
11月14日(日)唐津市立神ポイント駐車場にて、佐賀県産業労働部新エネルギー産業課(以下、佐賀県)の担当者より、現在佐賀県と唐津市が取り組んでいる洋上風力発電の誘致について唐津・玄海の海の未来を考える会(以下、考える会)への説明会が開催されました。
佐賀県からは現在の洋上風力発電誘致に関する誘致の進捗状況やこれからの見通し、今考えられる海への影響、また唐津市沖に誘致するに至った理由等の説明がありました。
誘致に関しては、現在は候補海域(神集島から馬渡島に至る海域)を検討しているなかで、離島や利害関係者への説明を開始したところで、まだ正式な海域や規模など決定していることはないという説明でした。当然私たちが疑問に思っている立神ポイントはじめ、各サーフポイントへの影響は全く分かりません。
今後のプロセスは、説明終了後、国への海域情報を提供、その後法廷協議会設置の検討ということになります。このタイミングで利害関係者を特定し法定協議会参加について同意を得る必要があるということですが、今後の情報収集や設置への検討の過程で、漁業者や離島居住者とともに我々サーファーを利害関係者と認めていただき、協議会に参加する必要があります。どうすればこの利害関係者と認めてもらえるのか質問しましたが明確な回答はありませんでした。
県からは海外の事例を引き合いに、サーフィンができなくなるような影響はないという返答でしたが、我々は「できる・できない」ではなく、今のクオリティウェーブを未来にそのまま残すことが使命と考えています。うねりが遮られ、膝サイズの波しか割れなくなってもサーフィンは出来ます。しかし、そのポイントからは原田正規プロや、西村いちごプロ、田中大貴プロのような優秀なサーファーは生まれません。私たちはわずかな海底の地形変化や風向きが波にどのように影響するのか、からだと経験値で分かります。海底の岩盤が多数の風車の基礎工事によって地形が変化するであろうことは容易に想像できます。その結果、波にどのように影響するのか今はわかりません。しかしリスクであることは確かです。
かつて立神ポイントは、多くの白い砂で覆われたハーフビーチでした。それが70年代から80年初頭にかけて、これも行政が許可した採砂事業によって沖の砂が根こそぎなくなり、そこに浜の砂が移動することによって、海岸は痩せ護岸工事が必要となり、今のブロックに覆われた立神海岸となりました。こうした行政の将来を考えない事業による自然破壊は何としても食い止めねばなりません。
また県からは洋上風力発電を誘致する理由に、唐津市・玄海町の人口減があげられ、それを食い止めるために企業誘致がままならない中で発電事業を誘致するという理由も上げられました。それで人口が将来も増えるのか、もしそうであれば玄海原発を抱える玄海町が人口減となる結果にはならないのではないかという疑問もあります。企業誘致は行政レベルで取り組む重要な案件です。洋上風力発電は30年規模の事業です。仮にこれによって人口が30年間増えても、それ以降はまた同じことの繰り返しです。
海の環境は数十億年かけて造られてきたものです。それより地域が持つ魅力をさらに磨くことで持続可能な地域社会を作っていくことがより発展的であると我々は考えます。この地が持つ「素晴らしいサーフポイント」という魅力をさらに磨くためにも洋上風力発電はサーフィンに影響のない海域、場所で行ってもらうことをこれからも強く訴えてまいります。
(文責:坂田隆史)