不十分な情報提供によって、住民の知る権利と意見表明の機会が侵害されていないか。我々は、計画によって直接影響を受ける当事者であり、単に行政から説明を受けるだけの立場ではありません。


今回の播磨臨海地域道路計画について、私たちが以前から強く疑問に感じているのは、県の情報公開に対する姿勢です。 是非、前回分お知らせ・前々回等公開された準備書の疑問点・問題点をご確認の上 拡散共有・一緒に声を届けてください。
これまで県は、情報公開請求に対しても、「公開することで混乱が生じる恐れがある」「特定の者に不公平となる可能性がある」といった理由で、事業の検討過程や判断の根拠となる重要な情報・資料について、非公開あるいは十分な情報提供を行わない対応をしてきました。
しかし、今回の道路計画は、単に行政内部で検討している事業ではありません。
沿線住民の住居、財産、健康、子供たちの教育環境、地域コミュニティ、そして将来の生活そのものに重大な影響を及ぼす可能性がある事業です。
私たちは、計画によって直接影響を受ける当事者であり、単に行政から説明を受けるだけの立場ではありません。
住民が正確な情報を知らされず、調査の根拠や予測の前提条件、事業者の判断過程も分からないまま、限られた期間内に意見を提出することを求められても、それは実質的な住民参加とはいえないのではないでしょうか。
環境影響評価法に基づく準備書の手続は、単に資料を縦覧し、形式的に意見書を受け付ければよいというものではないはずです。
住民の生活実態や地域固有の情報を把握し、住民の意見を環境影響評価に反映させることこそ、その重要な目的ではないでしょうか。
そこで、以下の点について県の明確な回答を求めます。
① 非公開の具体的根拠について
県が「混乱を生じる恐れ」「公平性を損なう可能性」を理由に情報を非公開とする場合、具体的にどのような混乱や不公平が生じると判断しているのでしょうか。
単に抽象的な可能性を述べるだけでなく、非公開とする情報の内容、非公開によって守られる利益、根拠となる条例の条項及び具体的な理由を明らかにしてください。
② 住民の知る権利と部分公開について
個人情報や企業秘密など、正当な理由で公開できない部分があるとしても、それ以外の調査データ、予測条件、交通量の推計、環境保全対策の検討資料など、公開可能な部分まで一律に非公開とする必要があるのでしょうか。
非公開部分を除いた部分公開や、数値・図表を加工した形での情報提供など、住民が判断できるようにする方法を検討しているのでしょうか。
③ 住民の意見表明の実効性について
今回の準備書について、県は住民に意見書の提出を求めています。
しかし、判断の根拠となる重要な情報が十分に公開されなければ、住民は何を根拠に意見を述べればよいのでしょうか。
住民が十分な情報を得たうえで意見を述べられるよう、追加資料の公開や説明の機会を設ける考えはありませんか。
また、住民から提出された具体的な意見や疑問について、単に意見の概要をまとめるだけでなく、どのように検討し、採用しなかった場合にはなぜ採用しなかったのか、その理由を住民に分かる形で公表する考えはありますか。
④ 情報公開に対する県の責任について
今回の環境影響評価は兵庫県が都市計画決定権者として手続を進めていますが、調査資料や検討資料の作成・保有について、国土交通省や事業者との役割分担があることも承知しています。
しかし、県が保有していない、あるいは国に確認を求めているというだけで、住民への説明責任まで曖昧にしていいのでしょうか。
県として、どの機関がどの情報を保有し、誰が住民の質問に責任を持って回答するのか、明確にしてください。
最後に、県に強く申し上げます。
行政にとって都合の悪い情報や、住民の間で議論を呼ぶ可能性のある情報を、混乱や公平性という抽象的な理由だけで公開しないのであれば、住民は何を根拠にこの道路計画の妥当性を判断し、意見を述べればよいのでしょうか。
住民が知ることによって議論が生じることは、民主的な行政手続において避けるべきことではありません。むしろ、正確な情報を共有し、住民が十分に議論できることこそ必要ではないでしょうか。
情報を公開すれば混乱するという考え方ではなく、情報を公開しないことによって住民の不信と不安を招いているという認識を持っていただきたい。
住民は、行政が決めた計画を後から知らされ、受け入れるだけの存在ではありません。
自分たちの生活と将来に関わる重大な事業だからこそ、判断の根拠となる情報を知り、疑問を問い、意見を述べる当然の機会が保障されなければなりません。
県は、住民の知る権利と説明責任をどのように保障するのか、抽象的な回答ではなく、具体的な対応方針を明確にお答えください。
住民は単なる説明を受ける側ではありません。計画によって直接影響を受ける当事者です。
住民が正確な情報を知らされなければ、何が問題なのか、どのような影響があるのか、どんな意見を述べればよいのかさえ判断できません。
これは単なる情報公開の問題ではなく、環境影響評価における住民参加の実質を問う問題です。
この質問の法的な根拠
1.兵庫県自身が掲げる「知る権利」と「説明責任」
兵庫県の情報公開制度の基本的な考え方は、行政保有情報の原則公開です。非公開には条例上の具体的な根拠 が必要です。
2.環境影響評価法の住民参加
第17条:準備書の説明会
第18条:住民等による意見書の提出
第19条:住民意見の概要と事業者見解の送付
第21条:住民意見を踏まえた準備書の検討と評価書の作成
つまり、意見を受け付けるだけでなく、その意見を検討し、事業に反映するための手続が定められています。
3.今回の兵庫県の手続
県は今回、環境影響評価準備書について、どなたでも意見書を提出できると公表しています。であれば、住民が意見を形成するための情報提供も重要です。
私が特に強調したいこと
私たちが求めているのは、個別の情報公開請求を繰り返さなければ重要な情報が得られない行政ではなく、住民の生活に重大な影響を及ぼす事業について、行政自らが判断の根拠を積極的に明らかにする姿勢です。今回の準備書の評価に必要な情報を、県の責任で追加公開する意思があるのか、お答えください。