牛の消毒液による殺処分廃止を求める

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署名活動の主旨

~元産業動物獣医師による家畜アニマルウエルフェア向上をめざす活動~

【目的】

★消毒液による殺処分を廃止したい!

★無麻酔による除角と去勢、断尾を禁止しよう!

 

【目次】

1.はじめに

2.消毒液による死は窒息のような死

3.安楽殺とは

4.無麻酔による去勢、除角、断尾

5.家畜飼養者への教育

6.目標

7.きっかけ:家畜共済制度不正事件について

 

1.【はじめに】

牛の殺処分は、パコマという消毒液を頸静脈に投与し、死に至らしめる殺害方法が一般的です。

ロープで縛り付けてから消毒液パコマを頸静脈内へ投与すると、目を剝いて暴れ、叫び、そして痙攣し始めそして瞳孔が開いていきます。私は獣医師としてこの注射を行い、最後を見届けました。牛は私をみて鳴いて訴えていた、あの光景が脳裏に焼き付いてはなれません。

 

【消毒薬による家畜の殺処分と、その作用機序】

鳥取県の報告では、パコマ(逆性石鹸製剤)の作用として、タンパク質変性、脱脂、溶血、クラーレ様作用などを挙げ、骨格筋や呼吸筋の麻痺が死亡に至る機序として説明されています。生きているのに息が吸えなくなり亡くなるということです。

私たちは、消毒薬による殺処分方法の廃止と、動物の苦痛を可能な限り抑える、科学的根拠に基づいた人道的な安楽殺への移行を求めます。[1]

 

【安楽殺とは】

動物を殺処分する際には、死亡させることだけでなく、死に至るまでの痛み、恐怖、苦痛を可能な限り最小限に抑えることが重要です。

世界動物保健機関(WOAH)も動物の殺処分において、回避可能な不安、痛み、苦痛を生じさせないことや、適切な技能を持つ者による処置などの動物福祉上の原則を示しています。資料によると日本で使用する屠殺ハンマーも安楽死ではありません。技術力が必要で、一度で死なせられず何度も何度も…苦しんだ末死に至るケースもあるようです。

 

【除角・去勢・断尾】

除角、去勢は、農家が処置する場合、無麻酔もしくは鎮静薬のみで行われることが多いようです。除角、去勢、断尾は大きな血管や神経が分布しているため大量の出血および強い痛みと苦痛を伴います。

WOAHやEFSAなどの国際機関も、動物福祉の向上に向けて、麻酔・鎮痛の重要性を示しています。私たちは、必要な麻酔・鎮痛を適切に実施し、処置後の痛みにも配慮する仕組みを求めます。

 

除角:鎮静後、角神経ブロック(局所麻酔)を行います。切断部から大量出血するためガスバーナーの焼き鏝を何度も押し付けて止血しますが、私はこれが辛かったです。

去勢:精巣神経、精巣動脈・静脈が分布します。皮膚と精巣に麻酔が必要です。陰嚢を切り精巣を引っ張りだし、ねじり切るか糸で縛ります。動脈血が上向きに噴出してあわてたこともありました。

断尾:犬の尾より筋肉なども発達しているため、手足の補助として自由自在に扱い、敵や虫を叩いたりできる重要な体の一部です。糞で汚すからと断尾する農家がいました。輪ゴムで尾の血流を遮断し、組織を壊死・脱落させるゴムリング法は、牛に長期(約3週間)の痛みや不快感を与えることが報告されています。

 

【飼養管理者の教育】

消毒液による殺処分を“安楽死”と呼ぶことに疑問を感じています。ある農家は苦しくないと思っていたと驚いていました。

また鎮静薬を麻酔と呼ぶ農家がいました。鎮静薬にも鎮痛作用はあれど除角・去勢等の強い痛みに対してはまったく持って不十分です。安楽殺前の意識消失としても不十分です。

飼料に玉ねぎを与えていたというケースもありました。

飼養管理や生体の処置、また麻酔薬等使用には充分な知識や技術が必要であると感じています。

動物の苦痛やストレスを軽減することは、食肉の品質にも影響することが、科学的研究で報告されています。牛の命と健康を大切にし、動物福祉と畜産物の品質の両方を考えた畜産を目指しましょう。近頃、完全放牧牛など高価でもアニマルウエルフェアに配慮した商品が人気なようです。

 

 【目標】

・農水省および環境省に対し、消毒液による殺処分の廃止および人道的な安楽死、福祉に配慮した麻酔を用いた処置(除角・去勢・断尾)行うことをとりきめ、ガイドラインを制定すること⇒農水省、環境省、政治家、獣医師会へのはたらきかけ

・消費者がこの実態を知り、動物福祉と食の安全安心について議論をするきっかけとなる。

⇒メディア等へのはたらきかけ

・家畜共済制度不正事件(殺処分におけるカルテ改ざん)に関わりが命を税金に変換する制度になっていないか第三者への実態調査およびみなおしを求める

⇒共済組合、都道府県庁、裁判所へ

 

【活動の経緯】

 殺処分方法は長らく公にされませんでした。産業動物に携わっていない獣医師ですら知らない人が多いでしょう。しかし、私たち一般市民が自分たちが口にしているものがどのように産出されているのか知る権利があり、命に感謝し心からの“いただきます”ができるように知るべきであると考えます。

殺処分は、産業動物として仕方がないと認識していました。ある先輩獣医師は「生かしてやれないがカルテに嘘を書いてはこの命が浮かばれない。だから自分は絶対不正を行わない。」と雑草の花を1輪摘み、手を合わせていました。しかし、私の元上司は違いました。治療せず殺処分を行ったにもかかわらず、カルテに虚偽の記載を行い、共済金(税金が関わる国の家畜共済制度)の手続きを行っていた事件がありました。

私は公益通報を行い、2度行政指導(14名獣医師が関与と報道)、刑事事件(動物愛護法および獣医師法違反の疑い)で3名獣医師送検となりました。過去にも他府県でも同様の事件がありました。しかし、公益通報した私はカルテに虚偽の記載をした等で懲戒解雇となりました。更には不祥事報告書(公文書)において公益通報者である私への名誉棄損の疑いで農業共済組合および都道府県庁の職員が送検されました。この態度では改善が見込めないと感じ活動を開始しました。詳しくはNOTEで配信や、署名活動にて第三者による調査を求め活動を行う予定です。よろしくお願いいたします。

参考文献

山崎浩一.「消毒薬が環境に及ぼす影響と対策(最終報)いかし~消毒薬の毒性はこう減らす~」倉吉家畜保健衛生所.
https://www.pref.tottori.lg.jp/secure/831113

American Veterinary Medical Association (AVMA). AVMA Guidelines for the Euthanasia of Animals: 2020 Edition. 2020.
https://avma.org/KB/Policies/Pages/Euthanasia-Guidelines.aspx
World Organisation for Animal Health (WOAH). Terrestrial Animal Health Code, Chapter 7.6: Killing of Animals for Disease Control Purposes.
https://www.woah.org/fileadmin/Home/eng/Health_standards/tahc/current/en_chapitre_aw_killing.htm
World Organisation for Animal Health (WOAH). Terrestrial Animal Health Code, Chapter 7.5: Animal Welfare during Slaughter.
https://www.woah.org/fileadmin/Home/eng/Health_standards/tahc/current/en_chapitre_aw_slaughter.htm
Shearer, J. K. “Euthanasia of Cattle: Practical Considerations and Application.” Animals, 8(4), 57, 2018.
https://doi.org/10.3390/ani8040057
World Organisation for Animal Health (WOAH). Terrestrial Animal Health Code, Chapter 7.11: Animal Welfare and Dairy Cattle Production Systems. 2024 edition.
https://www.woah.org/fileadmin/Home/eng/Health_standards/tahc/2024/en_chapitre_aw_dairy_cattle.htm
EFSA Panel on Animal Health and Welfare (AHAW). “Welfare of Beef Cattle.” EFSA Journal, 23(7), e9518, 2025.
https://doi.org/10.2903/j.efsa.2025.9518
Mayer, C., Zablotski, Y., Rieger, A., Knubben-Schweizer, G., & Feist, M. “Behavioural and physiological indicators of pain and distress in calves following tail docking.” Tierärztliche Praxis. Ausgabe G, Großtiere/Nutztiere, 2020.
https://doi.org/10.1055/a-1261-6346
(各資料の閲覧日:2026年10月18日)

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