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小学校・高砂中学校の将来的な統合問題と、播磨臨海地域道路の建設・供用による影響を、行政が別々の問題として扱ってよいのか・学校再編後の通学先・通学経路の変化を想定した評価が行われているか

百々 雅夫高砂市, Giappone
1 nov 2026

高砂町内の学校に通う保護者の方から「新たな学校づくり・学校再編」に絡むご相談、ご意見をいただきました。

特に重要なのは、高砂小学校・高砂中学校の将来的な統合問題と、播磨臨海地域道路の建設・供用による影響を、行政が別々の問題として扱ってよいのかという点です。
市が「道路問題と学校統合問題は別」と説明してきたとしても、実際に同じ地域の子供たちが、学校の再編によって通学経路を変え、その経路に新たな高架道路やアクセス道路、工事車両が関係するのであれば、子供の安全と生活環境という観点から一体的に検証する必要があります。
また、環境影響評価準備書に学校の所在地や現状の環境調査が記載されているだけでは不十分です。学校再編後の通学先・通学経路の変化を想定した評価が行われているかが重要です。

なお、現時点で確認できた過去の検証資料では、通学時間帯の交通量、学校周辺の安全性、工事車両の運行ルートなどは、10月27日公開の準備書で確認すべき未確認事項とされていました。しかし、公開後の準備書そのものの該当ページまでは、まだ確認できていません。

1.公開された準備書の検証結果
兵庫県の公式公開資料を確認した結果、今回の意見書では、次の点を根拠として取り上げることができます。

① 学校統合後の通学路と交通安全
準備書の騒音・大気質等の調査・予測には、高砂市西畑や高砂町の地点が含まれています。しかし、高砂小学校・高砂中学校の将来的な統合を想定した通学先の変更、通学動線、登下校時の交通事故リスクについての具体的な検証は、確認した該当資料には見当たりません。
騒音調査や環境予測があることと、子供の通学安全を評価していることは別問題です。

② 住宅への騒音・大気質の影響
西畑については、建設機械の稼働に伴う騒音・大気質の予測地点が設定されています。自動車走行に伴う騒音についても西畑の地点があります。
ただし、個々の住宅が高架から数メートルしか離れていない場合の影響や、将来の学校統合後の子供の生活環境まで評価したものではありません。
③ 日照阻害
第11章11.7「日照阻害」では、高砂市西畑・高砂町・高砂町松波町を予測地点11として評価しています。
その結果、上り線側では、
第2種低層住居専用地域の1階高さで4時間超過
第1種中高層住居専用地域の2階高さで4時間超過
工業地域で5時間超過
と予測されています。つまり、日照問題は単なる住民の懸念ではなく、準備書自身が影響を予測している問題です。
ただし、この数値は用途地域ごとの最大日影時間であり、全住宅に同じ影響が出るという意味ではありません。また、県の予測は冬至日の8時から16時を対象とし、高架の桁下からの日照確保は考慮していません。

今回の意見書で特に重要なこと
学校統合問題そのものの是非を環境影響評価で決めるよう求めるのではありません。
学校再編が検討されている以上、その可能性を無視したまま道路の環境影響を評価することは、将来の子供たちの生活環境を十分に評価したことにならない、という点です。

※この意見書で特に重要な主張3点
今回の意見書で重要なのは、次の3点だと思います。

将来の子供たちの安全を評価していない。 現在の学校配置だけを前提とした環境評価では、学校再編後の通学路の安全性を担保できない。
準備書自身が西畑の日照阻害を予測している。 それにもかかわらず、個々の住宅への影響や実生活への影響が十分に明らかにされていない。
学校統合と道路建設の複合的な影響を無視してはならない。 行政上は別の事業でも、住民の生活では一体の問題である。

特に2番目は、県の準備書に実際に記載された予測結果を根拠にできるので、説得力があります。

環境影響評価準備書に対する意見書

件名:高砂小学校・高砂中学校の将来的な学校再編を踏まえた、子供たちの通学安全及び周辺住民の生活環境への影響について

対象文書:播磨臨海地域道路環境影響評価準備書

意見の趣旨

高砂町に位置する高砂小学校及び高砂中学校は、現在、高砂市が進める「新しい学校づくり」の中で、荒井中学校方面への学校統合・再編が検討されている。

一方、両校の周辺は播磨臨海地域道路の計画ルート及び関連道路の影響を受ける地域でもある。

市はこれまでの説明会において、道路問題と学校統合問題は別の問題であるとの説明をしてきた。しかし、行政上の担当や計画が別であっても、実際に地域で生活する子供たちや住民にとっては、通学環境、交通安全、住環境及び地域コミュニティに関わる一体的な問題である。

特に、学校再編によって通学先や通学距離、通学経路が変わる可能性があるにもかかわらず、その将来的な変化を考慮せずに道路の環境影響を評価することは、将来世代の安全と生活環境を十分に検証したことにはならない。

今回公開された環境影響評価準備書を確認したところ、高砂市西畑及び高砂町周辺の騒音・大気質・日照阻害等について一定の調査・予測は行われているものの、将来の学校再編に伴う通学動線の変化や、子供たちの安全確保、住宅ごとの具体的な環境影響については、十分な検証がなされているとはいえない。

以下の事項について、追加調査及び再検証を強く求める。

1.学校再編後の通学動線の変化と子供たちの交通安全について

高砂小学校及び高砂中学校の将来的な統合・再編が実施された場合、高砂町周辺に暮らす子供たちは、従来とは異なる通学先及び通学経路を利用することになる可能性がある。

その場合、通学距離が延びるだけでなく、播磨臨海地域道路の本線、高砂西インター線等の関連道路、交差点、高架構造物周辺などを通行することも想定される。

特に、朝夕の通勤時間帯には臨海部の企業への通勤車両が集中しており、これに道路供用後の交通量や工事期間中の大型工事車両が加われば、歩行者や自転車で通学する子供たちの交通事故リスクが高まることが懸念される。

しかし、準備書においては、将来的な学校再編を想定した通学経路の変化や、登下校時間帯における子供たちの安全性について、具体的な予測・検証が確認できない。

これは将来の地域環境を評価するうえで重要な欠落である。

求める事項

① 高砂小学校・高砂中学校の将来的な統合・再編の可能性を考慮し、高砂町から荒井方面への想定通学経路を設定したうえで、道路建設中及び供用後の交通安全性を検証すること。

② 通学時間帯の時間別交通量、大型車・工事車両の台数、交差点の交通状況、歩行者・自転車の動線を具体的に調査・予測すること。

③ 高架下やアクセス道路との交差部分、見通しの悪い箇所など、子供たちにとって危険となる場所を特定し、歩車分離、安全な歩道、横断施設、必要に応じたアンダーパス等の具体的な安全対策を明らかにすること。

④ 学校再編後の通学路が確定していないことを理由に評価対象から除外するのではなく、複数の想定経路を設定したうえで、安全性を比較・検証すること。

2.高架道路に近接する住宅及び将来の子供たちの健康・生活環境への影響について

高砂町周辺には、移転対象区域外でありながら、計画されている高架道路からわずか数メートルしか離れていない住宅も存在する。

こうした住宅では、道路供用後、大型車両の排気ガス、二酸化窒素、浮遊粒子状物質、騒音、振動等の影響を長期にわたり受ける可能性がある。

特に、今後この地域で子供を育て、次世代にわたって居住を継続しようとする世帯にとって、成長期の子供たちがどのような環境で生活することになるのかは重大な問題である。

準備書には西畑周辺の環境予測があるものの、個々の住宅と高架構造物との距離、住宅の階数、窓や居室の位置等を考慮した具体的な生活環境への影響が十分に明らかにされているとはいえない。

求める事項

① 高架道路から最も近接する住宅について、住宅ごとの距離、地盤高、階数等を考慮し、少なくとも1階・2階の生活空間における騒音、振動及び大気質への影響を再検証すること。

② 建設機械の稼働による影響だけでなく、工事用車両の運行、道路供用後の大型車両の走行による影響を区別して評価すること。

③ 周辺の既存道路や臨海部事業所からの環境負荷も考慮し、既存環境に道路事業による影響が加わる累積的な影響を検証すること。

④ 予測値が環境基準等を満たす場合であっても、至近距離に暮らす住民や子供たちの生活実態を考慮し、より実効性のある遮音壁、排気ガス・粉じん対策、緑地帯等の環境保全措置を検討すること。

3.高架構造物による日照阻害と将来の居住環境への影響について

準備書第11章11.7「日照阻害」では、高砂市西畑・高砂町・高砂町松波町を予測地点11として評価している。

その予測結果では、上り線側において、第2種低層住居専用地域の1階高さ及び第1種中高層住居専用地域の2階高さで4時間を超える日影が予測され、工業地域では5時間を超える日影が予測されている。

このことは、高架道路の存在によって、地域の一部で相当な日照阻害が生じる可能性を県自身が認めていることを示している。

しかし、こうした地域単位の予測だけでは、高架から数メートルしか離れていない個々の住宅において、実際にどの程度の日照が失われるのかは明らかでない。

また、日照は単に住宅の採光だけでなく、洗濯、室内環境、健康的な生活、子供たちの成育環境にも関係する重要な生活環境要素である。

求める事項

① 西畑周辺の高架道路に最も近接する住宅について、住宅単位の位置、階数、方位等を踏まえた日照時間の再予測を行うこと。
② 冬至日だけでなく、季節ごとの日照状況についても、住民が理解できる資料を提示すること。
③ 予測結果において参考指標を超過する地域について、単に基準との比較で終わらせず、住民の実際の生活への影響を評価し、構造や高さ、配置等の見直しを含めた対策を検討すること。
④ 高架道路の構造や遮音壁等による日照への影響も含め、個々の住宅に対する具体的な環境保全措置を明らかにすること。

4.学校再編と道路建設による地域コミュニティの分断及び定住環境への影響について

地域の学校は、単なる教育施設ではなく、子供たちの成長を支え、住民同士のつながりを育み、地域コミュニティを維持する重要な拠点でもある。
学校の統合・再編に加えて、地域を横断する高架道路や関連道路が建設されれば、子供たちの生活圏や住民の日常的な往来が変化し、地域のつながりが物理的・心理的に分断されることが懸念される。
また、道路建設によって住環境が悪化すれば、子育て世代がこの地域に住み続けることをためらい、将来的な人口流出や地域の活力低下につながる可能性もある。

私たちは、現在の住民だけでなく、次の世代、その次の世代も安心して暮らし続けられる地域を守りたいと考えている。

求める事項

① 学校再編と道路建設が同一地域に及ぼす複合的な影響について、個別の行政計画として切り離すのではなく、将来の地域生活環境という観点から検証すること。
② 子供たちの生活圏、地域住民の往来、地域コミュニティへの影響について、住民の意見を聴取し、評価に反映すること。
③ 道路によって地域の分断や居住環境の悪化が生じる場合には、計画の構造・配置・ルート等の見直しを含めて検討すること。

5.結び―将来世代の安全と生活環境を守るために

今回の道路計画は、単に道路が一本建設されるという問題ではない。

学校再編が検討され、子供たちの通学環境が大きく変わる可能性がある地域において、長期にわたる道路工事と、その後の大型交通を伴う高架道路が建設されることは、将来の地域社会や住民生活に大きな影響を及ぼす可能性がある。

環境影響評価は、現在の調査地点における数値が環境基準を満たすかどうかだけを確認するためのものではなく、事業によって将来の環境がどのように変化するのかを予測し、環境保全に反映させるためのものである。

したがって、現時点の学校配置や通学経路だけを前提とし、将来的な学校再編や通学動線の変化を考慮しない評価では不十分である。

以上の事項について、必要な追加調査及び再予測を実施し、その結果と環境保全措置を住民に分かりやすく公表することを求める。

また、追加調査によって重大な影響が明らかになった場合には、遮音壁等の部分的な対策だけで済ませることなく、高架構造や道路配置、ルートの見直しを含め、住民の安全と生活環境を最優先とした再検討を強く求める。

将来の子供たちに、安全で安心して暮らせる高砂のまちを引き継ぐため、拙速な計画推進を避け、住民の声を十分に反映した慎重な判断を求める。

以上

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