

私たちはこれまで、皆さまから頂いた署名をファナックに提出し、イスラエル軍需企業との取引を行わないことなどを求めてきました。しかし、ファナックは、国内法令を遵守していると主張し、国際人権規範にもとづく人権デューデリジェンス(注1)を行わず、説明責任も果たしていません。
そうした事態を受け、去る2025年6月27日、ファナックの株主総会が開催されるタイミングに、BDS Japan Bulletin(BJB)と賛同する多くの市民がファナック本社(山梨県)に集まり、昨年6月27日以降に集まった追加の署名2383名分と、新たにBJBが作成して研究者・宗教者・ジャーナリスト・アーティストなど40名が署名した要請書をファナックに手渡し、抗議行動を行いました。ファナックからは、いまだ回答はありません。
要請書の本文と署名者一覧は以下になります。是非ご一読くださいませ。
(注1. 企業が事業活動やサプライチェーンを通じて人権に与える負の影響を特定し、予防・軽減するために行う調査と対応策を意味する。)
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【ファナックに提出した要請書本文】
株式会社ファナックは、イスラエルやジェノサイド加担国の“死の商人”へのロボット販売を停止せよ!
宛先:ファナック株式会社 稲葉善治取締役会長、山口賢治代表取締役社長兼CEO、 安全保障輸出管理部、総務・法務・調達本部、ロボットセールス本部、ロボマシンセールス本部
貴社は、ロボットなどの自社製品を、イスラエルの軍需企業エルビット・システムズや米国の軍需企業ジェネラル・ダイナミクスなど“死の商人”に販売し、イスラエルによるパレスチナ人に対するジェノサイドや人権侵害に加担しています。そのため私たちは、貴社に対し、2024年2月から以下の2点を求め、3万5千筆以上の署名を提出しました[1]。
1.今すぐにエルビット・システムズなどのイスラエル軍需企業への、自社製品の販売と保守点検などのサービスの提供をやめ、今後二度と直接的または間接的に取引をしないこと。
2.今すぐにジェネラル・ダイナミクスなどのイスラエル軍向けの砲弾やミサイルを製造する米英軍需企業への自社製品の販売とサービス提供をやめ、今後二度と直接的または間接的に取引をしないこと。
しかし、貴社は、イスラエルの軍需企業で自社製品が軍事用途で使用されていることについて一切説明責任を果たさず、ジェネラル・ダイナミクスなど米英軍需企業への自社製品の販売も法令上問題ないとして、国際人権規範や国際司法裁判所の暫定措置命令にもとづく倫理的責任を完全に無視しています。
こうした無責任な態度を受け、私たちは改めて貴社に対し、自社の「人権方針」、及び、その中でも言及されている「国連ビジネスと人権に関する指導原則」[2]等の国際的人権規範を尊重し、イスラエルや英米等、人権侵害への関与が顕著な国の軍需企業への製品の販売やサービスの提供をやめることを求めます。また、商社やシステムインテグレータから間接的にイスラエルや英米の軍需企業に自社の製品やサービスが販売されている場合は、それを禁止する条件を販売時に課すとともに、DMG MORIが行っているように[3]、すべての製品に機械移設検知装置をつけ、ジェノサイドや人権侵害に加担する企業に転売されないように監視する体制を作ることを求めます。
【署名者一覧】(2025年6月27日現在)
粟飯原 文子(法政大学教員)
伊勢崎 賢治(東京外国語大学名誉教授)
板垣 雄三(東京大学名誉教授)
今井 高樹
今野 泰三(中京大学教授)
鵜飼 哲(一橋大学名誉教授)
岡 真理(早稲田大学教授)
小山田 浩子(小説家)
風間 孝(中京大学教授)
Mieko Galiko(Free Jerusalem. Rabbis for Human Rights/Sushi woman)
清末 愛砂(室蘭工業大学大学院教授)
金城 美幸(名古屋学院大学講師)
栗田 禎子(千葉大学教授)
佐伯 奈津子(名古屋学院大学国際文化学部教授)
佐原 徹哉(明治大学教員)
清水 唯史(CUATRO GATOS演出家)
杉原 浩司(武器取引反対ネットワーク(NAJAT)代表)
空 音央(映画監督)
高橋 和夫(放送大学名誉教授)
髙橋 宗瑠(大阪女学院大学教授)
高橋 美香(写真家)
田浪 亜央江(広島市立大学国際学部准教授)
長沢 栄治(東京大学名誉教授)
永原 陽子(京都大学名誉教授)
中村 一成(ジャーナリスト)
猫塚 義夫(勤医協札幌病院整形外科医/北海道パレスチナ医療奉仕団団長)
ハディ ハーニ(明治大学特任講師)
早尾 貴紀(東京経済大学教員)
藤田 進(東京外国語大学名誉教授)
法貴 潤子(BDS Japan Bulletinメンバー)
星山 京子(日本基督教団牧師)
前野 直樹(東京ジャーミイ文書館理事)
松下 新土(作家・詩人)
丸川 哲史(明治大学政治経済学部教授)
宮田 律(現代イスラム研究センター理事長)
村山 盛忠(日本キリスト教団隠退牧師/アハリ・アラブ病院支援する会・共同代表)
役重 善洋(同志社大学人文科学研究所嘱託研究員)
山岸 智子(明治大学教授)
山本 薫(慶應義塾大学准教授)
渡部 敬子(山梨県立甲府昭和高等学校教諭)
[1]「ファナックはイスラエルの“死の商人”に武器製造ロボットを売るな!」https://www.change.org/stopfanucnow
[2] 「ビジネスと人権に関する指導原則」 の第13項では、企業の責任として「自らの活動を通じて人権に負の影響を引き起こしたり、助長することを回避し、そのような影響が生じた場合にはこれに対処する」こと、および、「たとえその影響を助長していない場合であっても、取引関係によって企業の事業、製品またはサービスと直接的につながっている人権への負の影響を防止または軽減するように努める」ことが求められています。
[3] 2023年11月、DMG MORIの工作機械が中国で核開発を担う中国工程物理研究院で利用されていたことが日本経済新聞で報じられました。この件に対する対応として、同社で製造する機械全てに機械移設検知装置を搭載するという対応を取っています。DMG MORI「コンプライアンスに関する基本的な考え方」https://www.dmgmori.co.jp/corporate/sustainability/esg/compliance.html
*参考ウェブサイト:https://bdsjapanbulletin.wordpress.com/2025/06/25/letter-to-fanuc/
(以上。)