H18Q
スリランカ女性死亡 明らかになった入管のずさんな対応 TBS 2021/08/11
https://www.youtube.com/watch?v=ReNXx9oU9Qc
面会報告 chapter1〜3 メーテレニュース 2021/06/07 放送文化基金賞