Обновление к петицииあなたとあなたの家族の未来を守るために、10万人の声を!:地方でのがん治療医と血液内科医の不足を解消するため具体策を求める

【オフトーク(Off-talk)・その10】 : 医療費を抑えるだけで、日本の医療は守れるのでしょうか? ―「医療費亡国論」から40年以上。私たちが失いつつあるもの😔―

一戸 辰夫Hiroshima, Япония
25 окт. 2026 г.

この署名活動をご支援くださっている皆様へ

連夜のご連絡となり、失礼いたします。

最近、全国の病院の深刻な経営状況を伝えるニュースが相次いでいます。
10月20日、日本病院会など3団体が公表した調査によれば、2025年度の病院の医業利益率は平均マイナス8.1%と、前年度のマイナス7.8%からさらに悪化していました。
今年度の診療報酬改定後には改善の兆しも見られますが、医薬品や診療材料、人件費などの負担が増える中、病院経営の先行きには依然として不安が残っています。
なぜ、私たちの生命と健康を守る病院が、これほど厳しい経営状況に置かれているのでしょうか。
今日は少し時計の針を戻し、日本の医療政策について考えてみたいと思います。

■ 40年以上前に唱えられた「医療費亡国論」
1983年、当時の厚生省保険局長だった吉村仁(よしむら・ひとし)氏が発表した論考は、後に「医療費亡国論」と呼ばれるようになりました。
医療費が増加し続ければ、国の財政や経済に深刻な影響を及ぼすという問題提起です。
もちろん、国の財政には限りがあります。医療費を無制限に増やせるわけではありませんし、無駄な支出を減らす努力も必要です。

しかし、それから40年以上、私たちは医療費の増加を抑えることを、あまりにも当然の政策目標として受け入れてきたのではないでしょうか。

2015年、政府は国の社会保障関係費について、2016~2018年度の3年間の増加を約1.5兆円、年平均約5,000億円に相当する水準に抑えることを目安としました。
これは医療費だけでなく、年金や介護なども含む国の社会保障関係費に関する目安です。
注目したいのは、その設定根拠です。この数字は、それまでの3年間の予算実績を踏まえて設定されただけです。しかし、その水準で将来の医療需要に対応できるのか。病院の経営や医療従事者の確保に、どのような影響が生じるのか?
こうした問題は、十分に検証されてきたのでしょうか。

■ 日本の医療費は、世界と比べて本当に多いのでしょうか?
ここで、少し海外に目を向けてみましょう。
OECD(経済協力開発機構)が2025年に公表した国際比較によれば、日本の医療費はGDPの10.6%を占め、OECD平均の9.3%を上回っています。
意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、日本は決して医療費の対GDP比が低い国ではありません。
ところが、国民1人当たりの医療費を購買力平価で比較すると、日本は5,790ドルで、OECD平均の5,967ドルを下回っています。
さらに興味深いのは、人口1,000人当たりの医師数です。OECD平均の3.9人に対して、日本は2.6人にとどまっています。一方、人口当たりの病床数はOECD平均の約3倍もあります。
つまり、日本は経済規模に対して比較的多くの医療費を使いながら、人口当たりの医師数は少なく、多くの病床を維持している国なのです。

もちろん、医療制度は国によって異なりますので、これらの数字だけで優劣を判断することはできません。さらに、私にとっても意外だったのですが、ドイツでは2024年に約3分の2の病院が赤字となり、英国でも2024年度には国民保健サービス(NHS)の医療提供組織の半数以上が赤字でした。フランスでも公立病院の経営悪化が問題になっています。
病院の経営危機は、日本だけに起きていることではないのです。
高齢化、医療技術の進歩、人件費や物価の上昇などにより、多くの先進国が医療財政の持続可能性という難題に直面しています。

しかし、ここで注目したいことがあります。
OECDは、医療費の無駄を減らして効率を高めるだけでなく、将来にわたって医療を維持するために、医療従事者の育成と確保への投資も必要だと指摘しているのです。
医療費を抑えることと、将来の医療を守ること。その両方を実現するには、どうすればよいのでしょうか。

■ がん治療医や血液内科医の不足は、将来の患者さんの問題です
私たちが今年実施した全国の血液内科診療科を対象とする調査では、回答のあった成人診療科のうち、常勤医が2名以下の施設は、地方で約4割に達していました。
血液内科では、白血病や悪性リンパ腫などの患者さんの診療に加え、造血幹細胞移植、若手医師の教育、研究など、多くの役割を担っています。

わずか2名の医師で、これらの仕事を十分に続けることができるでしょうか。
医師不足が深刻になるほど、残された医師の負担は増え、若い医師を育てる余裕まで失われかねません。
そして、指導医たちが疲弊している姿を目の当たりにした若い医師たちは、その診療科にどのような将来を思い描くでしょうか。
専門医が不足するだけでなく、次の専門医を育てる仕組みそのものが弱くなっていく。
私たちが最も心配しているのは、この悪循環です。

もちろん、若い医師たちががん医療を選びにくくなっている理由は、医療費抑制だけではありません。研修制度、勤務環境、給与、将来の生活設計など、さまざまな問題が複雑に関係しています。
だからこそ、私たちは全国の研修医と指導医を対象とした意識調査を開始し、その実態を明らかにしようとしています。

■ 医療費を抑えることで、私たちは何を失うのでしょうか?
ここで、皆様にも一つ、考えていただきたいことがあります。
「医療費を増やすと、国の財政がどれだけ困るのか」という計算は、繰り返し行われてきました。
では、「医療費を抑え続けることで、国民が何を、どれだけ失うのか」という計算は、十分に行われてきたのでしょうか。病院の赤字は帳簿の上に現れます。しかし、育てられなかった専門医の数や、将来受けられなくなる医療の価値は、帳簿には現れません。

例えば、今年の医療費を抑えることができても、その結果として5年後、10年後に地域の患者さんを診る専門医がいなくなってしまったら、それは本当に社会にとって利益なのでしょうか。
40年前、日本では医療費の増加が国の将来を脅かすと警鐘が鳴らされました。
しかし、40年以上が経過した今、私たちは逆の危険についても考える必要があるのではないでしょうか。
医療費を抑えることに気を取られるあまり、将来の医療を担う人材まで失ってしまう危険です。

私たちは、医療費を際限なく増やすべきだと主張しているのではありません。
限られた財源を大切に使いながら、国民に必要な医療を将来にわたって守るために、何を優先すべきなのか。そのことを、皆様と一緒に考えたいのです。
医療費を増やす政策に合理的な根拠が必要なのであれば、医療費を抑える政策にも、その合理性を説明する責任があるはずです。
そして、その評価には、10年後、20年後に患者さんの命を守るはずだった医師たちの存在も、ぜひ含めていただきたいと思います。

私たちの署名活動は、若い医師たちが希望を持ってがん医療や血液疾患の診療を専門領域として選び、全国どこに暮らしていても、必要な医療を受けられる社会を目指しています。
その未来を守るために、引き続き皆様のお力をお貸しいただければ幸いです。

あなたとあなたの家族の未来を守るために、10万人の声を!:地方でのがん治療医と血液内科医の不足を解消するための具体策を求める
署名サイトURL: https://c.org/mSMBPnHMSK

「あなたの病気を診られる専門医が、この地域にはいません」〜国民に必要な医師の育成を求めるための緊急署名!!
署名サイトURL: https://c.org/BYfSxz9bvN

一戸辰夫(「若手がん治療医・血液内科医を支援する会」 代表)
[連絡先:tatsuo.ichinohe@icloud.com  いつでも皆様からの建設的ご批判・ご意見をお待ちしています](なお、このオフ・トークの内容はあくまで一戸個人の見解であり、本署名活動のサポーター方々や後援団体の立場を表明するものではありません。)

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