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【現状】
3月5日の報道で「親権者は、児童のしつけに際して体罰を加えてはならない」との法改正政府案骨子が示され、大きな一歩が踏み出されようとしています。
【問題点】
しかし、上記政府案では、暴言や脅かしなどを明確に禁止する文言がないこととあらゆる場面で禁止される文言になっていない点が問題です。
【修正案】
例えば、政府案をベースにしますと下記のような条文案が考えられます。あるいは「子ども」を主語にすることで「あらゆる場面」で禁止されることになります。
「何人も、児童のしつけに際して、体罰その他の品位を傷つける行為をしてはならない。」
「何人も,児童のしつけに際して、体罰その他心身に有害な影響を与える恐れのある行為をしてはならない。」
【理由及び根拠】
暴言や脅かしなどにより子どもたちは深刻なダメージを負いますが、体罰と同様に、しつけにおいて暴言、脅かし、怒声などが容認・使用されている一方で、下記の児童虐待防止法2条4号の心理的虐待の定義では日常の暴言等が許されないという明確なメッセージは社会に伝わりません。しつけの場面等では体罰と暴言等の両方が使われることも多く両方を明確に禁止する必要があります。
また、体罰や暴言などは家庭内だけでなく学校、保育所、幼稚園、学習塾、スポーツクラブ等様々な場面に存在しています。
実際に、体罰全面禁止国54か国の大多数は体罰その他の品位を傷つける行為を禁止し、国連子どもの権利委員会等も「あらゆる場面」での「体罰その他の品位を傷つける取扱い」の禁止を求めています。WHO(世界保健機構)や持続可能な開発目標(SDGs)も体罰だけでなく「暴力的な罰(violent punishment)」「心理的攻撃(Psychological aggression)」を問題にしています。
2016年の厚労省社会保障審議会も「体罰など子どもの心身への侵害のある罰を禁止する。」ことを提言し、児童福祉法1条も、全ての児童が、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、適切に養育されること、その心身の健やかな成長及び発達が図られる権利を有することを規定しています。超党派「児童虐待から子どもを守る議員の会」自由民主党「児童の養護と未来を考える議員の会」の決議でも「子どもに対する体罰等(体罰及び暴言等)を禁止する旨を、今次法改正において法文上明確にすること。」を政府に要望しています。
立法上の問題を積み残さない改正を今国会で実現することが求められます。
その他の品位を傷つける行為の例
「死ね」等の暴言、子どもをけなす、侮辱する、身代わりに仕立て上げる、脅迫する、こわがらせる、笑いものにする、罵声を浴びせる、怒鳴り散らすなど。また、身体に関する差別的な発言、食事等における屈辱的な扱い、しつけを名目とする性的なハラスメントも含む。これらの行為は、体罰と同様に、子どもの人としての品位を傷つけるものです。
参考情報
「各国の体罰等全面禁止法 - ARC 平野裕二の子どもの権利・国際情報サイト」
https://www26.atwiki.jp/childrights/pages/107.html
「子どもは、その人格および個性を尊重して扱われ、体罰または他のいかなる屈辱的な扱いも受けない」(スウェーデン)
「子どもは抑圧、体罰またはその他の辱めの対象とされない。」(フィンランド)
「子どもは、その人格を尊重して扱われ、かつ、体罰または他のいかなる侮辱的な扱いも受けない」(デンマーク)
「子どもは、有形力の行使を受けずに養育される権利を有する。体罰、心理的被害の生起その他の品位を傷つける措置は禁じられる」(ドイツ)
「子どもの体やこころを傷つける罰のない社会を目指して」12頁(公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 2018年2月)
http://www.savechildren.or.jp/jpnem/jpn/pdf/php_report201802.pdf
「オレンジリボン認知度調査」8頁(認定NPO児童虐待防止全国ネットワーク 2017年2月)
http://www.orangeribbon.jp/info/npo/47d6821cbc240e890884d8f987d1ce38a103c33e.pdf
「友田明美医師講演要旨:身体的な暴力よりも怒声や暴言の方が、より子どもの脳に深刻な影響を与えます:「子どもがすこやかに育つ、虐待のない社会を実現するために」5頁(日本弁護士連合会 2018年8月)」
https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/publication/booklet/data/gyakutai_pam.pdf
「体罰や言葉での虐待が脳の発達に与える影響:福井大学子どものこころの発達研究センター教授友田明美:日本心理学会HP」
https://psych.or.jp/publication/world080/pw05
児童虐待防止法2条4号
心理的虐待:児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者(中略)に対する暴力その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと
国連子どもの権利委員会第3回総括所見・勧告(2010年)「家庭および代替的養護現場を含むあらゆる場面で、子どもを対象とした体罰およびあらゆる形態の品位を傷つける取り扱いを法律により明示的に禁止すること。」
国連拷問禁止委員会第2回総括所見・勧告(2013年)「締約国は、法律によって、あらゆる場面における、子どもに対する体罰及びあらゆる形態の品位を傷つける取扱いを明確に禁止するべきである。」
国連子ども権利委員会一般的意見8号34項:「体罰その他の残虐なまたは品位を傷つける形態の罰」の明示的禁止が必要
https://www.kodomosukoyaka.net/pdf/201707-childrights.pdf