「徴用工問題」についての正しい報道を求めます

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「徴用工問題は解決済み」は事実ではありません

 日本が行った「強制動員―強制労働」に対する韓国大法院判決以降、日本政府は、「徴用工への賠償問題は日韓請求権協定で解決済み」との主張を繰り返し、報道各社も、その政府の主張の真偽を何ら検証することなく、そのまま報道しています。

 その結果、日本社会ではその主張が事実と見なされ、日本政府・企業は、強制「徴用」し、強制労働を強いた朝鮮―韓国の人々にいっさい謝罪も賠償もしていないにもかかわらず、悪いのは―間違っているのは韓国であり、日本は正しいとの認識―構図が自明化されています。そして、そのような状況から、日本では、この問題の解決に真摯に向き合うどころか、逆に、韓国を差別的に誹謗中傷する言動が溢れかえる状況に到っています。

 このような状況がつくり出されていることに大きな責任を有する報道各社は、このような状況形成の大きな原因となっている「日韓請求権協定で解決済み」論に対する、事実に基づく公正な検証と報道を行う責務があります。それは、「事実・正確・公正」な報道を義務づけている放送法・放送倫理基本綱領・新聞倫理綱領に基づく責務でもあります。

 この問題が「解決済み」などではないことは、簡単に知ることのできる『請求権協定』文書や政府の国会答弁からさえ明らかです。参考までに、これらに基づく私たちの検証結果を以下に記載します。

 報道各社は各社で、この社会と現状況に対する大きな責任を有する立場として、事実に基づく正確な検証と公正な報道を行うことを強く要請します。

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【私たちの検証結果―日本政府が賠償を行っていないことの根拠―】

① 日本政府は日韓基本条約及び当『請求権協定』を、朝鮮に対する植民地支配は違法・不当ではなく合法・正当なものであり、自らの非はなかったという立場で結びました。したがって、その非と責任を認めることを意味する賠償・補償など、立場上・論理上、在り得ませんでした。つまり、政府は、そもそも、韓国の人びとに何らかの「償い」をすべき立場に自らがあるとは見なしていなかったのです。
 実際、当『条約―協定』の文書には、植民地支配の非を認める言葉も、それへの反省・謝罪の言葉も全くないばかりか、(違法であれ合法であれ)日本が朝鮮を統治していた事実の記載やそれへの言及さえ全くありません。そして、賠償・補償・被害などという言葉自体がいっさい出て来ず、存在していないのです。

②『協定』第一条には、日本が韓国に対して行う「無償3億ドル・有償(利子付の貸し付け)2億ドル」の「供与及び貸付けは、大韓民国の経済の発展に役立つものでなければならない」と記載されています。つまり、この「供与金」等が賠償ではないことをはっきりと示しているのです。
 この「供与及び貸付け」金が賠償などではないことは、以下のように、当時の政府ー椎名悦三郎外務大臣も国会で明言しています。

「経済協力というのは純然たる経済協力でなくて、これは賠償の意味を持っておるものだというように解釈する人があるのでありますが、法律上は、何らこの間に関係はございません。あくまで有償・無償五億ドルのこの経済協力は、経済協力でありまして〔以下略〕」(参議院本会議/1965年11月19日)

③ 上記のように、日本政府が当『協定』で行ったことは、被害への賠償とはいっさい関係のない「経済協力」でした。そしてそれは、お金を直接、韓国政府に渡す形ではなく、「日本国の生産物及び日本人の役務」で代替する形でした(『協定』第一条)。したがって、「供与及び貸付け」されたお金はその「生産物・役務」(資本財・商品や労働・サービスなど)を提供した日本の企業や商社に渡されたのです。

④ この「経済協力金」を何に使うかについては、韓国政府がその「実施計画」を作成し、日本政府と「協議」し「決定」されました(『請求権協定』第一議定書)。つまり、それは、韓国政府が自由に使えたわけではなく、日本政府の承認が必要であり、かつ、その「使い先」は、上に記したように、日本企業だったのです。

⑤ 要するに、「経済協力方式」は、日本―日本企業に利益を与え、かつ、それを土台―踏み台にして韓国での企業活動―利益追求活動(経済侵略)を始められるようになることを意図して行われたものでした。実際、日本・日本企業は、「請求権協定―経済協力」を足掛かりにして、韓国への「再進出」―経済侵略を始めたのでした。

⑥ 以上、日本政府は、この『日韓条約―協定』において、過去の植民地支配の非を認めず「賠償―清算」しなかったばかりでなく、これを、新たな新植民地主義的侵略・支配の契機―踏み台としたのでした。

 以上のように、日本政府が、強制徴用―強制労働を強いられ、過酷な被害を受けた朝鮮―韓国の人びとに対する賠償をいっさい行っていないことは、当『協定』文書や政府の国会答弁自体からさえ明瞭にわかることなのです。

       ーえひめ教科書裁判を支える会ー