署名活動についてのお知らせ辺野古新基地建設を止める新しい提案 A New Proposal to Stop the New US Military Base Construction in Henoko,普天間の移設先「議論を」  沖縄から全国の議会に陳情
沖縄発 新しい提案実行委員会
2019/05/14

沖縄が日本に復帰してから15日で47年。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題では、沖縄が何度も「ノー」を示すものの、政府は「唯一の解決策」と繰り返す。そんな中、沖縄の米軍基地の負担軽減に向け、市民レベルで本土を動かそうと模索する動きが、少しずつ広がっている。(角詠之、上遠野郷)

 全国の市民が責任を持って、普天間飛行場の問題について、国民的議論をしてほしい――。沖縄の市民グループは3月下旬、そんな陳情書を全国の市区町村と都道府県の計1788議会の議長宛てに発送した。

 具体的な内容は、普天間の代替施設の移設先について全国すべての自治体を等しく候補地とし、それぞれが民主的な手続きで移設の可否を議論することを求める意見書を可決してほしい、というもの。市民グループは、辺野古の埋め立ての是非を問う県民投票の実現を求めた市民団体のメンバーが中心だ。

 なぜ地方議会への陳情なのか。グループの一人で、那覇市の司法書士・安里長従(ながつぐ)さん(47)は「『普天間を本土で受け入れられないから辺野古に』という不合理な差別をやめ、全国で自分たちの問題として議論してほしい」と説明する。

 全国の米軍専用施設の7割が集中するなど、沖縄はすでに過剰な負担を抱えている。普天間を返還する代わりに辺野古に移設するという計画は閣議で決めただけで、国会の決定も、県民の同意も得ていない。だから安里さんたちは県民投票の実施を求め、県民はワンイシュー(単一の争点)で「辺野古ノー」という民意を示した。「それでも移設が必要だというのなら、政府が一方的に移設先を選んで押しつけるのではなく、沖縄以外の場所に公正で民主的な方法で決めるべきだ」

 各議会での議論は6月からになるが、約130の議会からはすでに「住民以外からの陳情は議員に配布するだけで、審理はされない」と連絡があった。「多くの議会は『議員配布』にとどまるでしょう。でも、全国の市民が少しでも私たちの思いを受け止め、行動を起こしてくれることに期待しています」

「沖縄の基地問題を考えることは、自分たちの社会を捉え直すこと」
 本土側の動きも出始めている。

 岩手県花巻市の元市議増子義久さん(79)は安里さんたちの動きに合わせ、13日にほぼ同じ内容の陳情を市議会に提出した。市外在住者からの陳情は議会運営委員会でコピーを配るだけだからだ。「安全保障はどこの住民にも関係する問題。本土の議会は議論を始め、沖縄に応答すべきじゃないか」

 北海道小樽市の自営業、平山秀朋さん(50)は3月末に市民グループを立ち上げ、基地問題について勉強会を始めた。沖縄に行ったのは観光の1度だけ。でも、2月の沖縄県民投票で民意が示された翌日も工事を強行した政府の姿勢を見て、疑問を感じた。6月議会で辺野古の工事中止などを求める意見書の可決をめざす活動を進めている。

 全国青年司法書士協議会も11日、普天間の移設を引き受けられるのか議論することを求め、全国の議会に陳情することを決めた。安里さんたちの陳情と同じ内容だ。

 他にも内容は異なるが、衆院事務局などによると、2018年4月以降、堺市や岩手県など少なくとも10の地方議会で、辺野古での工事中止や沖縄との対話などを政府に求める意見書が可決された。一部は全会一致だったが、多くは賛成多数。東京都の小金井市や小平市では、地域の市民団体のメンバーが陳情や請願の提出者となった。

 本土側の市民の「責任」に向き合おうという本も出版された。

 米軍基地の本土への移設を訴える市民団体が4月に刊行した「沖縄の米軍基地を『本土』で引き取る! 市民からの提案」(コモンズ)。15年3月の大阪以降、福岡や首都圏、新潟など約10団体が発足しており、活動に至った経緯や思いなどを記している。

 編者の一人、新潟大准教授の左近幸村さん(39)は新潟の団体に参加。日米安保体制の維持を支持し、「安全」という恩恵を無自覚に受けている本土の自分たちこそが、結果的に沖縄への基地押しつけに加担している――と考えている。

 専門はロシアの歴史で、沖縄に行ったことはない。「基地を本当に本土に引き取れるのか」と問い詰められることもある。でも、解決法がすぐにわからなくても、疑問の声を上げなければ、政府のやり方をただ認めることになる。

 「沖縄の基地問題を考えることは、安全保障や民主主義、地方自治など、自分たちの社会を捉え直すことだと思っています」


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