こどもの城、青山劇場、青山円形劇場を復活させてください!

こどもの城、青山劇場、青山円形劇場を復活させてください!
こどもの城、青山劇場、青山円形劇場は、昨年、惜しまれながら閉館しました。
私たち「こどもの城、青山劇場、青山円形劇場の存続を願う有志の会」は、2012年9月にその閉館が発表されてすぐに、「この場所を無くすわけにはいかない」という思いから、こどもの城に通った保護者や卒業生、青山劇場と青山円形劇場にゆかりのある演劇関係者や利用者が立ち上がって存続を求める活動を開始し、ネット署名を10,379筆、直筆書名は63,840筆集め、存続を求め訴え続けていました。
しかし、訴えもむなしく、管轄していた厚生労働省は「建物が老朽化している」「児童館や民間の子ども向け施設が整備されたので」という当初からの理由を覆すことはありませんでした。
厚生労働省は、「こどもの城はその役割を終えた」と主張していましたが、これは正しくありません。
こどもの城は、
- 首都圏唯一の大型児童館として、多くの子供、保護者が利用している(劇場来場者も合わせると2012年度は84万人以上が利用)
- 2012年度児童館部分の活動エリアには41万人以上の来場がある
- 利用者は近年増加傾向にあった
- 子どもたちが楽しみながら主体的に参加できる多彩なプログラムを展開、成長に大きな役割を果たしている
- 保育施設は家族の子育ての一助となっている
- 発達障害児やダウン症児のケアを充実させた小児保健部
- アートと触れ合えるアトリウム2階ギャラリー
- アニメを始めスポーツ、乗り物、動物など映像作品22,000以上を収蔵するビデオライブラリー
など、利用者にとって、ここにしかない重要な機能、役割を担っていました。
さらに、こどもの城で生み出されたプログラムは、全国の児童館などに普及がなされています。こどもの城は全国の児童館のセンターとして、日本の児童館の運営をレベルアップさせるという、他にはない役割をも担っていました。
青山劇場は、開設時に東洋一といわれた舞台機構があり、それにより上質な舞台上演の機会を提供してきました。
青山円形劇場は、完全円形型の舞台を備え、「ここでしか成立し得ない表現がある」とされる貴重な劇場です。両劇場とも、稼働率は約90%あり、文化を発信、創造する拠点となっていました。
「老朽化」が理由とされていましたが、厚生労働省が自ら行った調査でも、「建物本体の耐震性は十分ある」と認められています。
こどもの城の閉館によって、東京の家族は、子育ての多様さを奪われました。
東京都が運営していた唯一の児童館である「東京都児童会館」も、2012年3月末をもって閉館し、現在、東京都には大型児童館が一つも存在していない状態です。
そして、青山劇場、青山円形劇場の閉館が、日本における演劇文化の後退につながると言っても過言ではありません。
こどもの城の敷地は、すでに東京都が買収済みであるという報道を拝見しました。
この場所に、地域の医師会が反対する中、多額の税金を投入して広尾病院を新たに建設するのではなく、こどもの城、青山劇場、青山円形劇場という、他には代えがたいこの「資源」を活用し、こどもの城、青山劇場、青山円形劇場を復活させてください。
小池知事が掲げていらっしゃる「都民ファースト」「保育状況を改善すること」という方針に、私たちは大きな期待を持っています。
こどもの城を活用して、都民である子どもとその家族の子育てを支援していくことが、その方針を実現していくことにつながるのではないでしょうか。
ぜひ、東京都の力で、私たちにとって唯一無二の場所・こどもの城を、そして、日本演劇文化にとってなくてはならない青山劇場、青山円形劇場を、復活させてください。
多様で豊かな子育てができ、そして独自の演劇文化を世界に向けて発信していくという、国際都市・東京にふさわしい判断がなされることを祈っています。