大阪都構想での特別区区名については歴史的かつ大阪らしい地名を採用しよう。

大阪都構想での特別区区名については歴史的かつ大阪らしい地名を採用しよう。

大阪都構想の目的のひとつとして、都市間競争に生き残る成長戦略が挙げられていますが、それを高めるためにも都市のイメージの向上、都市ブランディングの確立が企業誘致や観光振興、そして住民のモラルアップの為にも必要です。
ところで、近年の政令市の区名などは、地域同士で地名で揉めることを懸念する行政側が、ついつい調整のしやすい、単純な方角などの区名をつけてお茶を濁して、無味乾燥な地名が続出しているのが現状です。 そのため大阪以外にも東京他全国に中央区という名前の区域は9つもあり個性が無い、またたとえば隣の堺市などは地域住民の意向に反して区名を東西南北中・・・としたがため、マージャンパイのようなと揶揄されています。また、将来的には堺市もまた大阪都の区部として組み込まれる可能性がありますが、その場合でも "中央区"が現大阪市の中心部であればまた誇り高き旧堺市民の反発が予想されます。
ところが大阪市の橋下市長は現在、やはり地名で揉めることを恐れてか、また一部の区名だけが残って不公平が起こることを懸念してか、腹案として、東・西・南・北・中央の名称を考えていると再三タウンミーティングで話をしております。 これではせっかくの1400年の歴史ある大阪という都市ブランドを活かしきることができません。
特別区となればそれぞれがひとつの基礎自治体であり、区名だけでそれが大阪の区名・地名であると全国はもとより世界の人に簡単に理解してもらって、初めて都市としての認識が高まるのであり、区名についても東西南北中央といった無味乾燥なものは避けるべきであります。ましてや今後、当初言われていた周辺市域を含めて都の特別区に組み込む場合を想定したものとは思えない安直な命名ではないでしょうか?
たとえば、「西成」といえばごく一部地域の印象をもってイメージの悪い地名とされていますが、そもそも1300年前からの伝統ある地名であり上町台地から西側一帯は現西成区のみならず、今の港区も福島区も東淀川区も西成郡であり「ニシナリ」でありました。明治時代、西成の郡役所は今の福島区に置かれていました非常に伝統のある由緒正しき名前です。同様に「東成」、「住吉」も大阪市域が今の姿になる前の摂津国の郡名でありそれぞれ「郡名≒=区名」として1300年の歴史ある地名であります、このような難波宮よりの1400年の歴史伝統こそが、日本最初の都市である大阪のアイデンティティのひとつでもあります。
私個人としましては、東・西・南・北・中央をそれぞれ
- 東成 (上町台地以東の摂津國旧郡名に由来)
- 西成 (上町台地以西の摂津國旧郡名に由来)
- 住吉 (摂津國の旧住吉郡に由来)
- 天満 (江戸時代の区名天満組に由来)
- 難波(日本最初の首都である難波宮及び大阪そのものを指すなにわに由来)
という命名が日本に現状存在する他の基礎自治体名や政令市の区名と被らず、それぞれ新しい大阪の特別区名にふさわしいのではと個人的には思っておりますが、
その個人的な思いを除いてもやはり、都市アイデンティティ確立や都市ブランディング向上のためにも、飛鳥時代からの歴史があり、減税政策(仁徳天皇)も老人福祉政策(四天王寺)も宮殿(難波宮)も日本で最初、かつ世界最古の企業体(金剛組)が存在する大阪ならではの、歴史と伝統のある地名を新らたな基礎自治体である特別区名にも採用すべきと考えます。
つきましては、特別区移行への住民投票とは別に、地名については別途市民や歴史・文化・観光・マーケティングなどの有識者による区名制定委員会を法定協議会とは別に同時並行的に設置し、区名だけで大阪だと判り印象的、かつ歴史や伝統を重視した都市のイメージを高めることに資する新・特別区名を提案・採用していただきたいと考える次第ですので、よろしくお願いいたします。