Sep 9, 2022

昨年11月に埼玉の赤間様から「社会保険審査会の実態」についてのご報告をいただいていましたが、このほど、その「実態」を裏付ける結果が出ました。

〈1〉

協会けんぽ福岡県支部、熊本県支部によって不支給にされていた4名の方の再審査請求の裁決が、このほど社会保険審査会から出されましたが、4件の裁決文が、赤間様が指摘されていた昨年の関東の方たちに対する裁決文と、一字一句違わないものでした。

4件の内2件の申請は、昨年の関東の方たちに対する裁決が出た後でしたので、当然それは、赤間様も指摘されていた「通知」に対する認識の間違いを含め、社会保険審査会が「不支給が正しい」とした根拠をことごとく批判する内容を付して、不支給の違法性を指摘したものでした。

とくに、「通知」に対する認識だけではなく、「通知」をそのように解釈する根拠とされた、「義肢装具士の制度に鑑みれば、療養費の支給対象となる治療用装具について、義肢装具士が取り扱うものに限るものとすることに合理的理由がある」という義肢装具士法に関する完全な誤解釈については、義肢装具士が「義肢、装具」に関する技能認定資格ではないことを含め、詳細に反駁してありました。

そして、公開審理でも、その点を強調し、「義肢装具士の資格があっても、現場経験を積んで、同じ厚労省が管轄している技能検定試験で一級技能士に認定されるくらいでないと、靴どころか義肢も装具も一人前に提供できるわけではない」という、現場の声まで紹介しました。

ところが、呆れたことに、それらの内容には一切触れることなく、何事もなかったかのように、昨年の裁決文をそのままコピーした文書を送りつけてきました。

これでは、〈「公開審理」など形だけで、結論は最初に決めた通り〉と、自ら語っているも同然です。

まるで、裁判に訴えられるのは協会けんぽで、自分たちは「言いっ放し」でも咎められることはない、と言わんばかりの破廉恥さです。

ちなみに、国会での同意を得て就任されている審査委員の内、裁決書に名を連ねているのは以下の御仁たちです。

審査長  瀧澤 泉

審査員  後藤 多美子

審査員  中森 正二

東京で始まっている裁判に続いて司法の判断を仰ぐことになるでしょう。

〈2〉

一方、東京地裁で始まっている関東の裁判では、協会けんぽの代理人弁護士が、「義肢装具士でない者が違法に医行為を行ったから不支給にした。支給すれば犯罪行為を助長、追認することになる」などという、おそらく協会けんぽ自身が驚くような主張を開陳しているようです。

協会けんぽ自身は、私たちの質問にも、公開審理の場でも「厚労省通知に書いてあるから」しか言わないのですが、代理人弁護士がこんなことを法廷で主張するとは、呆れてしまいます。

それにしても、厚労省の不手際を正当化するためには、被保険者の人権を蹂躙するだけでは足りず、義肢装具士が提供できない「治療材料」を提供している技術者を犯罪人呼ばわりしなければならないというのであれば、私たちも我が事として対応を考えなければなりません。

先に進行している熊本地裁、福岡地裁の裁判は、いずれもweb会議方式ですが、東京地裁は傍聴もできるようです。

次回の予定 10月21日(金)10時40分 東京地裁803号法廷

〈3〉

厚労省の方は、3万名近い署名を添えて5月30日に提出した要望書を無視するつもりなのか、何の返答もありません。

そのうち沈静化すると考えているのかもしれませんが、自分たちの正当性を担保するためには、義肢装具士が靴を作れるようにならなければならないこと、それまでは沈静化しないことを知るべきだと思います。

法が改正され、義肢装具士資格が靴を含めた「治療材料」に関する技能認定資格になれば、審査会委員の主張通り「療養費の支給対象となる治療用装具について、義肢装具士が取り扱うものに限るものとすることに合理的理由がある」と言って良いでしょうし、実際、義肢装具士がそのような技能を有することになれば、わざわざ私たちが「治療材料」としてまで靴を提供する必要がなくなるのですから。

まだまだ、審査請求も裁判も続きます。

さらなるご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。

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