田中 隆基Fukuoka, Япония
21 дек. 2022 г.

 11月30日に開かれた福岡地方裁判所の弁論で、久留米市国民健康保険の被保険者の皆さん3名の裁判が結審しました。


 被告の久留米市長は、裁判を通して、終始、国民健康保険の事務は地方公共団体の自治事務だから、久留米市としての裁量で療養費の支給要件を独自に決めることができる、と主張していました。


 裁判所が、裁判の争点は、3名の患者に対して提供された「靴型装具」に関して、医師の指示に従って適法に(無資格者が医行為を行うことなく)提供されているかどうかであるから、患者に対して、医師以外のものが触れることが危険な行為を行っているのかいないのかの具体的な事実関係の解明が必要、との考え方を示したのに対して、久留米市は、療養費の支給要件については久留米市が独自に設定できるものと国民健康保険法を解釈しているので、そのような具体的な事実関係の有る無しは関係ない、との主張を繰り返しました。

 そのためかもしれませんが、原告が、そのような具体的な行為がなかったことを事実に基づいて明らかにするために申請していた、実際に行った技術者に対する証人尋問に関して、裁判所としては、「被告の意見も踏まえて」必要性がない、ということにして結審することになりました。

 私たちは、義肢装具士でない靴技術者ですから、「医行為」に該当するような行為を行うことなく、医師の指示に叶う「靴型装具」を提供するのは当然のことです。ところが、そのようにして提供され、実際に患者さんたちの治療に役立っている「靴型装具」に、久留米市が療養費を支給しないのは不当だ、と患者さんたちが主張されたにも関わらず、福岡県の審査会は、厚労省の通知に従った久留米市の判断は違法ではない、という裁決を下しました。

 それならば、ということで、患者さんたちは、厚労省の通知の趣旨、国民健康保険法の趣旨、義肢装具士法の解釈等々について、司法に判断を求めるために、裁判に訴えられました。

 裁判では、やはり何よりも法に基づき、違法か適法かが重要になるということなのでしょうが、裁判所としては、争点は「無資格者が違法な行為を行なっているかいないか」だと、正しく整理してくださいました。

 ところが、久留米市は、「適法に行われていても、無資格者が提供した装具には(他の保険者がどうであれ、久留米市の裁量で)療養費を支給しないことにしているので、不支給は違法ではない」と主張し、「争点」は国民健康保険法の解釈であるかのように言いなして、裁判所の争点整理に異を唱えていました。

 原告としては、国民健康保険法の解釈については裁判の中で真っ先に示した上で、被告の主張に対しても反論していますし、裁判所も、その点については何も問題にしていませんので、被告の主張が採用されるとは考えられませんが、とにかく結審しましたので、正しい判決が出ることを信じて3月8日を待つことになりました。

判決日時  福岡地方裁判所  3月8日 午後1時10分 

熊本地裁は、福岡地裁の判決待ち
 

 福岡地裁の裁判より早く始まっていた、熊本県後期高齢者医療広域連合の被保険者さんによる広域連合に対する裁判の12回目が12月16日に開かれましたが、当日予定されていた証人採否の決定はなく、裁判所の方から、3月8日の福岡地裁の判決をぜひ見てみたいので次回の期日をそれ以後に設定したいと言われ、次回を3月17日に開くことになりました。

 原告も被告も異なる別の裁判所で行われている裁判で、通常このようなことがあるのかどうか、裁判所のことはよくわかりませんが、このようなことになりましたので、熊本の被保険者さんは、当面「お預け」のようなことになり、福岡の皆さんと一緒に、まずは3月8日の判決待ちになりました。

熊本地裁 第13回公判  3月17日 午後1時10分

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