一昨日(12月31日)当サイト「進捗投稿」欄に投稿した「日本大学の再生に向けての提案書」、賛同者に関して記載漏れがありましたので、訂正して日大本部に昨日(1月2日)提出されたものをご紹介します。賛同者数は161名になりました。
2021年12月31日
日本大学理事長兼学長加 藤 直 人 様
日本大学の再生に向けての提案書
日本大学教員有志161名(所属・氏名等は10・11頁に掲載)
はじめに
2021年12月21日、加藤直人理事長は、12月17日に文部科学省高等教育局長が理事長宛に発出した「学校法人の管理運営に関する適切な対応及び報告について(指導)」を受けて、「教職員各位」に向け意見・提案があれば12月31日までに提出するように要請しました。
文科省の上掲文書においては、7項目にわたって相当踏み込んだ「指導」がなされています。大学中枢部の構成メンバーではない「一般の教員」が意見・提案できるのは、2の「社会から十分な納得が得られるような抜本的な対応を打ち出すこと、また、当該再発防止策を確実に実行できる執行体制を構築すること」、4の「加藤学長が『田中前理事長及び井ノ口元理事の影響力を排除する』旨宣言したことを踏まえ、校友会その他の貴法人の管理運営と密接な関係を有する外部組織とも連携しつつ、宣言の実効性を確実に担保できるような措置を講じること」、5の「高い公共性を有する学校法人の管理運営に相応しい適切な人材が理事・監事・評議員として任命されるような選出方式の見直し、理事会及び評議員会における議論の活性化のための方策、実効的な監事監査の支援体制の整備、情報提供者の保護を含む実効的な内部通報制度の整備等」を含め、「多様な意見を反映させ、特定の役教職員の専横を許さない健全な管理運営体制を構築すること」、の3つの項目に限定されると思われます。
しかしながら私たちは、私たちの守備範囲外にある第1・3・6・7項目を含め、文科省が明確に指摘している「日本大学の課題」を抜本的に解決していくには、次の3つの基本理念を大原則に据えて、そのもとで実効的な対応策を実行に移していくことが鍵を握る、と考えています。
I.「教学優先」の明確化と権力の分散化・民主化
II.統治システムの転換と組織運営の透明化
III.過去の悪弊の徹底解明と清算
以下に、この三大原則と各原則(基本理念)に関連する具体的な対応策について、提案致します。なお、本提案書は、大学に提出すると同時に大学外にも公表する予定です。
【追記1】有志161名のなかには、項目細部についての異見をもちながらも、事柄の重要性と緊急性に鑑み、大きな方向性で賛同するという方が少なからずおられることを申し添えます。
【追記2】本提案書では、大学付属の高校、中等教育学校、中学校、小学校、幼稚園、認定こども園、専門学校について記載することができませんでしたが、付属学校における様々な課題についても改善していく必要があることを付言しておきます。
【追記3】2021年5月1日現在の日本大学の教職員は7,077名、在籍学生(上記付属学校の生徒・児童等を含む)は117,723名を数えます。加藤理事長からの要請は学生らにも行われています。仮に教職員・学生総数の3%から意見書が出された場合、意見書の数は3,744件となります。これらを加藤理事長が10日間で全て読み、必要に応じて文科省宛ての報告書に盛り込むことは困難であると思われます。このことからすると、要請は社会や文科省に対する活動実績をつくるためのものではないかと穿った見方をしてしまいます。文書を集めた後の対応方法が書かれていない点は、疑問を感ずるところです。こうした疑義を払拭するには、全ての意見書の整理手順および結果を開示すること、並びに全ての意見書を日大再生会議に付託すると約束することが不可欠となるでしょう。この点について、大学のホームページなどで直ちにご回答いただくことを強く要望しておきます。
【追記4】日本大学が12月28日にホームページで発表した「日本大学再生会議の設置について」によれば、12月27日の理事会決定により設置された「日本大学再生会議」は、委員に学生・教職員・保護者・卒業生が含まれておらず、学内や卒業生・保護者の意見を聴取するかどうかも定かではありません。また、委員についても、誰がどういう観点ないし基準で選考したのかも一切つまびらかにされていません。再生の実働は紛れもなく現場教職員が行うわけですから、大学再生のロードマップには教職員の意見を反映させる必要があるでしょう。本提案書の「Ⅲ.過去の悪弊の徹底解明と清算」の「1.『日本大学再生会議』の役割」で詳しく述べる諸点は、日大を再生できるかどうかを決する最重要事項ですので、この提案に沿って同会議の人事や業務内容を改定することを強く求めます。
I.「教学優先」の明確化と権力の分散化・民主化
今回の井ノ口元理事や田中前理事長の逮捕・起訴に端を発する日本大学の一連の不祥事は、田中英壽前理事長体制によって教学ではなく「営利第一主義」の路線に切り替えられたことと権限・権力が一点に集中するピラミッド型の組織構造のあり方がもたらしたものです。この点は、2018年に起こった「日大アメフト問題」以来、日本大学教職員組合が繰り返し指摘してきたことでもあります。弊害の一因はまた、教育現場とほとんど接点をもたず、研究に対する理解も乏しい大学本部が、中央集権的に法人全体を支配・統御しようとしていたところにもありました。
そうであるとすれば、日本大学再生に向けて第一に掲げられるべき大原則は、「営利主義」から「教学優先」に、権力の「集中」から「分散」に舵を切ることです。これによって、学生や教職員一人一人の人権が最大限に尊重される民主的で風通しの良い大学に生まれ変わっていくことが何よりもまして目指される必要がある、と私たちは考えます。
このことを実現するために、次の4つの中項目と合計11の小項目を提案します。
1.批判的思考を養う教育と文化・社会に貢献する研究の充実・発展
(1)日本大学法人は「教育・研究機関」であるという、本来あまりに自明であるべきであった前提を、あらためて明確に打ち出す。
(2)「盤石な経営基盤」なる謳い文句を、「批判的思考を養う教育と、文化・社会に貢献する研究の充実・発展に向けて」に転換する。
(3)「日本大学の目的および使命」を、現行の「日本大学は、日本精神にもとづき、道統をたっとび、憲章にしたがい、自主創造の気風をやしない、文化の進展をはかり、世界の平和と人類の福祉とに寄与することを目的とする。 日本大学は、広く知識を世界にもとめて、深遠な学術を研究し、心身ともに健全な文化人を育成することを使命とする」から、「日本大学は、日本国憲法や国際連合憲章の精神に基づき、人権を尊重し、私学の本領を発揮し、自主創造の気風をやしない、文化の進展をはかり、世界の平和と人類の福祉とに寄与することを目的とする。 日本大学は、広く知識を世界にもとめて、深遠な学術を研究し、心身ともに健全な文化人を育成することを使命とする」に改める。
(4)日本大学が最も重視する「自主創造」の理念に則って、「学生自治」を保障し、学生自治会等の設立を促すと共に、大学の主人公たる学生が大学運営に積極的に参画できる道を開く。
2.本部機能の縮小と学部の自律性の強化
(1)各学部・部局の相対的自律性を確保する。これによって権力分散の実効性を高める。
(2)本部の「教育研究事務部門」は「調整機関」に機能縮小する。「学務」「研究」「学生」担当理事は、各学部のそれぞれの委員会委員長および事務課長による委員会を召集する。この委員会を、各部門の全学レベルでの「決定機関」と位置づける。これにより本部は、「管理事務部門」を中心業務とする法人全体の1セクションと位置づけられることになる。
3.スポーツ偏重からの脱却
(1)「スポーツ日大」なる標語を返上する。
(2)「競技スポーツ部」組織を根底的に見直し、入試、職員採用などでの優遇を廃止する。
(3)現に競技者として活動する学生の尊厳は、最大限に尊重する。
4.文化貢献
(1)大学を社会のなかでの文化発信の拠点と位置づけ、大学外とも連携した催しなどを開催し、「文化の場」であることを積極的に押し出す。
(2)その象徴として、カザルスホールを音楽会場として再開し、これまでの「文化破壊」を社会に向けて謝罪して新生を誓う。
II.統治システムの転換と組織運営の透明化
2012年に総長制が廃止されて以降、「学校法人日本大学寄附行為」のみならず様々な規程や規則が改定され、理事長の権限が大幅に強化されました。「理事長による専横」体制が構築され、学内における適正なガバナンスの執行を損なうことになってしまった根本原因がここにある、と言って良いでしょう。
そうであるとすれば、日本大学再生に向けて第二に掲げられる大原則は、寄附行為や諸規程・規則を抜本改正することによって、統治システムを大転換して組織運営の徹底的な透明化をはかり、学園自治を確立することが求められるでしょう。
このことを実現するために、次の12の中項目と合計48の小項目を提案します。
1.総長制度の復活
(1)大学の力点が「教学」にあることを示すためにも、教学の長が総長として大学を代表する。総長は、教学部門の責任者であるとともに、多岐にわたる法人各部局を代表する。
(2)退職者を含む教員の立候補制として、各部局で対面による、ないし同時双方向型Web会議システムを用いた立会演説会を実施し、教職員の直接投票で選出する。
(3)任期は1期3年で2期を上限とし、年齢上限は70歳とする。
(4)(2)によって選出された者に対して、大学院生を含む全学生による参考投票を実施し、反対票が全学生の半数以上を占める場合にはあらためて選考をやりなおす。
(5)学生および教職員に総長に対する解職請求(リコール)権を付与する。リコール制度の導入に関しては、以下の学部長・理事長に対するものを含めて別途検討する。
2.学部長の選出方法
(1)選出は現職当該学部所属教員の立候補制として、立会演説会を実施し、教員による直接投票で選出する。
(2)任期は1期3年で2期を上限とする。年齢上限は教員定年年齢とする。
(3)(1)によって選出された者に対して、全学部学生および全職員による参考投票を実施し、反対票が全学生および全職員の半数以上を占める場合にはあらためて選考をやりなおす。
(4)学生および教職員に学部長に対する解職請求(リコール)権を付与する。
3.理事長の選出方法
(1)理事長は管理部門の責任者とする。
(2)理事長は、理事会での議論を踏まえた総長の指名により、学外者から選出する。 「学外者」とは、日本大学に専任職歴ないし在学歴をもったことのない者を指す。
(3)任期は1期3年で2期を上限とし、年齢上限は70歳とする。
(4)(2)によって選出された者に対して、大学院生を含む全学生および理事を除く全教職員による参考投票を実施し、反対票が全学生および全教職員の半数以上を占める場合にはあらためて選考をやりなおす。
(5)学生および教職員に理事長に対する解職請求(リコール)権を付与する。
4.理事会の構成と理事の選出方法
(1)教学部門の理事が過半数となる構成とする。各学部長は理事を兼任するとともに、それ以外の理事の選任は評議員会が行う。
(2)理事の任期は1期3年で2期を上限とし、年齢上限は70歳とする。ただし教員選出理事の年齢上限は定年年齢となる。
(3)学部長理事がそれ以前に理事を務めていた場合には、学部長任期中は上記上限6年
を超していても学部長任期中は理事職にとどまる。
(4)女性理事割合を5割にする。そのための中期計画を策定する。
(5)理事のなかから互選により本部の事務部門分掌理事(「管理事務部門」では「総務」「財務」「人事」「管財」「広報」、「教育研究事務部門」では「学務」「研究」「学生」)を選出する。兼任はしない。
(6)総長、理事長、事務部門分掌理事の10名で常任理事会を形成する。
(7)理事会、常任理事会とも、会議には議事録を残して公開する。
5.評議員会の構成と評議員の選出方法
(1)評議員会は学部長以外の理事を選出するとともに、理事会をチェックし検証することを主とする。理事長や理事の解任権も有する。
(2)学部長以外の各学部教員選出の評議員を2名にする。校友選出の評議員枠を廃止または大幅に縮小する。「法人に関係ある学識経験者」に関しては「法人に関係ない学識経験者」に改める。
(3)評議員から選出された理事は評議員を兼任できない。
(4)評議員の任期は1期3年で2期を上限とし、年齢上限は70歳とする。ただし教員選出評議員の年齢上限は定年年齢とする。
(5)女性評議員割合を5割にする。そのための中期計画を策定する。
(6)評議員のなかから、本部の事務部門分掌理事(「管理事務部門」では「総務」「財務」 「人事」「管財」「広報」、「教育研究事務部門」では「学務」「研究」「学生」)に応じた担当評議員を充てて、その検証に責任をもつ。
6.監事の役割と構成
(1)監事は法人の業務および財産の状況を厳正に監査する。
(2)監事の過半数を日本大学に勤務した経歴を有しない者とする。
7.職員人事の透明化と公正化
(1)採用基準を明確化し、教職員から成る人事委員会を設置して、縁故採用の余地を残さない。
(2)大学の長等の推薦を定めた応募条件を変更し、日本大学内外からの平等な応募を可能にする。
(3)日本大学競技部採用枠を撤廃する。
(4)職員が日本大学出身者に偏っている状況を改め、国内外の多種多彩な人材を積極的に採用する。
(5)人事考課・昇格基準、人事異動内規を制定し、透明化する。
(6)課長以上の管理職の女性職員割合を5割にする。そのための中期計画を策定する。
(7)事務職員の労組加入者が皆無というのは明らかに異常である。従来も建前上は労組加入が人事処遇に何ら影響をもたらさないことになっていると承知しているが、改めてその旨を明示する。
8.教員の多様化の推進と教員人事の更なる透明化と公正化
(1)田中前理事長が掲げていた日大出身教員を60%にするとの努力目標を撤回する。
(2)教員の多様性を広げるため、国内外の多種多彩な教育・研究者を積極的に採用する。
(3)各部科校の研究教育の特性に応じた採用基準を明確化し、教員からなる人事委員会を設置して、縁故採用の余地を残さない。
9.競技スポーツ部の縮小と透明化
(1)「教学中心」の大学にふさわしい規模へと大幅縮小し、「学生部」管轄のもとに置く。
(2)「競技スポーツ部」に代わる部署の運営・経理等を完全透明化する。「競技スポーツ部」入試による入学者数、学費免除者数等を公開することも含む。
(3)「競技スポーツ部」入試枠を大幅縮小して、スポーツ科学部および文理学部体育学科に限定し、合否基準を明確に設けた「入学試験」として正常化する。入学試験点数を無視した「命令」をくだすことを、理事、学部長らに禁止する。
(4)スポーツ部の監督を日大出身者に限定せず、多種多彩な人材を登用する。
(5)将来的には、一定の入部試験を課すことで「競技スポーツ部」入試枠以外での入学者も入部できるよう改め、一部のエリート競技者への支援組織ではなく、学内および地域での「健康スポーツ」推進を広く担う組織へと機能転換させる。
10.日大事業部の清算
(1)(株)日本大学事業部を廃止する。
(2)「真実と和解委員会」(後掲)が、退職者を含む事業部の全職員から聞き取り調査をして悪弊を洗い出し、すべて公表する。
11.公益通報機関の適正化
(1)大学内に設置されている教職員向けの公益通報受付・相談窓口や学生向けの相談窓口はまともに機能しておらず、二次被害を生みだすことさえあったことを踏まえ、教職員および学生が安心して相談でき、問題に迅速に対応し、有効な措置をとりうる権限を有する機関に改める。
12.校友会の自浄
(1)校友会組織・運営の健全化も喫緊の課題である。しかしながら、大学からは独立した別組織である以上、校友会内部での「自浄」を期待するしかない。ただし、田中、井ノ口両被告を理事に選出した校友会がその責任を認めて再発防止措置を示すまで、校友会からの理事、評議員の選出は停止する。
III.過去の悪弊の徹底解明と清算
加藤理事長・学長は、12月10日の記者会見において、①田中前理事長との決別、②日本大学事業部の清算を視野に入れた見直し、③日本大学再生会議の設置、を宣言しました。3番目の「日本大学再生会議」については、明確に「暫定理事会」と位置づけるべきでしょう。暫定理事会の役割は、寄附行為や諸規程・規則の改定を行い、日本大学の制度・仕組みを根本的に改めて、新しい組織に引き継ぐことです。短期間で迅速に遂行することが求められます。
しかし、「過去の悪弊の徹底解明と清算」なくして、日本大学の抜本的な改革を成し遂げることはできません。そこで私たちは、かつて南アフリカ共和国がアパルトヘイト体制下で行われた弾圧や人権侵害などの過ちを解明・公表して、「民主化」のプロセスを推進する大きな役割を果たした「真実と和解委員会」(他の国々でも多数の事例があります)のような機関を設置することを提案します。これまでの体制を支えてきた理事らは、さまざまな悪弊を誰よりも知悉しているはずであり、それらを自ら明らかにすることが不可欠です。今後田中被告らからの暴露によってはじめて明かされるようなら、恥の上塗りと呼ぶだけでは済まされない倫理的な堕落を意味するでしょう。そのようなことにならぬよう、ただちに「自浄」を示すことが必要である、と私たちは考えます。
このことを実現するために、次の4つの中項目と合計30の小項目を提案します。
1.「日本大学再生会議」の役割
(1)現段階で加藤学長が理事長をも兼任して暫定的な措置を担うこと自体は致し方ないとはいえ、すみやかに「日本大学再生会議」に理事会権限を移行させる。その際には、寄附行為の附則に次項以降の内容を簡潔に書き加え、あくまでも「暫定的で一時的な措置」であることを明示する。
(2)「日本大学再生会議」は暫定理事会として位置づけられ、当面の大学運営にあたるとともに、日本大学の構造そのものを根底的に改善するべく寄附行為等の改定を行う。
(3)改定にあたっては、学内の教職員の意見を幅広くかつ丁寧に聴取する。
(4)「日本大学再生会議」設立時に、進行予定を示す。
(5)本会議には、他大学の学長・理事長等経験者、この間ジャーナリズムで日本大学の問題などに言及して論じてきた複数大学人、田中理事長体制を批判してきた唯一の学内組織である教職員組合の推薦する外部者複数名、そして教職員代表数名を加える。
(6)業務引継があることを考慮し、必要に応じて理事長を含む現理事から2名程度が参考人として会議に同席する。ただし発言権はない。
(7)寄附行為等の改定が終了し、あらたな総長以下理事を選出して、「日本大学再生会議」はその任務を終える。
(8)新体制の発足に伴い、現学長・理事長は退任する。
2.「真実と和解委員会」の設置と役割
(1)日本大学外部者のみから成る、1年程度の時限つきの「真実と和解委員会」(仮称)を設置する。
(2)委員会は「真実」を究明し、さらに以後の学内の軋轢を減ずることを目的とする。報復の悪循環を断つためにも、「処罰」を主眼とするものではない。
(3)委員には、経営側を顧客としていない弁護士を主として、田中理事長体制を批判してきた唯一の学内組織である教職員組合の推薦委員を複数加える。
(4)委員会は、経理面調査にあたる小委員会と、教職員らからの聴聞を主任務とする小委員会とから成る。
(5)経営面調査小委員会は、受注業者との癒着や業者からのキックバック、不動産投機などの調査を進める。時効案件等、刑事罰を問えない例を含め、調査結果を公表する。
(6)聴聞委員会は2021年11月段階で理事および管理職にあったすべての者から公開聴聞し、その結果を公表する。
(7)聴聞委員会は教職員、日本大学と取り引きのあった業者等からの「告発」を聴取し、それをもとに関係者を聴聞する。悪質な場合には刑事告発をする。
(8)聴聞委員会は教職員からの過去の過ちについての「自己告白」を聴取する。ただし自ら率先して認めた内容については、管理職にある者も含め、処罰対象としない。
(9)退職者を含め全教職員は、本委員会に個別案件の調査を求めることができる。委員会がその調査を拒否する場合には、合理的な論拠を示さなくてはならない。
(10)学内者による虚偽申告、意図的隠蔽には、懲戒免職を含めた厳しい措置で臨む。
(11)「真実と和解委員会」解散時には、必ず全貌を示しうる記録文書を刊行する。
(12)本委員会解散時には、それを引き継ぐかたちで学内にあらたに「校史検討委員会」を設立、歴代の日本大学における「負の歴史」の検証を行い、記録に残す。とりわけ古田会頭時代以降については、それに批判の声をあげた者たちの名誉回復を目指す。
3.理事長および理事の責任
(1)理事長は、常務理事から出されている辞任届を即時に受理して理事を解任する。
(2)理事長は、それ以外の理事から出されている辞任届を、暫定理事会として「日本大学再生会議」が組織され次第、すみやかに受理したうえで解任する。
(3)理事長は、学生に向けたビデオメッセージを作成し、この間の事態を説明し、自らの責任の所在を可能な限り早く明示する。
(4)現理事を含め田中前理事長就任以降のすべての理事は、自らの責任についての見解を文章として公表する。これは大学HP上で公開する。
(5)日本大学事業部の取締役を兼務していた理事には、厳正に損害賠償責任を取らせる。
(6)田中理事長時代の理事が今後日本大学法人およびその関連機関の役職に就くことを認めない。現学部長による理事は学部長任期期間のみ例外として認める。
4.可及的速やかに行うべき特記事項
最後に、再生会議が動き出す前に行うべき緊急性の高い4つの事項を特記しておきます。これらは、日本大学が、一連の不祥事を引き起こした逃れることが出来ない重い責任を自覚し、反省し、学生・教職員および社会に向けて責任を果たすことを明確に誓うためにも、直ちに実行される必要があるでしょう。
(1)現理事長は、現状知りうることについて十分に説明し、学生、教職員に改めて謝罪する。
(2)現理事長は、前理事長・理事・監事に対する損害賠償請求を直ちに行い、経営責任を問う。
(3)日大事業部との取引を直ちに停止することを宣言する。学内の日大事業部の自販機を速やかに撤去する。
(4)田中・井ノ口両氏(およびその関係者)の永久追放を実効ならしめるため、全教職員が事件関係者との接触をしないことを誓う。また本事件に鑑み、利益相反や人事・管理の規律違反など今回問題となったコンプライアンス項目について、これらに反しないことをあらためて全教職員が内外に宣言する。
以上
日本大学教員有志161名(学部別に五十音順に配列)
【法学部】石川徳幸(准教授)・大岡聡(教授)・大熊圭子(准教授)・香川七海(准教授)・児玉直起(特任教授)・斎藤史範(准教授)・前嵩西一馬(専任講師)・松島雪江(教授)・松山博樹(准教授)・匿名希望4名の計13名
【文理学部】石岡丈昇(教授)・石田浩(教授)・一條祐哉(准教授)・市原一裕(教授)・井手勇介(准教授)・井上優(教授)・大﨑愛弓(教授)・太田由加里(教授)・大野晋司(准教授)・大場博幸(教授)・岡隆(教授)・小川雄(准教授)・尾関智二(教授)・小野雅章(教授)・粕谷元(教授)・金丸龍夫(准教授)・上岡隼人(教授)・閑田朋子(教授)・北原鉄朗(教授)・久保木秀夫(教授)・久米依子(教授)・高榮蘭(教授)・後藤範章(教授)・小林貴之(教授)・澤田博司(教授)・渋谷哲也(教授)・十代健(教授)・鈴木理(教授)・鈴木功眞(教授)・諏訪徹(教授)・関口なほ子(教授)・武内佳代(教授)・竹内真司(教授)・竹下義人(特任教授)・竹村貴人(教授)・田中ゆかり(教授)・谷聖一(教授)・塚本聡(教授)・土屋好古(教授)・外川徹(准教授)・永井均(特任教授)・中尾有利子(准教授)・中里勝芳(特任教授)・中瀬剛丸(教授)・中村英代(教授)・初見基(教授)・浜田晋介(教授)・平野卓治(教授)・広田照幸(教授)・古川隆久(教授)・保阪靖人(教授)・牧野理英(教授)・松重充浩(教授)・三澤真美恵(教授)・村瀬雅之(准教授)・森ありさ(教授)・森島済(教授)・安井真也(教授)・山北輝裕(教授)・山中勝(教授)・山本大輔(准教授)・山本孝文(教授)・渡邉登紀(准教授)・藁谷哲也(教授)の計64名
【経済学部】坂野徹(教授)・岡本奈穗子(准教授)・高草木邦人(専任講師)・武廣亮平(教授)・村上英吾(教授)・山岸郁子(教授)・陸亦群(教授)・匿名希望(教授)の計8名
【商学部】石井美緒(准教授)・井上聰(教授)・金雲鎬(教授)・坂本義和(教授)・芝村良(准教授)・鈴木由紀子(教授)・須藤佳子(准教授)・高橋めぐみ(准教授)・竹内真人(教授)・竹村亮(准教授)・田村八十一(教授)・塚田典子(教授)・所伸之(教授)・西山秀人(教授)・長谷川勉(教授)・平澤克彦(教授)・安原伸一朗(准教授)・山本篤民(准教授)・吉原令子(教授)・劉慕和(教授)・匿名希望2名の計22名
【芸術学部】穴澤勇樹(助教)・上田薫(教授)・大熊敏之(教授)・奥山緑(教授)・尾崎弘征(教授)・古賀太(教授)・齋藤山人(専任講師)・櫻井歓(教授)・志村三代子(教授)・藤崎周平(教授)・松浦恵美(専任講師)・山口英峰(専任講師)・山﨑亮介(助教)の計13名
【理工学部】石川芳男(非常勤講師・元教授)・石浜弘道(非常勤講師・元教授)・江守央(准教授)・小早川悟(教授)・鈴木明(専任講師)・中根昌克(准教授)・吉田洋明(准教授)の計7名
【生産工学部】浦上大輔(准教授)・小谷幸(准教授)・塩見昌司(准教授)・清水明美(教授)・姫本宣朗(教授)・藤田育嗣(教授)・町田祐一(専任講師)・三角尚治(准教授)・三木久美子(准教授)・山岸竜治(准教授)・山城昌志(教授)・吉田亘克(教授)の計12名
【生物資源科学部】糸井史朗(教授)・糸長浩司(特任教授)・大西彰(教授)・菊地香(准教授)・小島隆人(教授)・笹田勝寛(准教授)・清水みゆき(教授)・須江隆(教授)・高橋巌(教授)・友田滋夫(准教授)・村田浩一(特任教授)・若林素子(教授)の計12名
【薬学部】匿名希望の計1名
【通信教育部】秋草俊一郎(准教授)・猪野恵也(准教授)・島田めぐみ(教授)・高綱博文(特任教授)・鍋本由徳(教授)・保坂敏子(教授)の計6名
以上、10学部・合計161名
なお、【国際関係学部】【危機管理学部】【スポーツ科学部】【工学部】【医学部】【歯学部】【松戸歯学部】【短期大学部】の8学部に関しては、期限までに賛同が得られませんでした。